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【2026】Agentic AIとは?AI Agentとの違い・特徴・事例まで徹底解説

ここ数年で生成AIが一気に普及しましたが、その先を見据えた新しい概念として「Agentic AI」という言葉を耳にする機会が増えてきました。単に文章や画像をつくるだけではなく、「状況を読み取り、自ら段取りを組みながらタスクを進めていく」仕組みが注目され始めています。

名前は聞くもののあまりわかっていなかったり、従来のAIとはどこが違うのか気になる方も多いでしょう。この記事では、Agentic AIの考え方や特徴、実際の活用シーンまで順を追って丁寧に解説していきます。

Agentic AIの概要と特徴

Agentic AIは、従来の生成AIよりも一歩進んだ「自律的に動ける仕組み」を備えたシステムのことです。単に指示を受けて内容を作るだけでなく、状況を読み取りながら必要な作業を洗い出し、最適な順番で進めていく力を持ちます。

複数のAI Agentを組み合わせ、互いに連携しながら目的に向かって進む点が大きな特徴で、複雑な業務をまとめて任せられる柔軟さが期待されています。大きな特徴を細分化すると、以下が挙げられます。

  1. 自律的にタスクを分解して実行できるAI
  2. 複数のAI Agentが役割分担して協調する仕組み
  3. 生成AIよりも「目的達成能力」が高い

それぞれ詳しく解説します。

①自律的にタスクを分解して実行できるAI

Agentic AIは、与えられた目的を達成するために「何を、どの順番で進めるべきか」を自分で整理し、作業を細かいステップに切り分けて実行できます。人間が手順を一つずつ指示する必要がなく、進行中に状況が変わった場合でも、その都度判断を更新しながら動けるのが特徴です。

これにより、障害対応や調査業務など、手戻りが起きやすいタスクにも強い柔軟性を発揮します。

②複数のAI Agentが役割分担して協調する仕組み

Agentic AIは、一つのAIがすべてを担当するのではなく、目的達成に必要な作業を複数のAI Agentに振り分け、連携しながら進めるのが特徴です。

検索、要約、判断、実行といった役割をそれぞれのエージェントが担い、人間のチームのように情報をやり取りしながら作業全体をカバーします。

③生成AIよりも「目的達成能力」が高い

生成AIは与えられた問いや指示に反応する形で動くため、基本的には単発タスク向きです。対してAgentic AIは、ユーザーのゴールを理解したうえで、複数の作業を連続してこなす仕組みを備えています。

結果が思わしくない場合は手順を見直すなど、目標達成のために主体的に行動を変えられる点が大きな違いです。より長いプロセスを任せたい場面で、その強みが発揮されます。

Agentic AI・AI Agent・生成AIそれぞれの違い

Agentic AI・AI Agent・生成AIそれぞれの違い

Agentic AI・AI Agent・生成AIは名前が似ているため混同されがちですが、役割や動き方には明確な違いがあります。それぞれの特徴をひと目で把握できるよう、ポイントを一覧にまとめました。

観点 Agentic AI AI Agent 生成AI
目的 目標を理解し、状況に合わせて複数の工程を組み立てながら動く高度なシステム ある特定の作業を自動でこなす、小さな自律プログラムの役割を担う 与えられた指示に沿って文章や画像などのコンテンツを生み出すことに特化
役割 チーム全体を束ねてタスクを進める調整役、兼プレイヤー 指示に従う道具や作業担当者 コンテンツ制作者
動作の特徴 マルチステップ処理や複数システム連携が可能で、環境を読みながら判断を更新する 単一タスク中心で、決められたルールに沿って処理する 反応型で、入力がなければ動作しない
判断能力 文脈を踏まえた推論や選択ができ、自律的に最適な行動を選び取る 事前設定された条件で判断するが、柔軟性は低い 基本はユーザーからのプロンプト頼り
行動範囲 システム操作、意思決定、改善サイクルまで一貫して担当できる 小規模な自動化作業や単純な処理に強い テキスト、画像、コード、音楽などの生成が中心
自律性 高い、自分で手順を変えたり、結果を見て修正したりする 限定的、決められたシナリオに従う形で動く ほぼなし、出力は常に入力依存
具体例
  • 障害対応エージェント
  • 自動調整エージェント
  • セキュリティ調査エージェント

など

  • RPAボット
  • シンプルなチャットボット
  • 推薦システム

など

  • ChatGPT
  • DALL-E

など

関係性 生成AIやAI Agentを束ねて、大きな目的に向けて動く統合システム Agentic AIを構成するパーツとして働く エージェント型AIの構成要素として利用されることが多い

一覧で見比べると、生成AIが「反応型のコンテンツ生成」、AI Agentが「特定タスクの自動化」、そしてAgentic AIが「自律判断を含む大きな目的達成」と、それぞれの立ち位置がはっきり分かれているのがわかります。

なお、そもそもの生成AIの概要についておさらいしたい方は、以下の記事も参考になるので、ぜひご一読ください。

【2025】生成AI(GenAI)とは?活用事例・おすすめツール・最新トレンドまで徹底解説

Agentic AIが注目される理由

ここでは、Agentic AIが注目される理由として、以下の3つを解説していきます。

  1. 業務の複雑なプロセスを丸ごと自動化できるから
  2. 人手不足を補う仕組みとして期待されているから
  3. 高度な判断・調整までAIが担えるようになるから

①業務の複雑なプロセスを丸ごと自動化できるから

Agentic AIが注目されている理由の一つに、複雑な業務プロセスをまとめて任せられる点があります。手順が多く、人が都度判断しながら進めていた作業でも、Agentic AIは目的に合わせてタスクを細かく整理し、必要な順番で自律的に進めてくれます。

途中で状況が変わっても柔軟に計画を見直せるため、従来の自動化では難しかったケースにも活用しやすく、現場の負担軽減に直結します。

②人手不足を補う仕組みとして期待されているから

多くの業界では人材不足が慢性的な課題になっており、限られた人手で業務を成り立たせる方法が求められています。Agentic AIは単純作業だけでなく、複数工程を含む業務もまとめて処理できるため、現場の作業時間を大きく削減できます。

担当者が本来の判断業務や企画に集中できるようになる点も大きなメリットで、人材確保が難しい組織にとって強力な支援役として期待が高まっています。

③高度な判断・調整までAIが担えるようになるから

Agentic AIは、状況の変化に合わせて手順を切り替えたり、判断を更新したりできるため、人が担ってきた複雑な調整業務にも対応しやすくなっています。ただ、その根底には生成AIやLLMの理解が必要なのも事実で、それらの基礎を押さえておくことで、より高度なエージェント運用にもつなげやすくなります。

生成AIセミナーでは、LLMの仕組みやプロンプト設計、実務での活用フローなどを体系的に学べるため、Agentic AIを扱う前提知識としても役立ちます。スキルを底上げしたい人にとって、最初の一歩として有効な選択肢となるでしょう。

Agentic AIの具体的な活用事例

Agentic AIの具体的な活用事例

Agentic AIの具体的な活用事例には、以下のようなものがあります。

  1. Webサービス障害対応の自動オペレーション
  2. 製造ラインの異常検知と自動調整
  3. CADや設計ワークフローの自動化支援

この章では、上記それぞれ詳しく解説していきます。

①Webサービス障害対応の自動オペレーション

大規模なWebサービスでは、障害の原因を特定したり、一次対応を判断したりする作業に多くの時間が取られます。Agentic AIを導入すると、ログ解析や異常箇所の切り分け、必要な対処手順の組み替えまで自動で進められるため、人の確認が入る前に復旧の方向性を整えられます。

状況に応じて手順を変更できる点が大きな強みで、対応スピードの向上や運用負荷の軽減に貢献します。

②製造ラインの異常検知と自動調整

製造現場では、設備の微妙な変化やセンサーの数値の揺らぎが品質に影響することがあります。Agentic AIは、ライン上のデータを常時見ながら「通常とは違う挙動」を察知し、必要があれば条件を調整したり、別工程に切り替えたりといった判断を自動で行います。

単に異常を見つけるだけでなく、その後のアクションまで一連で進められるため、安定稼働を維持するうえでとても有効です。

③CADや設計ワークフローの自動化支援

設計業務では、図面チェックや構造の再検討など、細かな判断が必要な工程が多く存在しますが、Agentic AIはCADデータを読み取り、誤差や注意点を洗い出したり、必要に応じて修正案を提示したりと、作業全体をサポートできます。

複数の工程を通して判断を積み重ねる作業にも強く、設計者の負担を減らしながら品質のばらつきを防げるのもメリットです。なお、以下の記事では、生成AIを客に使う方法について解説していますので、興味のある方はご一読ください。

【2025】生成AIをCADに使う方法!図面作成や依頼する手順を紹介

Agentic AIを導入する際の注意点

ここからは、Agentic AIを導入する際の注意点として、代表的な以下を紹介します。

  1. 誤判断を防ぐために監視体制が必要
  2. 既存業務フローの整理が不可欠
  3. データ品質が不十分だと性能が出ない

①誤判断を防ぐために監視体制が必要

Agentic AIは状況を読み取りながら自律的に動ける一方、判断をすべて任せきりにすると意図しない対応を選ぶ可能性があります。

特に障害対応や設計のように影響範囲が大きい業務では、AIが提示した結果を確認する仕組みや、必要に応じて人が介入できる体制は欠かせません。

②既存業務フローの整理が不可欠

Agentic AIをうまく活用するためには、現在の業務プロセスがどのように進んでいるのかを明確にし、ムダや属人化がないかを事前に整理しておくことが重要です。

工程が曖昧なままだと、AIに任せる範囲や判断基準が定まらず、期待した効果が出なくなってしまいます。

③データ品質が不十分だと性能が出ない

Agentic AIは、ログやセンサー値、業務データなどをもとに判断するため、入力データの質が低いと誤った結論にたどり着く可能性があります。たとえば欠損や偏りが多いデータでは、本来の能力を発揮するのは難しいでしょう。

導入前にデータの整理やクレンジングをするなど、「AIが正確に学習でき、円滑に動ける環境」を整えることが大切です。

AIの根本・土台をより理解したいなら生成AIセミナー

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Agentic AIをより有効活用していくためには、その基盤となる生成AIやLLMの仕組みを正しく理解しておく必要があります。タスク分解や判断の精度を左右するのも、結局は「土台となるAIの知識」があってこそです。

生成AIセミナーでは、LLMの仕組みやAIの考え方、プロンプト設計のコツ、業務での活用フローまで体系的に学べる内容が揃っており、これからAIを扱う上での足場固めにぴったりです。Agentic AIの運用をこれから本格的に進めたい方にとって、最初のステップとして役立つ講座になることは間違いありません。

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Agentic AIについてまとめ

Agentic AIは、単なる作業補助にとどまらず、目的に合わせて判断を変えながら複数の工程を進めていけるのが特徴です。生成AIやAI Agentとの違いを理解すると、その役割の広さや応用範囲の広がりがより鮮明になります。

AI AgentはWeb障害対応や製造現場、設計分野など、実際の業務で活かせる場面も徐々に増えつつあります。導入時の注意点を押さえながら、自社に合った形で取り入れ、業務の質や生産性の向上を図っていきましょう。

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