Webデザインでは、デザインのアイデア出しからコーディングまでを生成AIにサポートしてもらうことで、効率的に作業を進められます。
本記事では、無料・有料それぞれのおすすめAIツールを紹介します。また、生成AIを活用してWebページのアイディア出し・画像作成・コーディングまで効率化する、具体的な手順もご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
Webデザイナーの仕事はAIに奪われる?
Webデザイナーの仕事はAIで一部自動化できても、完全に奪われるわけではありません。むしろAIを活用して効率よく優れたデザインが生み出せる人材が今後は求められます。
定型的なコーディングや作業はAIに任せて、クリエイティブな仕事に時間を割くことでより高品質で独自性のあるデザインを実現できます。そのため、AIとうまく付き合うことで今からでもWebデザイナーを目指せるでしょう。
生成AIはWebデザイン以外の業種でも活用できる
生成AIの強みはWebデザインだけではありません。アイデアの提示や作業効率化ができるといった特徴を活かして、さまざまな業界で活用が進んでいます。
代表的な業界は以下のとおりです。
| 業種 | 活用例 |
| 建築業 |
|
| 製造業 |
|
| エンタメ分野 |
|
このように、生成AIは発想の支援と効率化の両面で役立つため、Webデザイン以外の領域でも導入が加速しています。
Webデザインの生成AIツールの選び方

Webデザインで使う生成AIツールを選ぶ際は、以下の項目を確認しましょう。
- 無料プランか有料プランか
- 登録やインストールが必要か
- 目的に合った機能が搭載されているか
- 商用利用が可能かどうか
これらの選び方について見ていきます。
①無料プランか有料プランか
生成AIツールには無料で利用できるものと有料で高度な機能を備えたものがあります。有料版では画像生成の回数制限がなくなったり、高解像度の出力や商用利用が可能になったりするため、仕事でWeb制作を行うなら、有料プランの導入も検討しましょう。
②登録やインストールが必要か
生成AIツールの中には、アカウント登録のみで使えるクラウド型のものと、パソコンにインストールして利用するタイプがあります。
クラウド型はすぐに使える手軽さが魅力ですが、ネット環境が必要です。一方、インストール型は安定して使える反面、PCのスペックや容量に影響を受けるため、自分の利用環境に合ったタイプを選ぶことが大切です。
③目的に合った機能が搭載されているか
コードの生成や提案を重視するのかや、画像生成をしたいのかなどによって、選ぶべきツールは変わります。コード生成の場合はChatGPT、デザインカンプ作成ならFigmaといったように、目的に合った機能が揃っているツールを選ぶことが大切です。
④商用利用が可能かどうか
生成AIツールを使って制作したデザインをサイトに利用する場合、商用利用の可否は必ず確認しましょう。規約を守らずに使用すると、著作権侵害や法的リスクが発生する可能性があります。
Webデザインにおすすめの生成AIツールおすすめ10選
Webデザインに使えるおすすめの生成AIツールを紹介します。無料と有料で分けて紹介しているので、用途に合わせて選択してみてください。
無料の生成AIツール5選
無料で使えるWebデザインのおすすめ生成AIツールは以下の5つです。
- ChatGPT
- Figma
- Canva
- Runway
- Microsoft Designer
これらのツールの特徴について見ていきましょう。
①ChatGPT

引用:ChatGPT
ChatGPTは、OpenAIが提供する対話型の生成AIです。Webデザインではキャッチコピーやページ構成のアイデア出しに加えて、HTML・CSS・JavaScriptなどのコード生成までサポートできます。
デザイン面だけでなくサイト構築作業の効率化にも役立つのが特徴です。
②Figma
Figmaは、Figma, Inc.が提供するデザインツールです。AI機能を使えばテキスト入力のみでデザインを自動生成できます。
チームでの共同作業にも向いており、Webサイトのデザインカンプ作成に最適です。
③Canva

引用:Canva
Canvaは、Canva Pty, Ltd.が提供するデザインツールで、AIによる画像や動画の生成機能を備えています。Webサイト用のバナー画像を短時間で作れるため、デザイン初心者にも扱いやすいのが魅力です。
さらに、AI以外の機能も充実しており、デザイン用途で幅広く活用できます。
また、Canvaの使い方を基礎から学びたい方は、Canvaセミナーがおすすめです。Canvaセミナーなら、Webデザインやバナー作成をCanvaで行う方法について学べます。
セミナー名 Canva基礎セミナー 運営元 GETT Proskill(ゲット プロスキル) 価格(税込) 27,500円〜 開催期間 2日間 受講形式 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング
④Runway

引用:Runway
Runwayは、テキストや画像から動画を生成できるAIツールです。Webサイトに使うオリジナル動画を作成できます。
また、画像の拡張もできるため、サイトに使う画像サイズが足りないという場合にも重宝します。
⑤Microsoft Designer

Microsoft Designerは、Microsoftが提供するデザイン生成AIです。OpenAIの画像生成モデルをベースにしています。
高品質な画像を無制限に生成できる点が強みで、Webサイトに掲載するオリジナル素材の作成に便利です。
有料の生成AIツール5選
有料のWebデザインで使えるおすすめ生成AIツールは以下の5つです。
- Midjourney
- Adobe Firefly
- Photoshop
- Illustrator
- InDesign
これらのツールの特徴について見ていきましょう。
①Midjourney

引用:Midjourney
Midjourneyは、テキストから高品質な画像を生成できるAIツールです。被写体やスタイルを固定できるため、複数パターンを比較しながら理想のビジュアルを作成できます。
Webサイト用のオリジナル画像を用意する際に活躍します。
②Adobe Firefly

Adobe Fireflyは、Adobeが提供する画像生成AIです。PhotoshopやIllustratorとシームレスに連携できるのが大きな特徴です。
著作権をクリアした素材を生成ができるため、安心してWebサイト制作に導入できます。
③Photoshop

引用:Photoshop
Photoshopは、Adobeの画像編集ソフトです。AI機能が搭載されており、生成塗りつぶしや画像拡張などを行えます。
Webデザインに使う画像のクオリティを上げたい場合に重宝するソフトです。
また、Photoshopの使い方を位置から学びたい方は、Photoshop基礎セミナー講習がおすすめです。人物の編集や幻想的な合成写真など、実務で使えるスキルを体系的に学習できます。
セミナー名 Photoshop基礎セミナー講習 運営元 GETT Proskill(ゲット プロスキル) 価格(税込) 27,500円〜 開催期間 2日間 受講形式 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング
④Illustrator

引用:Illustrator
Illustratorは、Adobeのグラフィックデザインツールです。AIを活用してイラストを自動生成したり、スタイルを変更してデザインを調整したりできます。
ベクターデータで出力できるため、解像度に左右されず高品質な素材を作成できます。
また、Illustratorの使い方をプロから学びたい方は、Illustrator基礎セミナーがおすすめです。Illustratorの操作方法からタイポグラフィックや3Dアイコン作成など、応用的なスキルの習得に励むことができます。
セミナー名 Illustrator基礎セミナー 運営元 GETT Proskill(ゲット プロスキル) 価格(税込) 27,500円〜 開催期間 2日間 受講形式 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング
⑤InDesign

引用:InDesign
InDesignは、AdobeのDTPソフトです。テキストから画像を生成したり、既存の素材を拡張したりできます。
そのため、Webサイトに掲載する画像の作成に活用可能です。
Webデザインの生成AIツールを使うメリット・デメリット
Webデザインの生成AIツールを使うメリットとデメリットについて確認していきましょう。
メリット
Webデザインで生成AIツールを使うメリットは以下のとおりです。
- 作業効率が向上する
- 多様なデザインアイデアを短時間で得られる
- 表現の幅を広げられる
Webデザインで生成AIツールを使う最大のメリットは、作業効率の向上です。テキスト入力だけでデザイン案やコードを生成できるため、従来よりも短時間で制作を進められます。
さらに、AIは膨大な学習データをもとに出力するため、多様なデザインアイデアを瞬時に得られる点も魅力です。自分では思いつかないデザインの提案を受け取ることで、発想や表現の幅が広がるでしょう。
デメリット
Webデザインで生成AIツールを使うデメリットは以下のとおりです。
- デザインスキルが身につきにくい
- オリジナリティに欠ける可能性がある
生成AIは便利な一方で、頼りすぎるとデザインスキルが身につきにくいのがデメリットです。また、AIが提案するデザインは既存のデータに基づいているため、オリジナリティに欠けるケースも少なくありません。
AIの出力をそのまま使うのではなく、必ず自分の工夫を加えることがスキル向上やオリジナリティを高めるために大切です。
ChatGPTを使ってWebデザインの効率的を上げる方法
実際に、ChatGPTとPhotoshopの生成AI機能を使って以下の手順でWebデザインを行ってみましょう。
- ChatGPTでアイデアを出す
- Webサイトに使用する画像をPhotoshopで生成する
- ChatGPTでHTML・CSSを生成する
- ChatGPTでJavaScriptを生成する
Webデザインに生成AIを活用することで、サイトのアイデア出しやコードの記述にかかる労力を大幅に減らすことができます。Webデザインの作業をAIで効率化できないかと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
①ChatGPTでアイデアを出す
Webデザインを始める際は、まずサイトのコンセプトや方向性を決めることが重要です。例えば、カフェのサイトを作りたい場合、ChatGPTを使えば、プロンプト次第ではキャッチコピーやページ構成のアイデア、さらにはタイトルやメタタグの候補まで提案してくれます。
実際に、以下のようなプロンプトを入力して案を生成してもらいました。
サイトのタイトルとメタタグを生成してください。
すると、以下のような結果が出力されました。

静かな時間を楽しむカフェ|Cafe Serenité(カフェ セレニテ)
心を落ち着ける空間で、香り高いコーヒーと手作りスイーツを。Cafe Serenitéは静かな時間を大切にする大人のためのカフェです。
ブラッシュアップしたい場合は、さらにプロンプトを追加して、イメージに近づくようにしましょう。今回は、こちらの生成結果をコンセプトとしてWebサイトのファーストビューまでを作成していきます。

②Webサイトに使用する画像をPhotoshopで生成する
Photoshopの生成AIを使えば、Webサイトに掲載する画像も自分で作成できます。フリー画像に好みの画像がない場合や、完全オリジナルの画像を使いたい場合におすすめです。
Photoshopを新規で開いたら、Ctrl+Aキーで全選択した後にコンテキストタスクバーにある「生成塗りつぶし」をクリックしましょう。プロンプト入力画面が表示されるので、今回は「おしゃれなカフェ」と入力してみました。

すると、以下のような画像が生成されました。

気に入った画像があればそのままCtrl+Shift+alt+Sキーから保存して、サイト制作フォルダーに保存しましょう。このように生成AIを使えば画像作成まで、AIにサポートしてくれます。
もっとこだわって自分でもPhotoshopを使いこなすぞ!という方は以下のように短期集中で実践力が習得できる、利用者満足度の高いセミナーもあるので検討してみてはいかがでしょうか。
Photoshopの生成AI機能を使いこなすためのヒントは、以下の記事に詳しく掲載しています。作成された画像の一部を置き換えたい、削除したいといったことも可能なのでご覧ください。
③ChatGPTでHTML・CSSを生成する
サイトのコンセプトが決まったら、次は骨組みとなるHTMLと見た目を整えるCSSを生成します。実際に入力したプロンプトは以下の通りです。
以下の指示に従って、HTMLとCSSを生成してください。ヘッダー左側にロゴ、右側にグローバルメニューを配置します。
画面全体にはメイン画像を表示して、その上にサイトのメインキャッチコピーとサブキャッチコピーを配置してください。
画像は後からスライドショーにするので、3枚確保して、それぞれ重ねてください。
画像のURLは、images/img1.jpg〜3でお願いします。
生成された結果をコードに貼り付けると以下のようなビジュアルになりました。本来であれば、時間をかけて試行錯誤しながら構築していくデザインもChatGPTを使えば数秒で生成が可能です。

また、WebデザインではWordPressの知識も求められます。以下の記事では、WordPressの使い方について解説しています。
④ChatGPTでJavaScriptを生成する
HTMLとCSSで見た目の基盤を作ったら、次は動きを加えてみましょう。アニメーションや動的な動作を実現するJavaScriptのコードも、ChatGPTで自動生成可能です。
今回は、ファーストビューのメイン画像をスライドショー形式で自動切り替えできるようにするため、ChatGPTに以下のプロンプトで指示を出しました。
3枚の画像を3秒ごとに切り替えるJavaScriptコードを生成してください。
生成されたコードをHTMLファイルに貼り付けて動作を確認してみます。

すると、実際に3秒ごとに画像が切り替わる動作が実装できていました。

うまく動作しない場合は、これまでのコードを貼り付けたり、不具合の部分を指摘したりする工夫が必要です。JavaScriptはHTMLとCSSと比較して学習コストのかかる言語なので、ChatGPTで自動生成することで、大幅に作業時間を短縮できます。
さらにクオリティを上げるには個人によるブラッシュアップが必要ですが、それでも生成AIを使えばアイデア出しからコードの生成まで幅広くサポートしてくれるので、ぜひ活用してみてください。
また、Webサイトに動きをつけるために必要なJavaScriptについては、以下の記事で解説しています。JavaScriptでできることを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
WebデザインにAIを活用する際の注意点

WebデザインにAIを活用する際は、以下の点に注意が必要です。
- 理想的なデザインが生成されるとは限らない
- ツールごとに得意分野・不得意分野がある
- 著作権を確認する
- セキュリティ・情報漏洩リスクに配慮する
WebデザインにAIを取り入れる際は、必ずしも理想的なデザインが得られるとは限らないため、生成結果を適切に修正する必要があります。また、ツールにはそれぞれ得意分野があり、各ツールの特徴を踏まえたうえで選択することが大切です。
ほかにも、著作権を確認することや、個人情報や機密データの取り扱いに伴うセキュリティリスクにも注意することが重要です。
WebデザインのAIについてのまとめ
今回は、Webデザインで使えるおすすめのAIツールについて紹介しました。生成AIは、Webデザインにおけるアイデア出しやコーディングの効率化に大きく役立ちます。
無料・有料問わず、多様なツールが存在するため、自分の目的やスキルに合ったものを選択して活用してみてください。