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【2025】設計を自動化する方法!CADソフトの作図や計算を効率化しよう

近年、設計業務の自動化が進んでいることをご存じでしょうか。
今まで人の手で作図しなければならなかった設計を、新たな仕組みや機能で自動化できるようになりました。

そこでこの記事では、設計を自動化する方法についてわかりやすくまとめました。
CADソフトなどに搭載されている自動化ツールの情報も紹介しているので、設計の効率化を実現する参考にしてみてください。

設計を自動化する方法

設計業務を自動化する方法は、大きく3種類あります。
具体的な自動化の方法を解説しているので、自社で導入できそうな方法がないかチェックしてみてください。

プログラミングによる実装

自社でよく発生するルーティン作業がある場合には、プログラミングで自動化システムを作成することにより、設計業務の一部または全体を自動化できます。

例えば、自動化をする際によく利用されるのがPythonといったプログラミング言語です。
AIの機能などを組み合わせつつ、設計業務の繰り返し作業などを自動化し、設計者の負担を大幅に削減できます。

ただし自社専用の自動化システムを作成する場合には専門のエンジニアが必要になるほか、外注費がかかることに注意が必要です。

マクロの活用

初心者から手軽に自動化を実装したい場合には、VBAのマクロを活用するのがおすすめです。

マクロとは、Microsoftが提供している「Excel」や、AutodeskのCADソフト「AutoCAD」などに搭載されているプログラミング機能のことです。設計の作図やデータの読み込みなどを自動化し、作図の効率化を実現できます。

例えば、Excelで作成した表をAutoCADとリンクさせることにより表の修正を自動化できるほか、測量情報を記入したExcelをもとに、AutoCAD上に座標点を反映するといった自動化が可能です。

なお、マクロは初心者からスタートしやすい一方で、スクリプトを組むために専門の知識が必要です。マクロについて学習をスタートしたいという方は、まず以下の記事をチェックしてみてください。

知ってるようで知らない!?エクセルのマクロ機能の使い方!

RPAツールの活用

設計業務を効率化する際には、一連の作業を繰り返し実施してくれるRPAツールが役に立ちます。

RPAツールとは、特定の動作を設定することにより、繰り返し処理をしてくれる自動化ツールのことです。設計業務でもよく利用されており、次のような製品などが提供されています。

  • WinActor
  • Cadropper

設計業務の種類にもよりますが、一連の動作を繰り返し実施できることから、設計検討で必要となる繰り返しの計算や、類似書類の作成などにRPAツールが役立ちます。国土交通省などが定めている様式などをRPAツールに組み込みつつ、設計の自動化を実施してみてはいかがでしょうか。

設計を自動化するCAD・BIMソフト

設計の自動化機能は、CAD・BIMといった作図ソフトにも導入されているとご存じでしょうか。
実際に自動化の機能をもつ製品を挙げつつ、利用シーンや活用方法を紹介します。

AutoCAD

AutoCADの自動化

2DCAD・3DCADの設計に利用できるAutoCADには、次のような自動化機能が搭載されています。

  • VBAのマクロによる自動化
  • アクションレコーダによる自動化
  • LISPを活用した自動化

まずAutoCADに搭載されているVBAでマクロを組めば、特定の作業をワンクリックで実施できます。表の情報を読み込んで反映するといった場合などに利用できます。

またアクションレコーダという機能は、一度自分が実施した作業を記録して、同じ動きを実施させる便利な自動化の機能です。設計や作図における繰り返し作業がある場合にはぜひアクションマクロを活用してみてください。

続いてLISPは、AutoCADに搭載されているプログラミング言語です。
データ変換や出力のほか、自動作図などを設定して、設計業務を効率化する際に役立ちます。

上記のうち、LISPの使い方を知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
便利なコマンドや関数の情報も解説しています。

【2024】AutoCADのLISPとは?便利なコマンド・関数一覧や活用例を解説

Revit

Revitの機能
出典:Autodesk公式サイト

Autodesk社が提供しているBIMソフトのRevitには、次のような自動化の機能が搭載されています。

  • BIMモデルによる2D図面の自動修正
  • Dynamo(ダイナモ)

まずRevitといったBIMソフトは、ベースとなる3Dモデルから2D図面を作成できます。
このとき、従来の設計だと修正が生じたら関連するすべての図面を1から修正していく必要がありました。

一方でRevitを含むBIMソフトでは、3Dモデルを修正するだけで、関係する2D図面がまとめて自動で修正されます。手間のかかる修正を自動化できるため、設計の効率を大幅に向上できるでしょう。

また、Revitではビジュアルプログラミングツールの「Dynamo」という機能を利用できます。
ノードと呼ばれる設定の箱をつなげていくだけで、自動化の仕組みを設計できるのが魅力です。

SOLIDWORKS

SOLIDWORKSの機能
出典:SOLIDWORKS公式サイト

3DCADソフトのSOLIDWORKSには、設計作業を自動化できるAPIが公開されています。

APIとは、ソフトウェアやプログラム、Webサービスをつなぐインターフェースのことであり、SOLIDWORKSに搭載されているマクロと組み合わせることで、次のような自動化の仕組みを用意できるのが魅力です。

  • 複数のファイル形式を一括で出力する
  • 設計業務でよく使う設定に書き換える

上記のように、APIとマクロを活用すれば、自由自在な自動化を実現できます。
APIの種類を覚えるのに時間はかかりますが、それ以上の効果を期待できるでしょう。

設計を自動化するメリット

設計業務の自動化を実現できれば、今まで人力で実施していた作業を減らし、業務の効率化を実現できます。具体的なメリットを紹介しているので、あてはまる項目がある際には、ぜひ自動化を検討してみてください。

設計検討の時間を確保しやすくなる

設計の自動化を実現できれば、今まで単純作業や雑務に忙殺されていた「設計検討の時間」を確保しやすくなります。

設計業務は設計図を作り上げる過程で、何度もトライアンドエラーを繰り返して完成を目指すのが一般的です。しかし、設計業務のなかでは計算や書類の作成といった単純作業や雑務が何度も発生します。

そのため設計担当者は、期日までに設計を完成させるために残業や休日出勤などに対応しなければなりませんでした。

一方で、設計を自動化して雑務を省略できれば、その分だけ設計検討に集中できます。
短期間で設計を終えられるほか、設計者の負担を減らせるのが自動化のメリットです。

資料作成や計算のミスを削減できる

設計業務の自動化を実現できれば、今まで発生していた次のようなミスを削減しやすくなります。

  • 資料作成の誤字脱字
  • 数量計算や設計計算の条件入力ミス
  • 金額算出のミス
  • ソフトの設定条件のミス

例えば、自動化ツールにあらかじめ計算方法や書類作成の文章テンプレートなどを読み込むことにより、様式の整った資料や計算書を出力できるようになります。人力の場合、データのコピー&ペースト、入力などでミスが発生するため、手戻りのリスクを削減しやすくなるのが魅力です。

もちろん、最終チェックは設計担当者が実施しなければなりません。
ただ、あらかじめテンプレートを活用しているため「計算が自動化された項目を省く」「テンプレートの文章はチェックを省略する」というように、チェック範囲を必要最小限に抑えられます。

設計を自動化するプロセス

設計自動化のプロセス

これから設計業務の自動化に動き出す方向けに、自動化する項目を決め、実現するまでのプロセスを以下に整理しました。

  1. 設計業務の課題や発生する単純作業を抽出する
  2. 自動化を適用できるツールやソフトウェアを選定する
  3. 自社向けの自動化手順をカスタマイズする
  4. テスト運用をして効果を測定する
  5. 設計業務に導入する

なかでも重要なのが、課題の抽出とツールの選定です。

まず課題が明確になっていなければ、どのような自動化を実施すべきか検討できません。
確実に効果を期待できる自動化ツールなどを導入するためにも、ヒアリングなどを実施し、課題解決の優先順位を決めるとよいでしょう。

次に、自動化ツールのほとんどは有料です。
自社との相性が悪いと費用対効果を生み出せないこともあるため、導入前にメーカー相談やデモなどを受けて確実に自動化を実現できるツールを選びましょう。

また、既存ソフトウェアに搭載された自動化の機能を活用していない(触れていない)というケースも少なくありません。設計業務に活用するCAD・BIMソフトには豊富な自動化機能が搭載されているため、この機会に活用してみてはいかがでしょうか。

AutoCADの設計自動化をセミナー講習で学習しよう

AutoCAD自動化セミナー

設計業務でAutoCADを利用する機会が多いのなら、まずはAutoCADを活用した設計の自動化からスタートするのがおすすめです。

例えば、VBAやLISPを使ったプログラミングにより、作図や設定、データ変換などを自動化できます。またアクションマクロの機能を使って、繰り返し作業を自動化することも可能です。

しかし、AutoCADの自動化に関する知識がないという方も少なくないでしょう。
そこで、効率よく設計自動化の仕組みを学びたいなら、まずはAutoCADの自動化について学べるセミナーに参加してみるのはいかがでしょうか。

実践的に学べるAutoCAD自動化セミナー」では、AutoCADの自動化に役立つ情報や使い方を学べます。会場受講・ライブウェビナーを利用してAutoCADの自動化をマスターできるので、ぜひ参加を検討してみてください。

参加方法 会場受講(東京)
ライブウェビナー(全国)
料金(税込) 会場受講:38,500円
ライブウェビナー:38,500円
受講期間 2日間
学習内容 ・AutoCADの自動化の準備
・AutoCAD LISPの使い方
・AutoCADとExcelの連携

設計の自動化についてまとめ

設計業務の自動化を実現できれば、その分だけ設計検討にかける時間を確保しやすくなり、設計のクオリティアップを期待できます。また自動化は、残業時間の短縮など設計者にとってメリットの大きい対策です。

もし設計の自動化をスタートしたいなら、現在利用しているCADソフト・BIMソフトの自動化機能の活用をおすすめします。プログラミング言語やExcelなどを使って自動化できるので、ぜひチャレンジしてみてください。

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