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生産マイスターの受講で得られるものとは?工場業務のノウハウを学べる人材育成プログラム

ものづくりの現場における人材育成として、日本能率協会マネジメントセンターが「生産マイスター」と呼ばれる育成プログラムを定期開催しています。では、生産マイスターではどのようなノウハウを学べるのでしょうか。

今回は、生産マイスターのニュースから、プログラムの概要や得られるノウハウ、受講するメリットについて深掘りします。工場業務のノウハウを学ぶ参考として、生産マイスターについての知識を深めていきましょう。

日本能率協会マネジメントセンターが開催する生産マイスターとは?

生産マイスターの受講

日本の少子高齢化問題をが加速する問題を打破すべく、国土交通省がDX(デジタル・トランスフォーメーション)を推奨するようになりました。それに付随し、ものづくりの現場ではDX人材を育成するために、効率的かつ着実性のある方法を見つけ出さなければなりません。

しかし、自社にDXのノウハウが不足している工場の場合、期待できる品質でDX人材を育成できない問題が挙がってきます。そこで今注目されているのが、生産マイスターと呼ばれる人材育成プログラムです。

生産マイスターは、企業の経営課題解決の支援を提供する日本能率協会マネジメントセンターの人材育成プログラムであり、工場に関わる以下の業種を対象にサポートを提供しています。

  • 自動車
  • 産業機械
  • 素材
  • 食品
  • 製薬

生産マイスターは、すでに累計18万名が受講している人気の育成プログラムです。
新人から工場長までレイヤーの異なる人材に向けた実践的な育成プログラムが用意されています。

生産マイスターのプログラム内容

生産マイスターのプログラムは、ものづくりに関わる企業向けに、業種、役職に分けた豊富な実践的なプログラムを提供しています。参考として生産マイスターのプログラム内容を詳しくまとめました。

ベーシック級コース

生産マイスターのなかでも、若手や新人向けに提供されているのがベーシック級コースです。

業務の基礎知識やマインドの習得を目的としたカリキュラムが用意されており、社会人として必要な考え方やチームワークコミュニケーションの実践的研修、また工場での安全性を高めるヒヤリハットの知識を学べます。

3級コース

生産マイスターの3級コースでは、工場リーダーを対象とした業務管理のプログラムが用意されています。

例えば品質向上に欠かせないPDCAの回し方を学べるほか、DXに欠かせないスマートファクトリーの考え方などが身に付くのが特徴です。また、業務内で発生する無駄を可視化することにより、生産性を高めるためのノウハウを学べます。

2級コース

生産マイスターの2級コースは、工場ラインを任せられる第一線で働く監督者向けの人材育成プログラムです。

業務一連の流れに関する効率化・品質向上のノウハウがわかるほか、サプライチェーンとの連携や発注・発送の手配など、計画的に業務を進める方法を学べます。またライン全体を管理する立場として、安全・環境・衛生の管理など、検査を通過するためのノウハウが身に付きます。

1級コース

生産マイスターの1級コースでは、工場長・管理者といった施設を任せられる人物に向けた人材育成プログラムが提供されます。

経営に関する知識の習得はもちろん、継続的に利益を生み出すためのコストマネジメントなどを学べるのが特徴です。さらには、ベーシック級コース~2級コースまでの対象者に向けた管理指導やルールの設定など、工場管理に欠かせないノウハウを習得できます。

生産マイスターといった講習に興味がある方は、あわせてオンラインセミナーでDX化・IoT化の知識を身に付けるのがおすすめです。以下のようなオンラインセミナーを受講できるので、ぜひチェックしてみてください。

生産マイスターでは実践的なプログラムを実施

実践的な講習を受講できる

生産マイスターは、一般的な学習方法である座学ではなく実践的なカリキュラムを豊富に取り入れた人材育成プログラムが用意されています。参考として、プログラムで実施される項目を下表にまとめました。

学習プログラム 生産マイスターの内容
通信教育 Webサービスを通じて認定講師から指導を受けられる
実力テスト テストを合格することにより次の給へランクアップできる
ものづくり相談室 プログラムや業務に関する疑問の解決ができる相談室をいつでも利用できる

日本能率協会マネジメントセンターが用意した専用の学習テキストを用いながら、自分で考え、書いて内容を理解していくのが生産マイスターの学び方です。記憶の定着をアップさせるラーニングノートなど、豊富な資料を使いながら人材育成プログラムを進められます。

生産マイスターによる人材育成プログラムのゴールとは?

生産マイスターによる人材育成は、ただ知識やノウハウを一方通行で伝えるだけではなく、卒業試験として受講者にしっかりと知識が身に付いているのか確認されます。

卒業試験は年3回実施されており、法人単位で受講している企業であれば、自社施設内を会場として利用できるのが特徴です。生産マイスターの最終的なゴールは受講者への知識・ノウハウの定着であることから、受講に伴う費用対効果を得やすくなります。

ちなみに累計18万人の受講者のうち、卒業試験に挑戦したのは20%程度の4万5,000人です。
合格率が60%とやや難易度の高い試験が用意されています。

生産マイスターの必要性

必要性や課題のイメージ

近年、日本で起きている問題や世界情勢の影響を受け、生産マイスターの必要性が高まってきています。なぜ生産マイスターで工場業務の知識やノウハウを学ぶ必要があるのか、具体的な理由を3つまとめました。

人材不足が加速している

少子高齢化が進む日本では、さまざまな業界で人材不足が加速しています。
その中には工場業務も含まれており、十分な技術継承ができないほか生産ラインを動かすための人材が不足している影響で、規模が縮小している工場も少なくありません。

生産マイスターでは人材不足の問題を解決する業務効率化やDX化の知識を学べます。
少ない人員で効率よく業務を進行するノウハウを学ぶことにより、人材不足を解消しやすくなるのが魅力です。

同業他社との競争が加速している

近年では、技術の発展に伴い、数多くの企業が業務改善や生産性向上の施策に取り組んでいます。

しかし、中小企業のなかには新技術の話に疎く、同業他社から技術面で大きく突き放されることが少なくありません。対して、生産マイスターでは、業務改善に役立つ知識や生産性向上のノウハウを実践的な方法で学べます。

自社だけで現代の経営の進め方についていけないとお悩みなら、生産マイスターで新たな知識を身に付けるのがおすすめです。

材料費が高騰している

製造業に関わる企業の多くが、材料費の高騰に悩んでいます。
そういった状況で継続的に利益を生み出すためには、業務の効率化を進めることはもちろん、コストの削減に取り組むことが欠かせません。

生産マイスターでは、業務を効率的に進行する知識や、業務の無駄を可視化するノウハウを学べます。材料費が高騰した際の対策についても学べることから、情勢の変化に強い企業をつくるために生産マイスターで知識を学ぶことが重要です。

製造業のDX化について詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
DX化の事例や手順を解説しています。

製造現場のDXとは?解決すべき課題・導入手順・企業事例を紹介

生産マイスターを受講するメリット

生産マイスターの効果・メリット

生産マイスターを受講することにより、工場業務の効率化やDX化を進めやすくなります。
具体的なメリットを3つ整理しました。

工場業務の生産性が向上する

生産マイスターの講習を受ければ、新人はもちろん工場長、経営者まで役職に合った知識やノウハウを習得でき、各人が行う業務に生産マイスターで学んだ知識や技術を取り入れやすくなります。

例えば、従業員の行動がひとつ変化すれば、工場ライン全体の効率化を実現しやすくなるのが魅力です。業務効率を落としている点を可視化しやすくなるため「手間のかかる業務を改善したい」「残業時間の超過を減らしたい」という場合に生産マイスターの受講をおすすめします。

工場DX化の理解が深まる

生産マイスターを工場の従業員全員が受講すれば、役職を問わず各人の知識や新技術への理解度が高まるため、以前と比べてより一層工場のDX化を進めやすくなります。

従来、DXの担当者は社内に少数の人が担当するのが一般的でした。
しかし、上司や管理者、工場長などにDXの提案をしても導入後のイメージができずに、提案を却下されるのが実情です。

対して生産マイスターで工場の従業員が受講すれば、組織全体で業務効率化やDX化の理解が深まります。提案への合意形成を得やすくなることから、生産マイスターの受講は「効率よくDX化を進めたい」「社内での情報共有を効率化したい」という企業におすすめです。

サプライチェーンを含めた業務効率化を実現できる

工場業務を効率化するためには、自社工場だけでなく、以下に示すサプライチェーンとの連携が欠かせません。

  • 部品発注先の会社
  • 運送会社
  • 製品の販売店

しかし、他社を効率よく動かすのは簡単ではありませんし、時間もかかります。
対して生産マイスターを活用して、自社およびサプライチェーン企業が協力して参加し合えば、他社間との協力も難しくありません。

サプライチェーンの効率化を実現できれば、その分だけ生産ライン全体の効率化を図れます。
余力を持って業務を進行できることから、事業の拡大や受注の増加などに取り組みやすくなるのが生産マイスターの魅力です。

もしサプライチェーンに興味をお持ちなら、以下の記事をチェックしてみてください。
リスクや問題点、解決策について解説しています。

サプライチェーンとは?企業マネジメントのポイントや問題点・具体例を簡単に解説

生産マイスターについてまとめ

生産マイスターでは、新人から工場長まで役職に分けた工場業務・管理の知識・ノウハウを学べます。また、受講して終わりではなく卒業試験も準備されていることから、知識が定着されているのかすぐにわかるのが魅力です。

すでに18万名が受講している人気の講習ですので、この機会に生産マイスターの受講について検討してみてはいかがでしょうか。

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