「NTTの生成AIサービスを業務に活用したいが、どのサービスを選べばよいかわからない」「生成AIで作業効率を上げたいものの、自社の業務に本当に合うのか判断できない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
NTTグループでは、さまざまな業務に対応した生成AIサービスが展開されています。しかし、NTTの生成AIといっても、提供会社やサービスごとに特徴、活用領域、導入支援の範囲は異なります。
そこで本記事では、NTTの主な生成AIサービスを紹介しながら、生成AIで効率化できる業務や、導入前に確認すべき比較ポイントをわかりやすく解説します。
NTTの生成AIとは?

出典:NTT
NTTの生成AIとは、NTTグループが研究開発・実用化を進めるAI技術や、NTTグループ各社が法人向けに提供する生成AIサービスを指します。NTTでは、NTT版生成AI「tsuzumi」をはじめ、安全で信頼できるAIの社会実装に取り組んでおり、AIの利活用に伴うリスクマネジメントにも力を入れています。
また、NTTの生成AIは、文章作成や要約だけに限られるものではありません。NTT DATAでは、生成AIを業務プロセス全体に活用する考え方や、AIエージェント、システム構築、AIガバナンス整備などの支援を展開しています。
NTTの生成AIサービス・ソリューション
NTTでは、さまざまな生成AIサービス・ソリューションが提供されています。ここでは、主に4つ紹介します。
- NTTスマートコネクト|法人向け生成AIサービス
- NTT DATA|生成AI活用コンサルティング・システム構築
- NTTドコモビジネス|CX・EX・CRX領域
- NTT東日本|ミンクスプラス生成AI
①NTTスマートコネクト|法人向け生成AIサービス

出典:NTTスマートコネクト
NTTスマートコネクトの法人向け生成AIサービスは、企業や自治体が安全性を確保しながらNTTの生成AIを業務に取り入れたい場合に向いているサービスです。日常的に発生する事務作業を効率化しやすい点が特徴です。
Azure OpenAI Serviceを利用しており、入力データが学習に使われない点や、利用ログ、IP制限などの管理機能も用意されています。
②NTT DATA|生成AI活用コンサルティング・システム構築

出典:NTT DATA
NTT DATAの生成AIサービスは、業務プロセスやシステム全体に生成AIを組み込みたい企業に向いています。NTT DATAでは、
- 生成AI活用コンサルティング
- 生成AI活用システム構築
- AIガバナンス整備
などを提供しており、業務課題の整理から活用シーンの設計、アプリケーションやAI基盤の構築、運用体制の整備まで幅広く支援しています。
③NTTドコモビジネス|CX・EX・CRX領域

出典:NTTドコモビジネス
NTTドコモビジネスの生成AIソリューションは、顧客対応、従業員支援、IT運用支援など、業務領域ごとに生成AIを活用したい企業に向いています。主に以下2つのソリューションが提供されており、それぞれの特徴は以下の通りです。
| 生成AI | 特徴 |
|---|---|
| CXソリューション | 問い合わせ対応の効率化や応対品質の向上につなげやすい |
| EXソリューション | 社内問い合わせ対応や情報検索の負担軽減を図れる |
さらにCRX領域では、セキュアなICT環境やIT運用の支援も含めて、生成AIを業務基盤に組み込む考え方が取られています。
④NTT東日本|ミンクスプラス生成AI

出典:NTT東日本
NTT東日本のミンクスプラス生成AIは、社内の独自データを活用できるAIチャットボットサービスです。日々の業務を支援できるほか、業務に特化したAIエージェントをノーコードで作成できる点が特徴です。
一般的な生成AIでは社内規定やマニュアルに基づいた回答が難しい場合がありますが、ミンクスプラス生成AIでは社内データを活用することで、業務文脈に沿った問い合わせ対応やナレッジ検索に使いやすくなります。
さまざまな生成AIサービスを紹介しましたが、生成AIを活用するなら「生成AIセミナー」の受講を検討しましょう。生成AIセミナーでは、短期間で生成AIを活用した具体的な業務効率化方法や、Webアプリ作成など応用的なスキルまで学習が可能です。
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| セミナー名 | 生成AIセミナー |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 29,700円〜 |
| 受講期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
NTTの生成AIサービスを選ぶ前の比較ポイント

ここからはNTTの生成AIサービスを選ぶ前の比較ポイントについて3つ紹介します。
- 既存業務に無理なく組み込めるか
- 社内ルールや業務文脈に沿った回答ができるか
- セキュリティリスクへの対応はあるか
①既存業務に無理なく組み込めるか
NTTの生成AIサービスを選ぶ際は、まず既存業務に無理なく組み込めるかを確認する必要があります。現場の作業手順から外れていると、導入しても使われないまま終わる可能性があります。
たとえば、
- 日報やメール文面の作成
- 議事録の要約
- 社内資料のたたき台作成
など、日常業務の延長で使えるものは現場に定着しやすいです。NTTの生成AIを検討する際は、機能の多さよりも「今の業務のどこで使えるか」を考えましょう。
②社内ルールや業務文脈に沿った回答ができるか
NTTの生成AIを法人利用する場合、社内規定、業務マニュアルなどを踏まえて、自社のルールや業務文脈に沿った回答ができるかを確認する必要があります。
特に、総務・人事・情報システム部門への問い合わせ対応や、社内ナレッジ検索に生成AIを使う場合、回答の根拠がわからないと実務では使いにくくなります。NTTの生成AIサービスを比較する際は、RAGの有無だけでなく、ナレッジ整備、更新運用まで確認すると判断しやすくなるでしょう。
③セキュリティリスクへの対応はあるか
NTTの生成AIサービスを企業で使う場合は、セキュリティリスクへの対応も確認しておきましょう。経済産業省が公表する「AI事業者ガイドライン」でも、生成AIには知的財産権侵害や偽情報・誤情報の生成など、従来のAIとは異なるリスクがあるとされています。
| 主なリスク | 起こり得る問題 |
|---|---|
| 機密情報・個人情報の入力 | 社外秘の資料、顧客情報、契約内容などを生成AIに入力してしまう |
| 利用状況のブラックボックス化 | 誰が、どの業務で、どのようにNTTの生成AIを使っているか把握できない |
| 権限外の情報参照 | 本来見られない社内文書をRAGやナレッジ検索で参照してしまう |
| 外部からの不正アクセス | ID・パスワードの流出や社外ネットワークからの不正利用が起こる |
| 不適切な回答・誤情報の利用 | 生成AIの回答をそのまま使い、誤った判断や社外発信につながる |
NTTの生成AIサービスを比較する際は、こうしたリスクに対して、どこまで管理・統制できるかを見ることが重要です。以下の記事では、生成AIのガイドラインやリスクについて、より詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
NTTの生成AIはどんな企業におすすめか

ここでは、NTTの生成AIサービスやソリューションがどんな企業におすすめなのかについて紹介します。
- 社内利用の安全性を重視して生成AIを導入したい
- 社内マニュアルを活用して問い合わせ対応を減らしたい
- コンタクトセンターや顧客対応の品質を標準化したい
①社内利用の安全性を重視して生成AIを導入したい
NTTの生成AIは、社内利用の安全性を重視しながら生成AIを導入したい企業におすすめです。一般向けの生成AIをそのまま業務で使う場合、先述で紹介したリスクは高くなります。
そのため、企業で生成AIを使うなら、管理者が利用状況を確認できる仕組みやアクセス制限などが重要です。その点、NTTの生成AIは力を入れているため、安全性を確保しながらNTTの生成AIを社内展開したい企業に向いています。
②社内マニュアルを活用して問い合わせ対応を減らしたい
NTTの生成AIは、社内マニュアルや規定、FAQを活用して問い合わせ対応を減らしたい企業にも適しています。総務、人事などの部門には、「この申請はどう進めるのか」「社内規定ではどうなっているのか」といった定型的な質問が多く寄せられます。
こうした問い合わせを毎回担当者が個別に対応していると、本来注力すべき業務に時間を割きにくくなります。そのため、社内マニュアルを生成AIで検索・回答に使えるナレッジに変えたい企業に向いています。
③コンタクトセンターや顧客対応の品質を標準化したい
NTTの生成AIは、コンタクトセンターや顧客対応の品質を標準化したい企業にもおすすめです。問い合わせ対応の現場では、オペレーターごとに回答のスピードや説明のわかりやすさが変わったり、通話後の記録作成に時間がかかったりすることがあります。
また、ベテラン担当者の経験に頼りすぎると、ナレッジが属人化し、新人教育にも時間がかかります。そこでNTTドコモビジネスの生成AIソリューションでは、リアルタイム検索、自動要約などにより、通話時間や後処理工数の削減と人材育成の効率化を支援できます。
NTTの生成AI活用事例

最後にNTTの生成AI活用事例を2つ紹介します。
- 航空券予約システムのJavaバージョンアップ作業を生成AIで効率化
- バグチケットの報告文書チェックでプロジェクト管理を高度化
①航空券予約システムのJavaバージョンアップ作業を効率化

出典:経済産業省
NTT DATAグループでは、航空券予約システムのJava 8からJava 17へのバージョンアップ作業に生成AIを活用しています。変換指示やコーディング規約、「良い変換例」などをプロンプトに含め、変換精度を高める設計になっている点が特徴です。
全量約16,000Stepのうち約5%に非互換があり修正が必要だったとされ、生成AIの活用により修正にかかる時間を大幅に削減しています。
②バグチケットの報告文書チェックでプロジェクト管理を高度化

出典:経済産業省
NTT DATAグループでは、プロジェクト管理の高度化にも生成AIを活用しています。具体的には、バグチケットの報告文書をAIでチェックし、チケットの差戻しにかかる工数を削減する取り組みです。マイグレーション開発の試験では、類似バグが大量に発生する可能性があり、バグチケットの内容が不十分だと、確認の差戻しや対応の滞留が起こりやすくなります。
そこで、NTT DATAでは、バグ対応の各プロセスに生成AIによる報告文書チェックやレコメンドを導入し、チケット精度の向上を図っています。AIの報告文書チェックにより、バグチケット起票時の差戻し割合が減り、差戻しに関わる工数も大幅に削減しています。
以下の記事では、NTTの生成AIに限定せずさまざまな生成AIの活用事例について紹介していますので、あわせてご覧ください。
NTTの生成AIについてのまとめ
NTTの生成AIを選ぶうえで重要なのは、自社の業務課題に対してどこまで実用的に使えるかを見極めることです。生成AIは、文章作成や要約だけでなく、幅広い業務の効率化に活用できます。
一方で、社内データを扱う以上、セキュリティや権限管理まで確認しなければ、現場に定着しない可能性もあります。NTTの生成AIサービスを比較する際は、機能の多さだけで判断せず、既存業務との相性、社内ルールへの対応を踏まえて選ぶことが大切です。