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AI 【2025】AIを使ったスマート農業とは?導入事例10選・種類や効果・メリット・デメリットも解説

【2026】スマート農業のAI導入事例13選!種類や効果・メリット・デメリットも解説

製造業や建設業で顕著な人手不足は、農業においても同様に深刻な問題です。

農業分野の有効求人倍率は、2009年以降、常に全職業の平均を上回る水準で推移しており、2014年以降はついに1.0倍を超えました。このような人材不足が続く中、AIやICTの力で農業を変革する「スマート農業」が注目されています。

この記事では、AIを使ったスマート農業についてわかりやすく解説します。

AIを農業に導入した13の事例、メリットやデメリットもお伝えするので、ぜひこの機会に農業の現場におけるAIの最新動向をチェックしましょう。

AIを使ったスマート農業とは?

AIを使ったスマート農業とは?AIを使ったスマート農業とは、AIやICTを活用し、農作業を自動化・効率化する新しい農業の形です。AIやロボットを活用することで、生産性・品質向上、さらにコスト削減も実現できます。

従来の農業は、熟練者の経験や勘に支えられてきましたが、高齢化や人材不足が進む現代において、そのやり方だけでは農業の未来を構築できません。そこで注目されているのが、「スマート農業」なのです。

ICT:IoTやクラウドサービスなど、情報を扱う技術全般の総称

では、このAIを使ったスマート農業について、以下の3点からさらに詳しく見ていきましょう。

  1. スマート農業でできること
  2. スマート農業の効果
  3. 農林水産省の見解

①スマート農業でできること

スマート農業でできること

まずは、AIを使ったスマート農業でできることについて解説します。

①省力化と規模拡大

AI化により機械(ロボット)が長時間自動で動いてくれるようになります。これで人手不足課題が軽減でき、広い畑でも管理が行き届き、結果として収穫量アップにもつながります。

②肉体的負担の軽減

重労働の作業も、AI搭載のロボットやアシストスーツがサポートしてくれるので、女性や高齢の方でも肉体面の心配が減り、長く農業を続けやすくなります。

③ノウハウの継承と活用

AIを使うと、ベテラン農家の経験や勘をデータ化して再現できます。そのため、未経験者でも熟練技術を容易に継承でき、「農業は経験がないと難しい」というハードルがグッと下がります。

②スマート農業の効果

スマート農業の効果AI・ICTを使ったスマート農業は、主に3つの面で効果を発揮します。

①作業効率の向上

ロボットトラクターや自動収穫機などの導入により、農作業のスピードが格段に上がり、労働時間の大幅な短縮が可能になります。

②コスト削減

ドローンやAIで気象や生育状況を分析し、必要な分だけ水や肥料を使うことで、無駄を減らしコストを抑えた経営ができます。

③品質と収量の安定化

データに基づいた管理ができるため、病害の早期発見や環境条件の最適化が可能になり、作物の品質向上や収量の安定につながります。

③農林水産省の見解

Society 5.0

続いて、AI・ICTを使ったスマート農業に対する農林水産省の見解を紹介しましょう。

農林水産省は、AIやロボットといった最新技術を活用する「スマート農業」を、政府が目指す未来社会の姿である「Society 5.0」の実現に向けた重要な柱と位置づけています。

つまり、農業における人手不足、熟練技術の継承といった課題を解決し、持続可能な未来を拓くには、「AIやICTによるDX化が必要」という見方をしているのです。

参照:スマート農業の展開についてSociety 5.0 – 科学技術政策 – 内閣府

AIを使ったスマート農業が普及しない理由

AIやロボットを活用したスマート農業は、「人手不足に有効な解決策」として大きな期待を集めています。一方、こうしたスマート農業は日本全体ではなかなか普及していません。

その背景には、「規模が小さい農家が大多数」「導入コストが高すぎる」「実際の経営に見合わない」といった、いくつかの理由があります。

  1. AIを使ったスマート農業が普及しない理由一覧表
  2. スマート農業技術活用促進法が施行

①AIを使ったスマート農業が普及しない理由一覧

まずは、AIを使ったスマート農業が普及しない理由を表にまとめました。

理由 内容 背景・根拠
コストの壁 スマート農機は高価で、大規模農家でないと導入効果が出にくい
  • 農研機構の実証事業の8割が20ha以上の農家
  • 20ha以上の稲作農家は全体の約1.6%にすぎない
種類の限定 水田よりも野菜は労務費比率が高い、しかし対応AI農機具が少ない
  • 施設野菜は収穫や選別に多くの労力が必要
  • 品目ごとに市場規模が小さいため投資が困難
経営力不足 スマート農機の導入には、営農方法やデータ管理の変更が必要
  • 導入に経営判断力・構想力が重要
  • 付加価値向上(営業やブランド化)も必要

AIを使ったスマート農機の普及において、導入できるのはごく一部の大規模農家に限られていることが最大の壁といえるでしょう。この壁を超えるためにも、補助金や専門家の継続的な支援を活用することが重要です。

②スマート農業技術活用促進法が施行

こういったAI導入の障壁を低くするため、国では2024年10月1日に「農業の生産性向上のためのスマート農業技術活用促進法」を施行しました。

この法律は、スマート農業の普及促進を目的に制定され、スマート農業導入事業者に対して金融などの支援を行うという内容です。具体的な内容は、以下をご参照ください。

項目 内容
長期低利の融資
  • 日本政策金融公庫からの融資が受けられる
  • 償還期限は最長25年で大規模投資に対応
  • 据置期間は最長5年で初期の返済負担を軽減
  • 融資金の使途は運転資金にも対応可能
税制上の優遇
  • 措置設備投資をした場合に、特別償却が適用
  • 導入当初の税負担を軽減し、投資を促進

参照:スマート農業技術活用促進法について:農林水産省

国は、農業分野だけでなく、製造業や建設業など、業種をまたぎDX化をサポートしています。

しかし、「補助金の仕組みは複雑で分からない」「DX推進は本当に効果を発揮するのか?」という企業様もいるかと思います。そんな場合は、まずDXの基礎から学んでみましょう。

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以下の記事は、DX推進事業者に対する最新の補助金・助成金を紹介しています。対象者や助成率など詳しく解説しているので、ぜひこの機会に目を通しておいてください。

【2025】DXの最新補助金・助成金11選を一覧表で徹底解説!東京都・経済産業省の中小企業5大補助金も紹介

AIを活用したスマート農業機具の種類

AIを活用したスマート農業機具の種類ところで、AIを活用したスマート農業にはどういったものがあるのでしょうか?スマート農業といっても多種多様なので、具体的な内容を知りたい方もいるかと思います。

そこで、以下ではAIを活用したスマート農業機具を一覧表にまとめてみました。

AI農機具の種類/名称 概要
キャベツ収穫ロボット AIがキャベツを自動収穫し、コンテナに自動で運搬
トマト収穫ロボット ミニトマトをAIが認識し、昼夜問わず自動で収穫
イチゴ収穫ロボット 画像認識AIが熟したイチゴを判別し、柔らかいイチゴを傷つけず収穫
トマト着果モニタリング装置 AIを使ってトマトの着果状況を診断し、収穫ピークを予測
半自走式草刈機 低価格で導入可能、草刈り作業時間を50%以上削減するのが目標
自律多機能型農業ロボット 運搬、初期除草、パトロール、農薬散布などマルチ対応
OPTiMX(ドローン) AIの診断に基づき、農薬を必要な場所にピンポイントで自動散布
農業用ドローン「Nile-T19」 低空飛行のドローンで生育状態を診断し、施肥・除草・防除を提案

これらの機器は、AIの画像認識やデータ分析能力を活用しており、見た目も大がかりなロボットからルンバのような小さいロボット、一見すると農機具と見紛うようなロボットなど実に多種多様です。

ドローンは農業分野だけでなく、測量や建設、点検など、様々な分野で活用されています。ドローンを使った測量、そのデータを活用した3Dモデル作成について知りたい方は以下の記事をご参照ください。

【2025】3DCADのデータ作成にドローンは使用できる?おすすめのソフトも紹介

農業のAI導入事例13選

農業のAI導入事例13選ここからは、以下の2つに区分してAIの農業機具事例を紹介します。

  1. 開発・製品化されたAI搭載の農業機具6選
  2. 研究開発・実証中のAI搭載の農業機具7選

有名企業も数多く取り組んでいるため、ぜひ一つひとつチェックしてみてください。

①開発・製品化されたAI搭載の農業機具6選

まずは、すでに市場で販売されており、導入が可能なAI搭載の農業機具を6つ見てみましょう。

名称 販売開始日 主な特徴
天晴れ 2017年10月 衛星画像から生育状況を確認し、最適な施肥・収穫時期を把握
リモコン式自走草刈機 2018年4月 人が立ち入れない危険な場所でも遠隔操作で安全に除草
ほ場水管理システム 2019年4月 スマホで遠隔操作でき、天候予測と連携して水管理を自動化
スマート追肥システム 2020年4月 センサーで稲の生育を測定し、最適な量の肥料を自動散布
自動運転田植機 2020年10月 監視者がいるだけで自動で田植えを実施
ゼロアグリ センサー情報に基づき、ハウス内の水やりと施肥を自動で実行

天晴れ

国際航業が開発した「天晴れ」は、衛星画像を活用したクラウド型農業向けAIシステムです。このサービスを活用すると、人工衛星が撮影した画像をAIが解析・作物の生育状況を見える化できるため、畑ごとの最適な施肥や収穫時期が一目でわかります。

利用時のオーダーや診断後の結果受け取りはWebからでき、利用料金は撮影範囲ごとに設定されています。なお、このシステムは「宇宙開発利用大賞」で農林水産大臣賞を受賞しました。

リモコン式自走草刈機

三陽機器が開発した「リモコン式自走草刈機」は、自重200kg、コンパクトでリーズナブルなAI搭載の農業草刈りロボットです。農研機構の支援を受けて研究開発され、アーム式と油圧制御技術を組み合わせることで、遠隔操作を可能にしました。

この草刈機は、人が立ち入れない急傾斜(最大40度)の場所でも、リモコンで安全に除草作業が可能。作業効率は従来の約2倍と高く、作業時の人的負担を大きく軽減します。

ほ場水管理システム

「ほ場水管理システム」は、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)が中心となって開発した水田用の水管理システムです。スマホやパソコンから手軽に操作できるため、水田に足を運ばなくても遠隔でリアルタイムに水位を調整できます。

さらに、天候予測データと連携すれば、気象条件に合わせて自動的に最適な水管理を行うことも可能。作業負担減・安定収量確保を実現できるAI・ICT活用の農業機具です。

スマート追肥システム

井関農機が開発した「スマート追肥システム」は、AIを活用し稲の生育状況に合わせて最適な肥料を計算・散布する農業機具です。このシステムは、械前方のセンサーが稲の生育量をリアルタイムで測定します。

その後、測定データを基に、後方の施肥機が最適な量の肥料を自動散布するというシステムです。従来の経験や勘に頼った追肥作業と比べ、施肥が高精度であるため、効率的な農業経営を実現できます。

自動運転田植機

「自動運転田植機」は、農業の大手メーカー・クボタが開発したAI搭載の農業機械です。オペレーターが不要で、視者が畑の近くにいるだけで自動的に田植えを行うため、人手不足の解消と作業の効率化を実現します。

利用方法は、最初に人が畑の外周を運転して地図データを作成するだけでOK。その後、機械が最適なルートを自動で計算し、無人で正確かつスピーディーな田植えを行います。

ゼロアグリ

株式会社ルートレック・ネットワークスが開発した「ゼロアグリ」は、AIとIoTを活用し、ハウス栽培における水やりと施肥を自動で行うシステムです。

こちらは、センサーが、日射量や土壌の状態を計測し、そのデータをクラウドに送信し、AIが作物の成長に最適な水や肥料の量を割り出し、自動で供給します。このシステムは、既存のパイプハウスにも導入可能です。

②研究開発・実証中のAI搭載の農業機具7選

続いて、実用化や商用化に向けて現在も研究や実証が行われているAI搭載の農業機具を7つご紹介しましょう。

名称/研究概要 主な特徴
無人トラクター 農道を含めた場所での遠隔監視による無人走行
スマートグラスの実証実験 スマートグラスで熟練者の技をデータ化し、指導
りんご剪定技術の継承 VRで剪定技術を再現し、若手や新規就農者の学習を支援
病害虫診断のAIシステム スマホの画像からAIが病害虫の種類や危険度を診断
トマト収穫ロボット AIが最適なルートを判断し、高速でトマトを自動収穫
キャベツ自動収穫機 AIが認識して収穫から運搬まで一連の作業を自動で実行
ドローンの作物生育状況分析 ドローンで生育を分析し、可変施肥に活用

無人トラクター

「無人ロボットトラクター」は、農研機構が主となり開発したAI農業機具です。これまで無人農機は、特定の畑の中でのみ自動走行を行っていましたが、今回開発されたシステムでは、GPSやセンサー、通信技術を用いて、目視できない場所からでも遠隔で監視できます。

さらに、農道の幅や障害物を認識し、危険を検知すると自動で停止、監視者に通知する仕組みも備えています。なお、こちらは現在早期市販化に向け開発中です。

スマートグラスの実証実験

山梨県では、シャインマスカットの栽培技術を若い農業従事者に引き継ぐため、スマートグラスを活用した実証実験を行っています。この取り組みは、山梨大学やJA、企業などが連携して進められています。

これは、熟練農業者がスマートグラスを装着し、房づくりや収穫時期の判断といった「匠の技」を撮影・データ化し、AIが解析するというものです。そのデータは、ローカル5Gを通じて新規就農者が装着するスマートグラスに投影され、作業のポイントをリアルタイムで教えます。

りんご選定技術の継承

青森県弘前市では、リンゴ栽培における重要な技術、剪定(せんてい)を学ぶための画期的なシステム開発に着手しています。これは、VR(仮想現実)を活用し、熟練農家の技術を3Dデータで再現するというものです。

学習者はヘッドマウントディスプレイを装着し、仮想空間で立体的に樹木の生長を体験。指導者と視界を共有しながら剪定のポイントを議論できるため、新規就農者や女性など、多様な人材の技術継承に貢献します。なお、現在、弘前市と慶應義塾大学の共同研究として開発進行中です。

病害虫診断のAIシステム

「人工知能未来農業創造プロジェクト」では、AIを活用し、農作物の病害虫被害を最小限に抑える技術を開発中です。これは、生産者が作物の葉や病斑の画像、または遺伝子情報をスマホなどで撮影・送信するだけの簡単操作です。

その後、と、AIが即座に病害虫の種類や危険度を診断し、将来的なリスクや具体的な防除対策までを提示します。今後、農業の安定生産に貢献する技術として期待されている研究の一つです。

トマト収穫ロボット

トマト収穫ロボットは、パナソニックと農研機構が共同開発中のAI搭載の農業機具です。AIが葉や茎に隠れたトマトを正確に認識し、最適な収穫ルートを判断し、1時間あたり350個という高速・高精度な収穫を実現します。

もぎ取る方式のエンドエフェクタにより、果実に傷をつけないのも特徴。クラウドを活用した遠隔監視システムにより、運用管理の負担軽減にも効果を発揮します。

キャベツ自動収穫機

立命館大学や農研機構などが共同開発した、AI搭載のキャベツ自動収穫機は、AIがキャベツを認識し、収穫、コンテナへの収納や交換、さらにほ場外への運搬までを自動で行います。

このシステムが目指すのは、10アールあたり20時間以上かかっていた作業を、わずか1名で、かつ20時間以内で完了させること。これにより、従来の重労働を大幅に軽減するだけでなく、熟練の技術が不要になります。

ドローンの作物生育状況分析

ヤンマーアグリジャパンなどが開発したこの技術は、ドローンに搭載されたカメラで農地を撮影し、作物の生育状況を分析するものです。

ドローンの撮影画像から、作物の生育のばらつきを地図化し、その後、このデータをもとに田植機やトラクターが自動で肥料の量を調整しながら散布する「可変施肥」を実行します。計測時間は約1分、この短時間で30a、およそ60,000株の撮影に対応します。

参照:農林水産省「スマート農業の展開について

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AIを農業に活用するメリット・デメリット

これまで見てきた中で、AIやIoTを活用するスマート農業は、魅力的な効果の反面、課題点も存在することがわかりました。

ここでは、AIを農業に活用するメリットとデメリットを一つの表にまとめたので、本記事のまとめとしてぜひご覧ください。

項目 内容
メリット
  • 作業の自動化により、コスト削減・規模の拡大が可能
  • ノウハウをデータ化することで、技術の継承が容易
  • 水やり、農薬散布のAI対応で、効率的な栽培が実現
  • 農薬や肥料の使用量を減らし、CO2排出量削減にも貢献
デメリット
  • ロボットやシステム購入の経費が増え、利益を圧迫
  • 収穫率が100%ではないなど、まだ性能には限界がある
  • 外部からのアクセス、停電などの問題発生の可能性
  • 超効率化・大規模化実現には、資本力のある大企業が有利

AIと農業についてまとめ

AI技術は農業分野でも注目されており、政府が目指す「Society 5.0」を叶えるスマート農業として、農林水産省も普及を推奨しています。

しかし、AIを使ったスマート農業の導入には、コスト面や専門知識の不足など、多くの課題が立ちはだかります。何から手をつければよいか迷ったときは、まずDXに関するスキルを身につけ、どのような道筋で進むかを明確にすることが重要です。

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