「ロジカルシンキング」と聞くと、「難しそう」「専門的」と感じる方が多いかもしれません。また、「学んでもビジネスシーンで本当に役立つの?」と思う方もいるでしょう。
しかし、ロジカルシンキングは考えを整理し、相手に正確に伝えるための基礎力であり、あらゆる職種で役立つ普遍的なスキルです。
この記事では、ロジカルシンキングを簡単にわかりやすく解説します。ロジカルシンキングを鍛える方法も詳しくお伝えするので、ぜひこの機会に、ビジネスを前進させるロジカルシンキングを身につけましょう。
ロジカルシンキングとは?
ロジカルシンキングとは、物事を明確な根拠に基づいて考え、相手に分かりやすく伝えるための論理的な思考法です。
「論理的に話す」というと堅苦しいかもしれませんが、実は日常でも「雨が降りそうだから傘を持っていく」や「渋滞しているから別の道を利用する」といった、根拠に基づく推論として自然と使われています。
ロジカルシンキングの、感情や勘に頼らず、「なぜそうするのか」が明確になる思考が身につくと、ビジネスにおいて無駄な議論を減らし、スピーディに成果を出せるようになります。
ロジカルシンキングの目的と基本要素
ロジカルシンキングの目的は、時間効率と理解を促進し、より良い成果を生み出すことにあります。この目的を達成するために、以下の3つの基本要素で成り立っています。
| 基本要素 | 内容 |
| 整理力 |
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| 因果関係の把握 |
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| 根拠の明確化 |
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これらの要素が揃うことで、話の筋道に一貫性が生まれ、「結論と理由がセットになった、説得力のある説明」が実現します。
ロジカルシンキングの根底にある「相手視点」
ロジカルシンキングの根底には、「相手の立場に立つ姿勢」があります。相手が何を求め、限られた時間で何を理解したいのか。つまり、相手がストレスなく理解できるように意識することで、ロジカルシンキングが自ずと機能します。
そのため、ロジカルシンキングは、コミュニケーション、セールス、ビジネスマナーといった、対人関係を円滑にする際の土台にもなります。
これらのビジネススキルを総合的に習得できるのが、ジェネラル教育セミナー講習です。いつでも学べる動画視聴スタイル、開講講座は126講座。サブスク形式なので、加入期間内であればどの講座も見放題です。
この「相手視点」は、あらゆるキャリアステージで求められるヒューマンスキルの中核です。ヒューマンスキルについては、以下の記事で詳しく解説しています。
ロジカルシンキングの基本構造
続いて、ロジカルシンキングの基本構造となる三段論法と、関連するクリティカルシンキング、ラテラルシンキングをお伝えします。
三段論法
三段論法は、古代ギリシャの哲学者アリストテレスが体系化したロジカルシンキングの基本形です。「大前提」という事実に「小前提」という個別の状況を組み合わせ、そこから必然的な「結論」を導き出します。
例えば、「すべての人間は死ぬ(大前提)」「ソクラテスは人間である(小前提)」から「ソクラテスは死ぬ(結論)」という流れです。この手法は演繹法の一種であり、現代のビジネス文書やプレゼンテーションでも広く活用されています。
クリティカルシンキング
クリティカルシンキング(批判的思考)は、情報を鵜呑みにせず、多角的に検証する思考法です。具体的には、三段論法の「大前提」は本当に正しいのか、見落としている条件はないかと問い直すことで、慎重に判断を下します。
クリティカルシンキングは、教育心理学において「自分が正しいという思い込み」から脱却し、一段高い視点で物事を吟味する姿勢と定義されているように、「誤った結論」のリスクを減らせる重要な検証プロセスです。
ラテラルシンキング
ラテラルシンキング(水平思考)は、既成概念にとらわれない斬新な思考法です。例えば、「違う角度から見たらどうか?」と常識を逆転させた視点を持つことで、創造的なアイデアや解決策を生み出します。
ラテラルシンキングは、論理を深めることに長けた三段論法とは対照的に、多様な視点から物事を眺めることで、より良い解決策を見出すことが目的なのです。
これら三つの思考法は、それぞれ異なる役割を担いながらも相互に補完し合っています。状況に応じてこれらを使い分け、あるいは組み合わせることで、より柔軟で説得力のあるロジカルシンキングが実現できるのです。
ロジカルシンキングの主な手法

ロジカルシンキングの基本要素や基本構造がわかったところで、「どのように実践すればいい?」という方もいるでしょう。そこでここでは、ロジカルシンキングを実践的に使いこなすための主な手法をお伝えします。
- MECE
- So What?
- Why So?
- 情報のグルーピング
MECE
MECE(ミーシー)は「Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive」の略で、重複せず、全体をモレなく整理する手法です。
例えば「社員を性格で分類する」と、「明るい人」「真面目な人」「慎重な人」など、どのタイプにも複数当てはまる人が出てきてしまいます。一方で、「部署別(営業・総務)」のように明確な基準で分ければ、誰もがどこかに必ず含まれ、重なりもありません。
つまり、MECEを使うと網羅的なロジカルシンキングが可能になるのです。これにより、勘や思いつきでは見逃しがちな競合の手薄な領域を発見できます。
So What?
「So What?(だから何?)」は、情報から導き出すべき結論を明確にするための手法です。
例えば、「今日は雨」という情報に対して、天体観測が好きな人には「今夜は星が見えないだろう」、外出する人には「傘を持っていこう」と伝えるように、情報は相手や目的に応じた内容で提供しなければいけません。
データや情報は、それを元にした提案があってこそ価値を持つ資産です。物事に対し「So What?」を習慣付けることで、ロジカルシンキングが自然と身についていきます。
Why So?
「Why So?(なぜそういえるの?)」は、結論の裏付けを求める手法です。「So What?」で出した答えが、感覚や思いつきではないと示すために用いられます。
例えば、「雨が降るから傘を持って行こう」というなら、その理由として降水確率などの客観的な根拠を示さないと説得力を持ちません。だからこそ、「Why So?」を問いかける必要があるのです。
この手法を用いると、思考の甘さに気づけるため、ロジカルシンキングにおける論理が強化されます。
情報のグルーピング
情報のグルーピングとは、似た特徴や関係性を持つ情報をまとめて整理する手法です。ロジカルシンキングにおける情報のグルーピングは、以下のような手法があります。
- KJ法(アイデアを付箋でグループ化し、構造を明らかにする手法)
- 分類・分解(MECEに基づいた網羅的に区分・整理する手法)
この手法を用いることで、膨大で複雑な情報もすっきりと区分され、問題の本質や構造を把握し、次の行動を考える手がかりが見つけやすくなります。
ロジカルシンキングの応用手法
ロジカルシンキングには応用的な手法もあり、これらは複雑な問題の分析や、結論の説得力を高めたい場面で効果を発揮します。
- ロジックツリー
- ピラミッドストラクチャー
ロジックツリー
ロジックツリーは、大きな問題やテーマを枝分かれする木のように細かく分けて整理する手法です。例えば、「売上が下がった原因」を考える場合なら、まず感覚ではなく、事実やデータをもとに要因を洗い出すことが大切です。
そこから、「商品」「価格」「販路」「顧客層」などの観点に分けて掘り下げていくことで、思い込みに左右されず、真の課題を見つけやすくなります。この手法を使うと、全体を見渡しながら原因を一つずつ分解して考えられるので、「今どこに手をつけるべきか」が明確になります。
ピラミッドストラクチャー
ピラミッドストラクチャーは、結論を最初に置き、その下に理由や根拠を順番に積み上げて説明する方法です。話を聞く側は「結論→理由→具体例」の順で理解できるので、内容がすぐ頭に入ります。
ロジックツリーが「問題を整理して原因を探る」ための手法なら、ピラミッドストラクチャーは「自分の考えを相手にわかりやすく伝える」ための手法です。会議やプレゼンでも、結論から話すと説得力が増すのはこのためです。
ロジカルシンキングを鍛える方法

ロジカルシンキングは日々の積み重ねで向上します。ここでは、5つの鍛え方をお伝えするので、日常的に意識して繰り返してみましょう。
- 結論から話す習慣をつける
- 思い込みを排除して分析する
- トップダウンで結論から考える
- 仮説を立てて検証する
- 反対意見を自分で議論する
①結論から話す習慣をつける
日常業務では、上司や同僚に話す前に頭の中で整理し、まず伝えたいポイント(結論)を述べ、その後に理由や背景を添えてみてください。いきなり会社で使うのに抵抗がある方は、練習として、身近なものを題材にするのもおすすめです。
例えば「アイスラテを頼む→冷たいカフェインでシャキッとしたいから→同時にミルクで胃に優しくしたいから」という説明を聞けば、「それはアイスラテを選ぶのも納得だ」と多くの方が感じるでしょう。
②思い込みを排除して分析する
ロジカルシンキングにおいて、自分の考えに「本当にそうだろうか」と問いかけるクセをつけることも大切です。普段の思考が邪魔していないか、客観的に分析してみましょう。
例えば、「カフェラテは人気だから売れるはず」と思う前に、実際の注文データや時間帯別の売上も確認してみてください。このワンステップを組み込むことにより、思い込みが引き起こす判断ミスを防げます。
③トップダウンで結論から考える
トップダウンで結論から考えることも、ロジカルシンキングを鍛える方法の一つです。問題に直面したら、細かい情報を集める前に「理想の結論」を先に決めてみましょう。
例えば、「朝カフェの売り上げを〇%上げる」を目標に置くと、そこから「単価の高いセットメニューを開発する」「朝のピークタイムに待ち時間を減らす」「SNSで朝の利用メリットを発信する」と、目標達成に必要な具体的な打ち手を逆算して抜け漏れなく準備が進みます。
④仮説を立てて検証する
課題に取り組むときは、「おそらくこうだろう」という仮説を立てて段階的に検証する手法もあります。例えば、「来店客減少の理由は近隣に競合店ができたからでは?」と仮説を立てた場合、データや顧客の声でその仮説が正しいか検証してみましょう。
仮説が外れた場合、修正することで的確な答えも見えてきます。日常生活で「なぜこの商品が人気なのか」といった身近な疑問に仮説を立てて、その答えを探ってみるのもおすすめです。
⑤反対意見を自分で議論する
ロジカルシンキングを鍛えるには、あえて反対の立場で考えてみるのも効果的です。例えば、「カフェの主力商品はラテである」と普段から思っているなら、「ブラックが人気の理由」も考えてみましょう。
この際、反対意見のメリットや理由を整理し、それにどう反論するかを考えると、自分の主張の弱点や補強点が見えてきます。この「セルフディベート」は説得力を高めるトレーニングで、議論や交渉、意思決定でも役立ちます。
セミナーでロジカルシンキングを体系的に学ぼう!
ロジカルシンキングの基礎から実務応用まで体系的に学びたい方には、ジェネラル教育セミナー講習がおすすめです。
このセミナーは、ロジカルシンキング講座に加え、コミュニケーションやマネジメント、DX概論など126個の講座が受け放題となっており、幅広いビジネススキルを柔軟にカバーします。
セミナー名 ジェネラル教育セミナー講習 運営元 GETT Proskill(ゲット プロスキル) 価格(税込) 2,200円/月 → キャンペーン価格: 550円/月(税込) 受講形式 eラーニング
ロジカルシンキングを鍛えるおすすめの方法

前項では、ロジカルシンキングを鍛える具体的な方法をご紹介しました。
しかし、「自分一人で考えて行動するのはちょっと…」と感じた方もいるかもしれません。そんな場合は、次のような学習法を用いると、やる気や目標意識を持ったまま、無理なくロジカルシンキングを続けやすくなります。
- 例題を解く
- おすすめ本を読む
- ゲームで遊んで身につける
- セミナーに参加する
①例題を解く
ロジカルシンキングは、例題を実際に解くと理解が定着しやすいです。ロジックの考え方は、最初は難しく感じても、実際に問題を解いてみると普段から使っている方法だと気づくことも案外多くあります。
例題を解く方法は、ブログ記事や学習ドリルを活用すると良いでしょう。以下の例題もぜひ参考にしてください。
例題①MECEと構造化
例題②Why So?|思い込みの排除
例題③三段論法|論理の組み立て訓練
「私の飼っている猫は、四角い箱を見つけると必ずその中に入る。あなたが玄関先に、新しい段ボール箱を置いた。」
②おすすめ本を読む
ロジカルシンキングを身につけるには、Amazonなどでおすすめに上がってきた本を読むのも効果的です。本はロジカルシンキングの手法を、「結論→根拠」のロジックに則り書いているため、内容と文章の両面で思考プロセスを学ぶことができます。
ロジカルシンキングのおすすめ本
| 本の名称 | 特徴 | 料金 |
| 1分で話せ2【超実践編】世界のトップが絶賛した即座に考えが“まとまる”“伝わる”すごい技術 |
|
1,540円 |
| ロジカル・プレゼンテーション ― 自分の考えを効果的に伝える戦略コンサルタントの「提案の技術」 |
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2,372円 |
| 小さく分けて考える「悩む時間」と「無駄な頑張り」を80%減らす分解思考 |
|
1,485円 |
③ゲームで遊んで身につける
ロジカルシンキングを楽しみながら身につけるには、ゲームが非常に効果的です。ゲームでは、知識を詰め込むのではなく、「論理を組み立てる」「相手の裏をかく」「矛盾を見抜く」といったロジカルシンキングのプロセスを活用して「勝利」という具体的な達成感が得られます。
ロジカルシンキングが身につくゲーム
| ゲーム名 | 主な内容 |
| 人狼ゲーム |
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| マーダーミステリー |
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| コリドール |
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④セミナーに参加する
ロジカルシンキングのおすすめ学習には、セミナーも挙げられます。特に、効率的かつ柔軟に、かつ実務に直結させて身につけたい場合は、動画視聴で学ぶセミナーがおすすめです。
ジェネラル教育セミナー講習は、ロジカルシンキング講座に加え、マネジメント、セールス、コミュニケーション、DXなど全9項目・126講座から自由に試聴できます。多忙な方でも、思考力と即戦力を負担なく効率的に身につけられるおすすめのカリキュラムです。
ビジネスを学べるセミナーは他にも複数あります。以下の記事では、現代注目されているAIビジネスセミナーを厳選して紹介しているので、セミナー選びの比較検討にお役立てください。
ロジカルシンキングを用いる注意点
ロジカルシンキングを用いる際には、以下の点に注意が必要です。
感情や人間関係への障壁
ロジカルシンキングを重視しすぎると、論理的な正しさを追求するあまり、相手の感情への配慮を欠くことがあり、結果、コミュニケーションがうまくいかなくなる恐れがあります。
特に、日常的にロジカルシンキングに触れていない相手に対しては、理論武装した言い方や、遊びのない完璧なロジックは「冷淡」「理屈っぽい」と受け取られがちです。
たとえ正論でも、やはり人は感情面に左右される比重が大きいため、論理と同時に共感を大切にし、丁寧に言葉を選ぶ姿勢を心がけましょう。
決断力の低下
ロジカルシンキングに固執すると、いわゆる「考えすぎ」の状態に陥るケースがあります。完璧な答えを出そうとししすぎると、時間効率を向上させるどころか、逆に思考の迷路にはまりかねません。
ロジカルシンキングは重要ですが、ある程度の情報で仮説を立てて結論をまとめる決断力も同じくらい重要です。ロジカルに考えること自体が目的化しないよう、常に最終目的(何を解決したいのか)」に立ち返り、時間や状況に応じた結論を出す習慣もつけましょう。
ロジカルシンキングについてまとめ
ロジカルシンキングは問題解決、意思決定といったビジネスにおける重要な思考法です。
ロジカルシンキングは、日々の習慣など鍛える方法も多岐にわたりますが、すべての事象にロジカルシンキングを完璧に当てはめようとしないゆとりも大切です。聞き手の受け止め方を意識しながら、最も心地よい会話術で提案することを心がけてください。