近年、製造現場では工作機械の導入・自動化が進んでおり、回転工具を使用して様々な切削加工を1台で行えるマニシングセンタが広く普及しています。
中でも、コンパクトなサイズである「小型マニシングセンタ」は通常のマニシングセンタに比べて価格が安いことから導入を検討する企業も増えていますが、通常のマニシングセンタと何が違うの?と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、小型マニシングセンタの特徴をはじめ導入するメリット、選ぶ際のポイントについて解説します。導入を考えている企業はぜひ参考にしてみてください。
小型マニシングセンタとは?
小型マニシングセンタとは、名前の通り通常のマニシングセンタに比べてサイズがコンパクトになった工作機械です。小型マニシングセンタは軽金属の切削に強く、特にワークを加工する上で欠かせない主軸と呼ばれる部分が30番・40番であるものが小型マニシングセンタと呼ばれています。
ただし、主軸30番・40番は特徴がそれぞれ違い、自社の用途に合わせて小型マニシングセンタを選択する必要があります。主な違いは、以下の表を参照ください。
主軸 | 特徴 |
30番 | 加工の速度が早く高密度であるため、加工効率が高いのが特徴。 主軸40番の小型マニシングセンタと比較して更にサイズがコンパクトであり、省スペースに設置が可能、本体価格も安い傾向にあるのが魅力。 |
40番 | 30番と同様に加工の速度が速いが、30番より剛性が強いため重金属の切削に向いている。 価格は30番に比べて高いものの、機械によっては30番も使用できるモノもあるため作業範囲が広くなる。 |
小型マニシングセンタは主軸30番と40番で異なる違いがあります。
通常のマニシングセンタに比べると価格は抑えられるものの、それぞれで価格・特徴・ランニングコスト・作業範囲は異なるため、理解した上で導入を検討しましょう。
小型マニシングセンタの特徴
小型マニシングセンタの大きな特徴は、通常のマニシングセンタに比べてサイズがコンパクトでありながら低価格であることが挙げられます。
通常のマニシングセンタは大量の金属加工を行うことが可能ですが、スペースの確保や導入・運用コストは高くなりがちです。
一方、小型マニシングセンタは設置スペースも緩和され、消費電力が少ないがゆえに運用コストも安価に抑えられます。
また、通常のマニシングセンタに比べて機能性と精度もほとんど変わっていないため、「自動車産業」「航空産業」「医療機器産業」など幅広い範囲で活躍しています。
今後も小型マニシングセンタの活躍の幅は広がり、多くの企業で導入が進むと予想されています。
小型マニシングセンタを導入するメリット
小型マニシングセンタを導入するメリットは以下の3点です。
- 高速で生産性が高い
- 設置するスペース幅を取らない
- 導入コストを抑えられる
メリット①高速で生産性が高い
小型マニシングセンタは高速切削に向いており、加工効率が高い点がメリットとして挙げられます。
多くの製造現場では人手不足によって生産性の低下が問題視されており、取引先から切削加工から大量に依頼をされた場合引き受けることができない企業も存在します。
しかし、人手不足をすぐに解決するのは難しい問題であり、生産性を維持・向上するためには切削加工効率を上げなければいけません。
小型マニシングセンタは加工効率が高いため、リソース不足を補えるでしょう。
また、重金属の切削は難しいのでは?と思うかもしれませんが、主軸40番であればある程度カバーは可能です。
メリット②設置するスペース幅を取らない
小型マニシングセンタはコンパクトなサイズであるため、省スペースで設置することが可能です。通常であれば「マニシングセンタを複数台導入したいが設置スペースがない」という悩みを抱える企業も少なくありません。
スペース効率の良さは小型マニシングセンタ最大の特徴でもあり、小さな工場であっても導入しやすく、空いているスペースなど最大限まで使用できます。
メリット③導入コストを抑えられる
小型マニシングセンタは通常のマニシングセンタに比べて導入コストを抑えることができます。
特にコスパを重視する企業におすすめで、通常のマニシングセンタは数千万円〜数億円するモノもありますが、小型マニシングセンタは1,000万円〜ほどです。更にオプションや治具などのカスタマイズを合わせても、数百万円〜数千万円程度のプラスです。
また、上記はあくまでも国産のマニシングセンタであり海外製であれば数百万円で導入できるものもあるでしょう。
ただし、導入の際に注意したいのが実際に表示されている値段はオープン価格であるということです。実際の導入費用は商社に問い合わせて見積もりを取ってもらわないとわかりません。
そのため、最低でも3社以上の商社から見積もりを取り、導入コストを抑えていきましょう。
小型マニシングセンタを導入するデメリット
小型マニシングセンタの導入はメリットだけでなくデメリットもあります。
主なデメリットは以下のものが挙げられます。
小型マニシングセンタは重切削加工は厳しい
小型マニシングセンタは剛性が低いため、重切削加工が難しいのです。
主軸40番であればある程度の重切削加工にも対応できると前述しましたが、大きな切削力を伴う加工であるため、治具やホルダーなど関連部品にも剛性が求められます。
通常のマニシングセンタに比べて剛性が低いため、マニシングセンタ自身にダメージを与えやすくなります。
重切削加工を行う際は大型・中型のマニシングセンタがおすすめであり、小型マニシングセンタは軽切削加工が最適であると言えます。
おすすめのマニシングセンタTAKMill(たくみる)
TAKMill(たくみる)とは株式会社岩間工業所が製作・発売する小型マニシングセンタです。
ここからはTAKMill(たくみる)の特徴や製品概要について説明します。
TAKMillとは?
TAKMillとはモノづくりの開発研究・デザインの現場において切削経験がない方でも直感的に操作できるのが特徴で、操作するためにスキルや経験が必要ないという価値観を変えたマニシングセンタです。
マニシングセンタを扱うノウハウや経験は一切必要なく、加工技術なども機械に全て詰め込まれています。
TAKMillが選ばれる理由
TAKMillが選ばれるのは以下の4つの特徴があるからです。
- アシストモードの搭載
- 広いストローク
- シンプルなスペック
- サポート体制が充実
選ばれる理由①アシストモードの搭載
従来のUIである「mico」の操作画面をよりスムーズに操作できるように「アシストモード」が展開されています。
そのため、加工に関するノウハウや知識は一切必要なく、3DCADデータから加工までを、TAKMillと連携するCAMとアシストモードによって半自動的に進めることが可能です。
選ばれる理由②広いストローク
通常の省スペース型マニシングセンタは主軸方向のストロークが狭く、もともと平たいモノや、高さを基準に縮尺を縮めたモデルを削ることになります。
TAKMillは機械幅1000mm以下に対してストロークが広いため、ソフトボール大の製品も無理なく削ることができます。
選ばれる理由③シンプルなスペック
TAKMillは前面の操作パネルやパネル周りもシンプルに作られており、サイズは、幅970㎜・奥行1237㎜・高さ1756㎜と少し懐深い冷蔵庫程度の大きさです。
重量も500kgとエレベーターにも乗せられるため、設置に手間をかけることも少ないでしょう。
選ばれる理由④サポート体制が充実
TAKMillを購入後は納品場所にて操作説明会やCAMソフトの説明会、加工サポートなど安心なサポートになっています。
お客様の状況に最適な積算を行いますので、初めて小型マニシングセンタを導入する方でも安心して導入できます。
TAKMillの製品概要
TAKMillの製品概要は以下の表を参照ください。
項目 | 概要 |
動作範囲 | X550mm Y400mm Z250mm |
テーブルサイズ | X600mm Y450mm |
テーブル高さ | 950mm |
主軸回転数 | 500-12000rpm |
重量 | 500kg |
価格 | 要問い合わせ |
小型マニシングセンタを選ぶポイント
最後に、小型マニシングセンタを選ぶ際のポイントについて以下3つ紹介します。
- 価格
- 性能
- サポート体制
選ぶポイント①価格
小型マニシングセンタの価格は見積もりを取らなければわからないことがほとんどです。
一般的に国内製のであれば本体のみで1000万円〜、海外製であれば500万円〜ですが性能やメーカー次第で金額は大きく異なります。
自社の予算が限られている場合は、その価格に見合った性能があるのか、必要な機能だけ備わった価格であるかなどを確認しましょう。
また、消費電力やメンテナンスなどのランニングコストも考えたうえで導入を検討してください。
選ぶポイント②性能
小型マニシングセンタの性能は、
- 加工精度
- 加工速度
- 耐久性
などにより業務効率は異なります。
自社が求める製品の品質や生産性が高いのかなど、性能を確認し最適なものを選びましょう。
選ぶポイント③サポート体制
小型マニシングセンタは導入後も長く使用することになります。
そのため、どれだけメンテナンスを行っていて大切に扱っていても故障やトラブルを引き起こすこともあります。
その際に「故障時は迅速に対応してくれる」「定期的なメンテナンスを実施」してくれるなどサポート体制が充実していれば安心して使用できます。
小型マニシングセンタについてまとめ
小型マニシングセンタは様々な製造現場で需要が高まっており、導入を検討する企業も多くいます。人手不足が深刻化する中で生産性を向上させるために重要な役割を担うでしょう。
また、小型マニシングセンタを導入する際はメリット・デメリット、価格や選び方のポイントなど本記事で紹介した内容を参考に選んでみてください。
株式会社岩間工業所が発売するTAKMill(たくみる)は初めて導入する方や導入が不安な方でも安心して導入できますので、ぜひ検討してみてください。