JavaScriptのコードを書いていると、動作の確認や修正のために一時的にコードを無効化したり、コードの動作を説明するためのコメントを挿入したりしたい場合があります。
そんなときに役立つのがコメントアウト機能です。本記事で、JavaScriptでコメントアウトをする方法や、その使い道について見ていきましょう。
JavaScriptのコメントアウトとは
JavaScriptのコメントアウトとは、プログラムに含まれているコードを無効化する機能です。
コメントアウトされたコードは実行されないため、開発に影響を与えません。
そのため、コメントアウトは開発者がコードの説明を書き込んだり、プログラムを無効化したりするためのツールとして利用されます。
これにより、コードの可読性が向上したり、コードを検証したりする際に役立ちます。
JavaScriptのコメントアウトの使い道
JavaScriptのコメントアウトには、主に以下2つの使い道があります。
- コードの説明
- コードの無効化
これらの使い道について見ていきましょう。
使い道①コードの説明
コードに説明を入れることで、なぜそのような実装をしたのか、特定の処理がどのように動作するのかをほかのプログラマーにも意思の伝達ができます。
このように、コメントは自分自身だけでなく、ほかのプログラマーがコードを見たときに理解しやすくするための助けとなります。
特に、大規模なプロジェクトや複数人で開発する場合、プログラマーによって解釈の違いが起きないようにコメントアウトで説明を入れておくことはとても重要です。
コードに説明があることで、後から修正や変更を加える際にスムーズに作業を進められます。
使い道②コードの無効化
プログラムをテストする際や、特定の機能を一時的に停止させたい場合にも、コメントアウトは便利です。
実際にコードを削除すべきか悩んでいる段階では、コメントアウトならいつでも有効化し直せるので、必要になった際にコードを一から書き直す手間がかかりません。
特にデバッグ時には、コードを部分的に無効化して動作をチェックすることもよくあります。
また、JavaScriptで開発をしていると、undefinedという値が出力される場合があります。以下の記事では、JavaScriptでよく見かけるundefinedの意味について解説しているので、気になる方はこちらもあわせてご覧ください。
JavaScriptでコメントアウトする方法
JavaScriptでは、2種類のやり方でコメントアウトができます。1行だけコメントアウトする方法と、複数行をまとめてコメントアウトする方法です。
それぞれの使い方について見ていきましょう。
一行のコメントアウト
1行のコメントを挿入する際には、半角の「//」を使います。この記号の後に続くテキストは、コードとして無視されるため、開発に影響は与えません。
主に短い説明や、一時的に無効化したい一行のみのコードに使います。一行のコメントアウトの例は以下のとおりです。
const x = 10; // xに10を代入
同じ行にコメントアウトを追加しても、それ以前のコードに関してはコメントアウトは適用されません。
複数行のコメントアウト
複数行のコメントには「/* 」と「*/」を使います。この形式では、コメントアウトの開始と終了をそれぞれ指定しており、その間にあるすべての行が無効化されます。
長い説明を書きたいときや、複数行に渡るコードを無効化したいときに役立ちます。複数行のコメントアウトの例は以下のとおりです。
これは複数行のコメントです。
この間のコードは実行されません。
*/
let y = 20;
const x = 30;
/*
console.log(y);
console.log(x);
*/
アスタリスクとスラッシュの位置を間違えるとコメントは機能しないので注意しましょう。
JavaScriptのコメントアウトのショートカットキー
JavaScriptのコメントアウトを効率よく行うために、ショートカットキーを使うと便利です。 以下は、WindowsとMacでコメントアウトするときのショートカットキーを表にまとめたものです。
ショートカットキー | |
Windows | Ctrlキー+/キー |
Mac | Commandキー+ /キー |
複数行のコメントアウトをする際は、コードをすべてドラッグで選択してからキーを入力しましょう。
しかし、使用しているテキストエディタによっては、違うショートカットキーが設定されている場合もあるので注意が必要です。
また、JavaScriptはWebサイトに動きを加えたり、アプリを開発したりするだけでなく、ゲーム開発も行えるプログラミング言語です。高度なプログラミングスキルがあれば、本格的なゲームを作成できるでしょう。
しかし、ゲーム開発ができるプラットフォームである「Unity」を使えば、高度なプログラミングスキルがなくてもゲーム開発にチャレンジできます。
以下の記事では、Unityを学べる無料のチュートリアルについて紹介しています。ゲーム開発に興味のある方は、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
JavaScriptでコメントアウトする際に注意すべきポイント
JavaScriptのコメントアウトは便利な機能ですが、適切に使わないと逆効果になる場合があります。
JavaScriptでコメントアウトする際は、以下5つのポイントに注意する必要があります。
- 過剰に入れない
- ほかの人が見てもわかりやすく書く
- 更新を忘れないようにする
- コメントアウトが重複しないようにする
- 記入ミスに気をつける
これらの注意すべきポイントについて見ていきましょう。
注意点①過剰に入れない
コメントはコードを補足するために重要ですが、入れすぎると逆にコードの可読性が低下します。
コメントが多いと、どこが重要な部分なのかが曖昧になってしまいます。
重要な部分にだけコメントを入れるようにし、コード自体の可読性を落とさないように書くことを心がけましょう。
注意点②ほかの人が見てもわかりやすく書く
コメントは自分自身だけでなく、将来的にコードを読むほかのプログラマーやクライアントにとってもわかりやすく書くことが大切です。
専門的すぎる用語や、自分だけが理解できる略語などを使うと、コードを理解するのに余計な手間がかかります。
簡潔かつ明確な言葉を使い、コードの動作や目的を簡単に説明することが理想です。
特にチーム開発においては、ほかのメンバーが後からでも理解しやすいコメントを意識してつけるようにしましょう。
注意点③更新を忘れないようにする
コードが修正や更新されるとき、コメントも同様に見直す必要があります。古いままのコメントが残っていると、コードの内容と一致せず誤解を生む可能性があります。
これが原因で、開発者が意図とは異なる動作を期待したり、デバッグに時間を費やしたりすることがあるため、コメントの更新は必ず行いましょう。
また、不要なコメントは都度削除してコードの可読性を上げることも大切です。
注意点④コメントアウトが重複しないようにする
コメントアウトが重複すると、意図しない部分がコメントアウトされずにコードが実行されることがあります。
複数行のコメントをさらにコメントアウトしようとする場合、最初の 「/* 」と最後の「 */ 」の関係性が崩れ、閉じの部分が取り残されてしまいます。
この場合、コメントアウトしたつもりが一部のコードが有効なままとなり、バグの原因になりかねません。
意図しないエラーを出さないためにも、コメントアウトは重複させないように注意しましょう。
注意点⑤ 記入ミスに気をつける
JavaScriptでコメントアウトする際は記入ミスに注意しましょう。
一行コメントの場合は 「//」、複数行のコメントの場合は 「/* 」と「*/ 」を使いますが、スラッシュの数や順番を間違えると、コメントが正しく機能せず、コードが誤って動作する可能性があります。
特に複数行コメントの場合、「/* */ 」ではなく、「*//*」とならないように気をつけてください。
JavaScriptを使うのにおすすめのテキストエディタ
JavaScriptを動かすためのコードを記述するには、テキストエディタが必要です。そんなテキストエディタは、以下の3つがおすすめです。
- Visual Studio Code
- Atom
- サクラエディタ
これらのテキストエディタの特徴について見ていきましょう。
テキストエディタ①Visual Studio Code
Visual Studio Codeは、Microsoftが提供している基本料金無料のテキストエディタです。
豊富な拡張機能と直感的に作業できる操作性から、高い人気を誇ります。
また、クロスプラットフォームに対応しており、Windows、macOS、Linuxで動作します。
さらに、高機能ながら動作が軽いため、ストレスなく作業ができるのもVisual Studio Codeの魅力です。
テキストエディタ②Atom
Atomは、GitHubがメインで開発に取り組んでいるオープンソースの無料テキストエディタです。
直感的に作業ができるインターフェースになっているため、初心者でも使いやすいのが魅力です。
また、Atomならデータの共有が簡単で、環境設定を行うことでOS間でスムーズに共有できます。
さらに、インストールも公式ホームページからダウンロードして開くだけなので、初めてテキストエディタを使う場合でも安心です。
テキストエディタ③サクラエディタ
サクラエディタは、Windowsで使用できる日本製の無料テキストエディタです。動作が軽いことと、シンプルなインターフェースが特徴です。
さらに、多様な文字コードをサポートしており、改行コードが混在する文書でも対応ができます。
しかし、エメット機能がないため、効率的に開発を進めるならVisual Studio CodeやAtomの方がおすすめです。
それでも、コード入力に慣れる段階では、サクラエディタを使うのもよいでしょう。
JavaScriptの学習におすすめの方法は?
JavaScriptの学習におすすめの方法は、スクールや講座の活用です。スクールや講座なら、独学では理解が難しい部分も、プロの講師が指導してくれるため、スムーズに学習できます。
さらに、体系的なカリキュラムが用意されているため、基礎から応用まで段階的に学べ、実践力がつきやすいのが特徴です。
また、質問や課題に対するフィードバックを受けることで、短期間で効率的にスキルを習得できるでしょう。
JavaScriptのコメントアウトについてのまとめ
今回は、JavaScriptのコメントアウト機能について解説しました。
JavaScriptのコメントアウトは、コードの可読性を向上させるとともに、デバッグ時にも役立つ便利な機能です。
適切な使い方を心がけることで、効率的な開発ができます。コメントアウトは1行と複数行で使い分け、必要な部分にのみ入れることを意識しましょう。
また、ショートカットを活用すれば、作業のスピードも向上します。JavaScriptで開発をする際は、積極的に活用してみてください。
