ITパスポートに興味はあるけれど、自分に合格できるのか、難易度がどれくらいなのかが分からず受験に踏み出せないという方は多いと思います。
合格率は高いと聞く一方で、出題範囲が広くて難しい、なかなか合格できない、という声もよく聞きます。
この記事では、合格率をもとにして受験者のバックグラウンド別に現実的なITパスポートの難易度を整理していきます。
ITパスポート試験の基本情報

まずはITパスポートがどんな位置付けの試験なのかを整理してから、難易度の話に入っていきましょう。
ITパスポートは国家試験のなかでは入門レベル
ITパスポートは、情報処理技術者試験でレベル1に位置付けられた国家試験です。いわゆるIT系国家資格の入門的な立ち位置で、ITエンジニアだけでなく幅広い職種が対象になっています。
レベル1という表現だけを見ると、難易度がとても低い試験というイメージを持ちやすいかもしれません。ただ実際にITパスポートで問われる内容は、ITだけでなく、企業活動や会計、法務、マネジメントまで含めた、ビジネスの全体に関わる知識が問われます。
ITパスポート試験のレベル表示だけで難易度を判断せず、非常に出題範囲の広い試験であることを理解しましょう。
ITパスポート試験の出題範囲
ITパスポートの出題分野は、大きくストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系の3つに分かれています。これまでの経験により3分野で難易度の体感が変わってきます。
| 分野 | 主な内容 | 出題比率 |
|---|---|---|
| ストラテジ系 | 経営戦略、マーケティング、会計、法務など、企業活動全般 | 約35% |
| マネジメント系 | プロジェクトマネジメントやサービスマネジメント、システム監査など管理面 | 約20% |
| テクノロジ系 | ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク、データベース、セキュリティなど技術面 | 約45% |
ITパスポートの難易度が思ったより高く感じられる理由の一つが出題範囲の広さです。1つ1つの深さはそこまでではないものの、3分野すべてをバランスよく押さえる必要があるため、一定の勉強時間が求められます。
試験方式と合格基準
ITパスポートはCBT方式と呼ばれるコンピュータ試験です。試験の内容は以下の表の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験方式 | CBT方式(コンピュータによる試験) |
| 試験時間 | 120分 |
| 問題数 | 100問(ストラテジ系:35問、マネジメント系:20問、テクノロジ系:45問) |
| 合格基準 | 総合600点以上(1,000点満点)、かつ各分野で300点以上 |
ITパスポート試験の合格には、以下の合格基準を満たす必要があります。特に各分野(ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系)で300点以上という足切りラインが設定されている点に注意が必要です。
- ストラテジ系 300点以上/1,000点(分野別評価の満点)
- マネジメント系 300点以上/1,000点(分野別評価の満点)
- テクノロジ系 300点以上/1,000点(分野別評価の満点)
しかし各分野でどのような問題が出題されているのかイメージできない方も多いと思いますので、過去問を実際に確認してみましょう。
ストラテジ系の問題

ストラテジ系では会計の問題が頻出します。
この問題で聞かれていることは、B商品の期末棚卸高と売上原価ですが、期末が最も仕入れ単価が高いという情報をもとに考えると(ウ)が正解となります。
会計知識のない方には難易度が高く感じるでしょう。
マネジメント系の問題

マネジメント系のサービスマネジメントと呼ばれる内容に関する穴埋めです。
SLA(サービス・レベル・アグリーメント)やSLM(サービス・レベル・マネジメント)など、それぞれの頭文字が何を意味しているのか、どんな内容なのかをひとつずつ覚えていく必要があります。
用語をたくさん覚える必要があるのがマネジメント系の分野の特徴です。なお、この問題の正解は(エ)になります。
テクノロジ系の問題

テクノロジ系の問題はIT用語や計算問題が出題される分野で、この問題の正解は(イ)になります。
この問題では、HTTPプロキシサーバの役割を正確にイメージできることが大切です。どんな通信の流れなのか、その中でプロキシサーバはどのような役割を果たすのか、具体的にイメージできるようになるまで繰り返し学習しましょう。
テクノロジ系は苦手とする受験者が多く、ITパスポートの難易度を上げている大きな要因となります。
以下の記事では、テクノロジ系に関するおすすめの勉強方法を詳しく解説していますので参考にしてください。
合格率と勉強時間から見るITパスポートの難易度
ここからは、多くの人が気にする合格率や勉強時間の観点から、ITパスポートの難易度を整理します。
合格率から見る難易度
ITパスポートの難易度を考えるうえで合格率は重要な指標で、直近の合格率は50%前後です。
| 年度 | 合格率 |
|---|---|
| 2025年度(令和7年度) | 49.9%(2025年10月時点までの平均) |
| 2024年度(令和6年度) | 49.1% |
| 2023年度(令和5年度) | 50.3% |
| 2022年度(令和4年度) | 51.6% |
数字だけ見ると「それほど難しくなさそう」と感じるかもしれませんが、合格率50%という見た目の数字に惑わされないことが重要です。ITパスポートは幅広い出題範囲をバランスよく得点する必要があるため、実際の難易度は受験者の背景知識によって大きく変わります。
そして合格には総合点600点に加えて、3分野すべてで300点以上という基準があります。どれか1分野が300点未満だと不合格になるため、得意科目だけでは突破できません。
合格率50%という数字だけではなく、出題範囲や自身の得意不得意をしっかり確認して難易度を見極めましょう。
勉強時間から見る難易度
次に、勉強時間という観点からITパスポートの難易度を見ていきます。必要な勉強時間はIT経験によって大きく変わりますが、大まかな目安を押さえておきましょう。
これまでIT系の学習をほとんどしてこなかった人の場合、ITパスポート合格までの勉強時間は150〜180時間が目安といわれます。一方で、情報系の学生やITエンジニアであれば、勉強時間は50〜80時間程度で済むケースもあります。
ITパスポートの難易度を上げているのは範囲の広さと覚えるべき用語の多さです。ストラテジ系の経営や会計、マネジメント系の管理手法、テクノロジ系のネットワークやセキュリティなど、違う分野の用語をたくさん覚える必要があります。
覚えるべき用語が多いからといって暗記だけで乗り切ろうとすると、勉強時間が増える割に定着しにくく、ITパスポートの難易度を高く感じてしまいます。とくに、情報セキュリティやネットワークの問題は、イメージがつかめていないと勉強時間に対して得点が伸びない分野です。
ITパスポート試験の勉強時間についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参照してください。
受験者タイプ別に見るITパスポートの難易度
学生か社会人かによってITパスポートの難易度が変わります。公式の統計資料から、学生は社会人と比べて合格率が低いことがわかっています。
| 受験者タイプ | 合格率 |
|---|---|
| 社会人 | 52.7%(2025年10月時点までの平均) |
| 学生 | 39.8%(2025年10月時点までの平均) |
引用元:【ITパスポート試験】統計資料(勤務先別一覧表 P5)
社会人から見た難易度
社会人にとってITパスポートの難易度を左右する大きなポイントはテクノロジ系の知識です。ネットワーク、プロトコル、データベース、暗号化など、普段の業務で触れない言葉が多く、最初は意味を具体的なイメージに結び付けられず難しく感じることもあります。
テクノロジ系を勉強するコツはイメージで理解することです。これにより専門用語の理解が進み、苦手分野の知識でも安定して積み上がっていきます。
一方で、ストラテジ系やマネジメント系の内容は実務とつながる部分が多く、これが学生よりも合格率が高いというデータにもつながっています。
ただし、IT職では逆に会計・マーケティング・プロジェクト管理といったビジネス分野が苦手な場合がありますので、自分の苦手分野を把握して勉強を進めていきましょう。
学生から見た難易度
社会人経験のない学生は、テクノロジ系だけでなくマネジメント系やストラテジ系にも馴染みがなく多くの分野で苦戦しやすい傾向があります。
とくに苦手になりやすいのが、ストラテジ系の会計・ファイナンス・経営戦略の分野です。損益計算書や貸借対照表、投資評価の指標といった専門用語と一緒に数字が並ぶだけで、難易度が一気に上がったように感じてしまいます。
また、アルゴリズムや論理演算などテクノロジ系の問題も文系学生にはハードルになりがちです。内容は中学レベルの数学で十分対応できますが、苦手意識から必要以上に難易度が高く見えてしまう場合もあります。
なかには苦手意識から思うように勉強が進まない、という人もいるのではないでしょうか。そんなときは、重要ポイントを整理して学べる「ITパスポート試験対策セミナー」がおすすめです。
ITパスポートの難易度に対する誤解

ここでは、ITパスポートの難易度に対するよくある勘違いを整理しながら現実的な難易度のイメージを説明していきます。
国家試験だから難しいという思い込み
まずは「国家試験だから難しい」という思い込みです。司法試験や税理士試験のような難関資格を連想して、必要以上に構えてしまう人も少なくありません。
ITパスポートは、社会人や学生がITの基礎を学ぶための入り口として設定されています。情報処理技術者試験の中でもレベル1に位置づけられ、難易度も入門レベルです。
もちろん、勉強せずに合格できる試験ではありません。ただ、学習時間を確保して範囲を一通り押さえれば十分合格できます。
国家試験という言葉で身構えず、入門資格として適切なレベルの試験だと理解しておくことが大切です。
合格率50%の落とし穴
また「合格率50%前後なら楽勝だろう」という誤解もよくあります。数字だけ見ると難易度は高くなさそうですし、入門レベルの試験という説明からも簡単だと誤解する方がいます。
しかし、「ITの入門レベルの試験=簡単」という意味ではなく、ネットワークやセキュリティなど専門用語を理解していないと全く歯が立たない試験です。
しっかり学習している受験者層だけに限れば合格率はもっと高くなり、逆に勉強時間が足りない受験者層に絞れば合格率は一気に下がります。
合格率やITの基礎という言葉に安心しすぎず、きちんと内容を見て着実に勉強を進めていきましょう。
数学やITが苦手だと難しいと決めつける
数学やITに苦手意識がある人が陥りやすいのが「ITパスポートは自分には無理だ」と諦めてしまうパターンです。
確かに、テクノロジ系には論理演算やアルゴリズムなど数学的な要素を含むテーマがあります。とはいえ、ITパスポートで問われる計算はパターンを覚えれば対応できるレベルです。
ITパスポートの問題では、数学的な問題よりも用語の意味や考え方を問う問題の方が圧倒的に多いです。基礎から一歩ずつ積み上げていけばまったく怖くありません。
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ITパスポートの難易度まとめ
ITパスポートの難易度はITの基礎知識や、これまでのビジネス経験で決まります。
しかし合格するために必要なことは、難易度を考えることではなく自分に不足している分野の知識を着実に積み重ねることです。
そしてITパスポート試験は、ITの基礎を身につけるだけでなく、仕事やキャリアを見直すきっかけにもなる試験です。ITパスポート試験の適切な難易度を理解して、合格に向けて勉強を進めていきましょう。