スリプリセミナーを受講していただいた整形外科医の進 訓央さんから、Fusion360とメッシュミキサーを利用した事例をいただいたのでご紹介します。
間接的ながらも医療を通して人に貢献できたこと本当に嬉しいです!
以下、進 訓央さんからいただいたメールの抜粋です。
先日も詳細にご教示頂き、また夢のような時間を過ごさせて頂きまして誠に有難 うございました。月曜から仕事で現実に戻ってしまった感がありますが、今後に活かして行きたいと思っております。
<中略>
一部のスライドを補足の上、スライドのノートに注釈を付けたものを添付させて 頂きます。
御礼といってはなんですが、何かのお役に立てて頂けましたら幸いに存じます。
今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。
また皆様の益々のご活躍、ご健勝を祈念しております。
いただいたスライドには、進さんが医師会で発表された、「骨折手術に対するフリーソフトウエアの応用」の内容が載っていました。
スライドのっていた以下の3つの症例をご紹介いたします。
1. 大腿骨頚部骨折に対するハンソンピン
2. 脛骨遠位端骨折
3. 橈骨骨幹部骨折変形癒合に対する矯正骨切り術
大腿骨頚部骨折に対するハンソンピン
ハンソンピンと呼ばれる大腿骨頚部骨折の骨接合材料の至適位置、長さなどのシミュレーションにfusion360を活用されたそうです。
Fusion360で各種長さのハンソンピンとその2本のピンの間隔を決めるガイドを作成して、骨折部のレントゲンデータをMeshmixerで取り込み、骨折を多少整復した後、Fusion360で作成したハピンソンを挿入し位置を確認するのに使用されました。
Fusion360で各種長さのハンソンピンと2本挿入する間隔(6,8,10mm)を決めるガイドを作成
Meshmixerで骨折を多少整復してハンソンピンを10mmのガイドで間隔をあけて挿入した所のレントゲンモード
脛骨遠位端骨折
続いて二つ目の症例紹介です。
脛骨遠位端の関節内骨折に対して、骨折の整復にMeshmixerが利用されました。
3D-CTのデータをMeshmixerで読み込み、骨片を移動して整復のシミレーションに用いたそうです。
左脛骨遠位端骨折の関節内骨折の3D-CTの画像
Meshmixerで骨片を移動して整復
橈骨骨幹部骨折変形癒合に対する矯正骨切り術
最後に三つ目の症例紹介です。
橈骨骨幹部骨折の変形癒合による回旋制限に対して、Meshmixerで矯正骨切りのシミュレーションをし、またナイロンで造形した実体模型を術野に滅菌して参考にしながらプレートによる矯正骨切り術を施行されました。
橈骨骨幹部変形癒合の症例を健側を反転したデータと患側のデータをmeshmixerに取り込んで比較
Plane cut で骨切りして矯正しているところ
実際にナイロンで実体模型を作成して、滅菌して術野でプレートをあてようとしているところ
もっともっとFusion 360が世の中で活用されていって便利で素晴らしい世の中になればと思っています!
Fusion360で3DCADの技能資格を取得するセミナーも行っておりますのでご興味のある方は是非ご参加下さい!