高機能かつ初心者でも使いやすいことで人気の高い「Autodesk Fusion」ですが、CAD機能だけでなくCAM機能も備わっています。
また、価格もCAMソフトの相場に比べて安価に使用できることができるため、世界でもトップクラスのシェアを誇ります。
そんなAutodesk Fusion CAMですが利用を検討している方の中には「どんなことができるの?」「ダウンロードはどうすればいい?」と悩む方も多いかと思います。
そこで本記事では、Autodesk Fusion CAMの概要をはじめ、基本機能やダウンロード方法、使い方を学ぶセミナーなど紹介します。
基礎知識を網羅できる記事となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
Autodesk Fusion CAMとは?
「Autodesk Fusion CAM」とはAutodesk社が発売するソフトで、精度が高く効率よく作業ができるよう「2軸」「3軸」「穴加工」「旋盤加工」などのツールパス作成が可能なソフトです。
本来、3DCADソフトとしての認知が高い「Autodesk Fusion」ですがCAM機能も備わっており、直感的に操作ができるため初心者の方でも使いやすいのが大きな特徴です。
設計から加工までのフローを1つのソフトで行えることは珍しく、万能型のソフトと言えるでしょう。
Autodesk Fusion CAMの価格
Autodesk Fusion CAMは機能だけでなく価格にも定評があるソフトです。
例えば、機能に制限はあるものの学生やスタートアップ企業は無料ライセンスがあります。
主な価格は以下の表を参照ください。
商用ライセンス | 1ヶ月:8,800円 1年間:71,500円(※年間契約でお得に利用できる) 3年:214,500円 |
無料ライセンス | 【スタートアップ企業向け】
【個人利用向け】
【スタートアップ企業向け】
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商用ライセンスの場合、契約から30日間は無料版を使用することができるため使用感を確認したいという方は試しに利用することができます。
また、機能に制限がないため、導入を検討しているのであれば必ず利用しましょう。
Autodesk Fusion CAMの基本機能
Autodesk Fusion CAMにおける以下4つの機能を画像付きで解説します。
- ツールパスの作成
- 加工時間の短縮
- シミュレーション機能
- 加工データの作成
ツールパスの作成
Autodesk Fusion CAMのツールパスの設定ダイアログはマウスオーバーで詳細は設定内容が表示されるため、何のためのコマンドであるかを直感的に理解することが可能です。
また、Autodesk Fusion CAMの拡張「Machining Extension」を導入すれば、ツールパスの自動化や最適化などにも対応できます。
加工時間の短縮
Autodesk Fusion CAMはHSMWorksやInventor HSMで実績のあるCAMカーネルを使用しています。
そのため、工具の負荷が考慮されており早い加工を実現、材料によっては加工時間を従来の4倍以上短縮します。
また、加工材によって切削領域を自動で認識できるため、加工時間の短縮を実現します。
シミュレーション機能
工具やホルダの干渉チェックがCAM上で行えるため、ドライランの時間を短縮できます。
また、加工時間が表示されるため加工にかかる時間を把握できるのも魅力の1つです。
削り上がりの形状までチェックできるため、加工ミスを軽減できます。
加工データの作成
加工用のツールパスをAutodesk Fusionで作成すれば、設計から加工までのフローを統一しデータを書き出すことなく加工データの作成が実現します。
また、3Dモデルを修正すると作成したツールパスが再計算され、急な設計の変更にも短時間で対応が可能です。
Autodesk Fusion CAMを使用する時のポイント
Autodesk Fusion CAMを使用するにあたってのポイントは以下の2点です。
- 加工原点を確認する
- ポストプロセッサをダウンロードする
加工原点を確認する
CAMで設定した位置と使用する工作機械の加工原点の位置が異なると、何もない所を切削動作をしたり、材料に垂直に落ちるような動きを起こし加工ができません。
そのため、ソフト側で加工原点と工作機械側の加工原点を必ず一致させてからツールパスを作りましょう。
ポストプロセッサをダウンロードする
Autodesk Fusionは数十種類のポストプロセッサが初期時点で搭載されているため、機械に合った最適なものを選択してローカル等にコピーして使用します。
そのまま使用できることもありますが、使用できない場合はダイアログ内で設定を編集したり、テキストベースで自力で編集しましょう。
工作機械用にカスタマイズされたポストプロセッサはネット上でダウンロードできます。
Autodesk Fusion CAMのダウンロード方法
Autodesk Fusion CAMのダウンロード方法について解説します。
まずは「Autodesk Fusion」のHPにいき、画像の右に位置する「無料体験版ダウンロード」と書かれているボタンをクリックします。
すると、必要事項を入力する下記画像の画面に飛ぶため「必須」と書かれている部分は全て入力しましょう。
その後、お客様情報の取り扱いに同意できればダウンロードをクリックします。
ダウンロードが始まると完了です。
30日間は無償で利用できますが30日を過ぎると使用できなくなりますので、料金を支払うと利用が再開されます。
Autodesk Fusion CAMを使用するならTAKMill(たくみる)
CAMソフトは工作機械を動かす際に使用されますが、工作機械の扱いが難しいと時間や手間がかかります。
そこで「Autodesk Fusion CAM」と相性の良い株式会社岩間工業所が発売するマニシングセンタ「TAKMill(たくみる)」をご紹介します。
TAKMill(たくみる)の特徴
TAKMill(たくみる)の特徴は以下3つになります。
- アシストモードの搭載
- コンパクトかつ広いストローク
- 工具長測定が不要
アシストモードの搭載
初心者の方でもスムーズに操作ができる「アシストモード」を搭載しています。
この機能を使用すれば機械が提案する手順に従うだけで、切削加工に必要な準備がスムーズに行えます。
コンパクトかつ広いストローク
ストロークは機械サイズがコンパクトになるほど小さくなりますが、機械幅1000mmに対してストロークが広いため、設置に場所を取られずらく、深い形状の加工も可能になります。
工具長測定が不要
工具長測定は初心者で行うのは難しく時間がかかる上に測定ミスをすれば最悪の場合、機械を壊れてしまうこともあります。
しかし、TAKMillは自動で測定を行ってくれるため工具長測定をする必要はありません。
TAKMillの製品概要
TAKMillの製品概要は以下の通りです。
項目 | 概要 |
動作範囲 | X550mm Y400mm Z250mm |
テーブルサイズ | X600mm Y450mm |
テーブル高さ | 950mm |
主軸回転数 | 500-12000rpm |
重量 | 500Kg |
価格 | 要問い合わせ |
Autodesk Fusion CAMを短期間で学べるおすすめセミナー
Autodesk Fusion CAMは初心者の方でも操作ができるソフトですが、実践で使いこなすには独学であれば時間がかかります。そこでお勧めするのがGETT Proskillが運営する「Autodesk Fusion CAMセミナー」です。
Autodesk Fusion CAMセミナーの特徴
Autodesk Fusion CAMセミナーは2日間の短期集中講習で未経験でもCAMについて理解し、Autodesk Fusion CAMの操作スキルや知識を実務レベルまで向上させることができます。
セミナーの受講形式は「会場受講」「ライブウェビナー」と選択できるため、場所を問わず受講することが可能です。
Autodesk Fusion CAMセミナー概要
Autodesk Fusion CAMセミナーの概要については以下の表を参照ください。
セミナー名 Autodesk Fusion CAMセミナー講習 運営元 GETT Proskill(ゲット プロスキル) 価格(税込) 58,300円〜 開催期間 2日間 受講形式 対面(東京)
Autodesk Fusion CAMでよくある質問
ここでは、Autodesk Fusion CAMに関する質問についてまとめています。
ただし、商用利用する場合は30日間の期間限定であり期間を過ぎると料金が発生します。
また、スタートアップ企業や学生でも無料で使用できますが機能に制限がかけられています。
非商用利用であれば機能に制限はかかるものの無料で使用することが可能です。
基礎的な知識を学びたい時には非商用で利用してみましょう。
また、独学だとモチベーションを保つことが難しく、誤った知識を覚えてしまう可能性もあるでしょう。可能であればAutodesk Fusion CAMの専門講師に教えてもらえるセミナーを受講するのがおすすめです。
Autodesk Fusion CAMについてのまとめ
Autodesk Fusion CAMは世界でもトップクラスのシェアを誇り、高性能かつ使いやすいのが特徴です。
本記事を参考にAutodesk Fusion CAMの導入を検討してみてください。
また、Autodesk Fusion CAMは2024年1月に「Fusion 360」から「Autodesk Fusion」に名称が変更され、Web上ではどちらの名称でも書かれているかと思います。
しかし、どちらも同じソフトのことですので、安心してください。
「Autodesk Fusion」が定着してくれば、徐々に「Fusion 360」の表記も減ってくることでしょう。
