こんにちは。工場長 濱谷です。
今回はFusion 360の機能でジェネレーティブデザインとネコのお話です。
出演:F氏家のペロちゃん&ママ
猫は好きだけど、車の屋根には登って欲しくない!
そこで、猫を傷つけず、ピンポイントで車の屋根に来た時だけちょっとどいてもらう為に、センサー感知と超音波を放射する機器を使ってみることにしました。
※動物愛護の観点からネコを傷つけず、ネコに学習させ糞害・イタズラ等を防ぐように設計しております。
メーカーサイトより引用 http://www.yutakamake.co.jp/syohin/garden_top.html
機基本体と付属部品がこちら
ピンポイントで車の屋根だけ狙うためには、地面に近いと屋根まで届かないし、上の方に置きたいところです。
設置場所として唯一可能だと判断したのはガレージの壁に引っかける方法でした。
ここにこんな感じで設置できれば、完璧ですね!
緑が照射機になっていて、車の上の赤い部分を狙います。(車のモデルは外寸だけの適当なスカルプトモデルです)
付属のパーツでは、このような固定はできなかったので、Fusion 360と3Dプリンターを使って土台を作ることにしました。
設計せねばなりません!
照射すると上の図の赤い部分をきちんとカバーできる角度と、私が苦手なデザインを考えなければなりません。。。
デザインが不得意な工場長は、
ジェネレーティブデザインは、あらかじめ定義された目標と制限を満たす、高度に最適化されたデザインを生み出すことのできるソフトウェアテクノロジーで、クラウド上の形状合成アルゴリズムとマルチ物理モデルのパフォーマンス解析を活用して、単一のアイデアから、想像もできないようなものを含めた、何千ものデザインオプションを生成することができます。
参照:https://www.autodesk.co.jp/solutions/product-development-innovation-platform
猫のようにしなやかなデザインが出てきて欲しいところですw
① まずは、固定される箇所のモデル作成
白い部分をモデル化しました。ひっかけて支える部分と、機器をスライドインする部分ですね。ただの直方体と円柱ですw
② 干渉しないでほしい場所をモデル作成
赤い部分が機器がスライドインするところと、壁になります。
③ 荷重設定
固定する部分をひっかけるソリッド、機器の重みがかかるところにそれぞれ荷重をかけてみました。
下から支える円柱には反力を入れてみました。
④ 計算結果
色々な結果が出てきました!
積層造形や切削加工で製品を作るにチェックを入れたり、素材をABSやアクリル、ナイロンなどを選定したところ、55個の計算結果が得られました!
⑤ 選定
私が選んだのがこちら!
どうでしょう!?猫のようなしなやかさと強さを表現できているのではないでしょうか?!w
⑥ モデル化
ドキドキの100クレジットOKボタンを押してモデルを取得しました!
ちょっと細そうだなー、と思ったところはスカルプトでコネコネ太くしてみましたよ♪
⑦ 3Dプリント
Raise3Dでレッツ3Dプリント♬
おっと、10時間かかるようなので今日は帰りますw
デフォルト標準出力で出力した結果がこちら↓ なかなか綺麗にできたのでは?!
設置完了!
完璧ですw
そっと覗いてくれてますw
これできっと屋根の上以外で快適に過ごしてくれるはず♬
今回は、積層型の3Dプリンターで出力した、ということもポイントですね。
やってみて思いましたが、ジェネレーティブデザインと3Dプリントとの相性は非常に良いです。
機構設計したものを3Dプリントする時って、サポートが多くて嫌になりますが、ジェネレーティブデザインの出力は思ったよりサポート材が少なくて済みました。
利用したプリンターはこちら:Raise3D
★★今回の所要時間(工数)と気づき★★
<所要時間>
◆固定箇所、干渉箇所モデリング:30分
◆ジェネレーティブデザイン計算:たぶん数時間(クラウドにほったらかしだったので、翌朝できていました)
◆スカルプトのちょっとした編集:1時間
◆3Dプリント出力:10時間
◆クラウドクレジット:演算25クレジットx2回+データ出力100クレジット=150クレジット約2.5万円
合計約1日でできちゃうんですね‼ CADを触って手を動かしたのは2時間くらいでしょうかw
<気づき>
◆設計時間が要件定義を3Dでしただけなので、ほぼ0でした!
◆ジェネレーティブデザインは最高のアシスト機能!
- デザインやCADができなくても、すぐに利用が可能です。
- 使い始めたら短期間で成果が出ることがよくわかりました。
◆普通の3Dプリンターでも使える強度でした!
ネコジェネいかがでしたか?
安価な3DCADや3Dプリンターが、より実用的に利用される時代に突入してきていることを感じました。
ちなみにFusion 360のジェネレーティブデザイン機能は、有償ユーザーのみ利用が可能です。
56,000円/年間(税別)で、最新技術を利用できること、もっと広めていきたいと思います!
<ライセンス購入はこちらから!>
次回はジェネレーティブデザインの切削にも挑戦してみたいと思います!