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【2024】業務利用でおすすめの3DCAM10社を比較!価格や特徴を比べてみた

昨今では3DCAMも非常に増えていて、一概にどれが良いと判断しにくくなっています。
今回は業務利用にお勧めな3DCAMを10社比較してみました。3DCAM選定の参考にしてみてください!

まず、CAMとは?

CAMのイメージ

3DCAMの前に、まずCAMについて少し説明します。
CAMとはコンピュータ支援製造 (computer aided manufacturing)の略であり、製造分野において、CAD等で作成されたデータをNC加工などで利用するためのシステムのことをいいます。

歴史的には1956年にさかのぼり、APTと呼ばれるNCプログラム言語が開発されたのが最初で、その後APT言語をもとにしたFAPT、HAPT、MINIAPTなどの派生言語が開発されました。
CAMの利用環境としては、初期の頃はUNIXが利用されることが多かったのですが、Windows系のコンピューターのCPU性能の向上と低価格化の影響のあり、また、CADの環境も同様にWindowsが大勢を占めるに至ったことから多くはWindowsへ移植され今に至っています。

2DCAMと3DCAMの違い

CAMは大きく分けると2DCAMと3DCAMに分かれており、2軸のデータを出力するものを2DCAMと言います。
これに対し、2.5D、2.8Dといった平面に断面を付加したり、側面から見た輪郭形状を付加するなどのものや、3DCADなどで作成された自由曲面を含む立体データを用いた3軸以上の加工(同時5軸など)を行うものを3DCAMと言います。

CAMはCAD/CAMタイプとCAM単体のものがあり、CAD/CAMタイプのものは、同一のソフト上で単にモードの切り替えを行うだけでCAMとして利用でき、CAM単体のものは、そのCAM専用のフォーマットにCADデータなどの変換が必要となってきます。

CAMのデータは内部的に「フィーチャ型」「サーフェス型」「ポリゴン型」に分かれており、それぞれ得意な分野や利用しやすい形状があるのに加え、CAMのデータ作成においては、加工機械の工具軸数でも分類が分かれており、「工具軸固定」「工具軸傾斜固定」「工具軸傾斜連続変化」「多軸(複合軸)」など、加工方法や仕上がりに違いが出るような特徴があります。

例えば「同時5軸」などと呼ばれるものは、3軸同時の移動に加えて工具自体を傾斜させるため、工具の長さを短くできてより精度を高く、また高速に加工することが可能となっています。

3DCAMの価格相場を比較

上記にあげた3DCAMですが大きく分けて3つの価格帯で分類されています。
それぞれの価格帯の特徴は以下のとおりです。

ハイエンドの価格相場

価格的には400万円以上とされます。(「CAM-Tool」など)
価格相応の豊富な加工のための機能が多く搭載されており、様々なオプション機能等を追加することで広い分野でさまざまな加工が可能となります。
加工の度合いなど、どこまで突き詰めて加工し、精度を上げるかが選択のポイントとなります。

ミドルレンジの価格相場

価格帯は100万円~400万円(「FF/CAM」「MasterCAM」「Topsolid’CAM」など)
価格的に、機能的にも最も普及しているレンジです。
機能も豊富で、使う機能やオプションによっては、ハイエンド並みの能力を持つ製品もありますので、企業でまず導入してみるといった場合には、インターフェースも使いやすく、習得する時間もさほどかからないようですので、このレンジからスタートする場合が多いようです。

ローエンドの価格相場

価格帯は100万円以下のもの(「FeatureCAM」「OneCNC」「Fusion 360 CAM」など)
価格相応に、できる事が限られている場合が多く、中には個人利用ならば無償で提供されているものもありますので、CAMの基本知識習得などには良いのではないかと思われます。
また、Fusion 360 CAMの登場により年間約3万円で、高性能は3DCAMを業務で利用できるようになりました。
オリジナル商品のような、高性能な加工機械などを必要としないものはこのレンジでも十分に使えると思われます。

業務利用におすすめな3DCAM10選

仕事などの業務利用におすすめな3DCAMソフトはこちらです!
それぞれの価格や機能を比べているので、自社に合うソフトを選んでみてください。

1.Fusion 360 CAM:オートデスク社

Fusion 360 CAM

 

WindowsだけでなくMacでも利用可能な低価格3DCAD/CAMシステムです。
クラウドベースで作られており、2軸加工、3軸加工、穴加工、旋盤加工、5軸加工、検査プローブまでの加工工程に対応可能です。
Fusion 360 CAMは、HSMWorksやInventor HSM™で実績のあるカーネルを使用しています。

Fusion 360 CAMの機能

Fusion 360 CAMの機能イメージ

低価格でありながら、3DCADの機能から3DCAMの機能までひと通りを利用できますので、業務で利用する方はもちろんのこと、初心者や、個人利用者にも非常に扱いやすいものとなっています。
2軸、2.5軸、3軸のCAMに必要な機能が揃っており、データはCADと同様にクラウドストレージ上に保存するようになっています。さらに、加工材を基に切削領域を自動で認識するため無駄なツールパスを省き、加工時間の短縮を実現します。

また、工具やフォルダの干渉チェックがCAM上で行えるためドライランの時間を短縮できます。
3Dプリンタ用のデータを直接生成できるユーティリティーも利用できるため、手軽に3Dモデルの作成が可能です。

Fusion 360 CAMの価格

  • 年額71,500円
  • 月額8,800円
  • 3年214,500円

(個人利用なら無料でも利用可)

2.HSM:Autodesk社

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InventorとSolidworksに完全統合されたCAMシステムです。
InventorとSolidworksのインターフェースから直接3Dアセンブリを操作可能で、システムの把握もしやすく、設計変更に連動します。
InventorのAnyCAD機能を使用する事で他のCADデータでも連動させながらCAMデータの作成が可能です。
現在、PDMコレクションのみに含まれるソフトになります。

また、無償のInventor HSM Expressや、HSMXpress for SOLIDWORKSという製品もあります。

HSMの主な3DCAM機能

HSMの主な3DCAM機能

2.5 軸~5軸フライス加工、旋盤加工、複合旋盤加工用まで対応可能です。
オプションなどは無く、シンプルな構成になっていますが、負荷制御切削機能、シミュレーション機能や、干渉チェックなど必要な機能はそろっています。
また、シミュレーションの分散PC処理などの機能もあり、高速なシミュレーションが可能となっています。

HSMの価格

PDMコレクションのみに含まれるソフトになります。

3.Mastercam:CNC Software社

Mastercam:CNC Software社

世界的にも利用数の多い3DCAMであり、幅広いモジュール構成で時間効率、作業効率、費用対効果を考えた構成になっていますので、様々な顧客ニーズに応えることができるシステムとなっています。

Mastercamの主な3DCAM機能

Mastercamの主な3DCAM機能

2軸から5軸に対応した各種モジュール、レリーフなどの加工に特化したモジュールなどに加えて3Dモデリング機能もあり、ワイヤーからのサーフェース生成機能なども充実しています。
また、Solidworksに特化したモジュールもあり、Solidworks上で複合加工プログラミングも行えます。

Mastercamの価格

  • 2.5DCAMの場合は120万円~
  • 3DCAMの場合は330万円~

4.hyperMILL:OPEN MIND Technologies社

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同時5軸加工CAMとしては高い評価があり、国内においてはほぼすべての工作機メーカーが5軸加工用としての推奨CAMとされています。
また、2軸から5軸までのインターフェースを統合化してあり、操作性の向上もなされてあります。

hyperMILLの主な3DCAM機能

hyperMILLの主な3DCAM機能

通常5軸同時加工では5軸を全て動作させることが多いのに対し、なるだけ少ない軸数での加工を行うアプローチがとられています。
また、プログラミング自動化、プロセスの最適化などの為のモジュールや、自動化された干渉チェック、干渉回避機能などもあります。

hyperMILLの価格

180万円~

5.CimatronE:Cimatron社

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同時3軸、5軸に対応した、主に金型を得意とするCAD/CAMシステムです。
サーフェース、ソリッドに対応したCADから加工までをトータルでサポートできるシステムとして設計から3DCAMの加工までをスムーズに行うことが可能となっています。

CimatronEの主な3DCAM機能

CimatronEの主な3DCAM機能

高速な粗取り機能に加え、加工方法の最適化による高品質な仕上加工機能や、微細な工具による精密加工にも対応しています。
また、自動NC機能に「秒速」とうたわれるNCプレビュー機能などもあり、加工の結果もすぐ確認可能となっています。
素材除去、削り残し除去、工具干渉チェックを含んだ機械動作のシミュレーションも可能です。

CimatronEの価格

400万円~

6.CAM-TOOL:C&G Systems社

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サーフェースモデリング機能を持ち、ハイエンドに分類されるCAD/CAMシステムです。
穴から、2.5軸、3軸、5軸加工までのカッターパスを出力可能です。
CAMエンジンはサーフェース演算とポリゴン演算を持つハイブリッドCAMとなっています。

CAM-TOOLの主な3DCAM機能

CAM-TOOLの主な3DCAM機能

多彩な加工モードを搭載し、荒加工から仕上げまでを幅広く対応可能です。
また、大きな工具での取り残しに対する加工の最適化が図られていたり、工具の接触面を減らし工具への負荷を減らす機能なども特徴的です。

7.FF/cam:株式会社 牧野フライス製作所

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工作機械の専門メーカーとして、30年以上の技術、ノウハウの蓄積をもとに自社開発された国産3DCAMです。
シンプルなインターフェースで操作性にも考慮して作られており、標準的な加工パラメーターをテンプレートとして用意してあるため、テンプレートから簡単に流用が可能です。

FF/camの主な3DCAM機能

FF/camの主な3DCAM機能

高速なパス作成機能でCADデータを読み込んでからNCデータを作成するまでの時間を軽減できます。
また、豊富な加工条件データベースを持ち、工具メーカーのデータベースも利用可能となっており、実切削の検証結果の積み重ねが反映されているため、精度の高い加工が可能です。
モジュールの追加で同時4軸・5軸加工や、STLモデル加工、ヘアライン仕上げなどにも対応できるようになっており、必要なモジュールを運用体制に応じて選択できるようになっています。

8.TopSolid’CAM(TOPCAM):Missler Software社

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もともとTOPCAMという単体製品でしたが、3DCADシステムTopSolidと製品統合されTopSolid’CAMという名称になりました。
TopSolid上で動作するので、3DCADデータをそのまま3DCAMに利用でき、3DCAD上の形状変更がそのままツールパスに反映されるなど、手戻りやミスがなくなり大幅に作業効率が上がります。

TOPCAMの主な3DCAM機能

TOPCAMの主な3DCAM機能

穴あけ、切削から5軸加工までの7種類の製品展開となっていますが、基本のインターフェースは同じなので、操作性は同じです。
独自の加工ノウハウをメソッドとして登録でき、ツールパスの自動生成時にも利用できます。
また、ツールパスの作成もドラッグ&ドロップで可能となっており、シンプルな操作性となっています。

TOPCAMの価格

200万円~

9.FeatureCAM:Autodesk社

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もともとはDelcam社が開発したものですが、2015年にAutodesk社が買収し、自社製品として販売しています。
2.5軸フライス加工+3軸のStandardと、3軸フライス加工のPremium、5軸フライス加工のUltimateと3つのエディションで構成されており、用途に応じて製品を選択する形となっています。Ultimate版にはPartMakerというCAMが同梱されています。

FeatureCAMの主な3DCAM機能

FeatureCAMの主な3DCAM機能

フィーチャー認識機能と自動化ツールによりプログラム時間を軽減できます。
シミュレーション機能は様々な加工機械に対応しており、ツールパスの安全性を向上します。
ツールはクラウド化されたデータベースからダウンロード可能で、常に最新のものを利用可能です。

FeatureCAMの価格

期間限定ライセンス(3ヵ月、1年、2年、3年)3ヵ月 123,120円~(Standard)
※ 複数年だと割安になります。

10.OneCNC:OneCNC社

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3DCAMとしてはローエンドの価格帯ですが、様々な有償オプション機能があり、ミドルレンジの機能にも匹敵するようなCAMとして扱えます。
ミル加工、旋盤加工、プロファイル加工、ワイヤー加工の製品を選択するようになっており、それぞれにグレード違いがラインアップされていますので、用途に応じて細かく製品を選択できます。

OneCNCの主な3DCAM機能

OneCNCの主な3DCAM機能

3軸までは標準の機能として提供されています。(4軸、5軸はオプション製品)
上位グレードには3DCAD機能もあるため3DCAD/3DCAMとして利用可能です。
高速加工用のHSMツールパスにより、工具への負荷を一定にすることができ、有効刃長を最大限に利用した高効率な切削が可能となっています。

OneCNCの価格

28万円~88万円

3DCAMが学べるおすすめセミナー

CAMやCNCをうまく活用したいけれどどう勉強すればいいのかわからないという方におすすめなのがセミナーの受講です。ここではおすすめの「Fusion 360 CAMセミナー講習」について紹介していきます。

素早く知識を得られる

CAMセミナーのおすすめポイントの1つ目は、短期間で操作を学べるところです。セミナーは2日に分けて行われて、実践形式で操作を学ぶことができます。1日目は基礎知識からはじめるので、操作に慣れていない方でも安心して取り組みやすくなっています。2日目は画面加工のやり方などを学び、現場で使える知識を得ることができます。時間がなくて忙しいから手早く知識を得たいという方にもぴったりです。

教材をもらえる

2つ目のおすすめポイントは、オリジナルの教材がもらえるところです。CNCの使い方が掲載されているので、セミナーが終わった後も復習することができます。幅広い情報がこの1冊に閉じ込められているので、わからないことがあったら参考書として活用しやすいです。セミナーだけではよくわからなかった部分も、教材に書かれていることをヒントにより理解を深めやすくなっています。

講師の質の良さ

3つ目のおすすめポイントは、セミナーを担当する講師です。講師は2人いて、どちらも頼れる存在です。3DCADやCAMの立ち上げ支援やコンサルティングを主に行っており、現場で応用しやすい技術を教えてくれます。2人の講師から教えてもらえるので知識が偏りにくく、片方の講師からだけでは得られなかった知識も、もう片方の講師が解説してくれます。

受講した人の口コミ・感想

CAMセミナーを受講された方の声を一部ご紹介します。
受講者は日本全国各地から参加されています。
CNCやCAMを学習したい方、これからFusion 360の導入をご検討の方はぜひ参考にしてください。

  • 東京都 男性

    実務レベルでCNC加工できるようになりました。FusionのCAM機能については、ネット上での情報もごく僅かで独学で習得することができずにおりましたが、今回の受講で実務レベルでCNC加工できるまでのスキルを身につけることができ、とても有意義なセミナーでした。今まで我流でCNC(KitMill MOC900)加工しておりましたのでいろいろな問題が生じておりましたが、受講後は快適に加工できております。この度は貴重な知識を習得できるセミナーに参加することができとてもラッキーだったと思っております。本当にありがとうございました!

  • 福岡県 男性

    本当にわかりやすいセミナーでした。三谷さんのセミナーはほんと頭に入りやすい!そんなセミナーだからこそ受講する!って思えるので、今後もFusion360のさらなる機能のセミナー期待しています!また福岡にきてください。楽しかったです!

  • 大阪府 男性

    独学よりも早く習得できました。FUSIONのCAMの内容がわかりやすかったです。独学ですると時間が掛かってしまいますが、短時間で理解することができました。これから、実際に取り組んでいきたいと思います。

  • 福岡県 男性

    素晴らしい講師に出会えて感激!昨日と今日、福岡でのFusion360・CNC講座、ありがとうございました。私はボランティアですがPC講師やってまして、三谷さんの講師役としての資質も拝見させていただきました。分かりやすさはもちろんですが、時間配分、間の取り方埋め方等、久しぶりに本物の講師に会えた感じでした。今後、益々ご活躍されるかと思います。2日間ありがとうございました。

セミナーの詳細をもっと詳しく知りたい方はこちら

3DCAMについてよくある質問

ここでは3DCAMについてよくある質問に回答していきます。

無料の3DCAMソフトはある?

完全に無料の3DCAMソフトはあまり見ませんが、Fusion 360なら無料で1ヶ月体験することができます。CAMソフトを導入したいけど闇雲にコストをかけれないという方は一度お試ししてみてください。

業務利用におすすめの3DCAMソフトについてまとめ

今回は3DCAMソフトにフォーカスを当て徹底的に紹介してみましたがいかがでしたでしょうか。
今回紹介した中でも、Fusion 360 CAMは、加工に必要なツールパスの作成やシミュレーション機能を備えた高機能3DCAMであり、初心者でも使えるほど直観的なユーザーインターフェイスなのでとてもおすすめの3DCAMソフトです。
こちらのサイトから無料体験版がダウンロードできるので、ぜひこの機会に3DCAMを使ってみてはいかがでしょうか。

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