CAD利用技術者試験には2次元・3次元の2タイプの試験があり、建築・機械・製造など業界によって向いている試験が異なります。相性の良いCADソフトや試験内容が違うため、誤った試験を受けると実務につながりにくい点に注意が必要です。
そこでこの記事では、2次元CAD利用技術者試験と3次元CAD利用技術者試験の違いを比較しました。また、目的別のおすすめ試験や学習に便利なCADソフトも解説しているので、自分向きのCAD利用技術者試験を選ぶ参考にしてください。
CAD利用技術者試験は「2次元」「3次元」の違いに注意
CAD利用技術者試験は名前こそ同じですが、実際には以下の2タイプに分かれています。
- 2次元図面をベースとした「2次元CAD利用技術者試験」
- 3Dモデルをベースとした「3次元CAD利用技術者試験」
それぞれ、学ぶ内容も向いている業界も大きく異なります。
たとえば、3Dモデルを作成する仕事のために、2次元CAD利用技術者試験を取得しても、対応しきれないケースがあります。
そのため、これからCAD利用技術者試験を受けようと考えている方は、まず自分がどちらのタイプを選ぶべきなのか判断することが重要です。
CAD利用技術者試験は2次元・3次元のどっちがおすすめ?
2つのタイプで迷った場合は、「CAD初心者は2次元」「建築・土木系は2次元」「機械・製造系は3次元」と考えると失敗を回避しやすくなります。
特に未経験者の場合、いきなり3次元CADから入ると、モデリング操作だけに意識が向き、図面の考え方そのものを理解できないケースがあります。そのため、2次元CAD利用技術者試験からスタートするのが向いています。
一方で、目指す業種が明確であれば、その業種で取り扱う図面の種類に合わせて2次元・3次元を選ぶと良いでしょう。
CAD利用技術者試験の2次元・3次元の違い(比較表)
ここでは、CAD利用技術者試験(2次元・3次元)の違いについて解説します。
以下の比較表や後述する各ポイントを参考にしながら、自分向きの試験がどちらなのかを判断してみてください。
| 比較項目 | 2次元CAD利用技術者試験 | 3次元CAD利用技術者試験 |
|---|---|---|
| 主な内容 | 図面作成・製図 | モデリング・立体設計 |
| 向いている業界 | 建築・設備・土木 | 機械・製造・プロダクト |
| 主なCADソフト | AutoCAD、Jw_cad | Autodesk Fusion、SOLIDWORKS |
| 学習難易度 | 比較的低い | やや高い |
| 実務との関係 | 図面業務に直結 | 設計・解析に直結 |
| 将来性 | 安定需要 | 成長分野 |
| おすすめの人 | 未経験者・建築志望 | 機械設計志望 |
出典1:2次元CAD利用技術者試験 概要ページ
出典2:3次元CAD利用技術者試験 概要ページ
試験の特徴
2次元CAD利用技術者試験は、図面作成や製図ルールの理解を重視する資格です。
寸法線・断面図・レイヤー管理など、建築や設備図面で必要になる基礎知識や作図スキルが求められます。
一方で3次元CAD利用技術者試験は、立体モデリングや空間把握能力を重視する資格です。
3Dモデルの作成、アセンブリ、干渉チェックなど、機械設計や製造業で使われる3D設計の知識が必要になります。
向いている職種
2次元CAD利用技術者試験は、建築CADオペレーターや施工図作成、設備設計補助などの職種に向いています。平面図・立面図・詳細図など、図面作成を中心とした業務で活用されやすい資格です。
一方で3次元CAD利用技術者試験は、機械設計や製品開発、3Dモデラーなどの職種に向いています。立体モデルを使った設計・解析・製品開発など、製造業系の業務と相性が良い資格です。
現在、CAD関連の仕事をしている方は当てはまる資格を、未経験から転職する予定の方は、働きたい職種を基準に選びましょう。
試験を受けるメリット
2次元CAD利用技術者試験は、図面読解や製図知識を体系的に学べるのがメリットです。
特に建築・設備業界では現在も2次元図面が多く使われているため、未経験転職時のアピール材料にもなります。
一方で3次元CAD利用技術者試験は、モデリングや3D設計スキルを学べるのがメリットです。
製造DXやBIM・CIMなど、3D活用が進む分野との相性が良く、将来的なキャリアアップにもつながります。
試験を受けるデメリット
2次元CAD利用技術者試験は、3D設計スキルを直接学べない点がデメリットです。
そのため、機械設計やモデリング業務を目指す場合は、後から3次元CADを学び直す必要が出てくるケースがあります。
一方で3次元CAD利用技術者試験は、立体理解やモデリング操作で苦戦しやすい点がデメリットです。PCスペックやCADソフト操作への慣れも必要になるため、未経験者にはやや難しく感じることがあります。
試験の難易度・合格率
2次元CAD利用技術者試験は、製図ルールや図面理解を中心に出題されるため、比較的学習を進めやすい資格です。2級の合格率は50〜60%前後であり、未経験者でも基礎学習を行えば十分合格を目指せます。
一方で3次元CAD利用技術者試験は、人によっては難易度が高いと感じやすい資格です。
2級の合格率自体は70%前後ですが、モデリング概念につまずく人も少なくないほか、1級になると合格率が20%台まで低下し、難易度が大きく上がります。
(出典:一般社団法人コンピュータ教育振興協会「統計情報」)
おすすめのCAD利用技術者試験を目的別に紹介

2タイプのCAD利用技術者試験を比較しても、どちらを受験すべきか選びきれない人もいるはずです。そこで、ここでは目的別におすすめのCAD利用技術者試験のタイプを紹介します。
土木・建築・設備業界なら2次元CAD利用技術者試験
土木・建築・設備業界では、現在も施工図や平面図など2次元図面を扱う機会が多いため、2次元CAD利用技術者試験から受験するのが向いています。
まったくの未経験から受験したいなら、級のひとつである「基礎」がおすすめですが、実務や転職に活用したいなら「2級」を目指してみてください。
機械・製造設計なら3次元CAD利用技術者試験
機械・製造設計では、立体モデリングやアセンブリ設計を扱うため、3次元CAD利用技術者試験から受験するのが向いています。
特に2級は、3D設計の基本概念やモデリング知識を学べるため、製造業系CADの入り口として活用しやすい資格です。合格率も70%台と高いため、短期間の対策で合格を目指せます。
3次元CAD利用技術者試験の合格を目指したい方は、短期間で試験対策ができる以下の講座がおすすめです。3DCADのモデリングの知識や出題範囲の知識習得をトータルで学べます。
セミナー名 3次元CAD利用技術者試験2級対策講座 運営元 GETT Proskill(ゲット プロスキル) 価格(税込) 27,500円〜 受講形式 eラーニング
また、学習の流れを詳しく知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください
転職なら2次元CAD利用技術者試験から
未経験転職を考えている方は、まず図面理解や製図知識を身につける必要があるため、2次元CAD利用技術者試験から受験するのが向いています。特に2級は、建築・設備・土木など幅広い業界で基礎資格として認知されており、書類選考時のアピールにもつながります。
2級の合格後は、そのまま1級を目指すほかにも、3次元CAD利用技術者試験の2級にチャレンジする流れもおすすめです。
BIMに対応したいなら2次元CAD利用技術者試験から
CADだけではなくBIMを扱う目標があるなら、図面の考え方や製図ルールの理解が必要になるため、2次元CAD利用技術者試験から受験するのが向いています。特に2級は、平面図・断面図・寸法理解などBIMの土台となる知識を学びやすい資格です。
また、2次元CAD利用技術者試験に合格したら、BIMのベースとなる3Dモデルを扱えるように、3次元CAD利用技術者試験の2級や、BIMに特化した資格である「BIM利用技術者試験」などにも挑戦してみてください。
CAD利用技術者試験と相性の良いCADソフト一覧
CAD利用技術者試験は特定ソフト専用の資格ではありませんが、事前にCADソフトの使い方を覚えておけば、図面の理解度が高まり、それに伴い合格の可能性も高められます。
CAD利用技術者試験の試験対策に合わせて、CADソフトの勉強もスタートしたい方はぜひ参考にしてみてください。
2次元CAD利用技術者試験におすすめのCADソフト

2次元CAD利用技術者試験では、以下のような、図面作成や製図ルールを理解しやすいCADソフトを使うのがおすすめです。特に建築・設備業界ではAutoCAD系ソフトの使用率が高く、実務との接続もしやすくなります。
- AutoCAD
- Jw_cad
なかでもJw_cadは無料で利用できるため、未経験者の学習用として人気があります。
ただし無料である分、機能の制限が多いため、将来的に実務や転職を見据えるなら標準CADソフトとして普及している機能が充実したAutoCADに慣れておくと業務対応しやすくなります。

もしAutoCADの使い方を短期間でマスターしたい方は、以下のセミナー講習がおすすめです。
講師のサポートを受けながら、短期間で操作や実践的な使い方を習得できます。
| セミナー名 | AutoCAD基礎セミナー講習 |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 29,700円〜 |
| 受講期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
また、無料のJw_cadのほうを学びたい方は、以下のセミナー講習が向いています。
Jw_cadの独自機能や難しいレイヤー設定などをまとめて学習可能です。
| セミナー名 | Jw_cad基礎セミナー |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 29,700円〜 |
| 受講期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
3次元CAD利用技術者試験におすすめのCADソフト

3次元CAD利用技術者試験では、モデリングやアセンブリ操作を学べる以下の3DCADソフトを使うのがおすすめです。実際の製造業でも利用されているソフトを選ぶことで、資格取得後の実務イメージも掴みやすくなります。
- Autodesk Fusion
- SOLIDWORKS
特にAutodesk Fusionは個人利用しやすく、3DCAD初心者にも人気があります。
一方で、SOLIDWORKSは機械設計での活用実績が多く、本格的な機械設計を目指す人と相性の良いソフトです。
Autodesk Fusionの使い方を学びたい方は、以下のセミナー講習がおすすめです。
演習多めの実践形式で、実務に役立つ基礎・応用スキルを習得できます。
| セミナー名 | Autodesk Fusionセミナー講習 |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 45,100円〜 |
| 受講期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
また機械設計関連の仕事を目指している方は、SOLIDWORKSのセミナー講習が最適です。
短期間でソフトの基本操作・応用スキルを学習できます。
| セミナー名 | SOLIDWORKSセミナー講習 |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 45,100円〜 |
| 受講期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
CAD利用技術者試験を選ぶときの注意点
CAD利用技術者試験は、「なんとなく将来性がありそうだから」という理由だけで選ぶと、実務とのミスマッチが起きやすくなります。特に2次元と3次元では向いている業界が異なるため、以下の失敗が起こる場合があります。
- 建築志望なのに3次元CAD利用技術者試験を選んでしまう
- 資格勉強だけでCADソフトを触っていない
- 将来使うCADソフトを考えず受験する
- 難易度だけで2次元・3次元を決める
- 資格取得だけで満足してしまう
こうした失敗を避けたいなら、まずは「就職したい業界」と「実際に使いたいCADソフト」を先に決めることが大切です。
そのうえで、AutoCADやFusionなどの体験版を触りながら資格学習を進めると、実務イメージを理解しやすくなります。未経験者の場合は、まず2次元CAD利用技術者試験2級から学び、必要に応じて3次元へ進む流れが失敗しにくいです。
CAD利用技術者試験は2次元だけでも意味ある?

2次元CAD利用技術者試験は、現在でも十分意味のある資格です。
特に建築業界では、BIM導入後も2次元図面を併用するケースが多く、施工図・確認申請・設備図面などでは現在も2DCADスキルが必要とされています。また、BIMや3D設計でも2次元図面の知識は土台になるため、未経験者がCADの基礎を学ぶ入口としても有効な資格です。
意味のあるなしについて詳しく知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください。
CAD利用技術者試験と他のCAD資格を比較
CAD利用技術者試験はCADスキルを身につける際に役立つ資格ですが、他にも次のような資格があるため、自分に合った資格を一度チェックしておくと良いでしょう。
| 資格名 | 主な対象 | 特徴 |
|---|---|---|
| CAD利用技術者試験 | 建築・機械・製造 | 2D・3Dに対応した総合CAD資格 |
| 建築CAD検定試験 | 建築業界 | 建築図面作成に特化 |
| BIM利用技術者試験 | 建築・土木 | BIM・3D設計向け |
| AutoCADユーザー (オートデスク認定試験) |
AutoCAD利用者 | 特定ソフト操作に特化 |
| SOLIDWORKS認定資格 | 機械設計 | 3Dモデリング中心 |
未経験者の場合は、まずCAD全般の基礎を学べるCAD利用技術者試験から始めると、業界選びやキャリアの方向性を整理しやすくなります。その後、建築特化なら建築CAD検定、BIMを扱いたいならBIM利用技術者試験など、目的に応じて専門資格へ進む流れがおすすめです。
CAD利用技術者試験についてまとめ
CAD利用技術者試験は、2次元と3次元で学ぶ内容や向いている業界が大きく異なる資格です。受験を考えているなら、建築・設備・土木なら2次元、機械・製造設計なら3次元が向いています。
未経験者の場合は、まず2次元CAD利用技術者試験から図面理解を学び、その後3次元やBIMへ進む流れがおすすめですので、対策講座などを活用しながら最短での合格を目指してみてください。