切断加工の方法にはいくつか種類がありますが、どれも加工時に無駄になる部分が発生してしまう課題を有しています。
この記事では、ネスティングを導入することによるコスト削減についてご紹介します。
切断加工の種類
切断加工の方法にはいくつかの種類があります。
切断する部品の材質や形状によって使い分ける必要があります。
具体的には次の6種類の切断方法があります。
ウォータージェット切断加工、旋盤加工、フライス加工、マシニングセンター、ワイヤーカット放電加工、レーザー加工の6つです。
それぞれの特徴について簡単にお伝えしていきます。
1.ウォータージェット切断加工
ウォータージェット切断加工は、文字通り水圧による切断加工です。高速・高密度な超高圧水のエネルギーを利用して、対象物を切断します。
ウォータージェット加工は熱が発生しないことが特徴です。ドリルなどの工具が対象物に触れない非接触加工のため、熱の発生がありません。熱が発生しないので対象物の変質・変色などが発生しないのです。
また、微量の超高圧水で加工を行うため、切断加工面の湿潤はわずかとなり非接触加工のため対象物の制限がないのも特徴と言えます。さらに、2次元だけでなく、3次元の立体形状加工も可能です。
加えて、熱伝導がないので、熱で変形しやすいゴムや強化プラスチックなどの加工に適しています。
加圧がないので、通常加工が困難である加工硬化の特質を持つステンレスや耐衝撃摩耗鋼材の加工などにも有用です。
このようにウォータージェット切断加工は、加工が難しい素材を切断する際に役立ちます。
2.旋盤加工
旋盤加工とは、円筒形状の工作物を回転させながら、バイトという刃物状の工具に当てて加工する加工方法です。
旋盤加工の方法は2種類あり、コンピューター制御のNC自動旋盤と手動で加工を行う汎用旋盤です。
NC自動旋盤
NC自動旋盤は、プログラムによる機械制御で加工するため、安定した精度での加工が可能となり、同種類の部品を複数加工する作業に適した切断加工です。
一方で、段取り時間がかかるので少数の加工を行いたい場合は適していません。
汎用旋盤
汎用旋盤は、固定した材料に向けて旋盤を手動で切断する手法です。
手動なので段取りに時間がかからず素早い制作が可能になります。
しかし、手で行う性質上技術が必要で均一なパーツの大量生産には適さないという反対の特徴もあります。
3.フライス加工
フライス加工は、丸ノコのような多数の切れ刃を持つフライスで面加工を行う切断加工です。
材料をテーブルの上に固定し、切断工具を用いて加工します。
フライス加工では切断工具が上下に移動し、テーブルが平面に移動して切断するので平面や側面、溝における加工がしやすいという特徴あります。
つまり、フライス加工は平面上における加工のしやすさが特徴の加工方法です。
4.マシニングセンター
マシニングセンターは機械制御で異種の加工を一台で行える装置です。
目的に合わせてフライス削り、中ぐり、穴あけ、ねじ立てなどの加工を1台で行うことができます。
また、自動で工具を交換する機能も備えられています。
マシニングセンターの特徴は、機械制御による複雑な形状の大量生産や制作品質の安定性が特徴です。
ただし、複数の刃の段取りやプログラム開発が発生するなどのコストがかかるといったデメリットもあります。
したがって、マシニングセンターはコストがかかるものの安定した製品の供給が可能です。
5.ワイヤーカット放電加工
ワイヤーカット放電加工とは、工作物を走行するワイヤーでカットする加工方法です。
極細のワイヤー電極と加工対象の間に発生する放電現象によって、対象物を切断します。
ワイヤーカット放電加工は、導電性のある素材であれば、薄板から超硬合金まで、素材の厚み・大きさ・硬さに関係なく加工が可能です。
一方で、通電しない素材は加工できず、ノコギリ状にカットを行うので底のある素材の加工もできません。
つまり、ワイヤーカット放電加工は、導電性のある素材の切断と切り抜きに特化した加工方法なのです。
6.レーザー加工
レーザー加工は、レーザー照射によって対象物を融解・蒸発させて切断を行います。
レーザーの光が細いので、細かく小さな場所や曲線を辿った切断でも安定して加工できます。
一方でレーザー照射という構造上、切削やプレス加工に比べて加工速度が劣り、厚板の加工が苦手という特徴もあります。
よって、レーザー加工は、厚みのない素材への繊細な加工に適していると言えます。
切断加工時の課題
さまざまな加工方法をお伝えしましたが、いづれの加工方法にも当てはまる課題があります。
それは同じ製品を複数切断加工する際に1枚の板から1つの製品を切断加工しているため、無駄になる部分が発生していることです。無駄になってしまった材料の置き場や廃棄作業が発生していることが作業場の悩みの種となっています。
さらに、加工枚数が多くなると作業工数も増えていき、作業に時間がかかってしまいます。
そんな中で1枚の板を最大限に使用し無駄なく製品を完成することができれば作業にかかる時間も削減することが可能となります。
ネスティングによるコスト削減の方法とは?
切断加工時の課題を解決するための手段としてネスティングがあります。
ネスティングを簡単に説明すると、CADを用いて板の上に部品を並べる作業を指します。ネスティングを行うことで1枚の板材から複数の製品を抜き取ることが可能となり、無駄な部分を最小限に抑えることができます。
その結果、歩留まりが向上し、製品コストを削減することが可能となります。
さらに切断作業の回数も少なくて済むため、作業時間の短縮にも繋がります。
最近では、このネスティング作業を自動でなおかつ高精度で行ってくれるソフトも増えてきています。数ある中でも、特に高性能、高機能を兼ね備えたこちらの自動ネスティングソフトウェアが世界中で評価が高いと言われています。コスト削減や作業の効率化など工場や会社経営に欠かせないメリットが多々あります。
参考:最高の歩留まり率で、平均5%の材料コスト削減を実現!世界最高水準の自動ネスティングソフトウェア「Sigmanest」のご紹介
自動ネスティングができるおすすめのソフトウェア紹介
自動ネスティングが可能なおすすめのソフトウェアを紹介します。
平均5%の材料コスト削減!世界最高水準の自動ネスティングCAD/CAMソフトウェア「SigmaNEST」
自動ネスティングソフトウェアでおすすめなのが、日本国内の人気はもちろん世界中で好評を得ているSigmaTEK社の「SigmaNEST」です。
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また、幅広い加工機に対応しているのも特徴の一つです。
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初めて自動ネスティングを導入する方にもおすすめです。
一般のネスティングソフトとシグマネストの違いや配置パターン比較は、SigmaNESTの公式サイトにわかりやすくまとめられているのでおすすめです。最先端の自動ネスティングソフトウエアの概要をぜひご覧になってみてください。
ネスティング導入によるコスト削減方法とは? まとめ
切断作業を行う際にはネスティングをすることで部品を最適の間隔で並べ替えることができ、作業時間と材料の無駄を大幅に削減をすることができます。
さらにソフトウェアを用いた自動ネスティングを活用すると、システム上で自動でネスティングされるため手動での操作も不要となり更なる作業時間の削減に繋がります。
加えて、ネスティング完了から切断までも自動化することが可能となっているため、最適なソフトウェアを活用することが大幅なコスト削減に繋がると言えます。