「左右対称のデザインを作りたいけれど、手作業でミスが多くて効率が悪い」と悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。
Autodesk Fusionには、簡単に左右対称や複製のデザインを作成できる便利な「ミラー」機能が搭載されています。この機能を活用すれば、精度を高めながら作業効率を大幅に向上させることが可能です。
そこで、本記事ではミラーの基本的な使い方から、使用するメリット、作業を効率化する注意点についてわかりやすく解説します。Autodesk Fusionを実務レベルまで身につけられるセミナーも紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
Autodesk Fusionのミラーとは?

ミラーとは、言葉の通り「鏡」を意味し、直線を軸としてオブジェクトを対称複写または対称移動させるコマンドを指します。
ミラーを使用することで左右対称の部品やデザインを正確かつ効率的に作成できます。
例えば、製品の左右のパーツが同じ形状の場合、片側を設計するだけで、もう片側を簡単に生成可能です。手作業で左右対称を再現するよりもミスを減らせるため、短時間で完成度の高い設計が可能になります。
また、ミラーはスケッチだけでなく、3D形状やボディにも適用できるため、幅広い設計ニーズに対応可能です。
以下の記事では、Autodesk Fusionのモデリングについて詳しく解説しています。モデリングに不安のある方は併せてご覧ください。
Autodesk Fusionのミラーを使用するメリット

Autodesk Fusionのミラーを使用するメリットは以下の2点です。
- 作業時間を短縮できる
- 一貫性のあるデザインを作成できる
メリット①作業時間を短縮できる
Autodesk Fusionのミラー機能を使うと、左右対称や繰り返しのデザインを手作業で行う必要がなくなり、作業時間の短縮が可能です。
通常、対称部分を個別に設計する場合、寸法や位置を正確に調整しながら進めるため、時間と手間が必要になります。しかし、ミラー機能を活用すれば、片側を設計しただけで反対側を自動的に複製できるため、設計工程が効率化されます。
特に複雑な形状や大型の設計ではミラー機能を使用することで従来よりも大幅に作業時間を短縮できるため、より短い時間で完成度の高いモデルを仕上げられるのが魅力と言えるでしょう。
メリット②一貫性のあるデザインを作成できる
一貫性のあるデザインを作成できるのもミラー機能を使用するメリットです。
手作業で左右対称や繰り返しのパターンを作成する場合、どれだけ注意して気にしていてもミスが起こることはあるでしょう。ミラー機能は基準面をもとに正確にデータを複製するため、形状や寸法が完全に一致します。ミラー機能を活用して精度が向上できれば、複数の部品が組み合わさる製品設計やデザインの美しさが求められる製品の作成で特に効果的と言えるでしょう。
また、修正が必要になった場合も、一方を修正すれば自動で反映されるため、デザイン全体の整合性を維持したまま効率的に作業を進められます。
Autodesk Fusionのミラーの基本的な使い方
ここからは実際にミラーの使い方について2つのパターンで紹介します。まずは下記画像のように直方体を作成した状態でスタートします。

まずは画面上にある「作成」をクリック。するとミラーというコマンドがありますので、選択します。

すると右側にダイアログボックスが表示されます。

まずはミラーを作成するための対象となるオブジェクトを選びます。今回は直方体です。

次にミラーをどの面に対して作成するのかを選択します。

すると下記画面のように薄い直方体が描かれます。

これでOKであれば、ボックスの「OK」を押します。2倍の長さになった直方体が完成します。

では、ここから「スケッチ作成」でミラーを作成する方法について紹介します。
スケッチ作成でミラーを使用する方法
まずは長方形を描いていきます。描く場所についてはどこでも問題ありません。

次に線分を描いていきます。今回は原点を中心に中心線を描きます。

上のメニューにある三角のマーク「ミラー」を選択します。

画面右側にダイアログボックスが表示されるので、オブジェクトを先ほど描いた「長方形」、ミラー中心線は先ほど描いた「線分」を選択します。

すると同じ配置で同じサイズの長方形が描かれました。

ミラーの便利な機能はこの状態ではじめに描いた長方形の高さを変えると、ミラーで作成した長方形も連動して高さを変更することができるのです。

ミラーは便利な機能かつ、そこまで難しい機能ではないため積極的に使用していきましょう。
Autodesk Fusionのミラーを使用する際の注意点

Autodesk Fusionのミラーを使用する際の注意点は以下の2点です。
- メッシュボディはミラーできない
- 軸を確認する
メッシュボディはミラーできない
Autodesk Fusionでは、スケッチやソリッドボディにはミラー機能を適用できますが、メッシュボディには対応していません。メッシュボディは点と線の集合で構成される特殊なデータ形式であり、Autodesk Fusionの通常のソリッドモデリング機能とは異なる処理が必要です。
そのため、メッシュボディをミラーしたい場合は、まずメッシュをソリッドボディなどに変換する必要があります。変換には操作が必要になるため、注意しましょう。事前にモデル形式を確認し、必要であれば変換手順を考慮しておくとスムーズに作業が進められます。
軸を確認する
ミラーを使用する際には、基準となる軸や面を正確に設定することが重要です。
誤った軸や面を選択してしまうと、意図した対称形状にならないだけでなく、モデル全体の寸法や形状にズレが生じることがあります。
例えば、非対称な形状や複数の基準面があるデザインでは、どの軸を基準にするのかを事前に明確にしておく必要があります。また、ミラー機能では軸に対して垂直に対称形状を生成するため、基準軸がモデル全体の中心に適切に配置されているかを確認することも重要です。
正しい軸設定を行うことで、設計の一貫性を保ちながら正確なミラー操作が可能になります。作業の効率と品質を高めるためにも、軸の選択は慎重に行いましょう。
ミラーがうまくできない場合の対処法

「ミラーができない」場合に起こりうる原因の1つとして、中心線が描かれていないことが挙げられます。以下の画像を見てみましょう。

中心線が描かれていないため、オブジェクトは選択できるもののミラー機能を利用することができません。ミラーはどの線を対象にするのかを必ず決めて行いましょう。
Autodesk Fusionのミラーは独学で習得できる?

Autodesk Fusionのミラー機能は独学で十分に習得可能です。
参考書を活用する方法は、基本から応用まで体系的に学べるためおすすめです。特に公式ガイドや初心者向けの書籍には、ミラー機能を使った具体的な手順や練習問題が記載されているため、初めての方でも安心して学習を進められます。また、実際の操作を視覚的に確認したい場合は、YouTubeなどの動画学習で補えるでしょう。動画では、ミラーの使い方を実際の操作画面を通して見ることができるため、操作手順を直感的に理解できます。
ただし、上記2つの方法はモチベーションの維持が難しく長期間の学習になる可能性もあるのです。そこでおすすめするのがAutodesk Fusionを学習できる「Autodesk Fusionセミナー講習」です。
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| 受講形式 | 会場/ライブウェビナー/eラーニング |
| 受講費用 |
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| 受講内容(到達目標) | 【1日目】
【2日目】
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| 持ち物 | 特になし(筆記用具程度) |
| 会場住所 |
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独学での学習方法については以下の記事で詳しく解説していますので併せてご覧ください。
Autodesk Fusionのミラーについてのまとめ
Autodesk Fusionのミラー機能は、精度の高いデザインかつ効率的に作業が行えます。また、左右対称のデザインや繰り返しパターンを簡単に作成でき、一貫性のあるデザインが作成できるのも魅力と言えるでしょう。
本記事で紹介した使い方や注意点を参考に、ミラー機能を活用して作業効率を向上させましょう。また、さらに深い知識を習得したい方には、短期間でスキルを磨けるセミナー受講がおすすめです。