3Dプリンターが話題になり始めてから早4年ほどが経ちました。
当時はいろいろなメディアでも取り上げられて、「なんでも作れる魔法の箱だ」と言われましたが、最近ではようやく地に足をつけた活用が進んでいるところです。
メディアでの露出は少なくなっているものの、医療業界での活用や、製造業での製品の試作で活用されている事例がかなり増え、今まで以上に効率的なモノづくりのためのツールとして広く活用されています。
研究段階の技術としては、細胞を3Dプリントしたり、家を建てたりといった取り組みがありますが、最近は4Dプリントという言葉も出てきていまして、時間が経つにつれ形が変わるような形状や、温度変化や圧力によって形が変わる形状もプリントできるようになってきています。
3Dプリンター用のデータ作成については、Fusion360の登場のおかげで気軽に誰でもチャレンジできるようになったため、業種を問わず3Dデータを作れる人が増えてきています。
ただ、実際私たちの生活に3Dプリンターが浸透してきたかというと、話には聞くもののなんだかピンときません。
■ いったい3Dプリンターでどういったものが作れるんだろう?
■ 金属とかシリコンとか、3Dプリンターで使えるって聞いたけど、それってどんな3Dプリンターなの??
■ てかそもそも、3Dプリンターってどのくらい種類があるの???
■ 3Dプリンターの現状ってどうなの?
など、まだまだ疑問はいっぱいです。
3Dプリンターの一覧をWEBで調べてみても情報が2013年とかのばかりで古かったり、キックスターターで、まもなく発売されるされる詐欺(笑)で発売されてなかったり。。。
なかなか疑問が解決しそうになかったので、多方面の方に聞いたり、調べたりして個人・法人ユーザー向けに情報をまとめてみました! ちょっと主観も入ってます(笑)
【フィラメントを買うならFabmart(ファブマート)がおすすめ!】
ー キャド研と同じ運営の専門店だから安心してお買い物していただけます。
業務利用にもおすすめな3Dプリンターはこちら
ABS樹脂・PLA樹脂
最近、一番目にする機会が多いのは、プラスチックのABS樹脂やPLAを出力できる3Dプリンターではないでしょうか。
家電量販店などで売っているダヴィンチシリーズやCubeなどは大体がABSやPLAを出力できる3Dプリンターです。
この3Dプリンターは熱で溶かしたフィラメント(材料)を一層づつ積み重ねていく、FDM方式で造形します。
では、家電量販店で売っているようなABS・PLAを出力できる3Dプリンターと、いわゆる工業用の高価なABS・PLAを出力できる3Dプリンターでは何が違うのでしょうか?
答えは、
造形できる大きさと造形の精度(細部まで造形できるか)、そしてサポート材の材料です。
業務用の3Dプリンターでは、サポート材は水で溶けるものや溶液で溶けるものが利用でき、サポート材の除去の手間を減らした製品が多くあります。しかし、造形できる大きさと造形の精度はデスクトップ型でもほとんど遜色がなくなってきています。
なので、趣味や試作で使いたいのであればデスクトップ型の3Dプリンターで十分です!
個人的に一番お勧めするABS・PLAが出力できる家庭用の3Dプリンターは、日本3Dプリンター株式会社が販売している「UPシリーズ」の3Dプリンターです。
ABS樹脂・PLA樹脂が造形できる3Dプリンター
UP! Plus2
UP! mini2
UP! BOX
実際にいろいろな3Dプリンターで造形し比べた結果一番きれいに主力されました。
家庭用3Dプリンターを購入される際に、検討リストに載せてみてください♪
そして、製品試作などの業務でも使いたいという方には、2017年最新の3Dプリンター、Raise3Dシリーズをおすすめします。
とても静かで、超高精度で、サポート材も簡単に取れてしまいます。
3Dプリンターを購入される際に、検討リストに載せてみてください♪
アクリル樹脂
液体状の光硬化性樹脂を、紫外線レーザーで一層ずつ硬化させて積層していくSLA方式です。
高精細かつ表面の滑らかな造形物を作成することが可能です。
FDM方式と違い、積層段差が目立たないのが特徴です。
家庭用の3Dプリンターでは「ノーベル1.0」「Gprinter」や、最近販売された「Form2」などがあります。
ただ、光をあてて効果させる液体(レジン)がアルコールくさいので、換気が必要です。
アクリル樹脂が造形できる3Dプリンター
ノーベル 1.0
Gprinter
Form2
ノーベル1.0は、172,800円と、SLA方式の3Dプリンターとしてはかなり安いです。FDM方式の精度では満足できない方の入門用プリンターです。
Gprinterは129万円と他の家庭用3Dプリンターとしては値段が少し高いですが、アクリル素材の他にも「ゴムライク」や「シルバーやチタンなどの金属」を造形するための鋳造用樹脂(ロストワックス)も出力することができます。
Form2は、55万円という価格ながら、サードパーティー製の材料を使え、造形精度が非常に高いことから2017年に入ってから人気が高まっています。
Gprinterは129万円と他の家庭用3Dプリンターとしては値段が少し高いですが、アクリル素材の他にも「ゴムライク」や「シルバーやチタンなどの金属」を造形するための鋳造用樹脂(ロストワックス)も出力することができます。
Projet1200は49万円でアクリル素材の他に鋳造用樹脂(ロストワックス)が出力できます。
MiiCraftは出力できる素材がアクリルのみで金額は43.7万円です。
ゴムライクやロストワックスについては後述します。
石膏パウダー
少し前のDMM.makeのCMで北野武さんがリンゴを持っていましたが、あれは石膏で3Dプリントしたものです。
石膏の特徴として、フルカラー印刷が可能で複雑な形状も表現できます。
フルカラーで精密なものができるので、フィギュアなどを造形するのに最適です。
「スキャンしたデータや写真から3Dプリントしてあなただけのフィギュアを!」みたいなサービスは、ほとんどがこの石膏です。
ただ、強度が弱いため落としたり強い衝撃を与えると壊れてしまいます。
フルカラーで造形できるのはとても魅力的ですが、3Dプリンター自体が高額な物で、機体も大きく石膏の粉を吸い込むと身体に悪影響を及ぼす恐れがあるため、家庭用の3Dプリンターは現在販売されていません。
個人レベルでの導入は難しいですが、DMM.make 3Dプリントサービスや、3Dayプリンターなどの出力サービスでリーズナブルに出力できるのでそういったところに依頼するのオススメします。
おすすめの3Dプリンター
メイカーズ界隈ではほとんどの人が使用しているUPシリーズの中で、お手軽価格で購入できるUP! Mini2 ES。安定した造形ができるので信頼性も高くおすすめの3Dプリンターです。
ゴムライク
ゴムライクは樹脂製の中でも1番柔らかな素材です。
3Dプリンターによっては硬度の選択が可能で、伸び縮みする硬度から消しゴムのような硬度までの表現が自由にできます。
Objet500 Connex3はフルカラーでゴムライクを出力することができます。
さらに、ここ2年ほどで、やわらかい素材を出力できるプリンターも出てきています。先ほどご紹介した「Raise 3D」「Gprinter」「Form2」が、個人利用には適していそうです。
ゴムライクが造形できる3Dプリンター
Gprinter
Form2
最近はFDM用のゴムライク素材、「エラストマフィラメント」というのが販売されています。
このフィラメント(素材)使えばABSなどを出力できる家庭用の3Dプリンターでもゴムのような柔らかい造形が可能です。
ただし、対応している機種が限られていますのでご注意ください。Raise 3Dは対応3Dプリンターです。
エラストマフィラメント
ウッドライク
木粉とナイロン粉末を配合してつくられた素材で、木のような質感や匂いを再現できます。
この技術は日本の企業である「INTER-CULTURE(インターカルチャー)」さんが独自に開発された、日本のオリジナル素材です。
ただ、どの3Dプリンターで出力しているかは謎です。企業秘密なのでしょうか、調べてもわかりませんでした(笑)
そのほかにも、日本3Dプリンター株式会社が独自に開発した「木質フィラメント」というのがあります。
このフィラメント(素材)は、ABSなどを出力できる家庭用の3Dプリンターで使うことができます。
60%以上高品質の竹の木を使用することによって、ノズル詰まりが発生せず、滑らかな表面と出力中に竹の匂いも楽しむことができるそうです。
木質フィラメント
シルバーやチタンなどの金属やガラス(ロストワックス)
シルバーやチタン、ガラスなどの造形は、ロストワックスという造形方法で作成されています。
この造形方法は、ワックスの素材を造形できる光造形の3Dプリンターで鋳型を作り、溶けた金属を流し込んで造形します。
この素材が造形できる家庭向けの3Dプリンターは、先ほどご紹介した「Gprinter」「Form2」があります。
ロストワックス用の鋳型を造形できる3Dプリンター
Gprinter
Form2
家庭向けの3Dプリンターでロストワックス用の鋳型を作れる3Dプリンターがあることを初めて知りました!アクセサリー作りなどをしたい方には朗報ですね♪
その他にもDMM.makeなどの出力サービスでは、ロストワックスで造形し、鋳造してシルバーやゴールドの形状を取り出すところまでやってくれるところがほとんどです。3Dデータさえ送れば、世界で1つだけのアクセサリーが簡単に手に入りますので、作りたい方は一度利用してみるといいかと思います!
紙
最後の素材は紙です。
紙を出力できる3Dプリンターの特徴は、100万色以上のカラーを表現できることです。
素材は、印刷などで使われるA4用紙を使用しているため、通常のインクと同じような表現が可能です。
日本でも希少な紙の3Dプリンター(Mcor IRIS)は、国内で数台しか流通していないそうです。
紙を一層一層重ねて切り取りながら造形するため造形時間がかなりかかってしまいますが、樹脂と比べて素材が安いのが魅力です。
今後、家庭用の紙の3Dプリンターが発売されることを期待しましょう!
まとめるとこんな感じです
- ABS樹脂・PLA樹脂:
個人でも導入しやすいスタンダードな3Dプリンター。 - アクリル:
個人でも導入しやすいし、綺麗な造形ができる。ただレジンの匂いが気になるので換気が必要。 - 石膏:
フルカラープリントができるけど、有害な粉が出るので一般家庭での利用は厳しい。 - ゴムライク:
100万円を超える3Dプリンターのみ。安く済ませたい場合は、ABSなどを出力できる3Dプリンターでエラストマフィラメントを使ってゴムっぽい弾力のある造形ができる。 - ウッドライク:
工業用の3Dプリンターのみ。ABSなどを出力できる3Dプリンターで木質フィラメントを使って木材っぽい造形ができる。 - シルバー・チタン・ガラス:
ロストワックスという造形方法で作成可能。DMM.makeなどの出力サービスでも意外と安く頼める。 - 紙:
工業用の3Dプリンターのみ。造形時間もかなりかかるので今後に期待しましょう!
ちなみに、
みなさん気になるのがフルカラーで出せる3Dプリンターだと思いますが、現在フルカラー出力できる3Dプリンターで家庭用のものはありません。なので、フルカラーで造形したい場合は、やっぱり出力サービスをやっているところに依頼するのが良さそうですね!
3Dプリンター出力サービス一覧
【フィラメントを買うならFabmart(ファブマート)がおすすめ!】
ー キャド研と同じ運営の専門店だから安心してお買い物していただけます。
業務利用にもおすすめな3Dプリンターはこちら
