3DCADで設計変更を行った際、エラーが表示された経験はありませんか？
エラーは、設計者の意図した動作と異なる結果を招き、作業の停滞やデータ破損などのリスクを伴います。
この記事では、3DCAD設計変更時のエラーの原因と対処方法について詳しく解説します。
3DCADでの設計変更とは
3DCADでの設計変更とは、コンピューター上で作成した製品モデルを後から修正することです。
2DCADでは複雑な変更が難しいのに対し、3DCADなら複雑な形状を簡単に組み立て・変更でき、さらに過去の履歴に基づいた修正も容易に行えます。
3DCADの設計変更を活用すると、部品の性能向上や製造コストの削減、顧客からの要望への対応などに有効です。製品開発のスピードアップや品質向上に大きく貢献するため、企業の競争力強化にもつながるでしょう。
3DCADの設計変更でエラーが出る原因
3DCADの設計変更でエラーが出ると、設計変更後の形状チェックに時間がかかり、次の工程への移行が遅れてしまいます。
しかし、3DCADの設計変更でエラーが出る原因は何なのでしょうか？
ここでは、3DCADの設計変更でエラーが出る7つの原因について解説します。
①設計履歴の破損
1つ目のエラーが出る原因は、設計履歴の破損が起きてしまうことです。
設計履歴が破損していたり、複雑な設計変更をしていると過去の設計の変更内容を確認できなくなってしまいます。
さらに、「元に戻る」機能が使えなくなったり、正しい設計変更ができなくなるなどの問題が生じます。
②ファイルの破損
続いてエラーの原因として考えられるのが、ファイルの破損です。ファイルの破損が起こってしまった場合、設計データが開かず編集できなくなります。
設計データが開けなくなると全ての作業が1からとなってしまうので、このファイルの破損は避けておきたい大きなエラーとなります。
③形状の不整合
3つ目のエラーの原因は設計中の形状の不整合です。
形状不整合は、部品の接触や適合性の問題を招き、形状の破損や変形・組み立て不良などが起こります。
1つの形状不整合で設計が大幅に崩れてしまう可能性があるので気をつけましょう。
④寸法の不整合
エラーが出る原因の一つに、寸法の不整合もあります。
寸法の不整合は、設計変更後の部品組み立てを困難にし、製品機能不良の原因にもなります。
多くの場合、関連部品の寸法変更漏れが原因です。
⑤3DCADソフトの不具合
3DCADソフト自体に不具合がある場合もエラーが表示されます。
このエラーが表示された場合、予期せぬデータ破損を引き起こす可能性があります。
主に、ソフトのバグやバージョン違いなどが原因で起こることが多いので、ソフトウェアの更新は常にしておいた方が良いでしょう。
⑥モデリング手順の誤り
エラーが出る原因としては、モデリングの手順が間違っていることも考えられます。
モデリング手順を間違うと、設計が上手く行えなくなります。
例えば、不正確な結果が表示されたり、部品の組み立てが上手くいかないといったエラーが起きます。
⑦参照要素がない場合
その他、エラーの原因としては参照要素がない場合も考えられます。
3DCADは各部品に自動的にIDを割り当てていますが、同じ形状を再作成したときに、以前の部品とは異なるIDが付与されることがあります。その結果、参照エラーが発生してしまいます。
3DCADの設計変更でエラーが出た時の対処方法
では、3DCADの設計変更でエラーが出た場合、どのように対処すれば良いでしょうか。
基本的には、エラーの原因を修正し、正常な動作に戻すことで解決します。
- 設計履歴の破損・変更
- ファイルの破損・変更
- 形状の不整合
- 寸法の不整合
- 3DCADソフトの不具合
- モデリング手順の誤り
- 参照要素がない場合
ここでは上記のエラーの原因を例にして、それぞれの対処方法を解説していきます。
①設計履歴の破損・変更
設計履歴の破損・変更の対処法は、気づいた時点で修繕して元に戻すことです。
通常、元の設計を参照しながら、再度部品を作成して修復していきます。
その他、以前のバージョンやバックアップからデータを復元することもできるので、困ったら復元作業を行ってみましょう。
②ファイルの破損・変更
ファイルの破損・変更によりエラーは、それぞれのファイルを修正すれば解決します。
ファイル破損の場合、主な原因はウイルス感染やハードディスクの故障などです。まずは、ファイルが破損した原因を究明し、それぞれに合った方法で改善しましょう。
③形状の不整合
形状の不整合によるエラーは、干渉チェック機能で対処しましょう。
干渉チェック機能とは、部品同士の関連性を改善する機能です。
多くの3DCADに搭載しており、部品間の重なりや形状不適合を事前に発見してくれます。
④寸法の不整合
寸法の不整合のエラーは、変更部品に関連する部品の寸法を修正することで解決します。
例えば、変更された部品の寸法に合わせて、関連する部品の寸法を手動で調整するなどです。
変更と同時に関連部品の寸法を自動更新できるCADを使うと、手動修正の手間を削減できます。
⑤3DCADソフトの不具合
3DCADソフトの不具合によるエラーは、最新バージョンにアップデートすることで解決します。
アップデートで解決しない場合は、ソフトメーカーに問い合わせて解決策を尋ねましょう。
上記の方法で解決しない場合は、パソコン環境やメモリ不足など別の原因が考えられます。
⑥モデリング手順の誤り
モデリング手順の誤りで生じたエラーは、手順を正すことで解決できます。
まずは、適切なモデリングの操作方法を確認し、不足している部分を確実に習得してください。
設計方法を十分に理解し、順番通りに作業を進めることがポイントです。
⑦参照要素がない場合
参照要素がない場合は、新しい参照要素を作成しましょう。
作成した参照要素をもとにして、適切な形状を作っていくことで解決します。
形状の精度を上げるためには、適切な場所に参照要素を配置することが大切です。
3DCADの設計変更でエラーを出さないコツ
それでは、3DCADの設計変更でエラーを出さないようにするにはどうしたら良いのでしょうか。
ここでは、エラーが出にくくなる4つのコツを紹介していきます。
①設計データの適切な管理と保存
まず最初に紹介する3DCADの設計変更でエラーを防ぐコツは、設計データを適切に管理・保存することです。
例えば、定期的にバックアップを取っておくと、万が一のトラブルにも対応できます。
変更前後のデータを別々に保存し、後戻りできる状態にしておくことも大切です。
②部品同士の関係性を考慮する
3DCADの設計変更でエラーを出さないコツの2つ目は、部品同士の関係性を考慮しておくことです。
例えば、1つのパーツを変更すると、他のパーツにも影響が出る可能性があります。
設計変更の際は、部品間の寸法や形状の整合性をチェックしながら作業することが重要です。
③3DCADソフトのチェック機能を活用
次に紹介するコツは、3DCADソフトのチェック機能を活用することです。
3DCADには、エラーを発見できる干渉チェック機能やシミュレーション機能などがあります。
日ごろからマニュアルを参照して、使いこなせるようにトレーニングしておきましょう。
④エラーが出にくい3DCADを使用する
エラーが出にくい3DCADを使うと、設計変更ミスを最小限に抑えられます。
3DCADソフトの種類は多彩で、エラーが出にくい機能を搭載した製品も販売されています。
効率的に作業を進めるためにも、エラーが少ない状態で製品開発を進めることが大切です。
Solid Edgeは3DCAD設計変更のエラー防止に最適
Solid Edgeは、設計変更時のエラーやミスを大幅に減らす「シンクロナス・テクノロジー」を搭載しています。この技術は、履歴をもとにした設計と直接設計する手法を組み合わせた画期的な技術です。
シンクロナス・テクノロジーは、同じ平面や円筒などを一括して選択するなど、設計意図を自動で認識します。一度の操作で複数箇所を編集でき、急な設計変更にも柔軟な対応が可能です。
Solid Edgeの効率的な作業を実感したい方は、以下の無料体験版をダウンロードしてください。
3DCADの設計変更時のエラーについてまとめ
3DCADの設計変更時のエラーは、作業の効率性を下げるためできるだけ避けたいものです。
多くのエラーは原因を取り除くことで解消されますが、エラー自体がなければ原因究明の必要もありません。
エラーを最小限に抑えられる「シンクロナス・テクノロジー」を搭載したSolid Edgeは、現場の課題や問題点を未然に防げる画期的な3DCADソフトです。まずは、以下の「無料体験版」からスタートしてはいかがでしょうか。
