こんにちは、三谷です。
今回は、3DCADやIoT、ARのソリューションを提供するPTCの本社を見学できましたので、その様子をレポートします。
PTC社の本社は、ボストンの海岸沿いにあります。
17階にあるギャラリーで、PTC社のテクノロジーが公開されています。
こちらは一般向けでも定期的にツアーが組まれているそうなので、申し込めば誰でも見学できるようです。
こちらはARのデモンストレーションです。この機械、医療系の装置のようでして、1台3,000万円くらいする、取扱いが難しい装置だそうです。
装置の操作は簡単ではあるものの、一つ間違えたら壊しかねません。
そのため、装置をiPadでかざすことで、装置の使い方や装置の状態がAR表示されています。
これはPTC社が提供するAR作成ツールのVuforiaで実現されています。
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この装置を製造するメーカーさんは、装置をIoT化し、どの機械がどこで使われていて、現状どのような状態なのかを管理できる仕組みを、PTC社が提供するThingWorxというIoTプラットフォームを使って構築されました。
この仕組みがあると、機械のファームウェアのアップデートなども自動的に行うことができるそうです。
関連記事:産業系のIoT(IIoT)プラットフォーム、ThingWorxとは
世界中からの人が一度に見学したため、大変な混雑でした。
こちらは、Cannondale というメーカーの100万円くらいする自転車です。
この自転車を買うと、メンテナンスの方法や、どのような姿勢で乗るといいのかといった情報が、付属のスマートフォンアプリを使ってARで表示されます。
こちらはESABというメーカーの溶接機です。
なんと、IoTデバイス機能がついていて、溶接作業者の作業を補助してくれます。
このヘルメットには、AR表示できるスクリーンが付いているので、過去の熟練技術者が共有している情報や、どのように溶接すればいいかという情報が目の前に表示されながら作業ができるそうです。
こちらはビールサーバーを作っているCELLIという会社のIoT事例です。
ThingWorxを使って、各サーバーの使用状況や状態が一元管理できるようになっています。
この情報は、ビールメーカーさん側で確認することで、どんな時間帯にどのくらい消費されているかなどの情報を使ったマーケティングなどにも使われているそうです。
いい景色です。
こちらは組み立て工程を誰でもできるようにしたAR手順書です。
上の画面を見ながらら手順に従うと、素人でも簡単に組み立てできるようになっています。
IoTやARに力が入っていますが、PTC社さんはもともとCADの会社さんです。
昨年買収したFRUSTUMの技術では、AIによる形状の自動設計ができるジェネレーティブデザインも紹介されていました。
こちらの形状はPolarisという会社のスノーモービルの足部品です。
3Dプリント用の形状生成や、鋳造用、切削加工(3軸)用など、様々な形状が自動生成されます。
いかがだったでしょうか?
IoTやARという技術によって、今までとは全く違うものづくりのやり方や、そこではたらく人、それらを使うことが大きく変わってくると感じました。
実際の世界にデジタルが混ざっていく世界、ワクワクしますね!
ボストンに行かれた際には是非立ち寄ってみてください。