メーカー等が提供している機械部品CADデータの管理やダウンロードに手間を感じていないでしょうか。もしメーカーサイトの個別利用に手間を感じているなら、Web2CADの利用がおすすめです。
この記事では、CADデータのプラットフォームであるWeb2CADで入手できるものやメリットをわかりやすくまとめました。ログインやCADソフトに読み込む流れも解説しているので、機械設計を効率化する参考にしてみてください。
機械部品をダウンロードできるWeb2CADとは?

Web2CADは、機械設計の担当者向けのCADデータポータルサイトです。
国内外の部品メーカーが提供する2D・3DのCADデータをひとつのサイトで無料ダウンロードできます。
たとえば、ベアリングやモーター、流体機器など幅広い部品に対応しており、CADデータだけでなくカタログ閲覧や技術計算、メーカー検索も可能であるため、次のような人たちにWeb2CADがおすすめです。
- 機械設計・設備設計をしているエンジニア
(部品CADデータをすぐに使いたい人) - 製造業の設計・開発担当者
(複数メーカーを横断して比較したい人) - CAD学習中の学生・初心者
(実在メーカーの部品で練習したい人)
メーカーの公式サイトを訪問せずとも、手軽に複数のCADデータをダウンロードできます。
Web2CADだけで図面の取得を完結できるので、CADデータ収集の手間を減らしたいなら、ぜひ登録から始めてみましょう。
なお、Web2CADでダウンロードできるのは協賛メーカーのCADデータのみです。
公式サイトの協賛メーカー一覧からよく使うメーカーがあるのかをチェックしてください。
Web2CADでダウンロードできる対応CADソフト一覧
Web2CADでは、2DCAD・3DCADの両方をダウンロードできます。そのなかでも、特に相性の良いCADソフトとバージョンを整理しました。
| Web2CADに対応した2DCAD | Web2CADに対応した3DCAD |
|---|---|
| Allplan 2004 AutoCAD V14 以上 Cadkey CDL V19 以上 Catia IUA V4 HP ME 10 V9 以上 I-IDEAS V7 以上 Medusa 2000i 以上 SolidEdge V17 以上 VX (Varimetrix) V5.0 以上 |
3D Studio MAX Allplan 2004 AutoCAD V14 以上 Caddy++ SAT-V4.2 Catia V5 R8 以上 Catia IUA V4 EAI (Part) I-IDEAS V7 I-IDEAS V9 Intergraph EMS Inventor R10 以上 Inventor R11 以上 Inventor R5.3 以上 Mechanical Desktop V5 以上 MegaCAD SAT-V2.0 Pro/E Wildfire I 以上 PRO-Desktop SolidDesigner (LSP) V7.5 以上 SolidEdge V17 以上 SolidWorks 2001+ 以上 Think3 2006.2 以上 TopSolid 2004 以上 Unigraphics NX2 以上 Unigraphics NX3 以上 VX (Varimetrix) V5.0 以上 |
出典:Web2CAD「対応CADの一覧」
日本の製造業で使われる主要CADはほぼすべて対応しているため、「ダウンロードしたけど開けない」というトラブルが起こりにくいのがWeb2CADの強みです。
中間フォーマットも、DWFやDWG、SAT、STEP、STLなど豊富なデータをダウンロードできます。複数のCADソフトを介せば、データ変換で読み込めるようにもなるので、ほぼ読み込めないCADデータはないと言えるでしょう。
なお、機械設計は外部に依頼することも可能です。詳しくは以下の記事をチェックしてみてください。
間違われやすい「Web2CAD」と「3Dfindit」の関係
よく間違われやすいのがCADENASが提供する「Web2CAD」と「3Dfindit」の関係です。
それぞれプラットフォームという扱いであるため、どちらを利用すべきかわからない方もいるでしょう。
結論として、Web2CADはCADデータをダウンロードできる日本版のプラットフォーム、3Dfinditは海外版のプラットフォームです。
3Dfinditは2019年6月に提供がスタートしたサービスであり、海外向けのCADデータを中心にダウンロードできます。一方でWeb2CADは、日本企業・メーカー向けのCADデータがメインで取り扱われているのが特徴です。
そのため、国内向けに機械設計を行う場合はWeb2CAD、海外向けに機械設計を行う場合は3Dfinditを活用すると良いでしょう。
(参考:CADENAS「3Dfindit サポート」)
Web2CADを利用するメリット
Web2CADは、機械設計で使うさまざまなメーカーの部品データを無料でダウンロードできるのが最大のメリットです。以下に、その他利用すべきメリットもまとめました。
- 必要な機械部品を検索できる
- 2D・3Dの両方のデータが見つかる
- 無料でダウンロードできる
通常、メーカーから部品データをダウンロードする際には、各サイトで会員登録といった手続きが求められます。一方でWeb2CADは、さまざまなメーカーのデータがまとめられているプラットフォームであり、手続きの手間を一度で終えられます。
そのため、各社からのメルマガなどを受け取る手間や、ログインの手間を避けたい方に最適です。ダウンロード先の管理に負担を感じているなら、Web2CADを利用してみましょう。
Web2CADでできること

Web2CADは、単なるCADデータ配布サイトではなく、設計業務をワンストップで支援する設計者向けのプラットフォームです。以下より、サイトで完結できる「CAD取得」「強度計算」「メーカー情報収集」について紹介します。
- 機械部品(2D・3D)の無料ダウンロード
- 機械設計に必要な技術計算(強度計算等)
- 機械部品のカタログ請求
機械部品(2D・3D)の無料ダウンロード
Web2CADのメイン機能が、メーカー公認の機械部品CADデータの無料ダウンロードです。
ベアリング、モーター、空圧機器、伝達部品、電子部品など、数多くの国内メーカーの部品が収録されています。
Web2CADの公式サイトからアクセスできる「PARTcommunity(パーツコミュニティ)」に無料登録するだけで、次のデータを実務でそのまま使える形式で取得可能です。
- 2D図面
- 3Dモデル
さらにデータはメーカー公式であるため、寸法違い・仕様違いによる設計ミスを防げるのが大きな強みです。
機械設計に必要な技術計算(強度計算等)
Web2CADには、設計者向けの無料オンライン技術計算ツールが標準で用意されています。
その代表的なものが、以下の計算を行える「はりのたわみ計算(複合荷重対応)」です。
- 片持ちはり
- 両端支持はり
- 両端固定はり
- 複合荷重対応
- 最大たわみ量・発生位置の自動計算
Webブラウザ上で即座に確認できるため、設計時の簡易計算として活用できます。
なお、より高度な解析が必要な場合は、Web2CADで別途提供されている有償ソフトウェア「CADTOOLシリーズ」を購入することで、フレーム構造解析やFEM、板金、ISOなどにも対応できます。体験版の利用からスタートしてみましょう。
機械部品のカタログ請求
Web2CADは、協賛しているメーカーの紙・PDFカタログをまとめて取得できるのも特徴です。
「カタログ一括請求」機能を使えば、次のようなカテゴリのカタログを手軽に入手できます。
- 標準部品・規格品
- 機械要素
- 伝達・搬送
- 油圧・空圧
- 制御・電子部品
- 計測機器
たとえば、機械設計をする際にはカタログベースで強度や耐荷重、型番などを確認しなければなりません。これに対し、Web2CADのCADデータ&カタログをダウンロードすれば、メーカーサイトを個別に利用することなく、短時間で必要な情報を集められます。
Web2CADの無料範囲・制限一覧
Web2CADは「完全無料で使える設計支援プラットフォーム」ですが、無制限・無条件に使えるわけではなく、設計者向けに明確な利用ルールが定められています。
まず、CADデータのダウンロードやはりの計算、カタログ請求はすべて無料です。
なお、ダウンロードについてはフリーメールやプロバイダーメールの場合は5回まで、独自ドメインのメールの場合は1日最大50回ダウンロードできます。
一方で、Web2CADの公式サイトでは利用規定として次の制限がまとめられています。
- 正規ライセンスのCADソフトでのみ利用して良い
- データの再配布や転載はできない
- メーカー公認であるが仕様書での確認が必要(寸法のズレなどに注意)
- 無料サービスであるためCADENASによる保証はない
安全にWeb2CADを活用するためにも、利用規定にしっかりと目をとおしておきましょう。
Web2CADの失敗しない利用手順
Web2CADを利用する際には、会員登録後にログインし、CADデータを探してダウンロードするという流れになります。
以下より、Web2CADの失敗しない利用手順をわかりやすく解説します。
- 登録・ログインの手順
- ダウンロード・CAD読み込みの手順
登録・ログインの手順

まずWeb2CADの公式サイトにアクセスしたら、上の画像のように「CADデータ>PARTcommunity ログイン」をクリックしてください。すると、次の画面が表示されるため、右上の人物マークをクリックして、会員登録を済ませましょう。

以下に、登録手順をまとめました。
- 新規登録ボタンをクリックする
- 会員登録情報を入力する
- メールアドレスに送られてきた番号を入力する
なお、登録完了後すぐに、3Dfinditの画面が表示されますが、無視して問題ありません。
Web2CADの画面に戻れば、ログインされた状態が維持されます。
ダウンロード・CAD読み込みの手順

会員登録・ログインが完了したら、PARTcommunityの画面に戻りましょう。
この画面では、次のような方法でCADデータを探せます。
- キーワードやAI機能で探す
- 条件付きで探す
- 直接メーカーを探す
なお、ダウンロードしたいメーカーを見つけたら、項目をクリックしてください。
今回は一例として「アソー株式会社>ネジ継手>六角ニップル」をクリックしてみました。
次のように、Webブラウザ上で3Dモデルや品番なども確認できます。

また、ピンク色で表示されているCADというボタンをクリックすると、機械部品をダウンロードできます。ここでは、ダウンロードに対応しているAutoCADのデータを取得してみました。

実際にAutoCADに読み込んでみると、Webブラウザ上で確認できたそのままの形状のモデルが表示できました。

手軽にCADデータを反映できるため、ぜひ機械設計に活用してみてください。
また、CAD初心者は、Web2CADを用いた機械部品などを使いながら練習図面で使い方を学ぶのがおすすめです。以下の記事で紹介している図面の書き方や無料の教材をチェックしてみてください。
Web2CADだけでなくセミナー講習も効率化におすすめ
Web2CADを使えば、これまでバラバラにダウンロードしていたCADデータを1つのサイトで手軽にダウンロードできるようになります。とはいえ、CADソフトの操作者がソフトの使い方や操作方法を正しく理解できていなければ、効率を最大化することができません。
そこで、まだCADソフトの操作に不慣れな初心者は、以下で紹介するセミナー講習に参加するのがおすすめです。
- AutoCADの場合
- SOLIDWORKSの場合
AutoCADを用いた機械設計におすすめのセミナー講習

AutoCADはWeb2CADの対応ソフトのひとつであり、2DCAD・3DCADの両方の機能を持つ汎用型のCADソフトです。
そして以下のAutoCAD基礎セミナー講習は、ソフトの基本操作や使い方などを実務目線で学べます。設計に必要な動作を体系的に学習できるため、AutoCADを導入したばかりの初心者や、再学習したい中級者の方にもおすすめです。
セミナー名 AutoCAD基礎セミナー講習 運営元 GETT Proskill(ゲット プロスキル) 価格(税込) 27,500円〜 開催期間 2日間 受講形式 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング
SOLIDWORKSを用いた機械設計におすすめのセミナー講習

SOLIDWORKSは、3Dモデリングに特化したCADソフトであり、Web2CADの対応ソフトとしても取り扱われています。
そして以下のSOLIDWORKSセミナー講習は、実務的な操作方法や使い方の手順をわかりやすく学べるカリキュラムです。プロ講師が操作する画面を見ながら設計の全体像を学べるので、実務的な使い方を短期間で学びたい方におすすめします。
セミナー名 SOLIDWORKSセミナー講習 運営元 GETT Proskill(ゲット プロスキル) 価格(税込) 41,800円〜 開催期間 2日間 受講形式 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング
Web2CADについてよくある質問
ここまで紹介してきたWeb2CADについて、よくある質問をFAQ形式で回答します。
Web2CADについてまとめ
Web2CADは、無料で使える機械部品のCADデータプラットフォームであり、制限の範囲も広いため、オフラインでデータを管理したくない設計者におすすめのサービスです。
また、一部の強度設計を無料で使えたり、カタログの一括請求ができたりと、規格やメーカー基準にもとづいて設計することが多い機械設計で活用できます。
個別のCADデータ管理に煩わしさを感じているなら、この機会にWeb2CADに登録してみてはいかがでしょうか。