「自分だけの仮想世界を作りたい」と、そう夢見たことはありませんか?
かつては専門知識が必要だったメタバース開発も、ゲーム開発エンジン・Unityを使えば、個人でも手軽にはじめられます。
近年では、ゲーム分野にとどまらず、建築や製造業など幅広い産業で活用されるようになりました。この柔軟性こそ、多くのクリエイターに支持される理由です。
この記事では、初心者向けにUnityを使ったメタバース開発の始め方から必要な機材、制作手順までをわかりやすく解説します。
Unityのメタバースとは?

Unityのメタバースとは、Unityの技術を基盤に作られた仮想空間のことです。
そこでは「ワールド」と呼ばれる空間を設計し、オブジェクトや仕掛けを組み込むことで、思い描いた世界を自在に形にできます。
ユーザーはアバターを介して空間に入り込み、自由に動き回り、他者と交流することも可能です。ゲームや展示、イベントなど、その活用法は一人ひとりのアイデア次第。発想の数だけ世界は広がり、そこには新たな感動が生まれます。
- Unityとは?
- バーチャル空間とメタバースの違い
①Unityとは?
Unityは、アメリカのUnity Technologiesが開発したゲーム開発エンジンです。
2003年のリリース以来、ユーザー数は急速に増加し、2022年トップ1000タイトル調査ではモバイルゲームの7割以上を占めるまでに成長。月間ダウンロード数は実に40億以上、世界中には数百万人の開発者が存在します。
Unityで作られたゲームタイトルは非常に多く、『ポケモンGO』や『スーパーマリオラン』といった、誰もが知る有名ゲームもUnityで作られています。
②バーチャル空間とメタバースの違い

ここで押さえておきたいのが、バーチャル空間とメタバースの違いです。
バーチャル空間とメタバースはどちらも「仮想の3D空間」という共通のイメージがあり、厳密に区別されずに使われることが多いですが、実は役割が異なります。
| 項目 | バーチャル空間 | メタバース |
| 役割 | デジタル上に作られた「場所」そのもの | 複数のユーザーがアバターとなり交流 |
| 特徴 | 一人でも体験可能な場所 | 多くの人が集まり、交流や活動を通して発展 |
| 例 | ゲームのマップ、3Dオンライン会議室など | 複数のユーザーが継続的に利用 |
つまり、個人でバーチャル空間を構築し、そしてその空間に他のユーザーが加わって交流することで「社会」が形成され、それがメタバースへと発展します。
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Unityのメタバース開発が選ばれる2つの理由

ここでは、Unityがメタバース開発で選ばれる理由について、以下の2点から見ていきましょう。
- 多彩な産業で注目されている
- 他ツールよりメタバース開発に適している
①多彩な産業で注目されている
ゲームエンジンとして知られるUnityですが、実は近年産業分野でも存在感を強めています。その背景にあるのは「デジタルツイン」と呼ばれる技術です。
デジタルツインとは、現実の建物や機械、環境を仮想空間にリアルタイムで再現するもので、Unityはゲームで培ったリアルタイム3D技術を活かし、建築・製造・自動車など幅広い領域で導入が進んでいます。
さらに、2023年には産業向けの新たな開発基盤「Unity Industry」を発表し、以下のような分野でDXを推進する役割を担っています。
- 建設:BIMモデルを活用した現場の効率化
- インフラ:ドローンやAIによるメンテナンス効率の向上
- 製造:複雑なラインのシミュレーションとロボット制御
- 自動車:自動運転開発とHMI/IVIの開発加速
- 小売:バーチャル試着などによる顧客体験の向上
このように、Unityは「ゲーム開発エンジン」という枠を超え、産業界でも信頼されるツールへと進化を遂げているのです。
②他ツールよりメタバース開発に適している
Unityと似た開発ツールには、Unreal EngineやBlenderがあります。それぞれ特徴はありますが、Unityは以下の理由で選ばれています。
・Blender:無料で使えるオープンソースの3Dモデリングソフト
| 項目 | Unity | Unreal Engine | Blender |
| 操作性 |
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| 開発環境 (SDK) |
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| 素材 |
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| 対応デバイス |
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| 学習環境 |
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現状、多くのメタバースプラットフォームがUnity用のSDKを提供していることから、メタバース開発はUnityが主流です。
これらの理由から、Unityは個人の初心者でも始めやすく、メタバース開発のスタートに適したツールであるため、現在も多くの方に選ばれています。
以下の記事では、UnityとBlenderを詳しく比較しています。Blenderとの選択に迷っている方はぜひご一読ください。
Unityのメタバース開発の始め方
Unityでメタバースを作るには、まず適切な機材と環境、知識を段階的に整えることが大切です。
- 開発に必要な機材をそろえる
- 開発環境を整える
- Unityインターフェースの基本を理解する
①開発に必要な機材をそろえる

まずは、Unityのメタバース開発に必須の機材を確認しましょう。VR空間を体験し、作ったワールドのテストを行うためにも、以下の3点は開発の必需品です。
VRヘッドセット
メタバース開発では、開発におけるテストプレイのためにVRヘッドセットを用意しておきましょう。おすすめは世界で最も普及しているVRデバイス「Meta Quest 2」です。
VRヘッドセット選びに迷ったら、定番からコスパ抜群の機種、ハイスペックなモデルまで紹介している以下の記事を参照してください。Meta Quest 2、Meta Quest 3も紹介しています。
高性能GPU搭載のWindowsパソコン
Unityのメタバース開発では、高性能なパソコンも必須です。
美しい3Dグラフィックスを描画するVR開発では、開発映像処理のパフォーマンスを向上させる高性能なGPU(グラフィックボード)を選びましょう。
また、OSはWindowsが適しています。「Oculus Link」という開発効率を大幅に向上させるシステムが、Macでは利用できないためです。
USB 3.0ポートと長めのケーブル
Unityのメタバース開発の際には、VRヘッドセットをパソコンに接続するためのUSB接続環境も用意しておきましょう。
パソコンにはUSB 3.0に対応したポート(青い端子)が必要です。また、開発中のテストプレイでケーブルが邪魔にならないよう、3メートル以上の長いケーブルを選ぶと、快適に作業を進められます。
②開発環境を整える

機材が揃ったら、次にUnityの開発環境を構築します。
この段階で重要なのは、使用予定のメタバースプラットフォームに合わせたバージョンを選ぶことです。
Unity Hubをインストール
まず最初に「Unity Hub」をインストールしましょう。
これは複数のUnityバージョンを一元管理するツールで、異なるプロジェクトで異なるバージョンを使い分けたい場合でも、効率的に管理できます。Unityのインストール方法は以下の記事をご参照ください。
なお、VR Chatでメタバースワールドを作る場合、Unity Hubのインストールはワールド作成時にも対応できます。詳しくは、後述する「Unityのメタバース空間の作り方」の「②VRChatのワールドの作成方法」でご確認ください。
バージョン選択
次は、目標とするプラットフォームの公式情報で推奨バージョンを確認しましょう。Unityでは最新版が最も良いわけではなく、各メタバースプラットフォームは推奨するUnityバージョンを指定しています。
③Unityインターフェースの基本を理解する
Unityのメタバース開発では、事前にインターフェースを理解しておくことで、不安なく開発に取り組めます。
- シーンビュー(3D空間を表示する画面。オブジェクトの配置や編集を実行)
- ゲームビュー(実際にユーザーが見る画面のプレビューを表示)
- ヒエラルキーウィンドウ(シーン内のオブジェクトをリストで表示する画面)
Unityを初めて起動すると、その複雑そうな画面に圧倒されるかもしれません。そんな方こそ、これらの基本的な画面構成を押さえておいてください。
Unityのメタバース空間の作り方
環境が整ったら、いよいよUnityのメタバース開発に取り掛かります。ここでは、「クラスター」「VRChat」を例に、具体的な手順を解説しましょう。
・VRChat:VR上で世界中の人々と交流できるソーシャルVRプラットフォーム
- クラスターのメタバースワールド制作
- VRChatのメタバースワールド制作
Unityを使ったメタバース開発は、それぞれのプラットフォームで手順が少し異なります。それぞれの公式ツールに対応した最新のメタバースワールド作成手順を解説します。
①クラスターのメタバースワールド制作
クラスターでメタバースワールド制作を始めるには、まず無料のツールセット「クリエイターキット」を入手します。
このキットには、家や家具といったアセット(ワールド内の小道具)が豊富に含まれており、ゼロから作る手間を省いて効率的に開発を始められます。
具体的な手順は以下の通りです。
- クラスター公式サイトでアカウントを作成
- Cluster Creator Kitをダウンロード
- 公式ガイドを確認し「Cluster Creator Kit」を入手
- ダウンロードしたファイルを解凍し、PC内で管理しやすい場所へ移動
- UnityHubと、クラスターが指定するUnity対応バージョンをインストール
- UnityHubでCluster Creator Kitのプロジェクトファイルを開く
- サンプルプロジェクトからワールド制作をスタート
- ワールドをカスタマイズ(地形や建物、家具などアセットを配置)
メタバースワールド作成では、ProBuilderなどのツールやSkyboxで背景や光も調整できます。ワールド完成後、Clusterへアップロードして、ネット上で公開できます。
②VRChatのメタバースワールドの作成方法
続いて、VRChatを使ったメタバースワールド制作を3ステップで解説します。なお、VRChatは、ワールド作成時にUnity Hubのダウンロード・インストールも行えます。
STEP1.VCCとUnityの準備
まず、VRChatのメタバースワールド作成に必須となるツールを準備します。
以前は手動でUnityやSDKを探してダウンロードする必要がありましたが、現在はVCC(VRChat Creator Companion)がそれらを管理してくれます。
- VRChat公式サイトにログイン
- 「Downloads」から「VRChat Creator Companion」をダウンロード・インストール
- インストール中に「Unity Hubのインストール」を促される
- インストールがまだの方は、指示に従ってUnity Hubをダウンロード・インストール
Unity Hubをインストールしたら、VCCの画面に戻ります。VCCがVRChatのワールド作成に必要なUnityの特定のバージョンを自動的にダウンロード・インストールしてくれます。
STEP2. 新規プロジェクトの作成
VCCとUnityの準備が整ったらプロジェクトを作成します。
- VCCの画面を開き、「Projects」タブから「Create New Project」をクリック
- 「VRChat World」を選択
- プロジェクト名と保存先のフォルダを半角英数字で設定
- プロジェクト作成後、右側に表示される「Open Project」をクリック
- Unityが自動的に起動
なお、初回起動時は時間がかかる場合があります。
STEP3. ワールドにオブジェクトを配置
Unityが起動したら、VRChat SDKのコントロールパネルを開き、VRChatアカウントでログインします。その後、メタバースワールドに床や椅子などのオブジェクトを配置していきます。
- 「All Prefabs」などから「Floor」を選び、シーン内に配置して床を作る
- 「VRChat Chair」などのアセットをドラッグ&ドロップで配置
- 矢印ツールで位置を、回転ツールで向きを調整
この際、メタバースワールドに必ず「VRCWorld」というオブジェクトを配置してください。
これは、VR空間に足を踏み入れたとき、最初に立つ場所「初期位置の設定」を示す非常に重要な設定です。このオブジェクトを置くことで、訪問ユーザーは迷うことなく、ここで作ったメタバース空間にスムーズに入れます。
Unityのメタバース開発事例5選
ここでは、Unityでメタバースを開発した企業の事例を5つ見てみましょう。
| 業界 | サービス名 | 提供企業 | 特徴 | 用者数・規模 |
| ソーシャルVR | VRChat | VRChat Inc. | 世界最大ソーシャルVR | 同時接続13万人突破 |
| ARゲーム | Pokémon GO | Niantic | 現実世界×バーチャル | 3日間1000万DL |
| 医療外科 | 手術疑似体験 | 東京大学医学部 | 脳動脈瘤手術練習 | 手術リスク軽減 |
| 小売 | VR接客研修 | ウォルマート | 緊急時対応疑似体験 | 全世界店舗で導入 |
| 建設 | BIM×3Dモデル | 各建設会社 | リアルタイム建物管理 | 設計業務の効率化 |
①VRChat|同時接続13万人突破!
世界最大のソーシャルVR「VRChat」は2025年1月、同時アクセス数13万6,567人を記録し過去最高を更新しました。
開発の基盤にはUnityが採用されており、ユーザーはアバターで交流し、誰でもワールドを制作できます。直感的なUnityの開発環境が、クリエイター主導のコミュニティを拡大した事例です。
②Pokémon GO|Unity技術で現実拡張を実現
2016年に社会現象を起こした「Pokémon GO」は、街中にポケモンが現れる体験でARゲームの可能性を示しました。
UnityのAR機能とクロスプラットフォーム対応により、iOS・Android双方で安定したプレイを提供。位置情報とリアルタイム処理を組み合わせ、現実とデジタルを融合した没入感ある体験を実現しました。
③東京大学医学部|Unityで外科手術シミュレーション
東京大学医学部は、Unityを活用したVR手術シミュレーションを導入。患者のMRIデータを3D化し、医師が事前に手術を反復練習できる環境を構築しました。
高精度な3D描画と物理演算により実際の感覚に近いトレーニングが可能となり、手術時間短縮やリスク低減に貢献。医療教育の革新事例として注目されています。
④ウォルマート|UnityのVR研修で混雑対応を再現
米小売大手ウォルマートは、Unityを活用したVR研修システムを導入しました。ブラックフライデーの混雑や緊急事態を仮想空間で再現し、従業員が安全に体験できる環境を提供しています。
物理演算を駆使したリアルな店舗シミュレーションにより、冷静な対応力を養成。顧客満足度と安全性を両立させる先進的な研修として注目を集めています。
⑤建設業界でもUnity導入|BIMデータでリアルタイム3D化
建設業界では、各企業で設計情報を統合するBIMをUnityで3D化する取り組みが進んでいます。
2D図面では困難だった構造や空間の可視化を実現し、関係者が同じ情報を共有可能に。設計ミスの早期発見や施工効率の改善、完成後の管理最適化にもつながっています。
Unityのメタバース開発の課題点

Unityでメタバースを開発する際には、以下のような課題点があります。
- プラットフォームの仕様
- パフォーマンスの最適化
①プラットフォームの仕様
各メタバースプラットフォームは、それぞれ推奨するUnityバージョンや開発ツールが異なります。これを無視して開発を進めると、互換性の問題でワールドが公開できないといったトラブルにつながります。
なお、必要な情報は、各プラットフォームの公式ページで提供されています(クラスター公式クリエイターガイドなど)。
②パフォーマンスの最適化
メタバース空間では、フレームレート(1秒間の画面表示数)が低下すると、VR酔いを引き起こすことがあります。この際、快適な体験を提供するために、90fps以上を保つことが理想です。
動作が重くならないよう、開発の初期段階から、ポリゴン数やテクスチャサイズを管理する設計を心がけましょう。これにより、後のトラブルを未然に防ぎ、スムーズで快適なワールドを制作できます。
fpsが低いと映像がカクカクして不快感(VR酔い)を引き起こしやすくなる
Unityのメタバース開発におすすめの学習方法
最後に、Unityのメタバース開発初心者におすすめの学習方法を一覧表でご紹介します。
| 学習方法 | 期間 | メリット | デメリット | おすすめ度 |
| 公式チュートリアル | 1~2ヶ月 | 無料で基礎から習得 | 基本的に個人学習 | ★★★☆☆ |
| YouTube動画 | 1~2ヶ月 | 無料で自由に学習 | 情報の信ぴょう性 | ★★★☆☆ |
| 書籍・参考書 | 2ヵ月程度 | 低コスト・高自由度 | モチベーション維持 | ★★★☆☆ |
| 実践的セミナー | 数日~1ヶ月 | 短期で実務レベルに到達 | 集中学習が必要 | ★★★★★ |
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Unityのメタバースについてまとめ
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