産業分野の3Dデータ活用のニーズに応えるために登場した「Unity Industry」。Unity Industryを使えば、現実に近い環境でさまざまなシミュレーションができます。
しかし、高機能なソフトウェアであるため、価格自体や、価格に見合った価値があるのかは気になるポイントです。本記事では、Unity Industryの価格について解説しています。
また、Unity Industryでできることや、ほかのプランとの価格比較、含まれるサービスについても紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
Unity Industryの無料オンラインセミナーはこちら
Unity Industryとは?
産業分野の3Dデータ活用は、ゲーム開発と異なるニーズや要件が求められます。
こうした業界特有の課題に対応するために誕生したのがUnity Industryです。
産業向けに機能やサポートが強化されたUnity Industryを使えば、オリジナルの仮想空間を構築でき、現実では困難なシミュレーションも実施可能になります。
その結果、試作や実験にかかるコストを削減でき、業務全体の生産性向上につなげられます。
Unity Industryの価格

2025年6月現在のUnity Industryの価格は以下のとおりです。
- 年間プラン:816,750円(税込み)
仮想空間を活用した物理シミュレーションや、VRを使った没入型の体験訓練等は、現実で行うにはどうしても掛かるコストを大幅に削減できるため、様々な分野で活用が進んでおり、納得の価格感といえるでしょう。
また、Unity Industryの購入検討は下記のリンクから行えます。まずは資料請求の申し込みから行いましょう。
Unity Industryと他プランの価格・機能の比較
Unityは、ゲーム開発だけでなく、製造業・建築・自動車・エネルギー分野など、幅広い産業においても活用されるリアルタイム3D開発プラットフォームとして知られています。開発者の目的や業種に応じていくつかのプランが提供されており、現在特に注目を集めているのが「Unity Industry」です。
ここでは、Unity Industryを含めた主要な3つの商用ライセンス(Unity Pro、Unity Enterprise、Unity Industry)について、2025年6月時点の情報をもとに、機能や価格の違いを整理して解説します。
| プラン名 | 主な用途 | 年間価格(税込) | 商用利用 | 専用サポート | 産業向けツール(Pixyz等) | 利用対象例 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Unity Pro | ゲーム・アプリ開発全般 | 約290,400円 | ◯ | メール対応のみ | × | ゲーム制作、VRコンテンツ開発など |
| Unity Enterprise | 大規模チーム・企業向け | 個別見積(目安60万円以上) | ◯ | SLA対応(契約レベル) | △(オプション) | 大規模開発チーム、SIerなど |
| Unity Industry | 産業・製造・建築業向け | 約816,750円 | ◯ | 専属エンジニア対応 | ◯ | 建築設計、製造、研修シミュレーション等 |
Unity Industryの購入方法

Unity Industryの資料は、こちらのページからダウンロードができます。まずは資料をダウンロードし、導入の検討をしてみてください。必要であればトライアルの相談も可能です。
また、導入に関して確認したいことがある場合は、事前にお問い合わせフォームから相談することも可能です。
価格や機能とのバランスを見ながら、自社に合った形で導入を検討しましょう。
Unityでできること

Unity Industryを導入することで、さまざまな場面で活用できる幅広い機能が利用可能になります。
まずは、Unity エディターによってできるようになる主なことを紹介します。
- 仮想空間の構築ができる
- XRコンテンツとの相性が良い
- 高品質なシミュレーションができる
これらは、Unity Industryでも当然できることなので詳細を見ていきましょう。
①仮想空間の構築ができる
Unity Industryでは、3Dデータをパソコンに取り込むことで、仮想空間の構築が可能です。例えば、建築イメージもパソコン上で再現できるため、設計図だけでは分かりにくかったポイントも視覚的に確認できます。
高いレンダリングクオリティで再現できるので、現実のような環境で作業ができるでしょう。
専門的な知識がなくても、感覚的な操作でこうした空間を作れるのがUnity Industryの大きな強みです。
②XRコンテンツとの相性が良い

Unity Industryは、XR(VR・AR・MR)コンテンツとの高い親和性を持っており、リアルな没入型体験を行えます。
特に、危険な作業やコストのかかる体験を事前に仮想環境で体験できるため、教育や訓練の質を大きく高められるでしょう。すでに、医療や航空など、さまざま分野でも活用が進んでいます。
実際、医療業界では手術の練習や医療機器の使い方を安全に学べるため、医療従事者のスキル向上に貢献しています。
③高品質なシミュレーションができる
従来のソフトウェアでは、大容量の3Dデータを扱う際に動作が重くなったり、エラーが発生したりすることがありました。
しかし、ゲームエンジンとして開発されたUnity Industryは、データ容量や処理能力に優れるため、現実的なシミュレーションもスムーズに行えます。
今までよりも一歩進んだ設計やシミュレーションができるので、より高度で挑戦的なプロジェクトにも活かせるでしょう。
これまではUnityによってできることでしたが、今回紹介するUnity Industryは、産業分野で使われることを想定してつくられたソフトです。
そのため、Unityエンジンの内部コードにアクセスできるUnity Source Codeや、ARアプリ開発を最適化してくれるUnity Marsなど、産業向けの便利な機能が豊富に用意されています。
また、専任のアドバイザーによる支援や、専門的なトレーニングも用意されており、導入から実際の運用までをスムーズに進められるサポート体制も整っています。これにより、産業の複雑な計画にも十分対応可能です。続いてUnity Industryによってできるようになることの詳細を見ていきましょう。
Unity Industryの価格に含まれるサービス

Unity Industryには、開発を加速し、業務を効率化するためのさまざまなサービスが付帯しています。Unity Industryでは、主に下記のようなサービスを使用できます。
- Industry Success
- Unity Source Code
- Unity Asset Manager
- Unity Asset Transformer Toolkit
- Build Server
これらの特徴について詳しく見ていきましょう。
①Industry Success
Industry Successは、Unity Industryを契約した企業向けの専用サポートサービスです。
技術的な課題や開発上の悩みに対して、具体的なアドバイスや洞察を受けられるため、プロジェクトの進行スピードや成功率を大きく高められます。
また、Unityの基礎やモデルの最適化などを学べる300時間を超えるオンデマンドトレーニングも利用でき、学習面でも充実したサポートが受けられます。
②Unity Source Code
Unity Source Codeは、Unityエンジンの内部コードにアクセスできるサービスで、プロジェクトの最適な対応にUnity Source Codeは欠かせません。Unity Source Codeによってコード理解が深まるため、効率的にデバッグを行えます。
さらに、Adaptを使用すると、エンジンをカスタマイズしてプロジェクトに最適化したコードでのローンチも可能です。
③Unity Asset Manager
Unity Asset Managerは、3Dアセットのアップロードや管理、変換などを効率化するクラウド型のデジタルアセット管理ツールです。メタデータや検索フィルターを活用することで、アセットを効率的に見つけられます。
アセット管理の手間を省けるため、Unity Asset Managerを利用することで制作フローを大幅に最適化可能です。
④Unity Asset Transformer Toolkit
Pixyz Pluginは、CADデータや3DモデルをUnity上で活用できるよう変換・最適化するためのプラグインです。また、メッシュの見た目を自由に調整できるので、使いたいデバイスの性能に合わせてデータの最適化を行えます。
さらに、UVやLODの自動生成などの便利な機能も備えているため、効率的にビジュアライゼーションを構築できます。
⑤Build Server
Unity Build Serverは、専用のネットワーク環境でUnityプロジェクトのビルドを自動、もしくはオンデマンドで行えるソリューションです。
個人のワークステーションでビルド作業を行わずに済むため、その分の作業時間やパソコンの処理能力を、違う作業に使えるようになります。これにより、プロジェクトの完成度を高めることが可能です。
Unity Industryについて学べるおすすめセミナー
Unity Industryの活用方法や業務での実践事例について学びたい方におすすめなのが「デジタルツイン入門者向け無料オンラインセミナー」です。
このセミナーは初めてUnityに触れる方でも参加できる構成になっており、特別な事前知識は不要です。
無料で受講できるため、今後の業務にUnity Industryを活用したいと考えている企業担当者や設計・開発部門の方にとっては、知識の整理と導入判断に役立つ機会となるでしょう。希望者は定期的に開催される日時に合わせて申し込みが可能です。
セミナー名 デジタルツイン入門者向け無料オンラインセミナー 日時 2025年9月11日(木)11:00~11:45 価格 無料 開催場所 Zoomウェビナー(オンライン)
Unity Industryの価格についてまとめ
今回は、Unity Industryの価格について解説しました。Unity Industryは、産業用途に特化した高機能なソフトウェアであり、その分価格も高めに設定されています。
ただし、仮想空間の構築や高精度なシミュレーション、専用サポートなど、価格に見合う価値があります。
それでも、導入の際は、自社の目的や予算に合っているかどうかを整理し、納得したうえで購入するようにしましょう。