フリー2DCADソフトの「Jw_cad」をインストールしてみたけど、どうやって図面を書くのかわからないとお悩みの人も多いでしょう。また業務に適用する場合の図面の書き方や手順にお困りの人もいるはずです。
そこでこの記事では、初心者向けにJw_cadの図面の書き方をわかりやすくまとめました。
よく使う基本操作や機能の使い方も説明しているので、Jw_cadをマスターする参考にしてみてください。
Jw_cadとは
Jw_cadは、無料のオープンソースとして公開されている2DCADソフトです。
ソフトの開発には建築分野のプロなどが多くかかわっているため、建築向けに使える機能が豊富に搭載されています。
また汎用的なCADソフトということもあり、土木・機械といった業務でも適用できる機能を備えているのが特徴です。公式サイトから誰でも無料でJw_cadをダウンロードできます。
なお、Jw_cadは基本的にWindowsのOSでのみ対応しており、MacOSは古いバージョンまでで更新が止まっています。ダウンロードする手順を知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
Jw_cadの画面構成
Jw_cadの図面の書き方を知るうえで、まず把握しておきたいのが画面構成です。
どこにどのような機能が配置されているのかを理解しておくことで、後述するJw_cadの図面の書き方をより詳しく理解できるようになります。
まず上画像がJw_cadを起動した画面です。
主に次のような位置に機能が用意されています。
説明位置 | 利用できる機能・目的 |
画面上側 | メニューバー・コントロールバーとして、Jw_cad全体の機能がまとまっているほか、図面の設定などをする際に利用する |
画面左側 | ツールバーとして、主に作図や修正の機能がまとまっている |
画面右側 | ツールバーとして、図面のデータ管理や保存、計測といった機能がまとまっている |
画面中央 | ワークスペースとして、図面を挿入できる |
なお、細かい設定を除けば、画面左右に表示されているツールバーを使って図面を書けます。
ほかのCADソフトと比べてシンプルな画面構成ですので、Jw_cad初心者の方は、全体の配置から覚えておきましょう。
Jw_cadで頻出する図面の書き方
Jw_cadのなかでもよく登場する図面の書き方を1項目ずつ紹介します。
初めてJw_cadに触れるため、図面の書き方がわからないという方は、説明に合わせてJw_cadに触れてみてください。
Jw_cad図面での線の書き方
まずは基礎的な基礎である線の書き方から紹介します。
線を書く際には、左側にある斜線のマークをクリックすると、コマンドが起動します。
中央のワークスペース上で起点・終点を左クリックで選択すれば、簡単に線を配置できるでしょう。
また、細かい調整をする際には、画面上側のコントロールバーを使用します。
例えば「水平・垂直」にチェックを入れると、終点を選ぶ先が、90度角でしか選べないように調整が可能です。また「傾き」「寸法」を設定すれば、数値に合わせた図面の書き方ができます。
Jw_cad図面での矩形の書き方
矩形(四角形)の書き方は、次の2つの方法があります。
- 線を組みあわせて矩形をつくる
- 矩形ツールからまとめてオブジェクトを反映する
例として「縦200mm×横300mm」の図面を書いてみましょう。
まず線ツールだけで矩形を描く場合には「水平・垂直」にチェックを入れ、寸法の項目を200と設定します。その後は、ワークスペース上で任意の場所に起点を置き、終点の先を上下どちらかを選ぶだけです。
次に上記と同じ設定で、線ツールの水平・垂直、寸法300を設定します。
すでに挿入されている線の端点を選ぶ際には、右クリックを押さなければなりません。
左クリックは任意でしか始点・終点を挿入できないので、使い分けに注意してください。
あとは、同じように水平・垂直の線を描けば矩形の完成です。
続いて、矩形ツールを使った図面の書き方を紹介します。
画面左側にある四角形マークを選んだら、コントロールバーの寸法に「300,200」と入力してください。最後にワークスペースをクリックすれば、矩形が反映されます。
なお、寸法を指定するときは「横,縦」という順番で入力しなければなりません。
ルールを間違えると、異なる形状になるので注意してください。
Jw_cad図面での円形の書き方
Jw_cadで円形を書くときには、ツールバーに表示されている丸マークを選ぶことで図面への挿入が可能です。なお、円ツールはコントールバーの設定によって、図面の書き方が少しずつ変化します。
参考として、それぞれの調整内容を以下にまとめました。
円ツールの設定項目 | 図面の書き方の変化 |
円弧 | 円・円弧と書き方を切り替えられる |
半径 | 円の半径を指定する |
扁平率 | 楕円形を書く際の値を指定する |
傾き | 円の傾きを指定する(楕円のときに利用する) |
中央・外側 | 円の起点を中心点にするか外側にするか書き方を変えられる |
半円 | 円・半円と書き方を切り替えられる |
3点指示 | 2点指示(通常)を3点指示の書き方に切り替えられる |
多重円 | オフセットで複数の円をまとめて挿入できる |
上記のような設定ができるなか、ここでは中心点における2点指示の半径100mmの円を書いてみます。
まずは円ツールを起動して、コントロールバーの半径を100mmに設定してください。
あとはワークスペース上で任意の場所に左クリックで図面を挿入すれば、円が反映されます。
Jw_cadを使った平面図の書き方
前述した基本的な図面の書き方などを使いながら、実際にJw_cadで平面図を書いていきましょう。図面の書き方をより簡単にする「通り芯」という準備も掲載しているので、ぜひ参考にしてみてください。
図枠を用意する
まずは平面図を書くための図枠を準備します。
図枠をつくる手順は次の通りです。
- 画面下側にある用紙サイズを変更する(A-0など)
- 表示された図枠にツールバー「複線」「コーナー」を使って内側の線を描く
- ツールバー「文字」のサイズを5mmに設定して図の下側に文字を書き込む
図面を作成する際には、必ず図枠を用意しなければなりません。
また、自身で図枠を準備する時間がないという方は、インターネット検索などでJw_cad用の図枠データをダウンロードすることをおすすめします。
通り芯を書く
Jw_cadの図面の書き方を効率化する準備として、次に通り芯というものを挿入します。
通り芯とは、建築平面図などで壁を書く際の中心線を表すものであり、通り芯を準備しておくことで、図面全体の状況をイメージしながら平面図をつくり上げていけるのが魅力です。参考として、通り芯の書き方を以下にまとめました。
- 右側のツールバーにある「線属性」をクリックして一点鎖線を選ぶ
- 「線ツール」を起動して図面に垂直・水平の線を書く
- 通り芯を並べるために「複線」を使って50mmピッチで線を交差させる
通り芯は、いわば図面の下書きです。
下書きのうえから清書をするという図面の書き方ができるので、ぜひ通り芯の書き方を覚えておきましょう。
壁・柱を書く
ここからは実際に平面図に建物の壁を書いていきます。
図面の書き方を以下にまとめました。
- 通り芯に合わせて「線ツール」で中心点を挿入する
- 「複線」を使って壁厚を設ける
- 「矩形ツール」で柱を設ける
まず壁の書き方は、通り芯を書くときと同じ線ツール・複線を利用します。
以下のように通り芯のなかで壁を配置したい場所をトレースし、複線で幅を持たせることで壁の図面が完成します。
また、柱を配置する際には矩形ツールで通り芯の交点に任意サイズの矩形を配置しました。
ただし、この状態では線が被っていて見栄えが良くありません。
そこでサイズ後にツールバー「包絡」という機能を使い、被っている線をまとめにします。
これで見出し直下の画像と同じ平面図ができました。
Jw_cadを使った書き方のひとつの例ですので、ぜひ自身でもJw_cadを操作して図面を書いてみてください。
また詳しくJw_cadの使い方を知りたい方は、以下の記事がおすすめです。
Jw_cadの図面の書き方を勉強する方法
Jw_cadを独学したいけれど、どのような方法があるのかわからないという方も多いでしょう。
参考として以下に、書き方を学ぶ方法をまとめました。
- Jw_cadの機能をひとつずつ操作してみる
- Jw_cadの参考書を購入する
- Webコンテンツを使って書き方を学ぶ
上記の独学を続ければ、次第にJw_cadの図面作成スキルが向上していきます。
実際に図面をつくってみるというように、実践的な書き方の練習をすることで素早くJw_cadをマスターできるでしょう。
Jw_cadの書き方を学ぶならセミナー講習がおすすめ
独学でJw_cadの図面の書き方を学べないとお悩みなら、プロから実践的な操作・使い方を学べるセミナー講習に参加するのがおすすめです。
「Jw_cad基礎セミナー」では、2日間という最短スケジュールでJw_cadの基礎・応用をまとめて学習できます。受講者数1万人超えの人気セミナー講習ですので、Jw_cadの書き方をすばやく覚えたいという方は、ぜひセミナーを申し込んでみてください。
なお、当セミナーは会場受講・ライブウェビナー・eラーニングの3種類が用意してあります。
日本全国どこからでもセミナー講習に参加できるので、まずは以下のページをチェックしてみてください。
Jw_cadの図面の書き方についてまとめ
Jw_cadは2DCADソフトのなかでもシンプルに構成されていることから、初心者にもおすすめの作図ツールです。とはいえ、実際に触れてみなければわからないことが多々あります。
本記事で紹介した図面の書き方はもちろん、紹介した書き方の勉強方法なども参考にしながら、ぜひJw_cadの基礎知識や使い方を学んでみてください。
