無料でも使える高機能3D CADのFusion360とは?インストール方法や使い方をご紹介!

こんにちは、スリプリの三谷です。
このページでは、高性能3DCADソフト「Fusion 360」の価格や機能、使い方まで詳しくご紹介します。
これから3DCADを始めようと思っている初心者の方から、もう既に業務で3DCADを使用している方まで、Fusion 360が気になっている方が多くいらっしゃると思います。
そんな皆様のためにFusion 360の機能や使い方をまとめてみました!
記事の最後には初心者でも始められるモデリング講座がありますので、この記事を読めば今日からすぐにFusion 360を使い始めることができます!
今後の3D CADの比較検討のための有益な情報になれば嬉しいです!
Fusion 360とは
CAD/CAM/CAE が統合されたまったく新しい 3D ツール| Fusion 360
Fusion 360は、Autodesk社が提供している高機能3DCADソフトです。
3DCAD機能に加え、3DCAM、レンダリング、解析、アセンブリ、2次元図面などの機能が搭載されています。
データはクラウド上で管理されているため、チーム内でのデータのやりとりを円滑にしてくれます。
従来は数百万円した3DCADですが、Fusion 360は年間56,000円(税別)、月額7,000円(税別)ですべての機能を利用することができます。
また、30日間の無料体験版も用意されておりますので、ひとまずFusion 360を試してみたい方も実際に使用感を確認することができるので安心です。
さらに、学生や教育機関、非営利団体、スタートアップであれば30日の無料期間を過ぎても無料で使い続けることができます。
Fusion 360を使うと何ができる?
Fusion 360のような高性能な3DCADが使用できるようになると、趣味や仕事など、様々なことに活用することができます。
3Dプリンターで出力できるデータの作成も可能なので、フィギュアやクッキー型などの立体物の設計、制作から、製造業で使用する金型の作成など、幅広い分野で制作をサポートします。
他にもレーザーカッターで使用するデータの作成、出力、工作機械を操作する為の加工プログラムを作成するCAM機能なども備わっているので、業務用としても十分使用することが可能です。
従来は高価で導入し辛い3DCADでしたが、Fusion 360は学生や教育機関、非営利団体の方であれば無料で使用することができるので、趣味や研究の幅を広げることができるでしょう。
Fusion 360は3DCAD初心者でも使いやすい!
Fusion 360は書籍や解説サイト、コミュニティが多くありますので、初心者の方でも気軽に使用方法を勉強することができます。
優れた使いやすいUIを備えているので、直感的に操作することができ、他のCADソフトと比べても操作が覚えやすいソフトと言えそうです。
当サイトでも動画での使用方法の解説、コマンドリストなど初心者の方でも安心して学ぶことができるコンテンツが数多くありますので、是非参考にしてみてください。
▶ 高機能クラウド3DCAD「Fusion 360」を徹底攻略するページ
Fusion 360の最新情報はこちらでチェック!
▶ Fusion 360最新情報
Fusion 360は個人利用にも法人利用にもおすすめ!
Fusion360は個人利用でも法人利用でも無限大に活用することが可能です。
どちらの方も本当におすすめなので是非Fusion360の特徴を抑えて行ってください。
個人でものづくりを楽しみたい方
●フィギュアを作ってみたい
●クッキー型やレジン型など、ハンドクラフトで使用するオリジナル道具の作成をしたい
●コスプレやオリジナル衣装の小物を作りたい
●コップや文房具などオリジナルグッズを作ってみたい
ツイッターにもFusion 360で作成された個人の作品がたくさんツイートやリツイートされているのでチェックしてみてください。自分のアイディアを形にすることが可能なので、個人の作家の方や、趣味でものづくりを楽しんでいる方にも非常におすすめです。
中小企業や大学や研究機関、小規模な組織など
●ソフトウェアの導入コストを出来るだけ抑えたい
●これからものづくりや製造を始めたい企業、組織、教育機関
●試作品やサンプル制作にかかるコストをなるべく減らしたい
●2次元設計から3次元設計へ移行したい
他の3DCADに比べて低価格でありながら高性能なので、小さな組織でも導入しやすいソフトウェアです。
法人での導入
●コンセプトデザインから製造まで全ての工程を行いたい
●製造受託企業で導入したい
●解析を行うので高性能なものを導入したい
企業や法人でも十分通用する機能を備えているので、製造業で導入していたくことも可能です。
Fusion 360の最大の特徴「クラウドベース」
Fusion 360はクラウドベースで動作しています。3DCADソフトの中でもクラウドベースで動作するソフトは珍しく、Fusion 360の最大の特徴と言えそうです。
クラウドとはインターネット上にあるサーバーのことで、ここにデータを保存することができます。
インターネット上にデータを保存することで、どのPCからでもデータにアクセスすることができ、データの共有や更新などをスムーズに行うことができます。
データを共有する際もURLを送るだけで共有することができるので、作業効率のアップが期待できるでしょう。
クラウドにデータを保存することにより、PCのトラブルからデータを守ることもできるので安心して作業に取り組めるのも大きなメリットと言えます。
Fusion 360の詳しい機能について
Fusion 360はコンセプトデザインから製造まで全ての工程をおこなう機能が備わっています。
また、それらの工程を全てクラウド上で管理することができ、データ管理やチーム内でのコミュニケーションを円滑にしてくれます。
コンセプトデザイン
● ソリッドモデル
● サーフェスモデル
● T-スプラインモデル
製品設計
● パラメトリックモデリング
● 履歴管理
● アセンブリ
● 図面作成
ビジュアライゼーション
● レンダリング
● 材質管理
● テクスチャマッピング
● シーンの設定
シミュレーション
● 静的応力
● モード周波数
● 熱解析
● 熱応力
● 干渉チェック
● 部品アニメーション
CAM
● 2軸加工
● 3軸加工
● 旋盤加工
● 工具シミュレーション
● 加工指示書
Fusion 360の動作環境・推奨スペック
Windowsプラットフォームで実行する場合のハードウェアとソフトウェアの最小動作環境と推奨動作環境は以下の通りです。
OS | Windows10 Windows 8.1 64bit Windows 7 SP1 64bit |
---|---|
CPU | 64ビット プロセッサ |
メインメモリ(RAM) | 最小3GB以上、推奨4GB以上 |
ディスク空き容量 | 2.5GB |
インターネット | ADSL以上のインターネット接続速度 |
グラフィックスカード | OpenGL対応、512MB以上のビデオメモリー搭載 |
Fusion 360は独学で学習できる?おすすめの習得方法
Fusion 360は初心者でも使いやすい3DCADソフトなので、独学で勉強することも可能です。
Fusion 360に関する書籍や動画なども充実しており、時間が無い方や場所の関係でセミナーに参加し辛い方でも、学習しやすい3DCADソフトと言えそうです。
このサイトでもFusion 360に関するレッスンや情報を数多く提供しておりますので、是非ご利用ください。
今からFusion 360を使えるようになりたいと考えている方へ、おすすめの勉強方法をご紹介します。
WEBサイトや無料のコミュニティを利用して学習する
Fusion 360の使用方法を紹介しているWEBサイトも数多く存在しています。
はじめて3DCADを利用する方は、初心者に向けた簡単なレッスンやセミナーから挑戦してみるのも良いかもしれません。
まずはFusion 360に慣れてみたい、とりあえずものを作ってみたいという方におすすめです。
このページの最後にも初心者向けのモデリング講座がありますので、初心者の方は是非挑戦してみてください。
わからないことや質問したいことは、フォーラムで他のユーザーに尋ねることができるのも嬉しいポイントです。
書籍を購入して学習する
Fusion 360は関連した本も数多く出版されているので、書籍で学習することもできます。
初心者から上級者まで、幅広いニーズに対応したテキストが出版されているので、ご自身の力量に合わせて内容を選ぶことが可能です。
書籍で学習するメリットは、練習問題を解くことで柔軟に対応できる応用力がつくという点です。
練習問題に関連するデータをダウンロードできるので、WEBサイトでの学習方法とはまた違った方面から学習することが出来ます。
▶ amazon Fusion360操作ガイド ベーシック編 2019年版
▶ amazon Fusion360操作ガイド アドバンス編 2019年版
▶ amazon Fusion360操作ガイド スーパーアドバンス編 2019年版
無料の動画を見て学習する
youtubeにはFusion 360に関する動画が多くアップロードされています。
レッスン動画の他にも、ユーザーの作品が投稿されていたり、Fusion 360に関するイベントの様子が見られたり、練習の息抜きになる動画もたくさん視聴することができます。
「Fusion 360 Japan」という公式のチャンネルでは、各コマンドやモデリング方法について動画で詳細に解説しています。
熱解析やモード周波数解析など、踏み込んだ内容の動画も数多くありますので、Fusion 360上級者の方も必見です。
▶ Fusion 360 Japan youtubeチャンネル
▶ CAD/CAM/CAE研究所 youtubeチャンネル
もっと上のステップへ!セミナーに参加して学習する
1人ではなかなか学習が進まない、効率よく学習したい方にはセミナーがおすすめです。
スリプリのセミナーでは、Fusion 360のスペシャリストが一から丁寧にモデリング方法を説明します。
3DCAD未経験の方でも2日間のセミナーでモデリング技術を習得することが可能なので、趣味や仕事にすぐ活かすことができます。
セミナー受講後のフォローもあるので、1人で学習するのが不安な方はセミナーの受講も検討してみてください。
Fusion 360を無料で使う方法
体験版の期間が終了しても、Fusion 360は以下の場合に限り無料でライセンスを使用することができます。
・学生または教育機関
・スタートアップまたは愛好家 (※ 非営利団体または事業の売り上げが10万ドル未満の場合)
詳しい方法はチュートリアルページの「Fusion 360 無料ライセンスの登録方法」を参照ください。
これだけの機能が付いているにも関わらず無料で使えるなんてAutodeskさん太っ腹すぎますね。
他の3DCADメーカーさんは焦っているんじゃないでしょうか。。。
Fusion 360の画面説明
Fusion 360の、画面の各箇所の役割は下の画像の通りです。
・3DCADの操作コマンドが集まった「ツールバー」
・モデルの表示方向を決める「ViewCube」
・3Dモデルやスケッチなどの表示をコントロールする「ブラウザ」
・3Dモデルの履歴を管理する「履歴バー」
・拡大縮小やパンなどの表示系のコマンドが使える「ナビゲーションバー」
・作成したデータを保存し、管理する「データパネル」
続いて画面を拡大したり3Dモデルを回したりする方法です。
マウスがない方はタッチパッドでもできますが、できればホイール付きのマウスがあると楽に操作できます。
Fusion 360の画面の操作方法
・画面ズーム(画面をズームイン・ズームアウト):マウスホイール
・画面移動(画面を左右に動かす):ホイールボタン
・画面オービット(画面をくるくる回す):Shift+ホイールボタン
・要素を選択したいとき:左クリック
・コマンドを呼び出すとき:右クリック
Fusion 360の画面の操作方法を試すときは、3Dモデルの箱を配置すると、回転や拡大縮小などがわかりやすいです。
3Dモデルの箱を置く手順を書いていきます。
まず[作成]メニューの中の[直方体]を選択します。
次に、直方体を配置する場所を決めます。今回は底面を選択します。
次に適当な2点を選択します。場所はどこでも結構です。
すると3Dモデルの直方体ができあがります。矢印をマウスドラッグで引っ張ることで、大きさを変更することができます。
この状態で、先に紹介しました「Fusion 360画面の操作方法」を参考にして、3Dモデルの向きや拡大縮小を行ってみてください。
Fusion 360の基本的な使い方
続いてFusion 360の基本的な使い方を解説します。
Fusion 360でモデリングする手順は、
1. 形状のもととなる[スケッチ]を書きます
2. スケッチをもとに3Dモデルを作成します
3. 3Dモデルを[修正]機能を使って編集します
それでは、汽車のモデルを作りながらFusion 360の操作の流れを説明します。
作るのはこんな感じの汽車です。
まずはタイヤから作成していきます。
どこからモデリングしていくか決まりはないのですが、今回はわかりやすいようにタイヤから作成します。
タイヤの3Dモデルの基となるスケッチを[スケッチ]-[円]のコマンドで作成します。
メニューバーの中から、[スケッチ]-[円]-[中心と直径をしていした円]を選択します。
次にスケッチを書く平面を選択します。今回は前面を選択します。(画面参照)
MEMO
スケッチのコマンドをとると、まず最初にスケッチを書く平面を選択する必要があります。
これはスケッチモードを抜けるまで適用されます。
別の平面にスケッチを描きたい場合は、右上の「スケッチを停止」をクリックし、一度スケッチモードを抜けた後、再度スケッチのコマンドをとって平面を選択します。
円の中心点を指定するために原点をクリックして、「15mm」の円を配置します。
続いて、スケッチをもとに3Dモデルを作成するので、一旦スケッチモードを抜けます。
右上の「スケッチを停止」をクリックします。
[作成]-[押し出し]をクリックします。
先ほど書いた円を押し出すので、円をクリックします。
すると、矢印が表示されるので矢印を「35mm」ドラッグして円柱を作成します。
タイヤが一つ完成したので、このタイヤをコピーします。左隅にあるブラウザの中の「ボディ」の横にある三角をクリックしてボディの中を開きます。
「ボディ1」を右クリックして「コピー」をクリックしてコピーします。
特に何もメッセージは出ませんがコピーできています。
画面上で要素が何もないところを右クリックし、[貼り付け]をクリックします。
同じ場所に、まったく同じ形状が貼り付けられました。
矢印が表示されるので、矢印を「45mm」ドラッグしてコピー完了です。
タイヤができたので続いて車体を作成していきます。
まずは車体のもととるスケッチを作成します。
[スケッチ]-[線分]を選択します。
次にスケッチを書く平面を選択します。今回はタイヤを書いた時と同じく前面を選択します。(画面参照)
車体の頂点をクリックしていってスケッチを作成します。以下の画面を参照しながら1〜14の順番でクリックしていき、最後に1をクリックします。
MEMO
線分のコマンドを完了するためには、閉曲線を作成するかチェックマーク(画像参照)をクリックします。
線分を作成中にチェックマークをクリックしてしまった場合は、再度[線分]のコマンドを選択してください。
続いて、スケッチをもとに車体の3Dモデルを作成するので、一旦スケッチモードを抜けます。
右上の「スケッチを停止」をクリックします。
[作成]-[押し出し]をクリックします。
先ほど書いたスケッチを押し出すので、スケッチをクリックして、タイヤと同じように「35mm」矢印をドラッグします。
矢印をドラッグするとプレビュー形状が赤色で表示され「操作」が「切り取り」になっているので「結合」(画像参照)を選択してをクリックします。
MEMO
押し出した時に形状が重なる場合は自動で「操作」が「切り取り」になり重なっている部分がカットされます。
また、接している場合は「結合」になります。
新しくボディを作成したい場合は「新規ボディ」を選択します。
続いて車体を編集します。
今回は[フィレット]のコマンドで角に丸みをつけます。
[修正]-[フィレット]をクリックします。
フィレットをかけるエッジを選択します。(画像参照)
矢印が表示されるので矢印を「12mm」ドラッグしてフィレットをつけます。
次に車体の円柱部分を作成します。(画像参照)
円柱部分は下書きのスケッチを作成せずに直接円柱を配置します。
[作成]-[円柱]をクリックします。
まずは円柱を配置する面を選択します。今回は汽車の前面を選択します。(画像参照)
次に円柱の中心点をしていします。今回は厳密に中心を計らずに適当な点をクリックして直径「45mm」の円柱を配置します。(画像参照)
矢印が表示されるので矢印を「90mm」ドラッグします。
「操作」が「切り取り」に自動でなりますので、「結合」を選択してをクリックします。
続いて煙突を作成します。
煙突も円柱形状を配置して作成します。
[作成]-[円柱]をクリックします。
円柱を配置する面に車体の平面を選択します。(画像参照)
煙突も同じように円柱の中心点を適当な位置に指定して直径「15mm」、高さ「70mm」の円柱を配置します。(画像参照)
「操作」を「結合」に設定してをクリックします。
以上でFusion360を使用した3Dの汽車が完成しました!
Fusion 360をより詳しく学習する
私も所属しているスリプリでは、Fusion 360のセミナーを全国で開催しています。
3DCAD初心者の方でもしっかりFusion 360を習得できるコースや、業務で使うレベルまで極めたい人向けのコース、
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3DCADは機能が多く独学だけでは操作がかたよってしまいますので、セミナーにご参加いただくことをお勧めいたします。
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また、本サイトの「チュートリアル」も参考にしてみてください。
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