リモートワークやオンライン会議の普及により、自宅やオフィスで使える「防音ブース」が注目を集めています。特に、オフィスや家族の生活音が気になる在宅環境では、静かな作業環境を確保することが生産性に良い影響を与えるでしょう。
本記事では、防音ブースの概要から、導入するメリットや種類の違い、選び方のポイントなどについて解説します。静かな作業スペースを設けたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
防音ブースとは
防音ブースとは、内側と外側の騒音を遮断するために設計された、防音性能のある簡易的な個室のことです。完全な防音室とは異なり、天井が空いていたり、壁面の一部が開いていたりするタイプもあるため、密閉性はやや劣るものの、一定の防音効果を得られます。
防音室が部屋全体に対して防音施工を施すのに対し、防音ブースは必要なスペースだけを囲って設置できます。そのため、コストを抑えながらも静かな作業環境を手軽に構築できるのが特徴です。
また、自分から発する音ではなく、周りからの騒音を抑えたい場合は、以下の記事を参考にしてください。家庭・企業向けに、簡単にできるおすすめの騒音対策について解説しています。
防音ブースのメリット
防音ブースの活用には、日常の作業やコミュニケーションにおいてさまざまなメリットがあります。
防音ブースを導入する主なメリットは以下のとおりです。
- 作業に集中できる
- 音漏れや反響を防止できる
- プライバシーが守られる
これらのメリットについて見ていきましょう。
①作業に集中できる
防音ブースは、周囲の雑音を遮断する設計となっており、集中力を維持したい場面で最適です。オフィス内の話し声や電話の音、家庭内の生活音などをシャットアウトできるため、静寂な空間で業務や学習に取り組めます。
特に在宅勤務やフリーランスの方にとっては、自宅に簡易的なワークスペースを設ける手段としてもおすすめです。周囲の音を気にせず作業に集中できることで、作業効率が向上するでしょう。
②音漏れや反響を防止できる
防音ブースを利用することで、自分の声が周囲に漏れるのを防止できます。これにより、Web会議やオンライン授業など、声を発するシーンでも安心して使用可能です。
また、ブース内の音の反響が抑えられるため、話し声が聞き取りやすくなり、会話の質も向上します。周囲の迷惑にならず、かつ自分もストレスなく声を出せる点は防音ブースの大きな魅力です。
③プライバシーが守られる
防音ブースは、壁で仕切られた構造となっており、視線と音の両方を遮断する効果があります。そのため、個人のプライバシーを守る必要がある業務や、機密情報を扱う場面においても安心です。
商談や打ち合わせなど、第三者に聞かれたくない会話を行う際にも活用できます。また、単純に外部の視線を気にせず作業できる環境は非常に重宝されます。
防音ブースの種類
防音ブースには、利用目的や設置環境に応じていくつかのタイプが用意されています。選ぶタイプによって得られる効果も異なるため、用途に合った種類を選ぶことが大切です。
防音ブースの主な種類は以下のとおりです。
- オープンタイプ
- セミクローズタイプ
- クローズタイプ
これらの種類の特徴について見ていきましょう。
①オープンタイプ
オープンタイプは、壁の一面が開いている構造で、出入りがしやすく、開放感があるのが特徴です。天井や側面が一部空いており、防音性能は低いですが、視覚的な仕切りがあるため、集中して作業に取り組めます。
また、設置にかかるコストが比較的低く、組み立てや移動も業者に頼る必要がないことから、手軽に導入できる点も魅力です。完全な静音性までは求めていないが、ある程度の集中できる空間がほしいという方におすすめです。
②セミクローズタイプ
セミクローズタイプは、天井が開いている半個室型のブースで、周囲との遮音性やプライバシー性がある程度確保されます。
完全個室ではないものの、Web会議や集中したい作業など、静音性が求められる場面に適しています。
さらに、天井が開放されていることで、空調の効率が良く、照明の確保もしやすいため、長時間の利用でも快適に過ごせるのが特徴です。
また、設置場所に制限があるオフィスなどで導入しやすい点も魅力です。
③クローズタイプ
クローズタイプは、すべての面が囲まれた完全個室型の防音ブースです。外部の音を遮断できる高い防音性能を備えており、音漏れの心配も少ないため、機密性の高い会議などにも対応できます。
設置にはある程度のスペースとコストが必要ですが、その分、ほかの種類と比べて遮音性やプライバシー保護に優れているのが大きなメリットです。そのため、本格的な静音環境を構築したい場合に最適です。
また、防音ブースにかかる費用を極力抑えたい方は、簡易防音室がおすすめです。以下の記事では、おすすめの簡易防音室や、自作で安く作る方法などについて解説しています。ぜひこちらもあわせてご覧ください。
防音ブースの選び方
防音ブースを導入する際には、使用目的や設置環境に合った選び方が大切です。特に、以下の項目を重視しましょう。
- 種類で選ぶ
- 防音性で選ぶ
- 設置場所で選ぶ
これらの防音ブースの選び方について見ていきます。
①種類で選ぶ
防音ブースには、構造が異なる3つの種類がありますが、それぞれ防音性能や設置スペース、価格帯が異なるため、自分が必要とするレベルの静音環境に応じて選択することが大切です。
例えば、周囲の音を軽減しつつコストを抑えたいという場合はセミクローズタイプが適しています。機密性の高い会議や録音などの用途で使いたい場合は、クローズタイプの完全個室型がおすすめです。
一方で、より安価で集中できる作業スペースが欲しい場合は、オープンタイプでも対応できるでしょう。
②防音性で選ぶ
防音ブースを選ぶ際には、防音性能の高さにも注目しましょう。用途によって求められる遮音レベルは異なります。
例えば、Web会議で周囲の雑音を軽減したい程度であれば、最低限の防音性でも十分です。
一方で、楽器演奏や配信、録音といった用途では、外部への音漏れを防ぐことが重要です。そのような場合は、クローズタイプの中でも、さらに防音性を重視した商品が適しています。
防音性は同じ種類でも製品ごとに異なるため、事前にしっかり確認しておきましょう。
③設置場所で選ぶ
防音ブースを設置する予定の場所も、選定時の重要なポイントです。特にクローズタイプのブースは、建築基準法や消防法の規制が関わる場合もあるため、設置前に確認を行う必要があります。
対して、オープンタイプやセミクローズタイプであれば、こうした制限は少なく、比較的柔軟に設置が可能です。家庭や小規模オフィスなど、スペースに制限がある場合にも対応しやすいのが利点です。
おすすめの防音ブース
市販されている防音ブースには、価格・設置のしやすさ・遮音性能などに大きな違いがあります。そのため、自分の目的に合った製品を選ぶことが重要です。
おすすめの防音ブースの特徴は以下のとおりです。
| 商品名 | 種類 | 価格（税込み） |
| 960 Booth Set | クローズタイプ | 264,000円 |
| おもいっきり集中空間 | セミクローズタイプ | 327,800円 |
| だんぼっち | クローズタイプ |
|
| 吸音パーソナルブース | オープンタイプ | 133,150円〜 |
| 音守 | クローズタイプ | 198,000円 |
どの製品が自分に合っているのか比較しながら、導入の参考にしてください。
①960 Booth Set
960 Booth Setは、音漏れを軽減し、遮音性を高めた高性能な防音ブースです。耐久性のあるパネルを採用しており、優れた吸音性能を実現しています。
テレワークや勉強部屋としてはもちろん、レコーディングや配信、楽器練習など、多彩な用途で使用できます。自宅に手軽な作業空間や簡易スタジオを設けたい方に、特におすすめです。
②おもいっきり集中空間
引用：おもいっきり集中空間
おもいっきり集中空間は、プロのエンジニアが個別に設計・開発する防音ブースです。ユーザーの用途や設置環境に合わせたカスタムデザインが可能で、最適な集中空間を提供します。
ブース内から発せられる音量は、およそ3分の1にまで軽減でき、遮音性も抜群です。また、強度を保ちながらも軽量な素材を使用しており、組み立てや移動も簡単に行える点も魅力です。
③だんぼっち
引用：だんぼっち
だんぼっちは、防音性と強度に優れたハニカムダンボールを使用した簡易防音ブースです。低コストで導入できる点が魅力で、工具を使わずに誰でも簡単に組み立てができます。
配信や音楽活動を行う方に適しており、自宅での録音や歌唱、ライブ配信などに活用されています。初期費用を抑えながらも、一定の防音効果を得たい方におすすめの製品です。
④吸音パーソナルブース
引用：吸音パーソナルブース
吸音パーソナルブースは、オープンタイプの防音ブースです。高密度フェルトボードにより反響音をしっかり抑える構造になっています。
特に話し声や生活音に対して効果が高く、静かな環境を求めるオフィスやコワーキングスペースでの使用に適しています。
また、軽量設計のため、設置や移動も簡単で、専門業者に依頼せずともレイアウト変更が可能です。手軽に静音空間を取り入れたい方は、ぜひチェックしてみてください。
⑤音守
引用：音守
音守は、中低音域の遮音に優れたクローズタイプの防音ブースです。特殊な吸音材を使用しており、音が外に抜けにくい構造になっているため、周囲への音漏れをしっかり防ぎます。
特に楽器演奏に適しており、高音の吸音が抑えられていることで、音質を損なわずに演奏が可能です。組み立ては約40分と手軽で、20dB程度の遮音性能を実現しています。
自宅での音楽活動や録音環境を整えたい方におすすめの商品です。
防音ブースについてのまとめ
今回は、防音ブースの概要や導入によるメリット、選び方のポイントなどを解説しました。オープンタイプ・セミクローズタイプ・クローズタイプといった構造の違いや、防音性能・設置環境を考慮しながら、自分の目的や予算に合ったブースを選ぶことが大切です。
静かな作業空間を確保したい方や、周囲に気兼ねなく声を出せる環境を整えたい方は、ぜひ防音ブースの導入を検討してみてください。目的に合ったブースを選ぶことで、より快適で集中しやすい作業環境を実現できるでしょう。
