さまざまな分野で活用が広がるVRですが、使う側から作る側になってみたいと考えている方もいるでしょう。しかし、実際にVRがどのようにして開発されているのかを理解している方は多くありません。
本記事では、VR開発の手順や方法について解説します。
また、VR開発に使われるソフトやプログラミング言語も紹介しているので、興味のある方はぜひ参考にしてみてください。
VR開発におすすめのソフト
VRコンテンツを制作するためには、専用の開発ソフトを使用する必要があります。
なかでも、多くのクリエイターに利用されている代表的なソフトは以下の2つです。
- Unity
- Unreal Engine
これらのソフトの特徴について見ていきましょう。
①Unity
Unityは世界中で利用されているゲームエンジンで、3Dや2Dのゲームを制作できます。
プログラミングが苦手な人でも使いやすいように、視覚的に操作できる仕組みが整っていることが大きな魅力です。
VR開発にも対応しており、必要な機能やアセットを追加することで手軽に制作を進められます。
また、UnityでVR開発を行うなら、Unityの商業用プランであるUnity Industryがおすすめです。
Unity Industryでは、CADやBIMの3Dデータをインポートして現実のような仮想空間を構築できます。大規模なシミュレーションも可能なので、商業目的でUnityを使いたい方は、ぜひUnity Industryをチェックしてみてください。
②Unreal Engine
Unreal Engineは、美しいグラフィック表現に強みを持つゲームエンジンです。
デフォルトでVR機能が組み込まれているため、テンプレートを利用しながらスムーズにVRコンテンツを構築できます。
実写に近い描画や立体表現が得意なため、リアリティのあるVRコンテンツを作成したい場合に向いています。
VR開発におすすめのプログラミング言語

VRコンテンツを作るには、プログラミングスキルを身につける必要があります。
VR開発におすすめのプログラミング言語は以下のとおりです。
| 言語 | 特徴 |
| C# |
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| C++ |
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| Blueprint |
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これらの言語の特徴について詳しく見ていきましょう。
①C#
C#はUnityで使用されるプログラミング言語です。
マイクロソフトが開発した言語で、文法が比較的分かりやすく、Javaに近い構造を持っているため、Javaに触れたことがある人であればスムーズに学習できます。
Unityを使ってVRアプリを作る場合は必須の言語といえます。
②C++
C++はUnreal Engineで本格的な開発をする際に用いられるプログラミング言語です。
ゲーム開発だけでなく、高速な処理が求められるシステム分野でも広く使われています。
Unreal Engineで大規模なVRコンテンツを構築する場合には習得しておきたいスキルです。
③Blueprint
Blueprintは、Unreal Engineに備わっているビジュアルスクリプティングです。
コードを記述する代わりにノードを組み合わせて処理を作成できるため、初心者でも直感的に開発できます。
キャラクターの移動やゲームイベントの管理などもBlueprintで行えます。
VRを開発する手順
VR開発の工程を理解しておくと、全体の作業の流れをつかみやすくなり、どの段階でなにが必要かを事前に把握できます。VRは、以下のような流れで開発されます。
- 企画
- プロトタイプ制作
- 3Dモデル制作
- 開発
- テスト
- リリース
これらの開発手順について詳しく見ていきましょう。
①企画
初めに、どのようなコンテンツを作りたいのかを明確にする企画を行います。
エンタメ向けなのかや教育目的なのかなどによって、必要な機能や開発規模は変わります。
また、ターゲットとなるユーザーを設定することで、企画の方針も定まりやすくなるでしょう。
あわせて、開発にかかる期間や予算を整理しておくことも大切です。
②プロトタイプ制作
使うソフトやプログラミング言語を決めたら、まずは動作イメージを確認するためのプロトタイプを作成します。完成版のような細かいグラフィックは必要なく、ユーザーがどのように操作し、どのように体験するのかを簡易的に再現する段階です。
早い段階で試作品を作ることで、企画の方向性が適切かどうかを判断しやすくなります。
③3Dモデル制作
VR空間を構成するキャラクターや背景、オブジェクトなどの3Dモデルを用意する工程です。
自作する場合は、Blenderなどの3Dソフトを使って形状や質感を作り込みます。
また、Unityで開発する場合は、Asset Storeからモデルを入手することもできるため、制作時間を大幅に短縮できます。
④開発
ゲームエンジン上で実際の挙動を作り込んでいきます。
キャラクターの動きやメニュー操作などをプログラミングによって実装します。
プログラムとモデルを連携させながらコンテンツを完成に近づけていきましょう。
⑤テスト
実装が一通り完了したら、仕様どおりに動作しているかを細かく確認します。
動きの不自然さや操作性の悪さがないか、VR酔いが起こりやすい挙動がないかなど、VR特有の観点からのチェックも必要です。
問題が見つかった場合はその都度修正し、何度もテストを繰り返します。
また、実際のユーザーに体験してもらい、フィードバックをもらうのも有効です。
⑥リリース
テストで問題点を解消できたら、いよいよリリースへ進みます。
公開後は、ユーザーから寄せられる感想や不具合報告を参考に改善を続けることが大切です。
また、機能の追加や操作性の向上など、運用・保守を丁寧に行うことで、長く使ってもらえるVRコンテンツへと成長させられます。
UnityでVR開発をする方法
UnityでVRコンテンツを制作するためには、まず開発環境を整える必要があります。
初めての方でもスムーズに進められるよう、UnityでVR開発用のパッケージを導入する方法について見ていきましょう。
①プロジェクトを作成する
Unityのバージョン管理ができるツールであるUnity Hubを開いたら、「プロジェクト」タブに移動し、「新しいプロジェクト」から新規プロジェクトを作成します。
表示されるテンプレートの中から「3D(Built-In Render Pipeline)」を選択しましょう。

プロジェクト名と保存場所を決めたら「作成」をクリックし、Unity Editorの起動を待ちます。
②パッケージを導入する
Unity Editorが起動したら、さまざまなデバイスでVRを動作させるためのパッケージである「XR Plug-in Management」をインストールします。
インストール方法は以下のとおりです。
- 上部のEditメニューから「Project Settings」を開く
- 「XR Plug-in Management」を選択して「Install XR Plug-in Management」ボタンをクリックする

- パソコンとAndroidのタブ両方にある「OpenXR」のボックスにチェックを入れる

続いて、「XR Interaction Toolkit」をインストールします。
XR Interaction Toolkitは、ユーザーがVR空間でオブジェクト操作をできるようにする機能を実装できるパッケージです。
インストール方法は以下のとおりです。
- 上部のWindowメニューから「Package Manager」を開く
- 左上のメニューを「Unity Registry」に変更する

- 「XR Interaction Toolkit」を検索して「Install」ボタンをクリックする

ここまでの設定が完了すると、VRデバイスへの対応準備が整い、Unity上でVR空間の構築を進められるようになります。これ以降は、必要なオブジェクトを配置したり、スクリプトを追加したりして、具体的なVR制作に進んでいきます。
また、UnityでVR開発をするならUnity Industryがおすすめです。
Unity Industryなら没入感の高いVR空間を構築できます。
シミュレーションのためにVRを構築したい方は、ぜひUnity Industryの資料を確認してみてください。
VRを開発する際の注意点
VRを開発する際は、以下のような点に注意が必要です。
- VR酔いが起こらないようにする
- パフォーマンスを意識する
- わかりやすいインターフェースにする
注意点を事前に把握しておくことで、ユーザーが快適に体験できるコンテンツを作りやすくなります。これらの注意点について見ていきましょう。
①VR酔いが起こらないようにする
VR酔いは、視覚情報と身体の動きの感覚がずれることで自律神経が混乱し、めまいや吐き気が生じる現象です。乗り物酔いと似た症状が出るため、開発時には酔いを誘発する要素を抑える工夫が求められます。
特に、視線が不自然にならないようにフレームレートを安定させることが大切です。
また、ユーザーの意図しないカメラ移動は酔いにつながりやすいので、視点操作はできる限りプレイヤー自身の動きに連動させるよう設計しましょう。
②パフォーマンスを意識する
VRは一般的なゲーム以上に高い処理能力が求められるため、パフォーマンスが低下すると没入感の低下につながります。快適なプレイ体験を保つためには、ポリゴン数を抑えたモデルを使ったり、テクスチャを効率よく管理したりといった工夫が必要です。
また、ユーザーの視野に入らないオブジェクトを描画しないようにすることでも負荷を軽減でき、よりスムーズな動作を実現できます。
③わかりやすいインターフェースにする
VRは通常のゲームとは操作感が大きく異なるため、ユーザーが迷わず操作できるインターフェース設計が欠かせません。特にVR環境では、長い文章を読み続けると疲れやすくなります。
そのため、テキストによる詳細な説明は最小限にとどめることが大切です。
操作をシンプルに保つことで、没入感を損なわず快適に体験してもらえます。
VR開発についてのまとめ
今回は、VRを開発する方法について紹介しました。
UnityやUnreal Engineを活用すれば、初心者でも比較的スムーズにVRコンテンツの制作を始められます。
また、開発する際はVR酔いやパフォーマンスなどのポイントに注意することも大切です。
これからVR開発に挑戦する方は、本記事で紹介した内容を参考に、まずは小規模なコンテンツ制作から取り組んでみるとよいでしょう。



