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IT LMS(学習管理システム)とは?種類・必要性・導入事例まで解説

【2026】LMS(学習管理システム)とは?種類・必要性・導入事例まで解説

「新人教育に時間がかかりすぎている」「ベテランの技能がうまく継承できず品質が安定しない」など、悩みを抱える方も多いでしょう。特に製造業や建設業では、人手不足や技術の属人化などが深刻化しており、急速な対応が必要になっています。

こうした状況を改善するための仕組みとして注目されているのが、LMS(学習管理システム)です。そこで本記事では、LMSとは何か、種類、製造業での必要性、そして実際の導入事例までをわかりやすく解説します。

LMS(学習管理システム)とは?

LMS(学習管理システム)とは、企業や教育機関が行う研修・学習をオンライン上で一元管理し、教材配信から学習進捗の確認、受講履歴の記録までをまとめて行える仕組みです。

従来のように紙の資料や対面研修だけに頼るのではなくシステム上で管理することで、受講者は場所や時間を問わず学習でき、管理者は誰がどこまで習得しているのかをシステム上で把握できます。

以下の記事でLMSについて詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

【2025】LMSとは?基礎から選び方まで!おすすめの学習管理システム13選も紹介

LMSの種類

LMS(学習管理システム)の種類は大きく分けて「クラウド型」「オンプレミス型」で分類されます。それぞれの特徴やメリットは以下の表をご覧ください。

項目 クラウド型 オンプレミス型
概要 ベンダー側のサーバーに用意されたLMSを、インターネット経由で利用するタイプ 自社が保有するサーバーにLMSをインストールして、自社ネットワーク内で運用するタイプ
メリット サーバー管理やセキュリティ監視を自社で行う必要がなく、バージョンアップも自動で反映されやすい セキュリティポリシーを自社基準で細かく設定でき、社外に閉じた環境で運用しやすい
デメリット ネットワーク前提なので、オフライン環境だけで完結させたい場合は工夫が必要 サーバー構築・監視・障害対応などを自社で担う必要があり、初期投資と運用コストが大きくなりやすい
向いているケース
  • スピーディに導入したい企業
  • 複数拠点で共通利用したい企業
  • クラウド利用に制限がある業種・企業
  • 社内ネットワーク中心で運用したい大企業

また、LMS(学習管理システム)は提供形態だけでなく「どの範囲まで学習を管理するか」という観点でも種類が分かれます。代表的なのが、特定の学習手法に絞った特化型LMSと、研修・eラーニング・アンケート・評価など複数の施策をまとめて扱える統合型LMSです。

LMSは「クラウド・オンプレの違い」と「機能範囲の違い」という2つの軸で特徴が異なるため、自社の育成方針や運用体制に合わせて適したシステムを選ぶことが重要です。

LMS(学習管理システム)の費用

LMS(学習管理システム)の費用は提供する企業によって異なります。また、完全にLMSを1から構築するパターンもあります。主な費用相場は以下の表を参考にしてください。

導入形態 初期費用 月額・年額費用 特徴
クラウド型 5~50万円 月額1~50万円 導入が簡単で、カスタマイズ不要なプランが豊富
オンプレミス型 100~300万円以上 1〜5万円/月 サーバー構築費や周辺機器費用が必要だが、運用しやすい
カスタム開発 40~140万円 カスタムに応じて発生 多言語対応や複雑な統合機能も搭載可能

オンプレミス型の方が費用は高い傾向にあります。しかし、クラウド型が必ずしも最適というわけではなく、自社のセキュリティ要件や教育内容の複雑さによって選択肢は異なります。

例えば、外部ネットワークに接続できない工場や、機密性の高い技術情報を扱う製造業では、オンプレミス型のほうが社内ルールに適しているケースも少なくありません。

LMS(学習管理システム)の主な機能

LMS(学習管理システム)の主な機能

LMS(学習管理システム)には、主に以下4つの機能があります。

  1. 学習進捗管理機能
  2. 教材管理機能
  3. 受講者管理機能
  4. コミュニケーション機能

①学習進捗管理機能

学習進捗管理機能とは、情報を自動的に記録し管理者が一目で把握できる仕組みで以下の項目を確認できます。

  • 受講者がどの教材をどこまで学習しているか
  • 理解度はどの程度か
  • 未受講の項目はどれか

受講完了状況やテストの正答率、受講日時、途中離脱の有無など細かいデータもシステム内で可視化されるため、従来の紙やExcelでは追い切れなかった学習の質と量を正確に確認できます。また、進捗データをもとに受講者ごとの弱点を特定し、フォローアップ研修や追加教材の配信にも活用できるため、学習効果の最大化や教育の抜け漏れ防止にもつながる機能です。

②教材管理機能

教材管理機能は、動画・PDF・スライド・クイズ・eラーニングコンテンツなどさまざまな形式の教材をシステム上で一元管理し、必要なときにすぐ受講者へ配信できる機能です。

従来のようにメール添付や紙配布でバラバラに渡す必要がなく、常に最新版を共有できるため、古い手順書を誤って使用してしまうリスクを減らします。また、教材ごとの閲覧状況や理解度をシステム上で確認できるほか、教材の差し替えも管理者画面から簡単に行えるため、内容改訂の多い製造業や多拠点展開する企業でも効率的な教育運用を実現できます。

③受講者管理機能

受講者管理機能とは、社員や受講者の属性情報をまとめて管理し、その情報をもとに受講対象者を自動振り分けしたり、特定のグループにだけ学習コースを配信したりできる仕組みです。

これにより、新入社員は基礎研修、製造ラインスタッフには安全教育、管理職にはマネジメント研修といったように、対象者に合った教材を効率よく届けることが可能になります。また、資格更新の期限管理や受講状況の把握もシステム化されるため、担当者の管理工数を削減し、教育の属人化防止やコンプライアンス遵守にも貢献します。

④コミュニケーション機能

コミュニケーション機能は、管理者と受講者、または受講者同士がLMS上でやり取りできる仕組みで、チャット、掲示板、コメント機能、Q&Aフォームなどが含まれます。

この機能により、学習中の疑問点をその場で質問して解決できるだけでなく、研修担当者が受講者にフィードバックを返したり、注意喚起や教材更新の案内をリアルタイムで通知したりすることもできます。

LMS(学習管理システム)はなぜ必要?

LMS(学習管理システム)はなぜ必要?

そもそもLMS(学習管理システム)は必要?と考える方もいるでしょう。ここでは、3つの観点から必要性について解説します。

  1. 人材不足を補える
  2. 技能継承の属人化を防げる
  3. DXの推進ができる

①人材不足を補える

LMS(学習管理システム)は、教育や研修のプロセスをデジタル化することで、従来のようにベテラン社員がマンツーマンで長時間指導しなくても、新人が自分のペースで習得できる環境を整えられるため、人材不足に悩む企業でも教育負荷を軽減できる点がメリットです。

実際に製造業では、人手不足が止まらず総務省統計局の労働力調査によると2002年から2023年までの就業者数は、約150万人ほど減少しています。

人手不足の推移

出典:経済産業省「ものづくり白書 2024年版」、総務省「労働力調査」

製造業では、生産ラインを止めて研修することが難しい状況も多いため、LMSで研修を標準化・自動化することで「少人数でも育成が回る体制」をつくり、限られた人数でも安定した生産性を維持できる強い組織を構築できるようになります。システムを整えることで、人員不足の影響を受けにくい仕組みづくりが可能です。

②技能継承の属人化を防げる

LMSを活用すれば、熟練者の作業ノウハウやコツを動画・マニュアル・教材としてデジタル化してシステムに蓄積できるため、これまで「特定の人しか教えられない」「人によって教え方がバラバラ」になりがちだった技能継承の問題を解消できます。

製造現場では、ベテランの退職や異動によってノウハウが失われるリスクがあるため、LMSによるナレッジ共有は品質維持にも直結し、生産の安定化や作業ミス削減にも大きく貢献します。

③DXの推進ができる

DXを進めるためには業務のデジタル化だけでなく、社員が新しいツールやシステムを使いこなせる状態をつくることが必要です。

LMSは学習データの一元管理やスキル習得状況の可視化を実現することで、組織全体の教育プロセスをデータドリブンに変え、デジタル活用が当たり前の文化を育てる基盤となります。

さらに、現場ごとの教育状況やスキルレベルをシステム上で把握できるため、どの部署がDXに強く、どこが学習が遅れているかを明確にし、改善策を打ちやすくなる点も特徴です。

製造業向けLMS(学習管理システム)3選

製造業向けLMS(学習管理システム)3選

ここからは製造業向けのおすすめLMSを3つ紹介します。

  1. SpeedLMS Pro
  2. LearnO
  3. Pholly

①SpeedLMS Pro

SpeedLMS Proは、500社・60万人以上が利用する高機能クラウド型LMSで、UIデザインから機能追加まで柔軟にカスタマイズできる点が特徴です。特に製造業に多い出欠管理・単位付与など複雑な研修要件にも対応する拡張性を備えています。

ISMS認証取得や24時間有人監視など、万全のセキュリティ体制のもと運用されているため、大企業レベルの厳しい安全基準にも対応でき、動画のドラッグ&ドロップ配信、進捗可視化、自動採点機能など初心者でも扱いやすいシステムです。

②LearnO

LearnOは、月額4,900円から利用できる低価格LMSで、3,800社・月間60万人が活用しており、企業規模に合わせて段階的に料金プランを選べるため、少人数の会社から大企業まで予算に応じて無理なく導入できるのが魅力です。

年4回以上のアップデートにより常に最新環境が保たれ、PC・スマホ・タブレットに対応しているため、現場で働く製造スタッフから管理職層まで幅広い学習者を支援できます。技術教育やナレッジ共有を収益化したい企業にも適していますが、教材は自社で作る必要があるため、導入初期の工数はある程度見込む必要があります。

③Pholly

Phollyは月額20,000円から利用できるコミュニケーション型の教育支援システムで、教材・動画・課題・テストをシステム上で一元管理し、視聴履歴やレポート採点、進捗評価など教育現場で手間のかかる作業を自動化できる点が魅力です。製造業の技能伝承や安全研修のように段階的な評価が必要な場面にも適しており、個別指導やフォローアップがしやすくなります。

また、SNSのように使えるチャット機能で学習者間・講師とのコミュニケーションを活性化でき、IPアドレス制限などによる不正出席の防止や出欠管理の自動化にも対応するため、企業研修の運用効率を高める学習・コミュニケーション両面で使いやすいシステムです。

以下の記事では、おすすめのLMSを15個紹介していますので、あわせてご覧ください。

【2025】LMSおすすめ15選を徹底比較!導入すべき企業・自社にあった選び方まで解説

LMS(学習管理システム)の活用事例

LMS(学習管理システム)の活用事例

最後にLMSの活用事例について2つの事例を紹介します。

  1. フジクリーン工業株式会社
  2. トヨタ自動車株式会社

①フジクリーン工業株式会社

フジクリーン工業株式会社は人材育成を進めていましたが、従来のLMS(学習管理システム)では必要な教材が探しにくく、研修案内から課題提出まで毎回5~6回のメール対応が必要になるなど、管理業務の負担が大きいことが課題でした。

そこで、直感的で使いやすいUIと学習に最適化された設計を持つ「GLOPLA LMS」を導入しました。導入後は、研修ごとの工程が3~5工程削減され、社員の学習意欲も向上。さらに、分散していた教育体制を部門横断でシステム上で一元管理できるようになりました。

出典:Learning Ware

②トヨタ自動車株式会社

トヨタ自動車株式会社は、集合研修中心だった教育を見直し、学習者が自ら学ぶ「自学自習・現場OJT主体の教育」に転換するためにLMSシステムを導入しました。車両技術の高度化や人材の多様化が進む中で、一人ひとりに合った能動型教育を実現することが課題だったためです。

導入したシステムにより、チェックシート機能による実技評価の一元管理が可能になりました。また、現場でのOJTをデータ化し、学習指示機能やライブラリ形式で自学自習を促す環境も整備されたことで、国内外約4万人が利用するグローバルな教育基盤へと発展し、集合研修に依存しない教育が可能になっています。

出典:デジタル・ナレッジ

LMS(学習管理システム)についてのまとめ

LMS(学習管理システム)は、紙資料や対面研修に依存していた従来の教育体制を改善し、人材不足や技能継承の停滞、教育の属人化など製造業をはじめ多くの企業が抱える課題に対して、効率化と質の向上を同時に実現できる仕組みです。

クラウド型・オンプレミス型など導入形態の違いや、特化型・統合型といった機能の幅広さを踏まえて自社の運用に合うLMSを選ぶことで、研修管理の手間を削減し、社員が自分のペースで学べる環境を整えられます。LMSは単なる教育ツールではなく、企業の未来を支える人材育成の基盤として、今後も重要なシステムになるでしょう。

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