GitLabは、プロジェクトのバージョン管理や開発課題の一括管理ができるツールです。
電子部品メーカーの京セラも導入するなど、製造業をはじめ様々な分野で活用が広がっています。
このGitLabのコードレビューを行うツールがGitLab Diffです。
この記事では、GitLab Diffについてわかりやすく解説します。
差分表示の確認方法、表示されないときの原因・対処法までお伝えするので、GitLab Diffの操作に迷っている方もぜひチェックしてみてください。
GitLab Diffとは?

GitLab Diffは、GitLab上でファイルやコードの変更点を比較し、その差分を表示する機能です。
差分を明確にする色分け機能なども搭載し、開発者がスムーズにコードレビューできる環境を提供します。
- GitLabとは
- Diffとは
- GitLab DiffのCADにおける活用例
①GitLabとは
GitLabは、すべての開発者のための統合型プラットフォームです。
アプリ開発やゲーム開発、CADなど、コードや設計データを扱う、あらゆる種類の開発プロジェクトで活用されています。
GitLabは、以下の2つの言葉で構成されています。
- Git(ギット):ソフトウェアの変更履歴を管理するシステム
- Lab(ラボ):「Laboratory(研究所)」の略
GitLabはこの言葉の通り、開発者がコードを実験・開発し、製品化するまでの全工程を一つの場所で行えるように作られています。
②Diffとは
Diff(ディフ)の語源は、「Difference(違い)」で、Diffはこれを短くした言葉です。
コンピューター上では、コードの異なる部分を見つけて比較し、その差分を埋める手がかりを与えてくれるツールや機能のことを「Diff」といいます。
この仕組みは、コードレビューやバージョン管理の基本となる考え方です。
③GitLab DiffのCADにおける活用例
GitLab Diffは、CADデータを扱う設計プロジェクトでも活用可能です。
具体的には、以下のようなメリットを得られます。
変更点の即時把握
複数の設計者が同時に作業を行う際でも、誰が、どの部品の寸法を変更したか、あるいはどの壁を追加したかといった変更箇所を、視覚的に一目で把握できます。
レビューの効率化
変更がすべて記録されるため、レビュー担当者は変更点のみに焦点を当てて確認できます。
これにより、膨大な図面を最初から最後まで見直す必要がなくなります。
コミュニケーションの円滑化
マージリクエストを活用すれば、設計図の変更についてチーム内で直接コメントや議論を行えます。これにより、「この部分の設計変更の意図は?」といった質問を即座に解決できます。
こういったGitLab Diffのメリットは、DX推進の一つの側面にすぎません。
製造業や建設業が直面しているのは、「DXの全体像をどう把握するか」「必要なデジタル人材をどう育成するか」といった、より大きな課題です。
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GitLab Diffを使うメリット
GitLab Diffを使うと、以下のようなメリットが得られます。
- 変更箇所が一目瞭然→追加・削除・修正箇所が色分けされる
- トラブル時の原因特定が容易→「誰が」「いつ」変更したかが明確になる
- レビューや承認が効率化→チームメンバー全員が同じ画面で差分を確認できる
- 品質向上→ 不要な修正や誤った変更を早期発見してコード全体の品質を維持する
ソフトウェア開発は複数人で協力して進めるのが一般的ですが、変更内容が見えないままでは、意図せずコードを壊してしまう危険があります。
しかし、GitLab Diffを使うと、「誰が・いつ・どこを・どのように」変更したのかを可視化できます。「チーム開発を安全かつ効率的に進めたい」という開発者にとってメリットの多い機能なのです。
GitLab Diffが対応できないこと

GitLab Diffはコードの変更点を教えてくれる便利な機能ですが、「この変更、どれくらい大変?」というレビューの難しさや必要な工数はわかりません。
- GitLab Diffは変更した事実のみ教える
- 人間のような文脈的理解ができない
①GitLab Diffは変更した事実のみ教える
GitLab Diffは、あくまで「何が変更されたか」という事実を教えてくれるツールで、その変更が、プログラム全体にどのような影響を与えるかまでは対応できないのです。
例えば、一行の修正でも複雑なバグに関わる場合もあれば、100行追加しても単純な処理の場合もあり、その難易度や影響度は実にケースバイケースです。
②人間のような文脈的理解ができない
このような変更の「重み」や「難易度」を判断するには、そのコードが何のために書かれているのか、他の部分とどう関連しているのかといった、文脈的な理解が求められます。
この理解は、開発者の経験や知識に大きく依存する部分であり、GitLab Diffにおけるコードレビューの課題点でもあるのです。
GitLab Diffの機能をカバーする3つのツール
前項では、GitLab Diffで対応できないことをお伝えしましたが、このGitLab Diffの「できないこと」をカバーするのが、GitLabやSCC、そして自動化ツール・GitLab CI/CDです。
GitLab Diffはこれらと連携するとレビューに必要な工数を見積もることができます。
ここでは、この3つの機能をお伝えします。
- Git Diff|変更点を発見
- SCC|コードを分析
- GitLab CI/CD|ツールを連携し自動化
①Git Diff|変更点を発見
まず、すべての基本となるのが「Git Diff」という機能です。
これは先ほどお伝えしたGitに備わっているコマンドで、変更されたファイルの場所や、何行追加・削除されたかといった最も基本的な情報を収集してくれます。
つまり、GitLab Diffの画面で私たちが見ている変更点のリストは、このGit Diffの機能によって作られているのです。
②SCC|コードを分析
「SCC (Source Code Counter)」は、コードを専門的に分析する外部のツールです。
具体的には、Git Diffが見つけてきた変更されたファイルが、どのプログラミング言語で書かれているか、そして全体の行数はどれくらいかといった、より詳細な情報を教えてくれます。
つまり、このSCCを用いることで、そのコードの変更がどれくらいの規模なのかを正確に把握できるようになるのです。
③GitLab CI/CD|ツールを連携し自動化
この2つのツールを組み合わせて自動的に動かすのが、GitLab CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)です。
これは、GitLab上で特定のイベント(マージリクエストが作成されたときなど)を起点とし、一連の作業を自動で実行する機能です。この仕組みを土台として、Git DiffとSCCを連携させることで、以下のような一歩進んだ分析が可能になります。
- 変更の大きさ(差分)に応じてラベルを自動で付与(「low」「medium」など)
- レビューにかかるおおよその時間を算出
このように、上記の3つを連携することで、GitLab Diffで対応できないコードレビューの労力を容易にカバーできるのです。
GitLab Diffで確認できる差分の種類
GitLab Diffは、コミット・ブランチ・タグ・フォークといった複数の観点から差分を確認できるのが特徴です。
ここでは、これら4つの比較対象の概要と主な利用シーンを一覧にまとめました。
| 比較対象 | 概要 | 主な利用シーン |
| コミット |
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| ブランチ |
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| タグ |
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| フォーク |
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GitLab Diffは、コミット単位では細かな修正を、ブランチ比較では新機能の影響を、タグ比較ではリリースごとの進化を、フォーク比較では外部からの提案を把握できます。
このように、開発の状況や目的に合わせて柔軟に差分を確認できるのはGitLab Diffならではといえるでしょう。
GitLab diffで差分を確認する方法

続いて、GitLab Diffで差分(コードの変更点)を確認する方法について解説します。
ここでは、GitLab Diffで差分を確認する方法の前に、その基礎となるGitコマンドで確認する方法も合わせて段階的にお伝えしましょう。
- Gitコマンド(git diff)で確認する方法
- GitLabのブラウザ機能(GitLab Diff)で確認する方法
どちらも「コードのどこが変更されたか」を見る点では同じですが、使い方や見え方に違いがあります。以下で順番に解説します。
① Gitコマンドで差分を確認する
まずは、Gitコマンドで確認する方法をお伝えしましょう。
ローカル環境では、Gitコマンド「git diff」を使って変更点を確認します。
# ステージしていない変更点を確認
git diff# 特定のファイルを確認
git diff index.html# ステージ済みの差分を確認
git diff –staged
- git diff:まだステージされていない差分を表示
- git diff –staged:ステージとコミットの差分を表示
開発者はこれで「どこを変更したか」を把握できますが、黒い画面に慣れていない初心者には少しハードルが高いかもしれません。
②GitLab Diffで差分を確認する
次に、GitLab Diffで差分を確認する方法を解説します。
GitLab Diffでの差分確認は、チーム開発において最も一般的に行われている手法です。
- リポジトリ画面から「Commits」を選び、各コミットの変更内容を確認
- 開発中のブランチをメインブランチに統合する際、マージリクエスト(MR)を作成
- 変更前後のコードが「赤=削除」「緑=追加」と色分けされ、レビューがしやすい形で表示
- 「Repository→Compare」から、ブランチやタグ同士を選択して差分を確認
実際の確認画面は以下をご参照ください。
diff –git a/index.html b/index.html
— a/index.html
+++ b/index.html
@@ -1,2 +1,3 @@
<h1>test</h1>
-<p>変更を追加</p>
+<p>変更を追加</p>
+<p>git diff</p>
- – が付いた行→削除された部分
- + が付いた行→追加された部分
GitLabのDiff画面でも同じように「赤=削除」「緑=追加」で表示され、ブラウザから簡単に確認できます。この際、外部からの提案(フォーク)についても同じ画面で比較できます。
GitLab Diffで差分が表示されないときの原因・対策

ここでは、GitLab Diffで差分が表示されない、またはおかしく表示される原因と対策を解説しましょう。
- 差分が表示されない原因はコミット履歴の不連続
- コミット履歴の不連続が起こる主な原因
- コミット履歴の不連続が起きないための対策
①差分が表示されない原因はコミット履歴の不連続
GitLab Diffで差分が表示されない、またはおかしく表示される主な原因は、コミット履歴が不連続になっていることです。これは、GitLab Diffがコミットのつながりを基に差分を計算しているためです。
GitLab Diffは、ブランチ間の差分を、共通の祖先(マージベース)から現在の状態までの履歴をたどって比較します。この履歴が途中で途切れると、GitLabは正しい比較ができなくなります。
②コミット履歴の不連続が起こる主な原因
コミット履歴の不連続が起こる主な原因は以下の3つです。
| 比較対象 | 概要 | Diffが正しく機能しない理由 |
| 強制プッシュ | コミット履歴を強制上書き | ローカルとリモートの履歴が食い違い、正確な差分を追跡できない |
| リベース | コミット履歴を書き換え | 同じ見た目でも別の履歴と認識されるため、差分が正しく表示されない |
| Squash & merge | 複数のコミットを1つに統合 | 元のコミットのつながりが消えるため、予期せぬ差分として表示される |
③コミット履歴の不連続が起きないための対策
続いて、コミット履歴が不連続にならないための対策をお伝えしましょう。
| 原因となる操作 | 対策 |
| 強制プッシュ | チーム開発での混乱、他メンバーの作業に影響を与えることを理解し、強制プッシュを行わない |
| コミット履歴の書き換え (git rebase、git push –forceなど) |
git mergeを使用する履歴を書き換えずに統合することで、GitLab Diffが正しく差分を認識 |
| 不適切な利用 (Squash & merge) |
masterやdevelopmentなど、常に残すブランチへのマージではSquash & mergeを使わない |
GitLab Diffの機能を最大限に活用するには、履歴をきれいに保つこと、そして適切な利用を心がけることが重要です。
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GitLab Diffについてまとめ
GitLab Diffは、GitLab上でファイルやコードの変更点(差分)を比較し、表示する機能です。
GitLab Diffを使うと、意図しない変更やバグを早期に発見できるため、GitLabが持つ多くの機能の中でも、特に重要な役割を持っています。
製造業をはじめ多くの業界で注目されているGitLab Diffを、ぜひこの機会に貴社のDX推進の一環としてご活用ください。