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Autodesk Universityの開会式「General Sessions」

第2回AU(Autodesk University 2015)の開会式、General Sessions

こんにちは、スリプリの三谷です。

連載企画のAU参加レポート、第2回の今回は、開会前夜に行われたFusion360のMeetupと、
開会式にあたるGeneral Sessionsの様子をレポートします。

第1回「第1回AU(Autodesk University 2015)について」はコチラからご覧いただけます。

通常は関係者のみの前夜祭イベントのFusion360 Meetupですが、オートデスクのFusion360エバンジェリスト藤村さんの権力のおかげで、Meetupに参加させていただきました。
Fusion360 Meetup

日本でお会いしたEvangelist マネージャーのマイケル氏、開発責任者のケビン氏、
そしてCEOのカール氏も参加されており、お酒を片手に交流を深めていました。
それぞれお話できましたが、残念ながら写真はありません^^;

Fusion360 Meetup

開発責任者のケビン氏が2016年の開発ハイライトを紹介されておられました。
Fusion360 Meetup 開発ハイライト

気になるのはアセンブリ(組立図)の親子関係や階層が管理できる機能です。
詳細は開発中だそうですが、非常に楽しみですね!
アセンブリ(組立図)の親子関係や階層が管理できる機能

翌日、いよいよ3日間にわたるAutodesk Universityの開会式にあたるGeneral Sessionsの開幕です。
General Sessions開幕

会場には開会宣言を行うための演台やお花、大きな垂れ幕、そして偉いお方のお堅いお話・・・なんてものは一切なく、まず目に飛び込んでくるのがDJ!
最新洋楽ミックスが爆音で回されています。
東京ビックサイトほどもある大きなホールでDJってところがアメリカっぽいですね。
General Sessions DJ

いよいよ登場はオートデスク社のCEO、Carl Bass氏です。
Carl Bass

生のカール氏、見つかりますか?
Carl Bass

Carl氏は、最近出会った最新のモノづくりをされている会社を紹介しながら、世界で起こっているモノづくりのイノベーションや変革について話されていました。
10階建てのビルをわずか3日間、5人で作った会社も紹介されました。プレートをスライドする仕組みを取り入れることで溶接を不要にし、より安く短い時間で作れるようになったという事例です。
カール氏は、まったく新しい方法でなくても、今までの方法を組み合わせることでモノづくりは進化しており、その進化スピードをさらに押し上げているのがコンピュータでありソフトウェアであるというお話をされていました。
Carl Bass

続いて登場のCTOのJeff Kowalski氏のお話では、これからの「道具」のあり方というテーマでお話がありました。道具には4つの段階があり、コンピュータのおかげで道具が進化している、というお話です。
Jeff Kowalski ・Passive 人間がどう使うかをインプットしないと道具の意味がない原始的な道具
今身の回りにあるハサミ、のこぎりなどのように、使う箇所に合わせて人間が使い分け、使い方を工夫する必要があります。
・Generative 人間が一部を定義するだけでコンピュータが最適な提案をしてくれる道具。
固定しなければいけない箇所や、使用する材料の材質を定義することで、自動的にコンピュータが最適な結果を計算して出してくれます。
・Intuitive 直観的に、画像を入力するだけでコンピュータが最適な提案をしてくれる道具
画像解析とディープラーニング(機械学習)を組み合わせることにより、例えば古い橋の写真を見せるだけで、人工知能がどのような改修が必要かを判断してくれるような世界です。
・Empathic 人の意思にも踏み込み、「恐らくこうしたいんだな」ということを先読みして提案してくれる道具。
触れてしまうだけでセンサーが働いて課金されてしまうホテルの冷蔵庫、センサーが反応せずいつまでも手がふけないトイレのペーパーなど、人間が希望することに対して直観的ではない機械ではなく、機械が先読みして提案してくるような世界です。

Generative Designはオートデスク社が押し出している次世代の設計です。
今回は実際にエアバス社と共同で行ったGenerative Designプロジェクトの紹介がありました。
CAが座るシートと隔壁を、いかに強度を出して軽量化するか、という取り組みです。
Generative Design

コンピュータによって最適化された結果の隔壁がこちらです。
このような複雑なカタチは、計算できたとしても実際に製作するためには、非常に高いコストがかかっていました。
しかし、近年の3Dプリンター技術と組み合わせることで、安価で実現できるようになってきています。
実物は実際に展示されており、間近で見ることができました。
Generative Design

このような世界は近い将来近づいてきており、これらの道具の進化スピードを速めるのはソフトウェアの力が大きいという言葉で締めくくられました。

General SessionsのCarl Bass氏とJeff Kowalski氏のプレゼンテーションを見られる動画がありましたので、ご紹介しておきます。

CEO:Carl Bass氏のプレゼンテーション

CTO:Jeff Kowalski氏のプレゼンテーション

第3回からは、Fusion360に関する様々なセッションの内容についてご紹介していきます。
便利な使い方やおもしろいトピックなど盛りだくさんとなる予定ですので、お楽しみに!

第3回 AU 技術レポート:Fusion360便利技20選 ~前編