先日、「おうちで宇宙遊泳」プロジェクトのお手伝いをすこ~しだけさせていただきましたので、そのレポートです。
パソコンやスマートフォンで、無料で宇宙遊泳を体感できる動画付きの記事です。
※まとめたらすごく長くなりましたが、最後まで是非お読みください。
「おうちで宇宙遊泳」は、「宇宙をもっと身近に感じてもらいたい」という願いを持った近藤さんの挑戦です。
今回のミッションはこうです。
1.箱の中にアクションビデオカメラのGoProを、6方向が同時に映せるようにセッティング。
2.大きな風船にくっつけて飛ばし、その過程を撮影
3.約30,000mの上空まで飛び、風船は割れる。
パラシュートで落ちた箱をGPSで追跡して回収、撮影された6方向の映像をつなぎ合わせたら、、
4.世界初!360°映像の完成!!
というわけです。
資金は、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」で集められ、めでたくプロジェクトスタートしました!
しかしこのプロジェクト、開発期間がわずか1ヶ月という短さ。
と、同時に、そのビジョンに共感して名乗りを上げた、Fusion 360エヴァンジェリスト藤村さん。設計を一手に引き受けた、プロジェクトの救世主!
と、同時に私への連絡。
・・・
以下、書きます。
※関連記事:アルミの悪夢
https://cad-kenkyujo.com/mini4ku/
月曜というのはこのやり取りの4日後でして、流石にそれは無理ということでちゃんと納期をもらい、削りました。
今回は設計データがちゃんと出来上がりました。かっこいいですね!
中はこんな感じ。GoProが6台収まっています。
今回、外装はストラタシス社さんの協力で3Dプリントされます。
そして私が作ったのがコチラ。
落下の際にパラシュートが取り付くフックです。
強度が必要な部品のため、アルミで作成します。
いつも通り、Fusion 360のCAM機能を使ってツールパスを作成します。
同時に注文していたアルミ材も到着。
削ります。
今回は、お台場にあるコワーキングスペースMONOさん(https://mono.jpn.com)にて加工を行いました。
削ります。
できた!
裏表加工を行いましたが、これで完成になるほど簡単ではありません。
実はこの部品、こんな風にボルトで取り付けるため、穴をあけないといけません。
今回使用した機械ではこの穴は一気にあけられませんので、別途、治具(ジグ)と言われる専用の押さえ具をケミカルウッドで作り、穴あけを行いました。
この茶色い治具は、穴あけが終わったら捨てられる運命です・・・
あと、すっかり忘れていた「ロゴ掘っていいよ」の言葉を思い出し、こちらも掘りました。
あと、怪我もしました。
そして完成!
同時に外装パーツも出来上がり、組み立て作業も少し見学しました。
はまった!
手前がプロジェクトリーダーの近藤さん、奥がFusion 360エヴァンジェリストの藤村さんです。
苦戦しながらも組み付けは完了しました。
この後、設計変更や落下テスト、耐久性テストなどを経て、メキシコでの打ち上げに成功していますが、その間は私の手を離れてしまっていたため詳細は省略。
そして、2017年4月12日、ついに完成された360°動画が公開されました!
すごいの一言です!ちゃんとバルーンが割れてパラシュートが開くところも収録されています。
ここから先は、百聞は一見に如かずということで、是非見てみてください!
視聴できるサイトはこちら、360 Channel(https://www.360ch.tv/)。360度動画が見れるサイトです。
ちなみに、Fusion 360の読みは「フュージョンスリーシックスティ」ですが、360 Channelは「サンロクマルチャンネル」だそうです 笑
https://www.360ch.tv/videoview/363
【動画の視聴方法】
動画を見ることができるのは、VR機器かPCかスマートフォンです。
特殊なものは持っていないよ!という方、安心してください。
・PC
上記URLにて動画を再生し、画面内をマウスでぐりぐりドラッグすることで、360度いろいろな方向を見ることができます。
・スマートフォン
上記URLにて動画を再生し、スマートフォン自体をいろいろな方向に動かしてみてください。上を見上げると画面も上を向きます。
もっとリアルに宇宙遊泳したいよ!というかた、安心してください。
・簡易HMD(ヘッドマウントディスプレイ)
スマートフォンを入れるだけで簡易的なVR映像が見れるグッズが低価格で販売しています。「ハコスコ」などが有名でしょうか。
・VRデバイス
この機会に?!Playstation VRやOculus Rift、Gear VRなどで視聴できます。
動画の最後には、Partnership会社として、しっかりと会社名を入れていただきました!!
ありがとうございます!
いかがだったでしょうか。宇宙とか成層圏と言うと、とてつもなく難しい技術が必要のように感じますが、実はそうではありません。
わずか1ヶ月足らずで試作から打ち上げまで完遂できてしまうのは、3DプリンティングやFusion 360のようなソフトが広まってきているからできることですね。
近藤さんが挑戦するに至った経緯は↓に詳しく掲載されていますので、こちらの記事も是非ご覧ください。
外部リンク:
https://www.buzzfeed.com/keigoisashi/hero?utm_term=.xxplDKPrq#.momo73gD6
実はFusion 360のデータを気軽にVRやARで見れるソフトも出てきています。今度その使い方の記事などもアップしていきますので、お楽しみに!