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【2024】VRとは何か簡単に解説!仕組みAR・MRとの違い&活用事例

近年、テレビや雑誌などで頻繁に目にするようになったVR。VRに関する市場規模は年々拡大しており、日本市場は2018年のおよそ1290億円から2023年には3420億円まで成長することが予想されています。また、世界市場は2023年にはおよそ17兆円にまで達するそうです。

このように世間に広く普及しているVRですが、「実はどういうものかよくわかっていない」という方も多いのではないでしょうか?今回は、そんな方のためにVRの仕組みや、VRと一緒に聞くことが多いAR・MRの違いなどを徹底解説します。

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VRとは何か?

VRゴーグル

VRとは「Virtual Reality」の略称で、「仮想現実」と訳されます。VRゴーグルを着用することで、作られた映像がまるで本物であるかのように感じることができる技術なのです。

これまでも立体感のある映像を作る3D技術などはありましたが、それらよりもリアリティがある点が特に注目されています。

360度の視野で仮想現実を楽しめる

人がVRの映像をあたかも実際に触れられるように感じてしまう理由として、「360度の視野で仮想現実を楽しめる」ということが挙げられます。VRゴーグルを着用すれば、360度の景色全てが作られた映像(仮想現実)となります。

また、自身の視野に応じて景色が変わるため、その世界に実際に入り込んでいるかのような体験ができるのです。

VRとARの違い

VRとよく合わせて挙げられる技術であるARですが、「どう違うの?」と疑問をお持ちの方も多いと思います。そこで、VRとARの違いを以下に解説いたします。

ARは仮想現実を現実に拡張する

ARとは「Augmented Reality」の略称で、「拡張現実」と訳されます。つまり、作成された映像を現実に拡張する技術のことを指します。

ARの代表例として、近年大ブームとなった「ポケモンGO」などの現実世界の風景にゲームキャラクターを登場させるアプリが挙げられますが、あれはまさに現実の世界に作成された映像(仮想現実)を拡張しています。

このようにVRが仮想世界に人を没入させる技術であるのに対して、ARは仮想現実を現実に反映させる技術であるという違いがあります。

VRとMRの違い

ARと同様に、VRに似た技術として「MR」がよく挙げられます。こちらは世間的にはARより認知度が低いため、ご存知でない方も多いでしょう。

実際に株式会社インプレスが行った調査によると、VRの認知度は9割近く、ARは約3割であったのに対し、MRはおよそ2割程度だったそうです。しかし、これから大きく伸びることが予想される技術ですので、知っておいて損はないでしょう。

それでは早速、VRとMRの違いを以下に紹介します。

MRは仮想現実と現実を複合する

MRとは「Mixed Reality」の略称で、日本語では「複合現実」と訳されます。現実世界にあるものを仮想世界の中に登場させ、現実と仮想現実を複合させる技術です。

ARが現実世界をベースに仮想現実を被せる技術であるため、MRはちょうど反対の技術となります。VRが仮想世界を作り出す技術であるのに対し、MRは仮想現実と現実を複合させる技術であるという違いがあります。

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VRの歴史

VRは近年出現してきた技術だと考えられがちですが、実は、意外と古い歴史を持っています。

VRの先駆けになったのは1968年。コンピュータの研究をしていたアイバン・サザーランドが開発したヘッドマウントディスプレイ「The Sword of Damocles」がきっかけです。

しかし、当時は導入にさまざまな機器が必要で、予想以上のコストがかかりました。その結果、思うように普及しませんでした。

また、1991年には、アップル社が「QuickTimeVR」を発表し、1990年代には一時VRブームが発生します。しかし、その当時も技術が追いつかず、家庭に普及するどころか、使用していたテーマパークでは費用対効果が低く、普及は先延ばしになりました。

その後、2012年にOclusVR社から発売されたVR用ヘッドマウントディスプレイ「Oculus Rift」は、「まるで現実世界にいるような感覚がある」とエンジニアの間で話題になりました。2014年にはFaceBook社がOculus VR社を買収。そこからVRゴーグルの価格が少しずつ下がり、一般普及していったのです。

VRで実現できること

VRでは、今まで2次元でしか体験できなかった映像を3次元のリアリティ溢れる空間に変化させられます。VR用の端末を装着することで、目の前の360度に広がる映像を堪能できます。また、実際に手を動かすことで目の前の仮想現実もリアルに変化し、あたかもその場にいるかのような体験を実現可能です。

VRでは、視覚や聴覚、バランス感覚、温度変化の刺激などの演出ができ、五感に訴える体験を提供します。そのため、主にエンターテインメントの分野で活用されることが多いです。

加えて、ビジネスでのVR空間上でWeb会議や医療のトレーニングシステムとして活用されるなど、実務に役立つ方法としてもVRが積極的に活用されています。

VRの仕組み

これまでの技術よりも高い没入感を伴う技術であるVR。では、どのような仕組みによって、その没入感を可能にしているのでしょうか?

両眼視差を利用する

最初に紹介するのは、「両眼視差を利用する」です。両眼視差とは左右の目で見えている風景が違うことを指します。

「左右の目で見えている風景が違う」と言われてもピンとこない方も多いかもしれませんが、試しに片目ずつ順番に同じ対象を見てみてください。そうすると、対象が左右に移動したかのように見えることが分かると思います。

これらの左右の目で異なる風景を脳が処理し、人はあらゆるものを立体的に認識しています。VRはこの両眼視差を利用して、立体感のある映像を可能にしています。

右目用の映像と左目の映像の2種類を撮影し、VRゴーグルを通してこれらを同時に見せることで、脳にその映像が立体的であると認識させているのです。

トラッキング技術を利用する

次に紹介するのは「トラッキング技術を利用する」です。トラッキング技術とは人の頭や体の動きを感知する技術のことです。

VRにおいては頭の動きを感知する「ヘッドトラッキング」、目の動きを感知する「アイトラッキング」、体の動きを感知する「ポジショントラッキング」などが用いられています。これによって右を向けば映像が右に、前に進めば映像が前にといったことを可能としているのです。

そのため自身の動きに合わせて仮想現実の風景も動き、この世界にあたかも自分が実際にいるかのような感覚を味わえます。

VRを体験するのに必要なツール・方法

VRを体験する場合、VRに対応する機器を導入する必要があります。ここでは、スマホ・パソコン・スタンドアローンで使用する場合に必要なツールと利用方法について詳しく解説します。

スマホでVRを体験する場合:スマホ用VRゴーグル

スマホ用VRゴーグル

画像引用元:Amazon

 

スマホ用のVRゴーグルは、その他のVRゴーグルと異なる特徴を持っており、スマホの画面をVRディスプレイとして活用できるものが多いです。プラスチックや段ボールでできたVRゴーグルの枠にスマホをはめ込み、スマホから流れる映像がVR空間として表現されるよう設計されています。

パソコンとつなげるタイプや、スタンドアローンタイプと比較するとクオリティは下がりますが、安い価格で購入できるため、VRを体験するツールの一歩として導入する方におすすめです。

パソコンでVRを体験する場合:PC用VRゴーグル

PC用VRゴーグル

画像引用元:Amazon

 

パソコンに接続するタイプのVRゴーグルは、質の高いVR体験を可能にします。映像処理をPCに任せ、VRゴーグルは映像を出力するための機器として活用されるため、パソコンのスペックを最大限活かしたVR体験ができます。

パソコン用のVRゴーグルには、頭の動きを認知するトラッキング機能が備わっていたり、専用のコントローラーが付属していたりと、高い性能の商品が多いです。そのため、よりリアルなVR体験を希望する方はPC用のVRゴーグルがおすすめです。

スタンドアローンでもVRを体験可能

スタンドアローン型VR

画像引用元:Amazon

 

スタンドアローンは、VRゴーグル本体のみでVRを体験できる機器のことです。パソコンやスマホなど別の機器は不要で、配線で動きを制限されないため、よりリアルで自然なVR体験ができます。

現時点ではバッテリーの持ち時間など、課題は残りますが、今後普及が進めば最もユーザビリティの高いVR機器として一般普及すると予想されます。

VRの活用事例

VRの活用事例

VR、と聞いてゲームを連想される方も多いのではないでしょうか?確かに、VRが最初に注目された際は「PlayStation VR」などゲームに関連したサービスが多くありました。

しかし、冒頭でも触れたようにVRの市場規模は年々拡大の一途をたどっており、ゲームだけでなくビジネスシーンにおいても高い注目を集めているのです。そこで、以下にVRの活用例を紹介しましょう。

VR内見

最初に紹介するのは「VR内見」です。不動産業界では、成約のために物件の撮影や内見を行うことが重要とされています。

これらは非常に手間がかかり不動産業界の共通課題とされていました。しかし、VRを利用すれば、VRゴーグルを通して撮影データを見るだけで内見が可能となりました。VR内見を導入した企業では店舗への来店数やキャンセル率の低下といった成果があったそうです。

避難訓練VR

次に紹介するのは「避難訓練VR」です。学校などで年1回程度行われる避難訓練ですが、準備などに非常に手間がかかります。

しかし、VRであれば特に準備をすることなく、VRゴーグルを着用すればすぐに避難訓練が行えます。気象情報や住宅付近の状況まで再現が可能できるため、実感をもって災害時に行うべき行動を学ぶことができます。

VR旅行

次に紹介するのは「VR旅行」です。VR画像を見せながら、ビデオ通話で旅行中の様子をリアルタイムに共有することができます。

旅行者が全方向を写すことができるカメラを持参すれば、簡単に旅行中の様子をシェアすることが可能です。これによって旅行に行くことが出来なかった方も一緒に旅行を楽しむことができるのです。

VR研修

次に紹介するのは「VR研修」です。VR研修は数多くの業界で取り入られており、建築業界の安全講習や小売業界の接客研修、医療業界では手術のトレーニングにも応用されています。

例えば、ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社は心房細動の手術に関するVRトレーニングの提供を発表しています。また、小売最大手の企業であるウォルマートでは米国内で雇用している100万人以上の従業員に対してVRヘッドセットを店舗に配布し、基本的な接客や繁忙期の対応などの研修をVRで行なっています。

VR医療

次に紹介するのは、「VRによる医療」です。VRを使用すれば、実際の手術をVR空間で再現し、様子を世界中の医師に共有できます。

従来は論文が発表されるまでに時間がかかり、知識を共有できるまで多くの時間を必要としていました。しかし、VR普及により、新たな手術事例を世界中で共有できるようになりました。

スムーズな知識共有により、一人でも多くの患者様の命を助けることにつながるでしょう。手術事例を医療の道を志す学生に体験させれば、医療の進歩にも役立たせられます。

また、難易度の高い手術を実施する場合もVRが役立ちます。ミスの許されない難易度の高い手術でも、VRを活用すれば、本番前に手術のシミュレーションを実施可能です。リアルな操作感を肌に覚えさせてから実際の手術に臨むことで、万全な状態で手術に臨めることでしょう。

このように、医療現場でVRを活用すれば、共有・体験がスムーズに行えます。その結果、より質の高い医療を提供できるようになります。

VR広告

次に紹介するのは、「VR広告」です。広告を掲載する場所としてもVR空間が役立ちます。

一般的なデジタル広告よりも、立体的にディスプレイで広告を閲覧できるため、商品の魅力が伝わりやすくなります。また、ユーザーが向いている方向に合わせてVR広告を配置したり、実際に商品に触れたような感覚を与えたりすることで、広告の中の商品という認識が変わり、身近なものに変化ししていくでしょう。

実際に体験できる広告を制作し、全く新しい広告手法を導入することでコンバージョン率を高めようと考える企業は増えてきています。

VRスポーツ

最後に紹介するのは、「VRスポーツ」です。

スポーツ観戦を提供している動画プラットフォームでは、VRスポーツ観戦サービスがすでに提供されています。自宅で映像を見ているにもかかわらず、スタジアムにいるような臨場感を体験できることが特徴です。サービスによってはスポーツ選手の目線で、実際の試合中の風景を体験することもできます。

また、スポーツチームのトレーニングにも役立てられており、「東北楽天イーグルス」では、2016年からVRゴーグルによるトレーニングが実施されています。直近の投手投球データをもとに、その場で投げられているかのようなVR空間を作り、試合さながらの練習を行っているようです。

参照元:日本経済新聞

まとめ

VRの仕組みやAR・MRとの違い、VRを体験するために必要なツールなどを解説しました。

現在、VR技術はさまざまな分野で活躍しています。今後もますます成長し続け、私たちの生活に身近なものになると予想される市場ですので、動向を追って損はありません。

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