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これでわかる!「IoTプラットフォームとは?」膨大なデータを集中管理する次世代の“仕組み”

こんにちは、三谷です。

IoTという言葉はかなり浸透してきており、家電量販店やテレビ、雑誌でも目にすることが多くなってきていると思います。

今回のお話は、IoT製品を使う側ではなく、IoT製品を作っている会社や、自社の工場や物流倉庫など、お仕事でIoTを活用する際に裏側で必要になってくる、IoTプラットフォームについてです。

皆さんは、IoTプラットフォームという言葉を聞いたことがありますか?

IoTプラットフォームとは?

IoTプラットフォームとは、IoT製品や工場のセンサーデータなど、世の中にあふれるありとあらゆる「モノ」から出てくるビッグデータを、「集める」、「整える」、「加工する」、「つなぐ」、「活用する」といったことができるプラットフォームです。

プラットフォームというと急によくわからなくなるのですが、英語をそのまま訳すと、「土台」とか「足場」という意味になります。

「土台」ということなので、ベースになっている、基盤になっているものですので、実は環境や状況によっていろんなものに変わります

IoTプラットフォーム

どういうことかと言うと、IoTプラットフォームってなんですかー?といったときに、ある会社のIoTプラットフォームはクラウド環境のことを指していたり、ある会社のIoTプラットフォームはソフトウェアのことを指していたり、ある会社のIoTプラットフォームはシステム全体を指していたり・・・といったことが起こるのです。

IoTプラットフォームの種類

IoTプラットフォームについて少し調べてみると、いろいろな会社がいろいろなIoTプラットフォームを出していることがわかります。

こちらは、ビジネス+ITさんがまとめられたIoTプラットフォームの主要ベンダーの相関図です。

IoTプラットフォーム-相関図

・・・めちゃくちゃいっぱいあります!!!

こんなにいっぱいあって何するの?!となるかもしれませんが、この表に入っているIoTプラットフォームは、みんな「土台(プラットフォーム)」なんですが、土台のレベルが違っています。
土台の上に土台が乗っているイメージでしょうか。

誰でもわかる!産業用IoTプラットフォームについて

わかりやすく、例えばある工場のIoTプラットフォームを考えてみましょう。

工場にはいろいろなメーカーで作られた産業機械がたくさんあります。
例えば産業用ロボット等を作られているファナックさんや、板金加工機械を作られているアマダさんは、自社の機械の稼働率や故障検知をするために、それぞれ独自のIoTプラットフォームを作られています。

上の表で言うField System(フィールドシステム) V-factoryですね。これらは機械につなぐためのサーバーと、それに乗せるアプリケーション(ソフト)がセットになっていることが多いです。

Field System

しかし、実際にはそれだけではありません。
工場にはいろいろなメーカーの色々な機械があるわけですので、それらを水平的につなぐ必要が出てきます。

そこで出てくるのが、PTC社のThingWorxやGEデジタルのPredixです。

これらはありとあらゆる産業機械からデータを吸い出し、一元管理することができるアプリケーション(ソフトウェア)になっています。
もちろん、先程出てきたField Systemなどのメーカーごとのプラットフォームともつなぐ必要がある場合もあるでしょう。

このように、IoTプラットフォームとは「土台」ですので、土台の上に土台が乗ったり、データが相互に行き来したりといった複雑な絡まり方をしていきます。

ThingWorx

ThingWorxについては以前の記事でも書かせていただきましたね。
参考:
産業系のIoT(IIoT)プラットフォーム、ThingWorxとは
産業系のIoT(IIoT)プラットフォーム「ThingWorx」の無料体験版ダウンロードのご案内

更に、複数の工場や本社までひっくるめて考えるとどうでしょう。

工場では製品を生産しているわけですので、工場の情報だけではなく、在庫管理や生産管理、更には売上管理や販売管理、メンテナンス管理などの会社全体の情報として管理していきたくなるでしょう。

そうなると、もっと大きなシステムが必要になってきます。
会社全体の仕組みになってきますので、その会社独自の仕様にする必要が出てきます。

このニーズに対応するIoTプラットフォームが、日立のLumadaや東芝のSPINEXです。
IoT化に関わる多くを一手に引き受け、独自開発をするイメージです。

Lumada

最後に、集約した情報がグループ会社や取引先と共有できたらどうでしょうか。
今まで以上に会社間の連携も取れ、より効率的な生産ができるかもしれません。

そのような際には、汎用的なクラウド基盤が必要になってきます。

そのような要望に答えるIoTプラットフォームが、MicrosoftのAzure IoTやAmazonのAWS IoTです。クラウドの基盤の中で、様々なシステムがやり取りをします。

Azure IoT

IoTプラットフォームの全体像

先程見ていただいたこちらの画像をもう一度見てみましょう。

IoTプラットフォーム同士についている線は、連携をしている部分です。

IoTプラットフォームがわかりにくくなっているのは、このような様々なレイヤーの製品やサービスがたくさんあることと、更にはそれぞれのIoTプラットフォームが上になったり下になったり様々な運用方法が考えられるためです。

IoTプラットフォーム-相関図

先程の工場の例を元に、矢野経済研究所で作られたこちらの資料を見てみると、よりわかりやすくなると思います。

「産業用IoTプラットフォームの種類」というこちらの資料では、IoTプラットフォームを「水平・業種フルカバレッジ型」「垂直・機能フルカバレッジ型」「垂直・アプリ提供型」「垂直・基本機能提供型」という4種類に分けています。

産業用IoTプラットフォームの種類

それぞれ、先程出たField System、ThingWorx、Lumada、Azure IoTなどがどの型に当てはまるのか、イメージできますね!

■ 表1.産業用IoTプラットフォームの解説(矢野経済研究所作成)

種類 内容
水平・業種フルカバレッジ型 水平型のソリューションとしてどの業種もカバーしようとするもの。全業種に対して提供されるクラウド基盤であり、その基盤(プラットフォーム)上にユーザーやSIerなどがIoTシステムを開発することを主要コンセプトとする。
垂直・機能フルカバレッジ型 開発・導入から応用アプリケーション、基礎アプリケーション、クラウド基盤、ネットワーク、センサー類まで、IoTソリューション構築にかかわる全要素をフルカバレッジでソリューション提供しようとするもの。同領域は国内大手SIerが主な提供者であり、ここでいうプラットフォームとは“IoTソリューションを開発・運用しビジネスとして動かすためのプラットフォーム”という意味合いが強い。
垂直・アプリ提供型 フルカバレッジ型から、開発・導入・運用支援を差し引いた領域を主に手掛けるのが垂直・アプリ提供型である。外資系の大手製造業がIoTプラットフォームの提供に乗り出しているが、概ねそうした企業の提供するものが該当する。サードパーティによるアプリケーション開発のプラットフォームになっているケースも多い。
垂直・基本機能提供型 目的や機能を絞り提供されるIoTプラットフォーム。遠隔監視・予防保全のみに絞ったIoTプラットフォームなどが一部のベンダーから提供されている。

IoTプラットフォームを正しく使いこなすには?

昨今の展示会を見ていると、特に中小企業向けには「垂直・基本機能提供型」のIoTプラットフォームで、スモールスタート、まずは見える化しましょうという提案が多くあります。
まずスタートしましょうと言うにはいいですね。

しかし、せっかくIoT化するなら、最低でも工場やラインの1つを管理できるレベルが最低限かもしれません。

生産ラインが止まったり不良品が出た直後に原因が究明でき、すぐさま自動または半自動で対処ができる仕組みこそ産業用IoTの真骨頂ですので、そうなると「垂直・アプリ提供型」のThingWorxがちょうどいい位置づけになるかと思います。

中小企業の中でも大きめのところですと、金額は高くなってしまいますが社内管理を含めた「垂直・機能フルカバレッジ型」で効率化することもいいかもしれません。

自社にあったIoTプラットフォームを選定するのは難しいと感じられる方も多いかもしれません。
今後の記事では、IoTプラットフォームの選定方法もお伝えしていきますのでお楽しみに!

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