「他のCADソフトと比較してCreo Design Essentialsの機能や使いやすさは?」と関心をお持ちの方も多いでしょう。Creoには様々なパッケージがあり、その中でも一番安価なのが、Creo Design Essentialsです。
結論から言うと、Creo Design EssentialsはミッドレンジのCADソフトの最上級のモジュールと同等の機能を備えています。
そこで第2回目の連載記事では、Creo Design Essentialsについて人気の理由や機能、魅力について詳しく解説していきます。
Creoの基本機能
Creoには様々なパッケージが用意されており、その中で一番安価なのがCreo Design Essentialsです。Creoを使用したいと考えている方の中には、「一番安価であることから、機能性や使いやすさが不安」と言う方もいるでしょう。
しかし、先述した通りCreo Design Essentialsでさえも、ミッドレンジのCADソフトの最上級のモジュールと同等と言われているのです。そのため、機能性に関しては申し分ないと言えるでしょう。
実際にCreo Design Essentialsは全てのパッケージで以下の機能が使用可能です。
この機能だけでも、他のCADソフトに比べて業界トップクラスであることがわかるでしょう。Creoについて知りたい方は以下の記事でも詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
Creoのパッケージについて紹介
全モジュールに含まれる「業界標準の 3DCAD機能」は上述の通り、「ミッドレンジのCADソフトの最上級のモジュールと同等の機能」を指します。この表は「業界標準の 3DCAD機能」にさらに上乗せされた機能をモジュールごとにまとめています。
機能 | Design Essentials | Design Advanced | Design Advanced Professional | Design Engineering | Design Engineering Professiona |
業界標準の 3D CAD 機能 | ⚪︎ | ⚪︎ | ⚪︎ | ⚪︎ | ⚪︎ |
拡張現実 (AR) によるビジュアリゼーション | ⚪︎ | ⚪︎ | ⚪︎ | ⚪︎ | ⚪︎ |
トップダウン設計およびコンカレント設計 | × | ⚪︎ | ⚪︎ | ⚪︎ | ⚪︎ |
プリズム加工およびマルチサーフェスミリング | × | ⚪︎ | ⚪︎ | ⚪︎ | ⚪︎ |
エンジニアリングノート | × | ⚪︎ | ⚪︎ | ⚪︎ | ⚪︎ |
高度なサーフェシングおよび付加製造 | × | × | ⚪︎ | ⚪︎ | ⚪︎ |
幾何公差および公差解析 | × | × | ⚪︎ | ⚪︎ | ⚪︎ |
金型設計および金型加工 | × | × | ⚪︎ | ⚪︎ | ⚪︎ |
高度なマルチ CAD コラボレーション | × | × | × | ⚪︎ | ⚪︎ |
シミュレーションと疲労解析 | × | × | × | ⚪︎ | ⚪︎ |
Interface for JT | × | × | × | ⚪︎ | ⚪︎ |
IoT を利用した製品情報 | × | × | × | ⚪︎ | ⚪︎ |
高度なシミュレーション | × | × | × | × | ⚪︎ |
バリエーションおよびトポロジー最適化 | × | × | × | × | ⚪︎ |
金属プリントおよび高度な切削加工 | × | × | × | × | ⚪︎ |
クリアランスと沿面距離の解析 | × | × | × | × | ⚪︎ |
Creo Design Essentialsは業界水準の3D CAD機能だけでなく、AR設計機能を搭載しています。Creoの各種パッケージお見積もりは以下のリンクから可能です。
Creo Design Essentialsの主な機能
Creo Design Essentialsの主な機能について以下5つ紹介します。
- パラメトリック設計による高精度なモデリング
- 柔軟な3Dモデリング機能
- シミュレーション機能
- 設計変更をスムーズにできる機能
- ARで設計をリアルに可視化できる機能
機能①パラメトリック設計による高精度なモデリング
Creo Design Essentialsはパラメトリック設計を採用しており、寸法や拘束条件を設定することで、部品の形状を正確にモデリングできます。
パラメトリック設計では、変更を加えた際に関連する要素が自動的に調整されるため、設計の一貫性を保ちながら素早く修正が可能です。例えば、ある部品の長さを変更すると、それに関連する穴や接続部分も適切に再配置されます。
また、スケッチを作成する際に自動で寸法を適用できるため、再利用しやすく、設計の効率を向上させることができます。
機能②柔軟な3Dモデリング機能
形状の複雑さを問わず、柔軟に設計できる3Dモデリング機能が搭載されているのもDesign Essentialsの特徴です。
パーツやアセンブリの設計に対応し、ソリッドモデリング、サーフェスモデリング、板金設計、プラスチック部品設計など、さまざまな製品開発に適用可能です。特に、フィーチャーベースのモデリング機能により、押し出し、回転、ブレンド、スイープなどの操作で複雑な形状を簡単に作成できます。
また、SolidWorks、Inventorなど直接読み込めるUnite Technologyを採用しており、異なる設計環境でもスムーズに統合作業が行えます。
機能③シミュレーション機能
Creo Design Essentialsには、設計した部品やアセンブリの強度や耐久性を評価できる線形構造解析が搭載されています。
他のパッケージでは流体解析や熱解析などが搭載されていますが、線形構造解析は試作を行う前に、設計の妥当性を確認できるため、コスト削減が期待できる機能と言えるでしょう。
線形構造解析をわかりやすく説明すると、例えば設計した部品に外部からの荷重が加わった際の応力や変形のシミュレーションを行い、設計の問題点を事前に発見・修正できるといった機能です。
機能④設計変更をスムーズにできる機能
Design Essentialsには、過去の設計履歴を無視して形状変更ができる「Flexible Modeling Extension」も含まれており、設計側から他のCADで作られた3Dモデルを受け取っても、中間公差形状に素早く変更できます。
もちろん、Creoで進めてきたデータに対して、履歴を遡らずに編集できるという副産物的な使い方も可能です。
ただし、過去の履歴や隣接部品に影響しないことには注意が必要です。
機能⑤ARで設計をリアルに可視化できる機能
Creoの大きな代表的な特徴と言っても過言ではないARで確認・共有できる機能をご紹介しましょう。これは、完成予定の製品を実際の環境に重ねて表示し、サイズ感やデザインのフィット感を確認できる機能です。
また、AR機能はCADデータを持たない関係者やクライアントにも、3Dデザインを直感的に伝えることができます。そのため、設計の精度を向上させることが期待できるのです。
Creo Design Essentialsの魅力
ここからはCreo Design Essentialsの魅力について解説します。魅力は主に以下の3つです。
- 一番安価
- 他CADソフトに比べて劣らない
- 初心者でも扱いやすい
魅力①一番安価
Creo Design Essentialsは5つのパッケージで最も安価です。もちろん、使用できる機能が少ないためではありますが、他のCADソフトに比べると機能も十分といえるでしょう。
一般的な設計業務に必要な機能は十分に備わっており、eラーニングや24時間サポートなども含まれているため、コストパフォーマンスが非常に高いのが特徴です。そのため、初めて3DCADを導入する企業や、低コストで高度な設計を行いたい個人・中小企業にとっておすすめのパッケージです。
Creoの価格について詳しく知りたい方は以下の記事を参照ください。
魅力②他CADソフトに比べて劣らない
Creo Design Essentialsは、安価ながらもSOLIDWORKSやInventorなどの他の3DCADソフトの最上級のモジュールと同等の機能を備えており、さらにハイエンドゆえの柔軟な設計が可能です。特に、パラメトリック設計を中心とした高度なモデリング機能に加え、他のCADソフトとの互換性を高めるUnite Technologyという考え方を標準搭載しています。
また、Flexible Modeling Extensionを活用すれば、従来のCADソフトよりも直感的に設計変更が行え、設計の自由度が向上します。Simulation Eliteを活用した基本的な強度解析や、ARによる設計の可視化も可能であり、安価ながらも他のCADソフトにも引けを取りません。
魅力③初心者でも扱いやすい
Creo Design Essentialsは、初心者でもスムーズに習得できるように設計されており、直感的な操作が可能なインターフェースと充実した学習サポートがあります。
標準で付属するeラーニングでは、Creoの基本操作や設計手法を学ぶことができ、新規ユーザーでも短期間で習得しやすいのが特徴です。24時間対応のサポート体制が整っているため、操作方法やトラブルに関する質問にも迅速に対応してもらえ、初心者でも安心して使用できます。
Creo Design Essentialsに関するよくある質問
Creo Design Essentialsについてのまとめ
第2回目の連載記事では、「Creo Design Essentials」について他パッケージとの違いや中身について解説しました。
Creo Design Essentialsは、一番安価なモジュールではありますが、ミッドレンジのCADソフトの最上級モジュールと比較しても遜色ない機能を備えて価格は同程度というコスパの良い3DCADソフトです。業界標準の3DCAD機能に加え、AR設計機能も搭載しています。パラメトリック設計による高度なモデリングなど、設計に必要な機能は十分備わっています。
「Creoを導入したいが、どのパッケージが良いかわからない」「設計業務を効率化できれば良い」と言う方はCreo Design Essentialsの導入を検討してみてください。初めて3DCADを導入する企業や個人事業主の方におすすめです。Creoのご購入を検討している方は以下のリンクからご購入ください。
