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会話できる人工知能を作るには…重要なポイントと課題

前回に引き続き、人工知能について気になる情報をご紹介したいと思います。
今回は「会話できる人工知能を作る際の重要なポイントと課題」についてです。

AI(人工知能)の研究開発は急速に進んでおり、多くの研究者が取り組んでいる分野です。
なかでも会話をするAIの開発はハードウェアの発展と共に多くの学習データを扱うことができるようになり、積極的に研究が行われています。
AIを活用したアプリケーションも続々と開発され、人工知能とつたないながらも会話できるようなアプリケーションもたくさん配信されています。

この記事では、会話できるAI(人工知能)をつくる際の考え方についてまとめます。

近年AIの開発が進んでいる理由

近年AIの開発が進んでいる理由

AI(人工知能)聞くと、人間と会話をするロボットなどを思い浮かべる方も多いかもしれません。
ですが、人と会話をする人工知能というのはAIの分野の一部にすぎず、専門的には対話システムや対話エージェントという言い方をします。
iPhoneの携帯電話に搭載されているSiriやソフトバンクのPepperも対話システムを搭載して話題になりました。
近年の対話システムの発展は、Deep Learningというパーセプトロンを多層化した技術による研究が流行したことが大きく寄与しています。

また、ハードウェアの大幅な発達により、学習データを大量に扱うことができるようになりました。
こうした背景から、近年AIの開発は急速に進んでいるのです。

AIの開発は「学習データ」が重要

AIの開発は「学習データ」が重要

現在特に発展しているAIの分野の特徴は、学習データが大量に入手できる分野です。
囲碁や将棋がその代表で、試合の展開や流れが棋譜という形で大量に蓄積されています。
その多くがネット上で公開されており、学習データの入手に事欠きません。
このような分野では研究開発が盛んに行われ、人工知能の技術が格段に進歩していっています。

会話するAIを開発する難しさ

対話システムの開発の難しさはこの学習データの入手の困難さに原因があります。

例えば、会社で新しく始めることになる新サービスの電話応答AIを開発するとしましょう。
そういった場合、新サービスに関する疑問や質問、クレームの対応に関する学習データを集めなければなりません。
ですが、新サービスなので学習データを集める場合に1から自分たちで学習データをつくることになります。
これには膨大な時間と費用というコストがかかることになります

先にも述べた通り、現在のAIが発展してきたのは、大量の学習データを効率よく処理できるようになったことが大きな要因です。
数千、数万、場合によっては数億の学習データを処理していることがざらにあります。ですので、新しいサービスや製品に関する対話システムは、最新の技術では活かしきれないのが現状です。

このような場合、ルールベースで対話システムをつくることになります。
つまり、「こう聞かれたら、こう答える」というルールを大量に用意しておき、それでなんとか対応するという方法です。学習データが大量に用意できない場合には、シミュレーターを別途開発し、シミュレーターを使って無理やり学習データを作り出すか、できるだけ細かくプログラミングしてゆくという方法をとることになり、統計的な手法が使えないので開発が難しいのです。

学習データがあっても

AIの開発ではいかに学習データを入手するかが大きなポイントとなります。
開発したAIの性能を評価するときにも、同じ入力をしたときに同じ出力を返してくれるかという一致率で評価することになるからです。
その学習データを大量に入手できる可能性があるのが、SNSなどで発信されている雑談や会話のデータです。
近年は研究者だけでなく、企業も対話システムのAIに力を注いでいて、学習データを公開しようという動きも見られます。

「雑談」は実は高度なテクニック

「雑談」は実は高度なテクニック

ですが、雑談を学習データにするとまた、別の問題が発生します。
というのは、「今、何が食べたい?」という問いに対して「ハンバーグ」でも「カレー」でも会話としては成立し、どちらも正解であるということです。
そして、この2つの答えに優劣はありません。

このように無数に答えがあるような質問に対しては、状況によって答えが異なるため、雑談の内容だけを学習データにすると評価しにくいということになります。
「何が食べたい?」ならまだしも、「今晩のメニューは?」なら、明確な答えが一つだけ(あるいは数個)存在するのに対して、会話データだけからでは正解が判断できません
「カレー」と答えたにもかかわらず「ハンバーグ」が正解の場合もあるし、その逆もあり得ます。
会話データの学習だけでは不十分なのにもかかわらず、他に何を学習データにすればよいのかは会話の内容によって異なるということが、雑談の対話AIでは問題になります。
その結果、「なるほど」「そうですね」「わかりません」などの淡泊な答えをするAIになってしまいがちです。
というのは、これらの答えは多くの会話で登場するため、こう答えておけば会話がつながり、複雑な答えを返すより安全だからです。
スマートフォンのアプリケーションでAIアプリと会話したことがあれば、このような答えに幻滅した経験があるのではないでしょうか。

それでもAIは私たちにとって重要なツールになる

この記事では、会話するAIを開発する際の困難さや問題点がどこにあるのかを考えました。
逆に言えば、これらの問題が解決されれば、対話システムは大きく発展する可能性を秘めています。
流暢な会話をこなすAIが開発され、自然に会話できるAIがより身近になっていくのは、そう遠くないかもしれません。

こちらの記事でもご紹介したように、Fusion360を開発しているオートデスク社もAI技術の活用を率先して行っています。
今後、CADや製造の分野でもAI技術の躍進により、更に効率的にモデリングの制作が可能になっていくでしょう。

AIや人工知能について、知識が必要な時代へ

これからAIの開発が進むにつれ、ますますAIに関する知識が必要になるでしょう。
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