IoTとは?誰でも簡単にわかるIoTの仕組みと活用事例

キャド研

  • 2020年4月11日
  • 2020年5月28日
  • IoT
IoT IoTとは?

社会に様々な価値をもたらしてくれるIoTについて解説します。
今後、IoTを導入しようと検討されている企業の担当者も必見です!

IoTとは?

IoTは「Internet of things」の略でモノのインターネットという意味がります。
従来インターネットに接続されていなかった様々なモノ(センサー機器、駆動装置(アクチュエーター)、建物、車、電子機器など)が、ネットワークを通じてサーバーやクラウドサービスに接続され、相互に情報交換をする仕組みです。

最近では、スマートスピーカーやスマートロックキー、留守番カメラなどが有名ですが、家庭内以外でも、工場の稼働状況の可視化や異常検知といった産業でも幅広く使われています。

IoT事例

様々な分野で利用されているため、IoTと聞くと人によって様々なIoTの定義は実は法律できまっています。

以下、Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/モノのインターネット)からの引用です。

2016年4月20日に成立した法律により改正された特定通信・放送開発事業実施円滑化法の附則では「インターネット・オブ・シングスの実現」を「インターネットに多様かつ多数の物が接続され、及びそれらの物から送信され、又はそれらの物に送信される大量の情報の円滑な流通が国民生活及び経済活動の基盤となる社会の実現」として定義した。

IoTとM2Mの違いは?

IoTと似た概念を持つ「M2M」があります。
M2Mは、機器がネットワークに接続されることにより、機械同士が人間の介在無しにコミュニケーションをして動作するシステムで、機械から機械が情報を収集する、機械が機械をコントロールすることを目的としています。

IoTの概念とM2Mの概念は似ていますが、M2Mは機械と機械がつながるので接続可能なシステムが限られています。
機械と機械がつながることにより、人間が介在することがなくなります。
そのため、工場の生産ラインや工事現場などで活用されています。

また、M2Mは、機械が機械をコントロールすることを目的としている一方で、IoTでは、M2Mと違い収集したデータを分析し、分析した結果を機械にフィードバックしたり、データを機器の制御に利用するなどデータを高度に分析することで新たな価値を見出すことを目的としています。

IoTでできることとは?IoTのレベル

ひとことでIoTと言っても、IoTでできることは複数あります。
それが、「データの蓄積」、「可視化」、「制御」、「自動化」、「最適化」、「自律性」です。

データの蓄積

デバイスを通じてビッグデータをクラウドストレージに収集する

可視化

デバイスを通じて収集した情報を元に対象となるモノの状態や動作をモニタリング、可視化する

制御

人による遠隔操作や、プログラムによるルールでモノを制御する

自動化

データ分析により、人の手を介さずに自動でさまざまな処理や操作を行う

最適化

人工知能を利用することで、単に自動化するだけでなく条件や状況に応じて最適な処理を行う

自律性

人の手を介さず、データの蓄積/可視化/制御/自動化/最適化を行うことで自律性を備える


現在、頻繁に耳にするIoTというとデータの蓄積~制御のところまでが多いです。
例えば、冒頭で紹介したスマートロックキーは「制御」にあたります。

スマートロックキーに、家庭内のセンシングデータを基にAI(人工知能)で分析できる機能をつけ、家主が留守の際には自動で鍵を閉めるなどすることで、自動化~自律性までIoTのレベルを上げることができて、IoTの目的である、「データを高度に分析することで新たな価値を見出す」ことができるのではないでしょうか。

IoTの活用事例

宅配ピザ「ナポリの窯」を経営するストロベリーコーンズは、ピザの生地や具材を保管する冷蔵庫の扉の閉め忘れや冷却機の故障により、冷蔵庫内の温度が上がってしまうことで生地や具材を傷めてしまい廃棄していることに悩まされていました。
そこで、冷蔵庫にIoT温度センサーを設置し、無線ネットワークで庫内の温度を15分ごとにスマートフォンやタブレットで確認できるようにしました。
これにより、気温の変化や温度を一定に保てなくトラブルを未然に防いでいます。


エネルギー資源を島外に依存している沖縄県宮古島市では、IoTシステムを用いることで、離島のエネルギー課題に早くから取り組んでいます。
Raspberry Pi3をベースにIoT機器を開発し、電気給湯器やIH調理器からデータを収集・分析することで、ピーク時の消費電力を制御する節電実験を開始しています。


高速バス大手のWILLER EXPRESS JAPANは、近年増加している高速バスの事故を未然に防ぐために、約200台のバスにIoTウェアラブルセンサー「フィーリズム」の導入しました。
フィーリズムを装着することで、運転士の運転中の脈波を常時計測することができ、眠気や疲れを検知できるようになりました。
眠気や疲れの兆候が出た場合はセンサーが振動し本人に知らせ、状態が改善されない場合は、運行センターへ警報を発信し運転者に休憩の指示を出します。


神奈川県大磯で約2,600平方メートルのきゅうり農地を営む鈴木氏は、2016年にビニールハウスの中央に配置したセンサーから二酸化炭素濃度を取得し、光合成が活発な日中はCO2が欠乏しがちなため、濃度のの推移をスマホ画面でチェックし、低下したら石油ファンヒーターでCO2濃度を上げて生育促進につなげています。


大手農機メーカの株式会社クボタは、事前に有人運転で走行することで、GPS(全地球測位システム)の位置情報からマップを自動生成し最適な作業経路を算出し自動運転を設定できる、自動運転トラクターのモニター販売を2017年6月から始めました。
自動運転時に障害物を検知した場合に自動停止します。
また、農業支援クラウドサービス「KSAS(クボタ スマートアグリシステム)」と連動することで、機械の位置や稼動情報をスマートフォンなどで確認することもできます。

IoTの仕組み・構成する要素まとめ

IoTを構成する要素として代表的なものが「デバイス(センサー/アクチュエーター)」、「ネットワーク」、「クラウド(アプリ/ストレージ)」があります。

以下がIoT全体の簡略図となります。

IoT全体の簡略図

IoTデバイスである「センサー」からデータを取得し、「ネットワーク」を介して「クラウド」にデータを送信します。
送信されたデータはクラウド内の「ストレージ」に蓄積され、アプリケーションにより可視化・分析・予測されます。
可視化・分析・予測された結果を元に、アクチュエーターを制御したり、外部のサービス(PC、スマホ、ロボット、etc.)などと連携します。

デバイスとは

デバイスとは、センサー素子と連携して観測データを取得するセンサーデバイスや、データ分析の結果を受けてモーターなどのアクチュエーターを駆動する制御デバイスがあります。

センサーデバイスは、センサ素子とマイコン(CPU)がインタフェース(I/F)で接続される構成になっています。
温度、加速度、角速度、音声、画像、映像、振動、位置情報センサーなど様々なセンサーがあり、マイコン(CPU)によってセンサ素子が制御されます。
また、取得した値はWi-Fiモジュールの通信でクラウドに送られます。

代表的なアクチュエータ(モーター)の種類には以下の4つがあります。

  • DCモーター
    永久磁石の中でコイルが回転するモーター。直流電圧と負荷で回転数が決まる
  • サーボモーター
    回転を制御できるモーター。回転位置や回転速度を検出するエンコーダを持つ
  • ステッピングモーター
    1回のパルスで一定の角度だけ回転するモーター
  • 振動モーター
    重心をズラすことで振動を発生させるモーター。携帯電話のバイブ機能などで利用

ネットワークとは

ひとことでネットワークと言っても様々な種類があります。

センサデバイス

Wi-Fi

Wi-Fiとは無線LANの規格のことで、Wi-Fi Allianceという業界団体が定めた規格の名称を指します。
それまでの無線LANは規格が定まっておらず、製品やメーカーによって接続できないものが多くありましたが、共通規格を設けることで製品が相互接続が可能となりました。
Wi-Fiのロゴは、相互接続可能だと認められた製品に表記されています。
またWi-Fiルーターなどの無線LANを使用すれば、パソコンやスマートフォン、タブレットなどのデバイスを無線でインターネットに接続することが可能です。
Wi-Fiルーターは無線LAN親機と呼ばれており、Wi-Fi機器とLANの仲介を行うことができます。

3G / 4G(LTE) / 5G(移動通信システム)

3Gとは携帯電話の通信規格を指し、第3世代移動通信システムと呼ばれています。
NTTドコモが2001年にサービスを開始したFOMAもこの3Gサービスのひとつです。
LTEは厳密には3.9Gという位置付けですが、開発メーカーや販売店がLTEを4Gと呼ぶことが多かったため、LTEを4Gと呼ぶのが一般的になっています。
Wi-FiやBluetoothとの連携が可能なWiMAX2も4Gの一種です。

第5世代移動通信システムを意味する5Gは、国際電気通信連合(ITU)が定める4Gのさらに次世代の通信企画です。
通信速度は、4Gが100Mbps~1Gbpsなのに対し、5Gでは下り最大10Gbps、将来的には20Gbpsとなると予測されています。
また、省電力化により小型デバイスがバッテリーで10年間以上稼働可能なため、IoTシステムの構築にも欠かせないネットワークになることが想定されています。
5Gは高速通信が可能であることから、スポーツ観戦などの映像のリアルタイム配信や、映像のデータ分析などの活用も期待されています。

LPWAN

LPWAはなるべく電力を消費せず遠距離を行う通信方式です。
LPWAは「Low Power Wide Area」の頭文字を取った略称で、IoT向けに開発や仕様の策定が進められています。
LPWAは通信を利用する際免許が必要な「ライセンス系」と免許不要の「アンライセンス系」の2つに分かれています。

ライセンス系

  • NB-IoT(LTE Cat. NB1):IoTに特化した通信方式でLTEをベースにしています。

アンライセンス系

  • LoRaWAN:かなり低速ではありますが消費電力を抑えることができます。長距離伝送が可能です。
  • Sigfox:こちらもLoRaWANと同じく低速で、消費電力が少なく長距離伝送に向いています。

Bluetooth

BluetoothはPCやスマートフォン、タブレットなどの周辺機器によく使用されている通信技術です。
10メートルほどの小さい範囲での無線通信を行うので、マウスやキーボード、イヤフォンなどの接続に利用されています。

NFC

NFCとは「Near Field Communication」の略称で、10センチ程の狭い範囲で通信を行う近距離無線通信規格のことを指します。
リーダーやP2P機能などもこのNFCの一種です。
おサイフケータイなどに使用されている「FeliCa」もNFCと同じ機能を持っています。

クラウドとは

クラウドの役割は、「データの保存(ストレージ)」と「可視化、分析予測、制御(アプリケーション)」があります。
代表的な3つのクラウドサービスをご紹介します。

Azure

Microsoft が提供するパブリッククラウドサービスです。
AzureはPaaS、IaaS、SaaSに対応しMicrosoftやサードパーティが提供するさまざまな機能を組み込むことが可能なクラウドサービスです。

GCP(Google Cloud Platform)

Google が提供するパブリッククラウドサービスです。
Google 検索や Gmail 、YouTube 、 Google マップなど、 Google の各種サービスを支えるプラットフォームと同等の、高性能で高速、セキュアで安定した強固なインフラを利用できます。

AWS(Amazon Web Service)

Amazonが提供するパブリッククラウドサービス。
世界で1番使われているクラウドサービスで、世界18のリージョン、55のアベイラビリティーゾーンで運用されており、日本には東京と大阪にアベイラビリティゾーンがある。

IoTをはじめるために

「データ収集に向けた設備投資などの費用はかかりすぎる」と思われがちですが、創意工夫次第で小規模かつ低コストにデータ収集・分析を実現する方法はあります。

工場にある9台の射出成型機にRaspberry Piと電子センサーを取り付け可視化・分析したところ、今まで稼働率が60%だったのが、80%に改善されました。
作成にかかった価格は1セット約1万5,000円です。

小さく始めて効果確認しながら規模を拡大していけば、得られたデータを用いて業務の改善も進んでいきます。

最新のIoT活用事例10選!様々な産業に活用されるIoT技術

IoT事例10選

IoTとは、Internet of Thingsの略語であり、日本語では「モノのインターネット」という意味です。モノが生み出すデータをインターネットのクラウド上で蓄積・解析することで、モノを最適化することができる技術のことを指します。現在では、様々な産業においてIoTの技術が活用されていますが、実際にどのような場面で活用されているかはなかなか思い浮かびませんよね。そこでIoTが活用されている10の実例をご紹介していきたいと思います。

カスタマー向けIoT

自動運転システム

現在、世界中の自動車メーカーは「自動運転システム」の開発に取り組んでいます。自動車にセンサーを搭載することで、走行やブレーキを自動で行うことができます。
自動運転システムは、自動車のみならず、工場や倉庫内の搬送車、警備用ロボット、検査・宅配用のドローンなどにも活用することができ、製造業や物流はもちろん、日常生活においても役立ちます。

ウェアラブルデバイスによる健康状態の記録・管理

着用型のデバイスにより自分の健康状態を記録・管理し、医師との間で共有する取り組みが薦められています。
健康状態が悪化した際にはアラート音を鳴らして注意を促すというデバイスも開発されており、病気の予防と効率的な治療に役立つとして注目を集めています。また、ウェアラブルデバイスはペットに対しても活用されつつあります。「FitBark」は愛犬の体調データを取得して健康データを管理することができるサービスであり、集められたデータは犬の健康に関する研究に有効活用されています。

遠隔治療サービス(PlushCare)

PlushCareは、アメリカで提供されている遠隔診療サービスです。
自宅に居ながら、スマートフォンなどを通じて医者の診療を受けることができます。待合室で待つことなく診療を受けることができるのは患者にとって大きなメリットです。
また、病院側としても混雑をさけることができるだけでなく、業務の効率化を図ることができます。

サービス用IoT

配送・輸送の効率化(ヤマト運輸)

物流においてもIoTは広く活用されています。
ドローンや自動運転を配送サービスに導入することで、輸送の効率化が期待できますし、ドライバー不足の問題も解決します。
ヤマト運輸は、オンデマンド配送サービス「ロボネコヤマト」の開発に取り組んでいます。宅配便の再配達をゼロにすることを目指し、自動運転によって顧客の指定する場所に配送を行うサービスを計画しています。

自動販売機のIoT化(IoT自販機)

一般社団法人「防災・防犯自販機協会」は、自動販売機をIoT化する取り組みを進めています。国内に500万台以上設置されている自動販売機に監視カメラを設置することで、高い防犯効果が期待できます。
また、無料のWi-Fi機能や、災害情報を伝える電光掲示盤を搭載するIoT自販機を活用することで、災害時の情報プラットフォームとしての役割も期待できます。

水害を察知するマンホール(明電マンホールアンテナ)

明電舎が開発したマンホール型IoTデバイス「明電マンホールアンテナ」は、マンホールに取り付けられたセンサーから水位やガスのデータを送信することで都市浸水を未然に防ぎます。

リアルタイムの運行状況(小湊鉄道)

渋滞が課題となっているバスにおいても、IoTが活用されつつあります。日立製作所は、道路事業者や交通事業者に向けて「交通データ利活用サービス」を提供し、IoTデータを分析・可視化することで高速道路の渋滞対策やバスの運行管理を支援しています。また、千葉県の小湊鉄道ではIoTによるバス乗務員の挙動可視化を行い、より安全な交通事業への取り組みを進めています。

船舶と気象予測(ウェザーニュース)

ウェザーニュースが提供する「セーフティー・ステータス・モニタリング」は、船の位置情報や気象・海象情報を考慮し、気象予測や最適な航路提案を行っています。
Maersk Groupと提携して800隻以上もの船からリアルタイムの運行情報データを取得して活用することで、正確な気象予測を実現しています。

産業用IoT

工場情報の見える化(旭鉄工)

旭鉄工は、光センサーと磁気センサーを用いて精算システムの異常や生産個数などを検知し、工場の稼働情報を数値化して社員のスマホや社内のモニターで見られるシステムを構築しました。
取得したデータをもとに生産工程を改善した結果、稼働率は66%から80%に向上しました。IoT技術は作業の効率化に効果があるため、製造業において広く導入されています。

農業への導入(ヤンマー、ルートレック・ネットワーク)

農作機の大手メーカーであるヤンマーは、農業のIoT活用を進める代表企業です。
農作機械に取り付けられたセンサーからの情報をもとに、農業の効率化を目指す「スマートアシスト」を推進しています。
また、ルートレック・ネットワークス社は、養液土耕と呼ばれる農法とIoTを組み合わせ、データに基づき自動で水やりや施肥を行うことが出来る「ゼロアグリ」を開発しました。
IoTを農業に導入することで、農作物の品質向上や収穫量増加に役立つだけでなく、農家の働き方も変えることができます。

IoTは広範な分野で活用が期待される

IoT技術によって収集したデータは、IoTプラットフォームなどを使って収集、管理をすることが多くあります。
IoTプラットフォームについてはこちらの記事もご覧ください。

IoTが活用されている10の事例をご紹介しました。
IoTは様々な分野に活用されていますが、自動運転を例に取ってみても明らかなように、まだ発展途上の技術といえるでしょう。
今後IoT技術を生かした産業がどのように発展していくのか、期待が集まります。

まとめ

IoTを今にもでも始めたいという方は、IoT研究所が開催しているIoT入門セミナーがおすすめです。Raspberry Piを利用して、「センサーデータの取得・可視化」する方法や「AIによる不審者を検知するカメラ」を実際に作成しながらIoTの入力から出力までを学ぶことができるおすすめのセミナーです!

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