幾何公差とは?概要から測り方、種類まで徹底解説!

キャド研

精度が要求される部品などを作る際、幾何公差の考慮はとても重要なものです。
また、幾何公差を考慮した図面を書くためには幾何公差について正しく理解する必要があります。
そこでこの記事では、幾何公差とは何かという基礎から、幾何公差の種類、測り方までを解説していきます。

幾何公差(きかこうさ)とは?

幾何交差の読み方は「きかこうさ」と読みます。知らないと難しい読み方ですよね。
それでは早速、幾何公差とは何か詳しく解説していきたいと思います。

幾何交差とは加工誤差の基準!

部品を機械によって切削加工する際、正しい数値を図面上で指示していても、どうしてもわずかな加工誤差が生じてしまいます。
この加工によって生じる誤差をどこまで許容するのかという基準を、幾何公差と呼びます。
一般的な図面にはこの幾何公差の表記は必要ありませんが、精密部品の場合はわずかな誤差も許されませんので、幾何公差の表記が必要になります。

サイズ公差(寸法公差)との違いは何?

ここで皆さんが疑問に思われるのが、一般的に使用される「サイズ公差(寸法公差)」と何が違うの?という点だと思います。
確かに、図面上では「○○㎝±1㎜」というような加工誤差を考慮した表記が多いでしょう。
こうした表現は一般的にサイズ公差(寸法公差)と呼ばれ、寸法的な制御を表します。
つまり、サイズ公差は、「ここまでの寸法範囲内であれば加工誤差を許容しますよ」という寸法的な基準です。

それに対して幾何公差とは、部材の形状や平行さ、傾き、位置や振れなどを制御する基準を指します。
例えば、表面が平滑な部材を設計した場合、「±1㎜までは許容しますよ」というサイズ公差だけを示すと、表面が波打ってしまった部品が完成しても、サイズ公差の範囲を超えていなければ基準を合格してしまいます。
それでは意図した部品にはならず、精密部品の場合は困りますよね。
そこで、幾何公差を使うと部材の形状や平行さ、傾き、位置や振れを規制することができますので、思い通りの形状の部品だけを基準に合格とすることができるのです。
つまり、幾何公差は「こういう形にしてね」という形状の加工誤差の許容値を示すものです。

これらの幾何公差とサイズ公差を組み合わせて図面表記することで、設計図通りの正確な部品を制作することができます。

幾何公差の種類は何がある?

幾何公差は簡単に解説すると先述した通りなのですが、実際は「平滑な部材にしてね」などという簡単なものではなく、形状などに関するいくつかの細かい種類があります。
幾何交差には大別して、「単独形態」と「関連形態」の2つがあります。
また、単独形態と関連形態の2つの分け方に対して、「形状」,「姿勢」,「位置」,「振れ」の大きく分けて4種類の幾何公差の分類が存在します。

単独形態とは?

単独形態とは、先述した板状の部材のように、「その部品自身の形状に関して指定するもの」です。
単独形態の中には、「形状」の幾何公差の種類が存在します。
形状の幾何公差の中でも様々な種類がありますが、簡単なものをいくつか紹介していきます。

真直度

真直度は、「直線形体の幾何学的に正しい直線からの狂いの大きさ」と規定されています。
つまり、真直度とはどれだけ直線なのかという部品の真っ直ぐさを指定するもので、部品の反りや曲がりを規制する基準です。

円筒度

円筒度は、「円筒形体の幾何学的に正しい円筒からの狂いの大きさ」と規定されています。
これはわかりやすいのですが、円筒度とは、狂いの無い真円でまっすぐな円筒の部材を指定する基準のことです。

関連形態とは?

関連形態とは、他の直線に対する平行など、「他のものとの関係を指定するもの」です。
関連形態の中には、「姿勢」、「位置」、「振れ」の3つの幾何公差の種類が存在します。
これらの幾何公差の中でも様々な種類が存在しますが、簡単なものをいくつか紹介していきます。

平行度

平行度は「データム直線、データム平面に対して平行な幾何学的直線または幾何学的平面からの平行であるべき直線形体又は平面形体の狂いの大きさ」と規定されています。
平行度とは「姿勢」を制御する公差なのですが、要するに平行度とは、基準線や基準面から平行でありなさいよという基準のことです。

位置度

位置度は、「データム直線または他の形体に関連して定められた理論的に正確な位置からの点、直線形体または平面形体の狂いの大きさ」と規定されています。
位置度は「位置」を制御する公差で平行度の考え方と似ていますが、基準線や基準面から一定の位置を指定するものです。

円周振

円周振は、「データム軸直線を軸とする回転面を持つべき対象物又はデータム軸直線に対して垂直な円形平面であるべき対象物をデータム軸直線の周りに回転したとき、その表面が指定した位置又は任意の位置で指定した方向に変位する大きさ」と規定されています。
定義がとても長く難しいですが要約すると、円周振とは円形の部材を回転させたときに、部材表面の振れが一定の範囲内になければならないという基準のことです。

幾何公差はどうやって測る?

幾何公差の種類をいくつかご紹介してきましたが、幾何公差を表記するにはその測り方を理解していなければなりません。
そこで次に、幾何公差の測り方の中で代表的なものをいくつかご紹介します。

定盤(じょうばん)

定盤は形状公差の測定に使用する水平の台です。
形状公差とは真直度や平面度といった、部品の形状に関する公差のことです。
これらの幾何公差を測定する為に定盤を用いるのですが、定盤も正確には小さな凹凸があって完全な水平面ではないため、JISによって定められた等級を利用して幾何公差を測定していくことになります。

ダイヤルゲージ

ダイヤルゲージはハイトゲージと呼ばれる台の先端に取り付けて使い、ブロックゲージと呼ばれる平行や高さの幾何公差を測定する機器と一緒に用いて差を計測したり、平行度や回転振れなどを測定したりしていきます。
ダイヤルゲージは様々な分野で用いられる測定器ですが、測定したい部品とは別の基準となるものとの差が、メモリやデジタル表記によってその場で視覚的に測定できる便利な機器です。

上記の測定機器を使用する以外にも幾何公差を測定する方法は様々ありますので、たくさんある幾何公差の種類に合わせて適切な測定方法を選びましょう。

幾何公差とは?まとめ

ここまで、幾何公差の基礎から幾何公差の種類、測り方までを解説してきました。
精度の必要な部品の制作では、この幾何公差を設計図面に表記することが非常に重要になってきます。
正確な部品を作るためにも、幾何公差を正しく理解して図面表記をしていきましょう。

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