こんにちは。
2019年11月28日から、デスクトップ型産業用光造形3Dプリンター「PartPro 150xP」が国内で販売されました!(キャド研のこちらの記事でも紹介しています。)
同日に行われた「PartPro 150xP」発表イベントに参加してきたので、今回はそちらの様子をレポートします!
実際の造形物なども写真におさめてきたので、ぜひ見てみてください。
「PartPro 150xP」発表イベントについて
発表イベントは、販売元の株式会社イグアスさん(以下イグアス社)が主導して開催されました。
メーカーのXYZプリンティングジャパン株式会社さん(以下XYZ社)が協賛しているほか、ユーザー活用事例のゲストスピーカーとして株式会社SELECT Dさんが参加しています。
「PartPro 150xP」発表イベントの流れ
発表イベントは13:00スタート。
各社からスピーカーが登壇し、それぞれの目線から「PartPro 150xP」について紹介があります。
「PartPro 150xP」発表会の流れ
- 新製品「PartPro 150xP」のご紹介(XYZ社)
- 新製品「PartPro 150xP」実機デモンストレーション(XYZ社)
- ゲストスピーカープレゼンテーション(株式会社 SELECT D)
- 「PartPro 150xP」目的別活用方法のご紹介(イグアス社)
など。
各15分くらいで進んでいきました。
「PartPro 150xP」の発表と紹介
まずは、このイベントの核となる「PartPro 150xP」の発表です。
最初に光造形3Dプリンターの需要についてお話がありました。
3Dプリンターの売り上げの中で、光造形方式(SLA法)は全体の11%を記録しているそうです。(すごいですね!)
そのほとんどが産業機であり、年々ニーズが高まっているということでした。
「PartPro 150xP」への期待が高まります。
「PartPro 150xP」の機能と特徴
今回発表された数ある特徴の中で、私が個人的に気になったところを抜き出します。
「PartPro 150xP」の機能と特徴①豊富な造形材料
「PartPro 150xP」は、
- クリアを含むスタンダード
- フレキシブル
- ABSライク
- PPライク
- 高強度
- 高耐熱
- キャスタブル
といった材料に対応しています。
「PartPro 150xP」の機能と特徴②コンパクトなのに造形サイズが大きい
「PartPro 150xP」はとてもコンパクトなデスクトップ型の3Dプリンターでありながら、最大造形サイズ:150×150×200mm(幅×奥行×高さ)と造形サイズが大きなところが良いですね。
(光造形法で有名な3Dプリンターを例に出すと、Form2の最大造形サイズが145×145×175 mmです。)
デザインや機能の改善により造形物の落下を低減したことで、このサイズの造形が可能になったそうです。
「PartPro 150xP」の機能と特徴③. 造形スピードが速い
「PartPro 150xP」は、従来のガルバノミラー方法よりも照射スピードが早いポリゴンミラーを用いた、独自開発のレーザースキャニングユニットを搭載しているそうです。
なんと従来システムの約2倍の造形スピードを実現しているのだとか。
これまでの2倍…ということは単純に半分の時間で、今までのような造形ができるということになります。
この進歩はかなり大きいと感じました!
「PartPro 150xP」実機のお披露目
そして実際に「PartPro 150xP」が登場。
イベントが始まる前は赤い布で覆われていたので全貌を見るのはこのときが初めてです。
第一印象は、とにかく小さい!
コンパクトもそうですが、個人的にはスマートという言葉が合うような、スタイリッシュな3Dプリンターだと思いました。
XYZ社の企業カラーである赤を基調とした筐体です。
正面のカバーを開くとこんな感じです。
材料のレジンは専用のものを使用します。
管が二本通っているのがレジンです。
画像のようにレジンボトルを機械にセットすれば、材料が自動的にタンクに充填される仕組みになっています。
センサーが付いているので材料が無くなったときも知らせてくれるそうです。
プラットフォーム(上)とレジンタンク(下)です。
プラットフォームはスライド、レジンタンクは引き抜くことで、簡単に取り外しができるそうです。
操作が簡単なところはさすがXYZ社の3Dプリンターですね。
レジンタンクはこのようにセットします。
操作パネルに「印刷が一時停止されました」とありますが、一時停止できるところも従来のXYZ社の光造形機には無い、新しい機能というお話でした。
材料が切れてしまっても、途中から復帰できるのは安心ですね。
実際にソフトウェアを動かす場面もありました。
3Dデータを読み込んで、付属するサポートなど印刷の設定をしているところです。
「PartPro 150xP」の造形物
続いて株式会社SELECT Dさんによる、「PartPro 150xP」の事例紹介がありました。
かなり細かい部分まで早く造形できるので、ものづくりにとても重宝しているそうです。
実際の造形物が並べられていました!
「PartPro 150xP」造形物の全体
大きなものから小さいものまで、幅広いサイズで造形できています。
「PartPro 150xP」造形物:かまきり造形
株式会社SELECT Dさんによる造形です。
サポートが付いた状態なので少しわかりづらいかもしれませんが、枝に乗っているかまきりです。
触覚や足の細かな部分まで、かなり精密に造形できていて驚きました。
「PartPro 150xP」造形物:人間ダイス
こちらも株式会社SELECT Dさんによる造形物です。
人型ダイスは、組体操のように積み重ねたり座らせたり、工夫次第でいろいろな遊び方ができるというものです。
(調べたら、浅草にある「ささのや」さんというおでん屋さんで、実際に箸置きとしてもらえるみたいです。ちょっと気になります。)
灰色のモデルはグレイレジンを使用、それ以外はクリアレジンで造形されたそうです。(彩色やメッキ加工で表面の色を変えています。)
モデルは同じでも、後加工のやり方次第で、これだけ表情の違う造形ができるんですね!
「PartPro 150xP」の価格は……?
気になる「PartPro 150xP」のお値段は、459,800円です。
これだけの機能と精度がありながら、税込価格にしても50万円以下で購入できるのは驚きました。
低予算で光造形が実現できるというのは、今後のものづくりにも大きく影響するのではないでしょうか。
「PartPro 150xP」の発表イベントに参加してみて まとめ
「PartPro 150xP」はまず見た目がスマートでかっこ良いと思いました!
デスクトップ型なのでオフィスにも置くことができ、13kgと軽量なところも良いですね。
XYZ社の強みでもある「誰でも簡単に使用できる操作性の良さ」は、この「PartPro 150xP」も例外ではなく、シンプルな設計なので、初めて光造形の3Dプリンターを導入するという企業にもフィットする製品だと思います。
Fabmart(ファブマート)での取り扱いはまだ未定ですが、今後ラインアップに加わったら良いなーと思いました!