facebook

【2024】業種別CAEソフトの種類と機能を徹底比較!自分に合うソフトウェアを見つけよう

こんにちは濱谷です。

「CAEソフトってどれを選べばいいの?」「どんな用途で使えるソフトなの?」と疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。今回は、CAEを活用するメリットやCAEで行われる解析の事例、業界別CAEソフトの種類などについてまとめてみました。CAEの導入を検討する際に役立ててください。

CAEとは?

CAEとはComputer Aided Engineeringの略で、一般的に「解析」の意味で使われる用語です。

CAEは「きちんと機能するよう設計する」「機構・構造設計」といった「Engineering」のニュアンスが強い用語です。そのため、CADを利用する職業の中でもデザイナーが使うというより、エンジニア業務の中で使われることが多い用語です。

特に、3DCADデータによる「ものづくり」を行う過程で、設計から開発までを完結させるには、CAEの活用が必要不可欠です。

CAEといっても種類は多岐に渡ります。一般的にイメージしやすいのは、橋や建物などの建築物ではないでしょうか。

CAEイメージ-建築物

建築家は、『ラーメン構造か?ブレース構造か?力を集めるか?分散か?』といった構造計画から始まり、構造設計、構造計算を行います。最終的には「建物が壊れないように部材断面を決める」ことになります。

また、メカ系のエンジニアに最も親しまれているのが「構造解析」です。

構造解析

さらに、静解析と動解析に分かれますが、それ以外にも、「熱伝導解析」「固有値解析」「流体解析」「樹脂流動解析」などがあります。図に表すと、以下のようなイメージです。

イメージ図

最近では、構造解析の結果をデザインデータ(3DCADモデル)へ直接フィードバックし、人が考え付かないような3Dデータを作成する技術も出てきています。(別記事:ジェネレーティブデザイン

ジェネレーティブデザイン

そもそも決して安くないCAEソフトを買ってでも、CAEを活用するメリットは何でしょうか?

それは、設計の品質向上、試作品の製作回数の激減、などソフトウェアの金額を上回るメリットが見い出せることが、一番の要因といえるでしょう。

例えば、単純なものでも、大きい、というだけで試作品の製作コストが数千万円することもあります。
設計ミスした場合、その数千万円が泡と消えるわけですから、デジタル上で強度試験ができるのであれば、やらない手はないわけです。

また、10~20年前と比較すると、PCスペックが向上したり、クラウドの演算サービスが出てきたりしているので、大規模な解析演算が気軽にできるようになってきています。

CADとの違い

同じような用語に、CADがあります。こちらは、Computer Aided Designの略で、「デザイン・設計」という意味です。

CADはデザイナーから機構・構造設計をメインとするエンジニアまで、幅広い場所で用いられており、どちらかといえばデザインの意味合いが強い単語となっています。

具体的にいえば、CAEでは、機構・構造設計を行うために、モデルにかかる力やその分散を計算します。実際に製品化した際にどの部分に脆弱性があるのかを計算し、破損しないようなパーツを組み立てるのがCAEの目的です。

一方で、CADはそういった解析を行うのではなく、モデルの形状を設計・検討するためのソフトです。つまり、CADとCAEでは使用する目的が異なるのです。また、CADには2次元上の図面で表現する2DCAD、3次元上で立体として表現する3DCADがあります。

CAMとの違い

CAMは、Computer Aided Manufacturingの略で、製品や部品の製造・加工を行う際に必要な制御プログラムを作成するツールとなります。そのため、一般的にはCADで制作した3DデータをCAMに出力し工作機械を使用して加工を施します。つまり、現物に起こす際に必要となるのがCAMということです。

CAEが「実物を作らずにコンピューター上でシミュレーション・解析できるツール」なのに対して、CAMは「実物を作ってシミュレーション・解析するためのツール」だと理解できます。

CAEを活用するメリット

CAEを活用することにはどのようなメリットがあるのでしょうか?ここでは、主なメリットを5つ紹介します。

コストを削減できる

一般的に、製品を製作する場合は試作品をいくつも製作し、耐久度を確認する必要があります。仮に試作品でミスや不具合が生じた場合は、再度設計から行い、新たに試作品を製造する必要があります。そのため、リテイクの回数が増えるほどコストがかかるでしょう。

ところが、CAEを使用して解析を行えば、試作品を作らずにある程度の耐久度を把握できます。試作品を複数作らずに耐久度を計測できるため、コストカットに役立ちます。

難しいシミュレーションができる

CAEは数値に基づいた正確な計測ができるソフトウェアです。そのため、精度の高い解析結果を算出できます。試作品を使用した解析では、検討が難しいものでもCAEソフトなら実行できたり、毎回同じ条件で解析が行えたりというメリットがあります。

たとえば、1,000度の条件で使用するパーツがあった場合に、試作品では、1,000度の環境を毎回作り、検証する必要がありますが、CAEソフトを使用する場合、1,000度の環境を簡単にシミュレーションできます。

環境保全に役立つ

試作品を製造する場合、大量の廃棄物が発生することになります。また、試作品にミスが発覚した場合、再度新たな試作品を作る必要があり、過去の試作品は廃棄対象となるでしょう。しかし、CAEを使用すると、そういった廃棄物が発生せず環境保全に役立ちます。

DX推進につながる

DX(Digital Transformation)推進にも役立ちます。

DXとは、会社の成長や競争力を高めるために、デジタル技術を使って業務そのものを改善することです。DXは幅広い業界に取り入れられており、今後ますますDXの推進が期待されるといわれています。

そういった中で、CAEソフトウェアを使用することで、これまで難しいとされていた製造業界のDXを進めることに役立ちます。

開発期間を短縮できる

CAEを使用せずに試作品を製造する場合、実験と試作を何度も繰り返しながら製品の精度を高めていく必要があります。一方で、CAEを使用する場合、コンピューター上で素早くシミュレーションできるため、検証にかかる時間を大幅に短縮できるでしょう。

また、検証期間の短縮によって開発期間も大幅に短縮できるため、開発工程の効率化が進められるというメリットもあります。

CAEで行われる解析の例

次に、CAEで行われる解析の具体例を紹介します。

飛沫の検証

密閉空間の飛沫の検証は、CAEで行うことができます。

近年、新型コロナウィルス蔓延によって、感染予防対策が必要不可欠となりました。その際、どのように換気扇を取り付ければ飛沫拡散を防げるか、またマスクを着用することでどれほどの効果が得られるかといったポイントが重要となります。

実際、密閉空間で飛沫を計測する場合、安全に実験ができる人員を雇ったり、場所を確保したり、飛沫が確認できる環境を作ったりという手間が発生します。しかし、CAEを使用することで、すべてをシミュレーションで実行できるため、効率良く検証ができるのです。

液体の流動検証

CAEでは、液体の流動を検証することが可能です。

たとえば、配管に粒子が入り込んだ場合、どの程度の粉末の付着力であれば配管が詰まってしまうのか、どのような形であれば詰まらないか検証する際に、CAEが便利です。

こういった検証を現実で行う場合、同一環境を用意する必要がある上、条件を一定にすることが極めて難しいというデメリットがあります。しかし、CAEなら毎回同じ条件で検証を行えるため、液体の流動検証にも大きく役立つでしょう。

電熱解析

電熱解析にもCAEソフトが役立ちます。

たとえば、ビルで火災が発生した場合に、どの部分から変形していくか、また、どの部分から倒壊していくかがわかります。こういった解析を行うことで、脆い部分を改善できるため、安全な建築物を建てることが可能です。

ミニチュアを使用して解析を行う場合、実際の環境とは異なるため、適切な検証結果が得られないケースもあります。一方、CAEソフトなら物理計算で適切なデータを算出できます。

電磁場の解析

電磁場の解析にもCAEソフトが役立つでしょう。

たとえば、モーター内部のどの部分に磁力が発生するか、熱によって磁力の性能が低下する可能性があるのかを計算できます。また、電磁場の影響でモーター内部の温度や熱源を特定したりなど、より現実的な解析結果が得られます。

振動の解析

振動の解析にもCAEソフトが役立ちます。

たとえば、最大規模地震時の構造物の振動を計測したり、振動による高層ビルの倒壊検証を行ったりすることが可能です。また、自然災害が発生した際、どこに逃げれば安全かという検証を行う場合にも役立ちます。

実際に発生させることが困難な現象でも、CAEソフトを使用することで、解析が可能です。

CAEが活用されている主な業界

続いて、CAEが活用されている主な業界を3つ紹介します。

自動車業界

1つ目は、自動車業界です。

自動車業界では、実物で検証を行う場合、多くの部品が破損してしまいます。その結果、大幅なコストと時間を要することもあるでしょう。

一方で、CAEを使用すれば、自動車の設計段階である程度のシミュレーションができるため、大幅なコストをかける必要がありません。

もちろん、実物にしたときに解析結果と若干異なることもありますが、CAEの解析データと実物をすり合わせれば、安全に利用できる自動車を効率的に製造できます。

電子工学

2つ目は、電子工学です。

電子工学をもとに、半導体や電子部品を製造する際にもCAEが役立ちます。特に、電気関連の部品は精密に製造する必要があり、何度も試作、検証を行うことが必要不可欠です。

また、現実では見えない電磁場や熱などを検証する必要があり、試作品を製造して検証することが難しい分野でもあります。

しかし、CAEを利用すれば、熱や光の移動、電磁波まで適切なデータを確認できます。さらに、こういった検証には危険性がつきものですが、CAEなら事故を発生させることなく、安全に検証ができるでしょう。

ヘルスケア業界

3つ目はヘルスケア業界です。

たとえば、手術前のシミュレーションや、衛生状況の確認などにCAEソフトが用いられます。

特に、手術など人体に影響を与える可能性がある検証も、CAEを使用すれば安全に検証できるというメリットがあります。

CAEソフトまとめ

ANSYS Discovery Live:ANSYS社

ANSYS Discovery Live

● 概要

ANSYS Discoveryシリーズは、SpaceClaimを軸とした3次元CADとCAEが一体化した、設計者向け製品群です。3次元で設計したCADモデルを、一般的なCAEとは桁違いのスピードで瞬時に解析。すぐに結果が検証することで、初期設計の開発コスト大幅削減に貢献します。

● 主な機能

Discovery Ultimate

  • 構造解析:線形、幾何学的非線形(大変形など)、接触、材料非線形(塑性)、モーダル解析、応力寿命疲労、ひずみ寿命疲労
  • 伝熱解析:定常伝熱解析、過渡伝熱解析、伝熱携帯として、熱伝導、熱伝達、輻射に対応。
  • 流体解析:定常流れ、非定常流れ、単相流流れ、多孔質媒体、伝熱(共役熱伝達(CHT)、自然対流)、粒子追跡
  • 電磁界:静磁場解析、交流地場解析、温度依存性材料特性及び温度条件

また、多くの連成解析<流体-構造(片方向)、構造-モーダル、熱‐構造など>に対応している。

● 価格

要問合わせ

ANSYS Discovery Live

Ansys Mechanical:ANSYS社

Ansys Mechanical

● 概要

ANSYS Mechanicalは、構造解析と伝熱解析機能を全て備えたパッケージです。「Mechanical Pro」、「Mechanical Premium」、そしてフラッグシップ製品である「Mechanical Enterprise」で構成されており、エントリーレベルからアドバンスレベルまでシンプルかつスケーラブルにステップアップしていただくことが可能です。有限要素法解析のフラグシップツールとして、主要な3DCADの多くにアドオンとして利用されています。

● 主な機能

  • ANSYS Mechanical Enterprise:ANSYSの構造解析・伝熱解析すべての機能をカバーしているほか、容易に連成解析を行うことができる「ANSYS AIM」も搭載したフラッグシップモデル
  • ANSYS Mechanical Premium:Mechanical Proの機能に加え、高度な非線形応力解析や線形動解析などが利用できるミッドレンジ・モデル
  • ANSYS Mechanical Pro:線形構造解析や接触解析、伝熱解析、疲労解析など、汎用的な解析機能を利用できるエントリーモデル

● 価格

要問合わせ

Inventor Nastran

Fusion 360:Autodesk社

Fusion 360

● 概要

Fusion360は、Autodesk社が提供している高機能3DCAD/CAM/CAEソフトです。3DCAD機能に加え、豊富なCAE機能が搭載されています。

従来、数百万円していたCAEソフトですが、Fusion 360は年間約6万円と安価で使用でき、さらに高機能であるため、3DCADを活用した設計者解析を推進する為のCAEソフトとして、注目を浴びています。世界初のクラウドベースの3DCAD+CAE製品で、使用するPCに過度なスペックを求めないで利用可能な製品です。ただし64ビット専用です。

● 主な機能

構造解析機能として、静的応力解析/モード周波数/座屈/非線形静的応力解析/イベントシミュレーション(プレビュー)の5種類、熱伝導解析として、定常の熱解析/熱応力解析 の2種類、また、解析結果をモデルに適用させる「シェイプ最適化」と、さらに、AIに形状提案させる最先端技術の「ジェネレーティブデザイン」も使用できます。

クラウドベースのソフトなので、計算は全てクラウドで行います(一部ローカル計算が可能です)。計算をする際は、都度クラウドクレジットを支払う必要がありますが、必要な分を必要な時に買う、という今の時代のサービスとして注目されています。クラウドベースのソフトなので、簡単にデータ共有ができます。

● 価格

年額56,000円(税別)、月額7,000円(税別)、3年間151,200円(税別)

購入・無料体験版ダウンロード
Fusion 360

Fusion 360の詳しい機能紹介はこちら
入門者向け Fusion 360セミナーはこちら
製造業・法人向けFusion 360セミナーはこちら

Inventor Nastran:Autodesk社

Inventor Nastran

● 概要

Fusion 360と同じAutodesk社が提供しているプロフェッショナル向けのCAEソフトです。3DCAD機能と図面機能は、プロフェッショナル向けの3DCAD Inventor をベースに、CAEとしてNastranが搭載されています。非線形解析に高度な解析機能を有しており、疲労解析、非定常熱解析などに対応しています。

● 主な機能

構造解析機能として、次のものが搭載されています。

  • 自動落下試験(投射物の衝突や仮想落下試験)
  • 線形静的応力固有値解析応答スペクトル解析(地震と風荷重を考慮した解析)
  • 線形座屈解析静的疲労解析衝撃解析(非線形を考慮した衝突イベントと落下試験の計算を同時に行う)
  • 周波数応答、熱伝導解析として、非定常の熱伝導解析

1回の仮想試験で、金属やゴム、軟部組織などをモデル化できる、高度な材料モデル機能や、フレーム ジェネレータによる梁の理想化、スライド、摩擦、溶接などさまざまなパーツの接触を高精度でシミュレートモデル化する機能を保有しています。

● 価格

426,000円/年間、月額52,920円(税別)、3年間1,152,360円(税別)

Inventor Nastran

Inventor - PDMCパッケージのご紹介

HyperWorks :Altair社

HyperWorks

● 概要

HyperWorks は製品開発に必要な構造、衝撃、機構、流体、電磁場(波)、最適化に加えて、プレス、鋳造、押出成形用の各種ソルバーや、それらを使用するためのプリ・ポストプロセッサを備えた統合CAE プラットフォームです。共通のライセンスで全ての製品を利用でき、幅広い問題に適用できます。主要な自動車OEM、重工メーカー、電機メーカー、その他の業種でも幅広く利用されています。

● 主な機能

ほぼ全ての解析機能を有しており、それぞれの解析用に適切なソルバー(解析エンジン)を使用しています。

  • 構造解析・構造最適化ソルバー OptiStruct
  • 非線形・衝撃解析・連成解析ソルバー Radioss
  • 熱流体(CFD)解析ソルバー AcuSolve
  • 高周波電磁界(EM)解析ソルバー FEKO
  • 低周波電磁場 / 熱シミュレーションソフトウェア Flux
  • 電波伝搬と無線ネットワークプランニング WinProp
  • 粒子法ベースの流体シミュレーション nanoFluidX
  • マルチスケールモデリング Multiscale Designer
  • 複合領域設計性能スタディ・最適化 HyperStudy
  • マルチボディダイナミクス(MBD)ソルバー

● 価格

要問合わせ

HyperWorks

Simcenter 3D:シーメンスPLMソフトウェア社

Simicenter 3D

● 概要

Simcenter 3Dは、Siemens PLM Softwareが提供する、設計、1Dシミュレーション、試験、データ管理に関する、スケーラブルでオープンな拡張性に優れた3D CAE向けの統合環境です。組み込まれた業界トップのジオメトリ編集、関連性を維持したシミュレーションモデリング、複数領域のソリューションに業界の専門知識を組み合わせて、シミュレーションプロセスの処理を加速します。Simcenter 3Dは、スタンドアロンのシミュレーション環境として利用可能です。

● 主な機能

構造、音響、フロー、熱、機構、および複合材の解析だけでなく、最適化やマルチフィジックスシミュレーションにも対応しています。

● 価格

要問合わせ

Simicenter 3D

SIMULIA :Dassault社

SIMULIA

● 概要

SIMULIAは、Abaqus FEA、fe-safe、Isight、Tosca、Simpack、Simpoe、SIMULIA SLMなど、マルチフィジックス、プロセス統合、最適化に対応する高度なシミュレーション製品ポートフォリオを提供します。業界アプリケーションのユーザーと設計者およびエンジニア向けにロールを提供し、毎日の製品設計作業を通じてシミュレーションを利用できるようにします。シミュレーション・テクノロジーには、構造、流体、プラスチック射出成形、音響、および構造アプリケーションが含まれます。

● 主な機能

設計者およびエンジニア向けに、構造、流体、プラスチック射出成形、音響、および構造アプリケーション。最先端の物理シミュレーション・テクノロジーとして、構造、流体、マルチボディおよび電磁気シナリオの強力なシミュレーション。Simulation Data Science分野の機能を利用して、強力な結果分析を行うことが可能。

● 価格

要問合わせ

SIMULIA

流体解析ソフトまとめ

Ansys Fluent:ANSYS社

Fluent

● 概要

Fluentソフトウェアは、産業用途向けに、流れ、乱流、伝熱、そして反応のモデリングに必要な幅広い物理モデリング機能を搭載しています。これらの用途は、航空機翼上の気流から火炉内の燃焼、気泡塔から石油プラットフォーム、血流から半導体製造、さらにクリーンルーム設計から排水処理プラントに至るまで、広範囲に及んでいます。

● 主な機能

Fluentは、筒内燃焼、空力音響、ターボ機械、さらに混相流システムのモデリング機能を備え、特殊モデルを含む幅広い領域を網羅しています。

● 価格

要問合わせ

Fluent

CFD:Autodesk社

CFD

● 概要

Autodesk® CFD には流体の流れと熱伝達をシミュレーションできる数値流体力学用ツールが搭載されており、実際の製造に取りかかる前に製品性能の予測、設計の最適化、製品動作の検証を行えます。

● 主な機能

熱伝達シミュレーション、建築と MEP への応用、MEP ツールとしての応用、産業フロー制御、柔軟なクラウドの解析オプションまた、自由サーフェスモデリング機能では、液体と気体の間のインタフェースをシミュレートできます。波、スロッシング、流出などの流れ現象をモデル化することができます。

● 価格

要問合わせ

CFD

樹脂流動解析ソフトまとめ

Moldflow:Autodesk社

Moldflow

● 概要

プラスチック射出成形用の専用解析ツールです。プラスチック射出成形のシミュレーション ソフトウェアである Moldflow® は、製造上の欠陥を低減させるのに役立ちます。射出成形金型設計、プラスチック部品設計、および射出成形プロセスのための各種ツールを利用できます。

● 主な機能

成形品最適化スタディ、冷媒流解析、収縮と反り、バルブ ゲート開閉の制御、二材射出成形シミュレーション、半導体封止成形、粉末射出成形、誘導加熱、熱可塑性樹脂射出成形、金型の冷却、ランナー バランスなど、プラスチック成型金型の設計には必要不可欠な機能が揃っています。

● 価格

要問合わせ

CAEを導入する際の注意点

CAEを導入する場合、把握しておきたい注意点が3つあります。ここでは、主な3つの注意点を紹介します。

CAE解析に特化した技術者が必要

1つ目の注意点は、CAE解析に特化した技術者が必要だということです。CAEを使用するためには一定のスキルと知識が必要で、初心者には使用が難しいものです。

たとえば、ソフトウェアの使用方法はもちろん、現実味のある解析モデルの作成、信頼性の高い解析、解析結果の適切な評価などを行わなければなりません。

そういった知識を保有するためには、分野に対する深い学習が必要です。また、人材を募集してもなかなか求める人材がおらず、技術者を雇うハードルが高いことも挙げられます。

CAE解析で出た結果が必ず実現できるわけではない

CAE解析で得られた結果は、必ずしも実現できるわけではないことを理解しておきましょう。

CAE解析では、精度の高い結果を導き出すことが可能です。しかし、あくまでシミュレーション上の結果であるため、製品化した際にCAEの解析結果を参考にしたにもかかわらず、問題が発生することがあります。

CAE解析である程度の予測値を把握することは問題ありませんが、CAE結果を鵜呑みにして試作品を作らずに実際の製品に反映させることは避けるべきです。

保守費用がかかる

CAEソフトウェアを利用する場合、ソフトウェアの購入費用だけでなく、多くの保守費用が発生します。具体的には、ソフトウェアを導入するためのマシンの購入費用や、使用する人材の教育費、ソフトウェアの年間保守費用、故障時の修理費用など、多くの経費がかかります。

これらの保守費用のことも計算した上で、導入すべきかを検討しましょう。また、規模の小さな会社で、実物でもシミュレーションできる製品をCAEでシミュレーションする場合、かえってコストがかかるケースもあるため注意が必要です。

まとめ

今回は、CAEソフトを活用するメリットや注意点、実際に活用されているシーンなどについて解説しました。

業務で高機能なCAEを利用しようとすると、数百万円のコストがかかります。しかし、適切なCAEツールを選択することで製造のコストを抑えられる可能性があるため、予算と相談しつつ、導入を検討してみると良いでしょう。

たとえば、Moldflowは、プラスチック樹脂成型に特化したCAEとなっているため、金型製作を行う会社ではよく見掛けます。また、風洞実験を行う設備が必要な場合、大幅な時間と高額な費用が発生するため、流体解析ソフトを使用して事前に解析しておくと、コスト削減の効果を実感できるでしょう。

今回紹介したCAEソフトウェアは、すべて3DCADで設計されたモデルがあることが前提ですので、今お使いの3DCADと親和性の高いCAEソフトを選択することが大切です。

また「これから簡単な構造解析からはじめたい」という方は、Fusion 360を利用することで、3DCAD、CAEの両方のコストを抑えられます。他にも、クラウド演算が使えるCAEであれば数百万円するパソコンを購入しなくてよいというメリットがあり、コストを抑えたい企業には役立つでしょう。

多くのCAEソフトウェアが、30日間の無料体験版を用意していますので、一度ダウンロードして試してみてはいかがでしょうか?

それでは、また!

関連記事

業種別CAEソフトの種類と機能を徹底解説
最新情報をチェックしよう!