3DプリンターメーカーのFormlabsが4月2日、同社の製品ラインアップに新たに「Form3」と「Form3L」の2機種を追加すると発表しました。
Formlabsといえば、デスクトップ型の光造形(SLA)方式3Dプリンターのパイオニアとして有名です。
2015年に発売された「Form2」は、業務用機器に匹敵する最高品質の造形を実現した高機能プリンターとして、さまざまな分野で高い評価を得ている人気製品です。
Form2の登場から4年、今回新たに発表された次世代機「Form3/3L」は一体どんな3Dプリンターなのでしょうか?
Form3/Form3Lは最新技術LFSプロセスを搭載
「Form3/3L」では、新たにLFS(Low Force Stereolithography)と呼ばれる手法が採用されます。
LFSは、Form2で採用している同じ光造形(SLA:Stereolithography Apparatus)方式でありながら、再設計したレーザーとミラーのカスタム設計システムを用いることで、均一かつ、密度が高い硬化を可能にするそうです。
従来の方式に比べ、表面仕上げやディティールが更に向上するとあって、期待大です!
さらにレジンタンクも進化したものを採用。
これまでよりレーザーの剥離力を低減し、プリントの表面品質が改善されることに加え、サポートが取り外しやすくなるそうです。
ビルド・プラットフォームやレジンカートリッジはForm2で使用しているものと互換性があって、そのまま使えるみたいですね。(※Form3 Lは専用のビルド・プラットフォームを搭載)
オプション品である、造形物専用洗浄機「FormWash」、UV硬化機「FormCure」に関しても、同様に使うことができるようです。
すべて買替えると大変な値段になってしまうので、こういった互換性のある対応がされているのは嬉しいですね!
Form3の最大造形サイズは145×145×185mmで、今までのForm2と同じサイズになります。
従来の5倍サイズ! 待望の大型造形に対応する「Form 3L」
今回、Form3と同時に発表され、注目を浴びているのが「Form3 L」です。
製品名のとおり大型造形に対応した機種で、従来のFormlabs製品と比べると見た目からインパクトを受けます……!
最大造形サイズは、200mm×335mm×300mm。Form3の5倍ほどの造形サイズを実現します。
また、レーザー光源を2つ備えているため、大型の造形物であっても高速なプリントが可能なんだそうです。
Form3Lも、レジンカートリッジやオプション品については従来品との互換性があり、継続して使うことができるようです。
ビルド・プラットフォームは、大型のため、専用のものが搭載されます。
Formlabsが誇る高精度の造形が大型でも可能になるということで、かなりの需要が見込まれそうですね!
Form3/Form3Lの価格は?
気になる販売価格は、Form3が938,300円、Form 3Lが3,029,400円となっております。
Form3/Form3Lの特徴のまとめ
- 完璧なプリントを実現
モジュール式コンポーネントの Light Processing Unit(LPU)が、正確で高密度のレーザーを実現。
プリント精度がより正確で再現性のあるものに。 - サポートが更に除去しやすい
サポートのタッチポイントをより小さくすることで、簡単に除去できて、パーツ表面のなめらかさを保ちます。 - 造形安定性の向上
20 以上のセンサーを搭載し、造形を常時監視。安定したプリントパフォーマンスを維持します。 - 稼働時間が向上
アップグレード可能なモジュール式コンポーネントと失敗しにくい設計により、稼働時間の向上を実現。 - リモートプリント
オンライン Dashboard を通じてどこからでも3Dプリントが可能。
詳しくは、公開中のデモムービーをご覧ください!
Form3/Form3L用、新素材のドラフトレジン(Draft Resin)も登場
Formlabsは「Form3/3L」の発表に併せて、ラピッドプロトタイピングに最適な新素材「Draft Resin」のリリースを発表しました。
このドラフトレジン(Draft Resin)は、300ミクロンの層で積層するように設計されており、標準的な樹脂よりも3倍から4倍のスピードでプリントが可能になるそうです。
従来機であるForm2でも使用できる素材とあって、これから高速での造形に重宝すること間違いなしですね!