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産業用IoTを導入するための「6つのハードル」を乗り越えるには?!

こんにちは、三谷です。

企業でもIoTを活用して、様々なものを見える化し、これからの労働力減少に対応できる体制づくりが急務と言われています。

しかし、製造工場や物流倉庫等で活用される「産業用IoT」を導入する際には大きな6つのハードルが立ちはだかります。

どのようなハードルがあるのか、どうやったら乗り越えることができるのかを見てきましょう!

6つのハードル

IoTシステムというと非常に難しく、導入するには労力も費用もかかるイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか?

なぜそのようなイメージになるかというと、「IoT」という言葉で表現される技術が非常に広い意味を持っているためです。

1. センサーデバイス

IoTの仕組みを作る際、必要な知識やデバイスが多岐にわたります。

まずはモノから情報を得るためのセンサーデバイスの知識。
こちらは主にセンサーデバイスの制御や電子基板、組み込みプログラミングなどの知識が必要となります。

また、センサーデバイスや基板を格納するための外装などのハードウェア設計も必要になります。

これだけでも非常に大変ですね。

センサーデバイス

最近ではこのようなセンサーデバイスが各社から販売されているため、目的に応じて購入することで対応できます。

センサーデバイスでは、温度/加速度/角速度/音声/画像/映像/振動/位置情報のような情報を取得できます。

2. 通信

次にハードルとなるのが通信です。

工場内に置かれている機械や装置は配置が変わることも多々あり、すべての場所に有線の通信ができるようになっていることも少ないです。
そのため、モノに取り付けたセンサーデバイスからの情報を一元管理するために、無線などで飛ばす必要が出てきます。

こちらでは、通信規格や通信周波数帯などの知識が必要になります。
近接で良ければBluetoothやwifiのような通信でいいでしょうし、場所をまたがるような場合にはLPWA(Low Power Wide Area)と呼ばれる通信や3G、4Gなどの移動通信システムを使うことも検討する必要があります。

通信

こちらは最適な通信を選ぶ必要がありますが、IoT向けの通信が各通信会社から出始めています。
それらは1デバイスあたり月額10円程度からスタートできるものもあるため、非常に多くのモノをIoT化することが容易にできるようになってきています。

3. データ管理

続いて、収集したデータを一元管理するためのデータ管理が必要になってきます。

数年前までは、これらのデータをすべてクラウドで管理することで、いつでもどこでもデータが可視化でき、それらの情報を活用できるというのが主流でしたが、ここ2~3年でその様子も変わってきています。

その理由として、IoTシステムでは、多くのデバイスがクラウドにデータを送受信することが上げられます。
デバイスの数が増加するとクラウドへの接続回数やデータ量が増え、ネットワークの遅延によって処理が遅くなる場合が出てきました。

これを避けるために、エッジコンピューティングという考え方が出てきました。
現場に設置した処理能力の高いコンピューターで、できる限りデータ処理や分析を行うことで、より処理を早くすると同時に、現場が見たい情報にすぐにアクセスできるというメリットを得ることができます。

データ管理

また、エッジコンピューティングで処理されたデータは、最終的には生産管理や売上・営業管理などでも活用するために、クラウドに上げる必要が出てきます。

クラウドを現場のネットワークに近づけるために、複数台のエッジで分散処理を行うというフォグコンピューティング考え方も最近では注目されています。

4. データの可視化・分析

見落とされがちですが、データを収集して保存するだけでは求める効率化や可視化はできません。

ここで登場するのが「IoTプラットフォーム」です。
センサーデバイスから収集した各種データを整理し、可視化するために必要となってきます。

センサーデータをどのようなグラフで表現するのか、また、どのようなデータと比較をして表示させるのか、どのくらいの時間でデータを更新していくのか、そういったことは企業ごと、工場ごとで千差万別です。

そのため、各社に合わせたプラットフォームを構築する必要があり、この開発だけでも非常に長い時間とコストがかかってきます。

また、決まったものを何年も大量生産している時代ではなく、多品種少量生産が今後の当たり前の世界になってきています。

そんな時代に対応できるようにするためには、日々必要なデータは変わってくるはずです。

その変革に柔軟に対応するためにはIoTプラットフォームが不可欠なのです。

データの可視化・分析

出典:https://www.ptc.com/ja/products/iot/thingworx-platform

特に、産業用IoTで大きなシェアを持っているPTC社のIoTプラットフォームのThingWorxでは、誰でも簡単にデータの可視化ができ、柔軟に対応できる機能が備わっています。
興味のある方はこちらの記事も見てみてください。

5. AI

AI

こちらもおさえていきたいのが、収集したデータをどのように活用していくのか、ということです。
データは可視化するだけでは意味がなく、きちんと処理・分析し、問題点を見つけその対策をしていくことで初めて生産性は上がります。

生産性を上げるために最も重要なのがこのデータの分析で、ここにはAIの知識が必要になってきます。

AIというと難しく感じるかもしれませんが、オープンソースのプログラミング言語「Python」などを利用することで、無料で異常検知や画像認識のAIを構築することができるようになっています。

プログラミングが必要というとまたハードルが上がりますが、上述したThingWorxではこのデータ分析機能もついているため、簡単にAI・機械学習を利用してデータ分析を行えるようになっています。

6. アクチュエーター

最後に、IoTでは情報を吸い上げるだけでなく、その情報をもとに更に別のモノへの連携もできるようになっています。

一番利用されるのはアクチュエーターやモーターです。
処理されたデータを元に自動的に機械のパラメーターを調整したり、実際にモーターを動かして何かを制御したりということができるようになります。

これらを実現するためにはやはりハードウェア設計や電子部品の知識が必要になってきます。

アクチュエーター

この記事の概要目次

まとめ

このように、一言でIoTと言っても、センサーデバイス知識、通信知識、クラウドやエッジコンピューティング知識、IoTプラットフォームの知識、AIの知識、ハードウェアの知識など、非常に多くの知識が必要なことがわかります。

これらをすべてクリアして最適なIoTシステムを構築することは、時間もお金もかかる大きなプロジェクトになると思います。

しかし、完璧でなくてもまずはIoT化を進めないといけません。
IoT・AIをはじめとする最新技術は確実に日々進化をし、気づいた頃には活用しているのが当たり前の世界になってきます。

IoTセミナーでは、これらの各項目について整理し、実際に手を動かして理解していただくことで、IoTプロジェクトを少しでも早く活用するポイントを抑えていただけます。
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