facebook

【Fusion 360応用テクニック】リバースエンジニアリング編 チュートリアル

こんにちは、株式会社VOSTの三谷です。
前回の「シミュレーション編」に引き続き、Fusion 360の応用テクニック第三弾として、Fusion 360のリバースエンジニアリング機能をご紹介します!

リバースエンジニアリングとは

リバースエンジニアリングとは、市販の工業製品、ハンドメイドの作品、設計図が残っていない古い部品などをもとに測定し、再度同じものを作り上げる手法です。

3次元測定器や3Dスキャナーの精度が向上してきてはいますが、スキャンデータは点群(メッシュ)データであることが多く、ノイズの除去などの後処理が必要なことから、広く普及はしていませんでした。

通常はCADでメッシュデータを修正することはできませんが、Fusion 360はメッシュの修正機能やCADで扱えるNURBS曲面に変換する機能を持っているため、リバースエンジニアリングを実現することができます。

では、以下のハンドメイドで作られた木型で実際の流れをご紹介します。

リバースエンジニアリングとは

スキャンする

Fusion 360にメッシュデータとして、インポートするために木型をスキャンします。

スキャン

今回はSenseというスキャナーを使ってスキャンしました。
Senseは金額が¥55,000(税抜)と安価なのでパーソナルユースにオススメのスキャナーです。
スキャンしたデータはSTLデータ(.stl)として保存します。

作業スペースを「メッシュ」に切り替え

まずは「アカウント名」-「基本設定」で[プレビュー]の「メッシュ作業スペース」を有効にします。
※作業スペースを「メッシュ」に切り替えるためには、メッシュ作業スペースを有効にする必要があります。

作業スペースを「メッシュ」に切り替え

作業スペースを「メッシュ」に切り替え

以下のようなメッセージが出たら<次回からサインアップ>を選択し、で確定します。

<次回からサインアップ>を選択し、で確定

Fusion 360の[作成]-[メッシュを作成] でメッシュ作業スペースへ移動します。

[作成]-[メッシュを作成] でメッシュ作業スペースへ移動

メッシュ作業スペースへ移動するとメニューも切り替わります。

メニュー

データをインポート

[作成]-[メッシュのインポート]を選択し、スキャンしたSTLデータを取り込みます。

データをインポート

データをインポート

メッシュデータの修正

[修正]-[再メッシュ]でメッシュのサイズを調整します。

メッシュデータの修正

メッシュモデルをダブルクリックしを選択します。

メッシュデータの修正

再メッシュすることで、メッシュを均一に整えることができるため、今後の作業をしやすくなります。

また、今回スキャンしたデータには面の欠落がありませんが、挿入したメッシュデータに穴が空いている場合は、[修正]-[削除と塗りつぶし]で穴の塗りつぶしや、選択したメッシュを置き換えることができます。

メッシュの修正が終わったら[メッシュを完了]を選択します。

メッシュを完了

メッシュデータをCAMで利用する

ワークから[CAM]を選択しCAM作業スペースへ移動します。

メッシュデータをCAMで利用する

[セットアップ]-[セットアップ]で①座標を計算するための原点と②材料のサイズを設定します。

サイズを設定

黄色の形状が材料のサイズになります。

サイズを設定

[3D]-[負荷制御]で荒取りのツールパス作成を行います。

ツールパス作成

ツールパス作成

このように、スキャンしたメッシュデータを使ってツールパスを作成することができます。
これにより、ハンドメイドで作った木型をもとに、CNCを使って金属を削ることで金型の作成が容易になります。
CAM機能の詳しい使い方は以前の記事「【Fusion 360応用テクニック】CAM編」を参照してみてください。

また、スカルプト機能の[修正]-[プル]を利用することで、面をメッシュモデルに貼り付けることができるため、CADデータとして利用することも可能です。

スカルプト機能

スカルプト機能

スカルプト機能

みなさんもリバースエンジニアリングでものづくりの新しいステップにチャレンジして下さい!

最新情報をチェックしよう!