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Fusion 360と3Dプリンターを活用してルアーやミニ四駆を製作

Fusion 360の活用事例を紹介するこちらのコーナー。
第10回目は、3Dプリンターを活用して、ルアーやミニ四駆を製作されている斉藤弘太氏にお話を伺いました。

斉藤弘太氏

3Dプリンターを活用してルアーやミニ四駆を製作されている斉藤弘太氏

ルアー製作に出会わせてくれたFusion 360

斉藤氏は、釣り具メーカーからの依頼を受けて設計を行ったり、地元のFab施設で3D CADの講師を務めている傍ら、趣味として3Dプリンターを活用し、ルアーやミニ四駆の製作を行っています。
またキャドマイスター斉藤として、キャド研ライターとしても活躍されています。
以前から釣りを趣味としていた斉藤氏は、ルアーを自作したいと考えていましたが、ルアーを設計できる高機能な3D CADは価格面でのハードルが高く、製作を断念していたといいます。
しかし、2016年の春、Fusion 360と出会ったことがきっかけで、ルアー製作を始めることができたのです。

斉藤氏
前職では、Vectorworksという建築系3D CADを使って、釣り竿などの設計をやっていました。
私はルアーが好きだったので、ルアーを設計できないかなと思っていたんです。
けれど、ルアーのような有機的なデザインは建築系3D CADだと難しく、何度かトライしたんですけどできずに諦めていました。
ですが、2016年にFusion 360を知り、スリプリの三谷さんのFusion 360の講習を受けました。
これなら、ルアーを作れるという確信と感動を得たので、すぐにルアー制作を始めました。

ルアーの図面

斉藤氏がFusion 360を使って設計したルアーの図面

講習を受けてFusion 360をマスター!

斉藤氏は、Fusion 360とFDM方式の3Dプリンターを使用し、念願のルアーやミニ四駆のボディ作りを開始しましたが、当初は思い通りの結果が得られず苦労したそうです。
そこで、大きな助けとなったのが、Fusion 360の講習だったといいます。

斉藤氏
まず、Fusion 360をマスターするために講習を何度か受けました。
とにかく自分でモデリングをして、分からないところは質問しての繰り返しですね。
いろいろな3Dプリンターを使ってきていますが、3Dプリンターによって癖が違うので、その癖を見極めてそれに合わせてモデリングを修正していくことがポイントです。

フィラメントの材質としては、最初はPLA樹脂を利用したそうですが、今は後加工がしやすいABS樹脂を利用しているそうです。
また、作り方も3Dプリンターの特性に合わせた工夫を行っているといいます。

斉藤氏
一般的な積層タイプの3Dプリンターでルアーを作るとき、普通は半分ずつ作りはめ合わせます。
ですが、それをやってしまうと、反りが出たり、後ではめ合わせるときにうまく合わなかったりしてしまうのです。
なので、私の場合は、中を空洞にした立体として作って、後から重りを入れる、というやり方で作っています。
また、3Dプリンターでは、かっちり形が出ないところはレーザーカッターを使っています。

ルアーやミニ四駆のボディ

斉藤氏がFusion 360と3Dプリンターを活用して製作したルアーやミニ四駆のボディ

お気に入りはルアー製作に最適なスカルプトモード

斉藤氏がFusion 360で特に気に入っているところは、「スカルプトモード」で有機的なものを直感的にモデリングできるところだといいます。
また、Fusion 360のレンダリング機能も活用して、レンダリングしたルアーのCG画像も作成しているとのこと。
その他に、斉藤氏がルアー以外に作っているものとしてはミニ四駆があります。

今後は、3D-GANのミニ四駆のオリジナルボディを作る講座の講師も担当する予定で、Fusion 360を使ったルアー製作講座も検討中だといいます。

ミニ四駆のオリジナルボディ斉藤氏がFusion 360でモデリングして作ったミニ四駆のオリジナルボディ

作り方を世に広めたい一心で公開している製作ブログ

斉藤氏は、3Dプリンターでのルアーの製作過程や、製作時のポイントなどを一般に公開していきたいそうです。
その理由は、3Dプリンターでのルアー製作をもっと世の中に広めていきたいからだといいます。

実際に斉藤氏を見て、ルアー作りを始めた方もいらっしゃいます。
そして今後は、ZBrushを使ったフィギュア作りにも挑戦したいとも語ります。

斉藤氏
ソフトに関してはFusion 360で十分満足しています。
ZBrushを持ってはいるのですが、まだ使っていないので、次はフィギュア製作をやりたいなと思っています。
例えば、かっちりとした部品をFusion 360で作り、素体のほうをZBrushで作って組み合わせて、という感じですね。

今後はCNCを使ったものづくりにも挑戦

また、斉藤氏は、CNCにも挑戦したいと語ります。
Fusion 360には、CNCを制御するためのCAM機能が搭載されているので、Fusion 360でモデリングすれば、他のソフトを使わずにそのままCNCで削り出すことができます。

斉藤氏
CNCも使えるようになるとまたいいですよね。
削りができるようになると、型を作ったりすることもできますので。
近々、CNCの講習があるので、受けに行きたいと思っています。

最後に、3Dプリンターを使って、趣味に関連するモノを作ってみたいと考えている人へのアドバイスをいただきました。

斉藤氏
まずは何でもいいので、とにかく立体物を作ってみて下さい。
それから、エバンジェリストの藤村さんのような、上手な人のFacebookやTwitterなどで、実際にこういうものができるんだっていうのを見るといいと思います。
僕もそういう達人の作例を見て鼓舞されているところがありますので。
また、Fusion 360はコミュニティがしっかりしているところも魅力です。
分からないことがあったらコミュニティで尋ねると、すごいレスポンスで返ってくるので、どんどん活用していくのが良いと思います。
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